5月29日のニュース
2年半振りの国内代表戦はブルネイに快勝
U23アジアカップのU23代表最終メンバー23名発表

2年半振りの国内代表戦はブルネイに快勝

昨日5月27日にブキ・ジャリル国立競技場でマレーシア代表対ブルネイ代表の試合が行われ、FIFAランキング154位のマレーシアが同191位のブルネイを4ー0で破っています。

2019年11月19日のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選のインドネシア戦以来、およそ2年半振りに開催されたマレーシア国内での代表は、今年2月に就任したキム・パンゴン監督の国内初試合でもありました。(マレーシア代表は3月にフィリピン、シンガポールの両代表と対戦していますが、試合はシンガポールで開催されています。)

来月6月8日から始まるAFC選手権アジアカップ2023年大会の最終3次予選に先立つこの日の試合の相手は、当初はFIFAランキング152位のミャンマーと発表されていましたが、いつの間にかブルネイに変更されていました。(ちなみにミャンマーはこの日、マレーシアがアジアカップ3次予選で対戦するバーレーンと試合を行い、0-2で敗れています。)

キム監督の国内デビューということで、先発XIの顔ぶれに注目が集まりましたが、この日の先発メンバーは以下の通りでした。

GKカイルルアズハン・カリド(スランゴール)
DFディオン・クールズ(SVズルテ・ワレヘム-ベルギー1部)
DFジュニオール・エルドストール(チョンブリーFC-タイ1部)
DFクザイミ・ピー(ヌグリスンビラン)
MFシャーミ・サファリ(JDT)
MFシャマー・クティ・アバ(JDT)
MFサフィク・ラヒム(JDT)
MF V・ルヴェンティラン(PJシティ)
FWモハマドゥ・スマレ(JDT)
FWシャフィク・アフマド(クダ)
FWファイサル・ハリム(トレンガヌ)

今回、代表合宿初参加となった20歳のV・ルヴェンティランがいきなり先発した他、ケガから復帰したジュニオール・エルドストール、そしてディオン・クールズの海外組もキム監督となって初先発を果たしています。またキム監督就任以来、代表に復帰しているサフィク・ラヒムが2018年以来となる主将を務めました。

試合自体は開始からマレーシアがブルネイを圧倒し、4~0のスコア以上にマレーシアの圧勝で、むしろ4点しか取れなかったことが課題として浮き彫りになった感があります。さらに言えば、終始選手の顔から笑顔が絶えないような試合をしても勝てるブルネイを相手にしかマッチメイクできなかったマレーシアサッカー協会FAMに非難の声が上がっても良さそうなところですが、そう言った声は聞こえてきません。

アジアカップ予選前の最後の練習試合として来週5月30日には香港代表との試合も組まれています。キム監督がかつて指揮を取った香港はFIFAランキング147位とマレーシアとほぼ同じランキングのチームですが、そう言った相手に今日と同じような余裕を持った試合運びができるのかどうかに注目が集まりそうです。

5月27日(金)
国際親善試合@ブキ・ジャリル国立競技場(クアラルンプール)
マレーシア4-0 ブルネイ
⚽️マレーシア:シャフィク・アフマド(18分)、シャマー・クティ・アバ(45分)、ファイサル・ハリム(58分)、ギリェルメ・デ・パウラ(83分PK)
(以下はこの試合の先発メンバーと試合のハイライト映像。映像はアストロアリーナの公式YouTubeより)

U23アジアカップのU23代表最終メンバー23名発表

マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で、来月6月1日にウズベキスタンで開幕するAFC U23アジアカップに出場するU23代表の最終メンバーを発表しています。

マレーシアU23代表は先日、ベトナムで開催された東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場し、準決勝でベトナムに敗れ、3位決定戦ではインドネシアにも敗れて4位となっています。U23代表のブラッド・マロニー監督は、シーゲームズから帰国後のU23代表候補合宿では、A・セルヴァン(ヌグリスンビラン)ら複数の選手を合宿に参加させていましたが、最終的にはシーゲームズに出場した20名と大会で新型コロナ感染者が出た場合に備えて予備登録だった3名を最終メンバーとして発表し、新たな選手は招集しませんでした。

メンバー発表後には、ラマダン・サイフラー、ナサニエル・シオ・ホンワン(いずれもJDT)を推す声なども上がりましたが、マロニー監督は、これまで数年に渡って一緒にプレーしてきた現有戦力で大会に臨むことが最善と考えているとコメントしています。

マレーシアはこの大会ではグループステージC組で前回2020年大会優勝の韓国、先日終了した東南アジア競技大会通称シーゲームズ優勝のベトナム、準優勝のタイと同組となっています。試合日程は初戦となる6月2日に韓国(キックオフ午後9時-マレーシア時間)、6月5日にタイ(同午後11時)、6月8日にベトナム(同午後9時)となっています。なおこの大会では、各組の上位2チームがノックアウトステージとなる準々決勝(6月11日および12日)に進みます。また準決勝は6月15日、決勝は6月19日に予定されています。

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オーバーエイジ選手3名の出場が認められているシーゲームズでは各国がその枠を活用して勝利を挙げた一方で、あえて、U23の選手だけで大会に臨んだマレーシア。東南アジア各国が必死にメダルを取りに行く中で、シーゲームズはあくまでもU23アジアカップへの過程として臨んだ結果は4位でして。U23アジアカップのグループステージでは、シーゲームズでも対戦したタイ、ベトナムと同組となっていますが、グループステージ突破を目標とするマレーシアは、まずこの両国との対戦で、特にベトナムに対してシーゲームズの借りを返せるかどうかにかかっていると言えそうです。

以下が今回発表されたU23代表23名です。

ポジション氏名年齢所属
MF#ムカイリ・アジマル21スランゴール
DF#*ジクリ・カリリ20スランゴール
DF#アズリン・アフィク20スランゴール
DF#クエンティン・チェン23スランゴール
DF#*ハリス・ハイカル20スランゴール
FWダニアル・アスリ22スランゴール
FWシャヒル・バシャー21スランゴール
DF#*ファイズ・アメル19スランゴール2
MF#ニック・アキフ23トレンガヌ
DF#アザム・アズミ21トレンガヌ
MF#シャフィク・イスマイル22トレンガヌ
DF#ハイリー・ハキム22トレンガヌ
GKラーディアズリ・ラハリム21トレンガヌ
MF*ヌル・アズファル22トレンガヌII
FWサフアン・マズラン20トレンガヌII
MF#ウマル・ハキーム20JDT II
MF#*シャフィ・アズスワド21JDT III
GK#アズリ・アブドル・ガニ23KLシティ
FW#ルクマン・ハキム20KVコルトレイク(ベルギー1部)
FW#アイマン・アフィフ21クダ
DF*ウバイドラー・シャムスル19FAM-MSNプロジェクト
FWハディ・ファイヤッド22アスルクラロ沼津
GK*フィルダウス・イルマン21PDRM
#は昨年10月のAFC U23アジアカップ予選の出場メンバー、*は今年2月のアセアンサッカー連盟AFF U23選手権の出場メンバー

5月27日のニュース
FIFAによるペラへの制裁は未だ解除されず
スリ・パハンの前監督はフィリピン代表監督に復帰
ノア・レインはパスポート取得が間に合わずU23代表招集は見送りか

今日はA代表がおよそ3年ぶりとなる国内での代表戦でブルネイと対戦します。キム・パンゴン監督の国内デビューともなるこの試合は、来月、クアラルンプールで開催されるAFC選手権アジアカップ2023年大会最終予選の準備の一環として行われます。キム監督率いる新生マレーシア代表がサポーターのハートを掴めるのかに注目です。

FIFAによるペラへの制裁は未だ解除されず

Mリーグ2部プレミアリーグは今日から第9節となりますが、テレコミュニケーション企業のXOX社が新たにオーナーとなったペラに対してFIFAが科している制裁措置は未だ解除になっていないと、マレーシア語紙ウトゥサン・マレーシアが報じています。

選手や監督、コーチへの未払い給料問題により、新たな選手獲得禁止処分をFIFAより科せられているペラは、新たなオーナーのXOX社が在籍選手に関しては未払い給料を完済していますが、かつて在籍した外国籍選手への未払い給料の支払いが終わっていないことから、FIFAの制裁が解除されていないということです。

さらにXOX社は給料未払いとなっているかつて在籍した外国籍選手の正確な未払い額を把握できておらず、現在は各選手の代理人に問い合わせをしている最中であるとウトゥサン・マレーシアの記事では説明される一方で、今月5月28日から6月24日までのトランスファーウィンドウ期間が終了するまでには、未払い問題が解消され、新たな選手の補強が可能になるだろうという関係者の話も併せて伝えています。

また新たなオーナーとなったXOX社は、現在、プレミアリーグ最下位で勝点マイナス6となっている現場の再建を優先し、新たなCEOなどの任命は現在の最優先事項ではないと考えていることも報じています。

スリ・パハンの前監督はフィリピン代表監督に復帰

昨季2021年シーズンにMリーグ1部スーパーリーグのスリ・パハンの監督に就任しながら、わずか2試合で「休養」となったトマス・ドゥーリー氏がフィリピン代表の監督に復帰すると、フィリピンの英字紙デイリー・インクワイアーが報じています。

元アメリカ代表として2度のワールドカップにも出場しているドゥーリー氏は2014年から2018年までフィリピン代表監督を務めており、今回は4年ぶりの復帰となります。

フィリピン代表監督復帰を自身のFacebookで公表したドゥーリー氏は、来月6月8日からモンゴルで開催されるAFC選手権アジアカップ最終予選を前に辞任したスコット・クーパー前監督を引く継ぐ形での就任となりました。

ドゥーリー氏は前回、監督を務めた際にはフィリピン代表をアジアカップ2019年大会本戦出場に導いていますが、本戦前には契約が延長されませんでした。(フィリピンサッカー協会はその後、元英国代表の主将を務めたテリー・ブッチャーの監督就任を発表も、最終的には元英国代表監督なども務めたスヴェン・ゴラン・エリクソンが本戦で指揮を取っていますが、韓国、中国、キルギスと同組のグループステージでは0勝3敗で敗退しています。)

ノア・レインはパスポート取得が間に合わずU23代表招集は見送りか

東南ジア競技大会通称シーゲームズに出場したU23代表合宿に参加したものの、選手登録が間に合わず大会出場はならなかったのが、フィンランド出身で、父親がマレーシア人のノア・レイン(SJK-フィンランド1部)でした。

来月6月に開催されるAFC U23アジアカップに向けて、U23代表は今週日曜日5月29日に開催地となるウズベキスタンへ向けて出発しますが、レイン選手は未だマレーシアパスポートが取得できておらず、U23アジアカップへの出場は難しそうだと、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。

ベトナムでシーゲームズから戻ったU23代表は、U23アジアカップに向けて合宿中ですが、シーゲームズ前にケガで代表合宿を離脱したA・セルヴァン(ヌグリスンビラン)とノア・レインもこの合宿に参加しています。

U23代表のブラッド・マロニー監督はレイン選手の合宿でのプレーぶりを評価していると話す一方で、パスポートの取得に時間がかかっていることを認め、U23アジアカップには参加できない可能性が濃厚だと話しているということです。

U23アジアカップのグループステージC組のマレーシアは、韓国、そしてシーゲームズでも対戦したベトナム、タイと同組になっており、6月2日は韓国、5日にタイ、そして8日にベトナムと対戦します。

5月18日のニュース
アジアカップ最終予選に向けた代表候補29名が発表-そのうち14名はJDTから
トランスファーウィンドウ期間に退団しそうな選手をMリーグが名指し

アジアカップ最終予選に向けた代表候補29名が発表-その内14名はJDTから

マレーシアサッカー協会FAMは公式サイトなどで、AFC選手権アジアカップ2023年大会最終予選に向けた代表候補合宿参加選手29名と予備候補選手11名を発表しています。

今週金曜日5月19日から始まる合宿は、6月8日から始まるアジアカップ最終予選、そしてその前哨戦として予定されている、キム・パンゴン監督国内デビューとなる5月27日のブルネイ戦(注:ミャンマー戦から変更されたようです)、そして6月1日の香港戦に向けて開催されます。

開幕まで1年に迫りながら、新型コロナ蔓延を理由に中国が開催権を返上し、現時点ではどこで行われるのかが決まっていないアジアカップですが、このアジアカップ最終予選でE組に入っているマレーシアは、6月8日にトルクメニスタン、6月11日にバーレーン、そして6月14日にはバングラディシュと対戦し、このE組1位がアジアカップ本戦に出場します。

今年3月にシンガポールで開催された3カ国対抗で初めてマレーシア代表の指揮を取ったキム監督ですが、今回発表された代表候補は、その時のメンバー25名中20名が招集されています。外れた5名はDFアイディル・ザフアン(JDT)、FWラマダン・サイフラー(JDT)、FWザフリ・ヤハヤ(KLシティ)と、現在、ベトナムで開催中の東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場中のFWルクマン・ハキム(KVコルトレイク- ベルギー1部)とDFクェンティン・チェン(スランゴール)です。

なおアイディル、ラマダン、ザフリの3選手は今回、同時に発表された予備候補選手11名のリストに含まれています。またルクマンとチェン両選手は、6月1日に開幕するAFC U23アジアカップに出場が予想されることから、今回のメンバーから外れていると思われます。

また、今回キム監督が就任後に初めて招集した9名は、DFマシュー・デイヴィーズ、MFアフィク・ファザイル、FWギリェルメ・デ・パウラ、MFナズミ・ファイズ(以上JDT)、GKシャイハン・ハズミ(ヌグリスンビラン)、DFジュニオール・エルドストール(チョンブリーFC-タイ1部)、FWノーシャルル・イドラン・タラハ(マラッカ・ユナイテッド)の他、3カ国対抗出場の代表候補に選ばれながら、新型コロナ感染で辞退したダレン・ロック(PJシティ)、妻の出産で辞退したシャーミ・サファリ(JDT)となっています。

なお今回の代表候補合宿参加の29名はブルネイ、香港との国際親善試合後に、アジアカップ最終予選出場の23名に絞り込まれる予定になっています。

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今回のメンバーは、昨年末のスズキカップグループステージ敗退の責任を取って辞任したタン・チェンホー前監督時代の顔ぶれと大きく変わらず、キム監督のカラーが見えない顔ぶれで、新戦力を期待するサポーターの中からは失望の声も一部では上がりました。特に所属するJDTではほとんど出番がないギリェルメ・デ・パウラや、そのJDTでも出番がないことから期限付き移籍を続けるリリドン・クラスニキの両帰化選手(マレーシア国内リーグで5年連続してプレーしたことでマレーシア国籍を取得した選手)を選んでいる点については、このメンバーが発表になった際には疑問の声もネット上で散見されました。

U23代表のクェンティン・チェンやMFムカイリ・アジマル(スランゴール)、FWルクマン・ハキムらは、アジアカップ最終予選が、U23アジアカップの開催時期と重なっていなければ、キム監督が代表に呼びたかった選手かも知れません。いずれにせよ、アジアカップ本戦出場は期待は高まっているものの、容易ではないことはサポーターも理解しているのでこの最終予選を突破できなくとも、直ちにキム監督解任の声は上がらないでしょう。それでもベトナム、タイに大きく差をつけられた現状の中、今後に希望を持たせるような戦いぶりは見せてもらいたいものです。

代表候補合宿参加者リスト

ポジション氏名年齢所属
GKファリザル・マーリアス36JDT
DFシャーミ・サファリ24JDT
DFシャールル・サアド29JDT
DFラヴェル・コービン=オン31JDT
MFシャマー・クティ・アバ 25JDT
MFナズミ・ファイズ28JDT
MFサフィク・ラヒム35JDT
FWアリフ・アイマン20JDT
FWサファウィ・ラシド25JDT
FWアキヤ・ラシド23JDT
FWモハマドゥ・スマレ28JDT
DFマシュー・デイヴィーズ27JDT
MF アフィク・ファザイル28JDT
FWギリェルメ・デ・パウラ36JDT
GKカラムラー・アル=ハフィズ27PJC
FWコギレスワラン・ラジ24PJC
FWダレン・ロック32PJC
DFカイル・ジョーンズ33NSE
DF クザイミ・ピー29NSE
GKシャイハン・ハズミ26NSE
FWファイサル・ハリム24TER
GK.カイルルアズハン・カリド33SEL
FWシャフィク・アフマド27KDA
DFドミニク・タン25SAB
MFアザム・アジー27SRP
DFディオン・クールズ26ズルテ・ワレヘム
MF リリドン・クラスニキ30オディシャ
DFジュニオール・エルドストール31チョンブリー
FW. ノーシャルル・36MEL
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TER-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド またズルテ・ワレヘムはベルギー1部、オディシャはインドスーパーリーグ、チョンブリーはタイ1部のクラブ

予備候補選手リスト

ポジション氏名年齢所属
DFアイディル・ザフアン35JDT
FWラマダン・サイフラー22JDT
MFナチョ・インサ36JDT
DF シャルル・ナジーム23SEL
FWシャーレル・フィクリ28SEL
FWザフリ・ヤハヤ28KUALA LUMPUR CITY FC
MFセルヴァン・アンブアラガン22NSE
GKカトゥル・アヌアル25PEN
DF リザル・ガザリ30SAB
FWシャミー・イスズハン27SWU
DFアリフ・ファジラー26TER
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TER-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド
トランスファーウィンドウ期間に退団しそうな選手をMリーグが名指し

アジアカップ予選やU23アジアカップなどがあることから、Mリーグ1部スーパーリーグは5月17日と18日の第9節が終わるとおよそ1ヶ月ほどの中断期間に入ります。これに合わせてMリーグの今年2度目の移籍期間トランスファーウィンドウも今月5月28日から6月24日まで設定されています。リーグ前半は不調であったクラブの中には、新戦力を獲得して後半の巻き返しを図るチームもあるでしょう。そんなとき、手っ取り早いのは外国籍選手の入れ替えです。現在、在籍している外国籍選手が期待通りの働きをしない、あるいはチームの戦術に合わない、あるいはチーム不振の原因を外国籍選手に責任転嫁、など理由は色々あるでしょうが、このトランスファーウィンドウ期間中にMリーグを去る選手も1人、2人ではないはず。

そんな中、Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLの公式アプリであるShoot!が「トランスファーウィンドウで退団しそうな外国籍選手5名」という見出しの記事を掲載しています。こんな記事をリーグ運営者が公式アプリに掲載するのはどうなの?とは思いますが、分析は至って客観的に行われているので、その記事の内容をかいつまんで紹介します。

「トランスファーウィンドウで退団しそうな外国籍選手5名」
1. コッシ・アデトゥ(ヌグリスンビラン)-26歳/FW/ガーナ
 この選手は今季ここまでわずか1ゴールしか挙げておらず、快進撃を続けるヌグリスンビランは、アタッカーのこの選手ではなく、ディフェンダーながらチームの得点王エラルド・グロンを中心とするチームになっている。
 チームサポーターからこの選手の名が挙げることも少なくなっている。さらに、直近のJDT戦でも、キーパーと1対1となった得点機を逃すなど、この選手がチームに必要かどうかの議論は止まらない。
*ボラセパマレーシアJP評
JDT戦では0-0で試合終盤まで粘ったヌグリスンビランが、このコッシ選手が試合終了間際に訪れた絶好の得点機を逃した後、ロスタイムに失点してJDTに敗れています。王者JDTとの引き分けていれば、無敗記録が続くだけでなく、リーグ上位も狙える可能性が高くなっただけにその失望も大きかったといえます。開幕前は北キプロスリーグでは28試合で26ゴールを挙げたストライカーという触れ込みでしたが、その片鱗を見せることなく、チームを去る可能性があります)

2. デニス・ブシェニング(クダ)-31歳/FW/タイ
 この選手は開幕から2試合出場した後、アキレス腱負傷による手術を受け、完治6ヶ月の診断を受けている。現在の苦しいチーム事情を考えると、この選手をクダが契約し続ける利点はない。さらに昨季はMリーグ2部プレミアリーグのサラワク・ユナイテッドでプレーし、かつてはクダでもプレー経験があるたサンドロ・ダ・シルヴァの獲得が噂され、またアイディル・シャリン監督もこのブシェニングの処遇について経営陣と話し合う予定があることを明らかにしていることから、2季連続リーグ2位のチームにこの選手が戻ることはなさそうだ。
*ボラセパマレーシアJP評
 Mリーグ3季目のブシェニング選手は、クパー・シャーマン、チェチェ・キプレの両FWが同じMリーグ1部スーパーリーグのトレンガヌに移籍した穴を埋める期待がされていましたが、完治6ヶ月ではリーグも終わってしまいますので、残留は難しそうです。

3. ケヴィン・クベンバ(KLシティ)-29歳/FW/コンゴ共和国
 外国籍FWの獲得に関して言えば、近年のKLシティは最も失敗しているクラブと言える。ボヤン・ホダック監督はこの選手に何度も機会を与え続けているが、それに応えることはできておらず、また今季は未だ1ゴールしか挙げられておらず、チームが他のフォワードに頼らなければならない状況を考えると、今後の残留はKLシティの財政状況次第となるだろう。
*ボラセパマレーシアJP評
 昨季は前年トレンガヌでプレーしたドミニク・ダ・シルヴァを獲得したものの、6試合で3ゴールしか挙げられなかったことからシーズン半ばで契約解除したKLシティでしたが、代わりに獲得したキリアン・ヌワブエズが1試合出場しただけで膝前十字靱帯ACL損傷、その後のシーズンを棒に振るなどフォワード獲得がことごとく失敗しています。また給料遅配が明らかになっているクラブに、クベンバ選手に代わる選手を獲得する資金があるかどうかも不明です。

4. マフムード・ザアタラ(スリ・パハン)-31歳/FW/レバノン
 FAカップのFAM-MSNプロジェクト戦では2ゴールを挙げているものの、リーグ戦はここまでわずか1ゴール、しかもそれがPKでは残留が難しいだろう。
*ボラセパマレーシアJP評
 スーパーリーグは外国籍選手5名(内アジア枠1名、アセアン東南アジア枠1名)の登録が可能な中、GKママドゥ・サマサ(マリ)が在籍するスリ・パハンは、残る4名のフィールドプレーヤーに求められるものは大きく、元ヨルダン代表とは言え、2勝1分4敗という今季のチーム成績を考えると、その期待に応えられていないザアタラ選手は厳しい立場にいます。

5. フランシス・コネ(サラワク・ユナイテッド)-31歳/FW/トーゴ
 外国籍フォワードとしては期待外れに終わっているこの選手は、FAカップも含めると今季は10試合で3ゴールを挙げているものの、その内2ゴールはPKであり、それにはFAカップで3部のクラブを相手にあげたものも含まれている。
 今季Mリーグ3季目ながら、KL、ヌグリスンビランといずれも1シーズンで退団しているだけに、サラワク・ユナイテッドでのプレー期間も残り少なくなっている可能性がある。
*ボラセパマレーシアJP評
 当時2部プレミアリーグにいたKLで2020年シーズンにプレーした際にはチーム最多の7ゴールを挙げ、クラブの1部昇格に貢献し、昨季プレーしたヌグリスンビランでも出場8試合で5ゴールを挙げ、やはりプレミアリーグから1部スーパーリーグへの昇格に貢献しているコネ選手。プレミアリーグの実績は悪くないものの、そこから読み取れるのは、コネ選手はプレミアリーグでは通用しても、スーパーリーグでは通用しない選手ということかも知れません。

5月10日のニュース
来月6月のアジアカップ予選のチケット販売の詳細が発表-3000円で6試合の観戦が可能に
東南アジア競技大会グループステージ第2節-タイとカンボジアが快勝でB組は混戦に

来月6月のアジアカップ予選のチケット販売の詳細が発表-3000円で6試合の観戦が可能に

マレーシアサッカー協会FAMは、来月6月にクアラルンプールで開催される、AFC選手権アジアカップ2023年大会最終予選のチケットについての詳細を発表しています。

マレーシア代表は、クアラルンプールのブキ・ジャリル国立競技場で6月19日から26日まで開催されるAFC選手権アジアカップ2023年大会最終予選E組でバーレーン、トルクメニスタン、バングラディシュと対戦し、来年2023年6月に中国で開催される本大会の出場を目指します。

FAMが今回発表したのは、このアジアカップ予選の全6試合をオープンスタンドで観戦できる「100リンギコンボチケット」で、この100リンギ(およそ3000円)のチケットです。販売は今月5月16日から29日までの2週間限定で、購入はMリーグのチケットなども販売しているオンラインチケットサイトのtickethotline.com.myで可能となっています。

この「100リンギコンボチケット」では、6月8日(水)のバーレーン対バングラディシュ戦とトルクメニスタン対マレーシア戦、6月11日(土)のバングラディシュ対トルクメニスタン戦とマレーシア対バーレーン戦、そして6月14日(火)のバーレーン対トルクメニスタン戦とマレーシア対バングラディシュ戦の全6試合が観戦可能となります。

各日ごとのチケットの購入も可能で、1日2試合のチケットが40リンギ(およそ1200円)ということですので、「100リンギコンボチケット」を購入すると20%安くなっています。

なお「100リンギコンボチケット」ではバックスタンドでの観戦になりますが、メインスタンドのチケットは1日2試合が60リンギ(およそ1800円)に設定されており、こちらはコンボチケットは発売しないということです。バックスタンドとメインスタンドの1日チケットも5月16日からオンラインで購入可能となります。

新型コロナウィルスの国内新規感染者数が1000名から2000名の間で推移しているマレーシアでは、スポーツ施設などの入場者数制限が撤廃されて、このコンボチケット効果でブキジャリルが収容者数いっぱいの8万7000名になる可能性もありそうです。

またこのアジアカップ予選前哨戦とも言える国際親善試合が5月27日のミャンマー戦、6月1日の香港戦と2試合、いずれもブキ・ジャリル国立競技場で予定されています。この国際親善試合はキム・パンゴン監督就任以来、初の国内試合となりますが、こちらについてはバックスタンド、メインスタンドの区別なくチケットは一律で大人30リンギ(およそ900円)、子供7リンギ(およそ210円)となることも発表されています。

東南アジア競技大会グループステージ第2節-タイとカンボジアが快勝でB組は混戦に

東南アジア競技大会2021年大会
グループステージB組 第2節
5月9日(月)
ティエンチュオン・スタジアム(ナムディン-ベトナム)
ラオス 1-4 カンボジア
シンガポール 0-5 タイ

東南アジア競技大会2021年大会 グループステージB組 順位表(第2節終了時)

チーム得失差勝点
1タイ21016243
2カンボジア11004133
3マレーシア11002113
4ラオス201136-31
5シンガポール201125-51

東南アジア競技大会2021年大会 グループステージA組 順位表(第2節終了時)

チーム得失差勝点
1フィリピン21104044
2ベトナム21103034
3ミャンマー11003213
4インドネシア100103-30
5東ティモール200227-50

東南アジア競技大会2021年大会 グループステージ日程と結果

5月6日(金)
フィリピン 4-0 東ティモール、ベトナム 3-0 インドネシア
5月7日(土)
ラオス 2-2 シンガポール、タイ 1-2 マレーシア
5月8日(日)
東ティモール 2-3ミャンマー、ベトナム 0-0 フィリピン
5月9日(月)
ラオス 1-4 カンボジア、シンガポール 0-5 タイ
5月10日(火)
ミャンマー対フィリピン、インドネシア対東ティモール
5月11日(水)
カンボジア対シンガポール、マレーシア対ラオス
5月13日(金)
フィリピン対インドネシア、ミャンマー対ベトナム
5月14日(土)
シンガポール対マレーシア、タイ対カンボジア
5月15日(日)
インドネシア対ミャンマー、東ティモール対ベトナム
5月16日(月)
マレーシア対カンボジア、ラオス対タイ

5月1日のニュース
ACLグループステージI組第6節-JDTは蔚山に勝利しマレーシアクラブ史上初の16強進出決定(ハイライト映像あり)

ACLグループステージI組第6節-JDTは蔚山に勝利しマレーシアクラブ史上初の16強進出決定

悲願のベスト16進出のためには勝利しかない状況下で迎えたグループステージI組最終節の蔚山現代戦は、JDTには「劇的」という言葉さえ陳腐に聞こえてしまうような結末が待っていた試合でした。

過去2試合を休養したナチョ・インサ、また広州戦を欠場したDF陣のシェーン・ローリー、ラヴェル・コービン=オン、マシュー・デイヴィーズの3名が先発に戻ったJDTは考えられる限りのベストメンバーでこの試合に臨みました。JDT、そしてグループステージ突破のためにはこの試合で勝利が必要な2020年ACL王者は共にキックオフから激しくせめぎ合います。

そしてそんな試合は開始からわずか5分で動きました。エースのベルグソン・ダ・シルヴァが倒され、蔚山ペナルティーエリアの外で得たフリーキックをレアンドロ・ヴァレスケスがゴール右上に決めて、2-1で勝利した前回の対戦に続き、早い時間帯にJDTが先制しました。

しかし、この日の蔚山現代は前回対戦時のような動揺もなく、すぐさま反撃に転じ、そのわずか1分後には、ラヴェル・コービン=オンがゴール前で中途半端にクリアしたボールをユン・イルロクが拾います。そこから出たパスを走りこんできた天野純がシュート。歓声が悲鳴に変わる中、試合はすぐに振り出しに戻りました。

さらにその10分後、JDTに誤算が生じました。ナチョ・インサが早々と交代とすることになったのです。川崎フロンターレとの対戦では初戦は引き分けたものの再戦で大敗したのは、中盤をコントロールするこのナチョ・インサを2戦目で欠いたことが大きな要因の1つでした。最終節に備えて休養十分でこの試合に臨んだはずでしたが、ナチョ・インサの予想外の早い交代で一気に窮地へ陥るかと思われましたが、交代出場した21歳のナサニエル・シオ・ホン・ワンがこの日はその穴を感じさせないプレーを見せ、試合は一進一退の攻防を繰り返しながら進んでいきました。

ハーフタイムでは選手を交代させなかったJDTのベンヤミン・モラ監督は「今日の試合が決勝のつもりで戦う」という前日記者会見の言葉通り、思い切った交代カードを切ってきました。MFアフィク・ファザイルに代えてFWサファウィ・ラシドを投入、リーグ戦でも見られないようなフォワード4人を同時に起用して逆転を狙いました。

さらに84分には、サファウィ・ラシドの起用でサイドバックに下がっていたラヴェル・コービン=オンに代えてさらにFWラマダン・サイフラーを投入、モラ監督は残り5分で試合を決めにかかりました。ここからJDTは押し気味に試合を進めますが、、87分にはゴール前にフリーになったレアンドロ・ヴァレスケスがヘディングシュートを放つも、蔚山GKチョ・ヒョヌが容易にキャッチ、また89分にはラマダン・サイフラーのシュートをGKチョが見事なパンチングで防ぐなど、ゴールには至りませんでした。

またロスタイムが3分と発表になった直後の90分にはサファウィ・ラシドがシュートを放ちますが、GKが反応できなかったもののゴールポストに阻まれるなど、運にも見放され、このまま引き分けで終了の雰囲気が漂い始めました。しかしその直後には蔚山のオム・ウォンサングのシュートもゴールポストに当たって外れ、まだJDTにもツキが残っているようでしたが、タイムアップは刻々と迫りました。

映像では既に92分と残り1分を切った状態で、オフサイドからのフリーキックを得たJDTはGKファリサル・マーリサルが全員に上がるように指示し、ゴール前へロングボールを蹴り込みます。そこからつないだボールをアリフ・アイマンがシュートするも、蔚山DF陣がブロックしたボールをGKチョ・ヒョヌがこれをパンチングでクリア。しかしこのボールがフラフラとペナルティエリア内に上がり、蔚山DFに競り勝ったアリフ・アイマンがゴール前のフェルナンド・フォレスティエリにパスするも、このパスをカットしようとした蔚山DFパク・ヨンウがまさかのオウンゴール。この直後に試合終了のホイッスルが吹かれ、まさに土壇場でJDTがベスト16進出を決めました。

JDTのオーナーでジョホール州皇太子でもあるトゥンク・イスマイル殿下は、この試合が行われたスルタン・イブラヒムスタジアム(ちなみにスタジアムの名前はイスマイル殿下の父君でジョホール州スルタンのスルタン・イブラヒム殿下にちなんで名付けられています。)だけでなく、練習施設やスタッフなどにも投資を惜しまず、勝利への熱意は国内他のクラブの比ではありません。

またこの日の先発メンバーでは、生まれも育ちもマレーシア生まれの選手は4名、帰化選手(国外生まれながら、マレーシア人の父親または母親を持つ選手)が3名、外国籍選手4名という顔ぶれでした。昨季までで国内リーグ8連覇中とその強さから国内ではファンも多いクラブですが、帰化選手で補強し、他クラブの有力選手を高給で引き抜くなど、ややもすると強引なJDTの手法に対し、正直、アンチも多いクラブです。

しかし少なくともこの試合に限っては、ファンもアンチも揃ってJDTを応援したのではないでしょうか。そして最後まで諦めずにプレーし続けたJDTの選手たちを後押しした結果がこの日のドラマにつながったような気がします。

今回のACLグループステージI組は、中立地での集中開催というには、「中立性」を欠いていたのは明らかです。JDTの試合は全てスコールのない午後10時から行われる一方で、それ以外の試合は、強い日差しも残ればスコールもある午後5時キックオフ。高麗芝のスルタン・イブラヒムスタジアムに対して、タン・スリ・ダト・ハジ・ハッサン・ユノスはカウグラスという言わば「野芝」のピッチなど劣悪な環境だったと言われれば、その通りだと思います。

試合前日の記者会見の席上では、スルタン・イブラヒムスタジアムでの練習希望をAFCが却下したことを蔚山現代の洪明甫監督が明らかにしましたが、AFC本部がマレーシアにあり、事務局長がマレーシア人であることを考えると、これがマレーシアのクラブ、JDTを有利にする決定だったことは明らかです。

それでも、この日のJDTの勝利で2024年/2025年シーズンのマレーシアのACL出場枠が2+2(本戦出場2チーム+プレーオフ出場2チーム)となるのであれば、限りなく黒に近いグレーなことをしてでも、JDTにその枠を取りに行ってもらいたい、とマレーシアサッカーファンなら誰でも考えることです。

今回の運営方法が不公平、不公正という批判があることはJDTも(そしてAFCも)重々承知していると思います。しかし、そんな批判を受けても、なりふりに構わずに勝ちたいと思うほどマレーシアサッカーにとってACLの価値は高く、間違ってもそれを「罰ゲーム」と呼ぶファンは1人もいないということも記しておきたいです。

ACLグループステージI組 第6節
4月30日(土)
スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
JDT 2-1 蔚山現代
⚽️JDT:レアンドロ・ベラスケス(5分)、パク・ヨンウ(90+4分OG)
⚽️蔚山:天野純(6分)
🟨JDT(4):リ・ジアハオ、ス・ティアンシ、ファン・カイシュウ、ヤン・シン)
🟨蔚山(2):アキヤ・ラシド、シャーミ・サファリ
(下は両チームの先発XIとハイライト映像。映像はアストロアリーナの公式YouTubeより)

4月30日(土)
タン・スリ・ダト・ハジ・ハッサン・ユノススタジアム(ジョホール州ジョホールバル)
川崎フロンターレ 1-0 広州FC
⚽️川崎:知念慶(14分)
🟨川崎(0)
🟨広州(2):チェン・ジェンフン、チョウ・ティエンチェン
(下は両チームの先発XI)

ACLグループステージI組 最終順位表

チーム得失差勝点
1JDT6411117413
2川崎63211741311
3蔚山6312147710
4広州6006023-230

ACLグループステージI組結果

4月15日(金)
川崎フロンターレ 1-1 蔚山現代JDT 5-0 広州FC
4月18日(月)
広州FC 0-1 川崎フロンターレ蔚山現代 1-2 JDT
4月21日(木)
蔚山現代3-0 広州川崎フロンターレ 0-0 JDT
4月24日(日)
広州FC 0-5 蔚山現代JDT 0-5 川崎フロンターレ
4月27日(火)
蔚山現代 3-2 川崎広州 0-2 JDT
4月30日(土)
川崎 1-0 広州JDT 2-1 蔚山現代

4月30日のニュース
ACLグループステージI組最終節前記者会見にJDTのモラ監督と蔚山現代の洪明甫監督が出席
ペラFCの新オーナーはXOX社に決定
ノア・ライネはAFC U23アジアカップでU23代表に召集か

ACLグループステージI組最終節前記者会見にJDTのモラ監督と蔚山現代の洪明甫監督が出席

今日のACLグループステージI組最終節を前に、グループ1位突破をかけて激突するJDTのベンヤミン・モラ監督と蔚山現代の洪明甫監督が記者会見に出席しました。

第2節で2-1と勝利している蔚山現代について、モラ監督は「明日(今日)の試合はマレーシアサッカーとJDTの新たな歴史を作る機会となった。2020年のACL王者で素晴らしいチームである蔚山現代に対しては、闘志を持ち、戦術理解を徹底して臨みたい。」と述べ、キックオフの時間がこれまでの午後10時から午後5時となることについても、これまで練習は午後5時から行ってきているとして、問題とはならないと話しています。また蔚山現代の選手ではレアンドロが要注意であるとも話しています。

一方、蔚山現代の洪明甫監督は、今日の試合会場となるスルタン・イブラヒムスタジアムで試合前にの練習許可を求めたものの、AFCに却下されたことを明かしています。「スルタン・イブラヒムスタジアムの芝は、我々にあてがわれている練習場ともラーキンスタジアムとも全く違うので、選手たちは適応するの時間がかかるかも知れない。」と話した洪監督はマークする選手として、第2節の試合でゴールを挙げているベルグソン・ダ・シルヴァとフェルナンド・フォレスティエリの名を挙げています。

最終節のため、いずれも午後5時(マレーシア時間、日本時間午後6時)キックオフとなる川崎フロンターレ対広州FC、JDT対蔚山現代は、JDTあるいは蔚山現代が勝てば、その勝者がI組1位、この両チームが引き分けて川崎が勝利すれば川崎が1位でグループステージを突破します。

*****

この記者会見の席上で、AFCにスルタン・イブラヒムスタジアムでの練習を拒否された洪明甫監督から「静かな怒り」を感じた方もいたようですが、正直なところ、JDTが今回のACLではなりふり構わずグループステージ突破を目指しているのは事実です。また2月にジョホールが集中開催地に決定した翌月の3月には、I組のJDT戦以外が行われているタン・スリ・ダト・ハジ・ハサン・ユノススタジアムもスルタン・イブラヒムスタジアムと同じ芝に張り替えることが発表されていますが、今回のACLには間に合わなかった(あるいは間に合わせなかった)ようです。(下はJDTからの公式発表-JDTの公式Facebookより)

ペラの新オーナーはXOX社に決定

Mリーグを運営するMFLは公式サイト上で、Mリーグ2部プレミアリーグのペラFCの新オーナーに昨日付で、テレコミュニケーション企業のXOX社が決定したと発表しています。

ペラFCとの了解覚書MoUに調印したXOX社には、今後、法手続きを経て、およそ2週間後にはペラFCの株式が譲渡されるということです。Mリーグクラブのライセンス交付を司る第一審機関FIBによって、昨日4月29日まで有用を与えられていた新オーナーとの交渉は、XOX社からFIBに必要な書類が提出されたことで、ペラFCはさらなる処分を免れることができました。

なおペラFCは、選手夜間独、コーチへの給料未払いなどを理由に、2度の処分を受けており、リーグ戦の勝点9を既に剥奪されています。さらに、昨日までにオーナーが決定しない場合には、リーグ出場停止などの処分を受ける可能性がありました。

MFLによると、XOX社の経営陣は既にペラFCの監督やコーチ、一部選手などと今後の方針などについて話し合いを始めているということで、未払い給料問題やそれが原因となっている新規選手の獲得禁止処分などについても、その解決について

MFLは、マレーシア証券取引所上場企業のXOX社がペラFCのオーナーとなることは、ペラFCの再興だけでなく、優良企業がマレーシアのプロサッカークラブのオーナーとなる先鞭をつけることになると期待しているとしています。

ノア・ライネはAFC U23アジアカップでU23代表に召集か

来月ベトナムのハノイで開催される東南アジア競技大会通称シーゲームズに向けて合宿中のU23代表に、アイスランド1部のセイナヨエン・ヤルカパッロケルホ(SJK)でプレーする19歳のノーア・ライネが参加しています。フィンランド生まれながら、父親がマレーシア人であることからマレーシアU23代表でもプレーできるライネ選手は、今回のシーゲームズには出場しませんが、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロは、ブラッド・マロニーU23代表監督は、6月のAFC U23アジアカップでの招集候補として練習に参加させていると報じています。

2018年にはフィンランドU18代表でもプレー経験があるライネ選手ですが、呼び当路危機感を過ぎていることから、今回のシーゲームに出場ができないということですが、マロニーU23代表監督はこのライネ選手にU23代表と練習させることで、その能力を見極めたいと話しています。

「ライネ選手がマレーシアへ行き、マレーシアのパスポートを取得することを所属するSJKが許可したことで、今回の合宿参加が可能となった。この機会を利用して、我々はライネ選手を評価し、ライネ選手は自身の能力を我々にアピールし、さらにフィットネスレベルを維持できる、言わばウィンウィンの状況だ・」と説明したマロニー監督は、ライネ選手の実力は未知数だとしながらも、その実力がU23代表レベルにあり、さらにパスポートなどの書類が間に合えば、U23アジアカップの代表合宿に招集する可能性もあると話しています。

*****

ライネ選手は昨日、非公開で行われた東ティモールU23代表との練習試合にも先発するなど、マロニー監督の評価も高そうです。アイスランドとはいえ、1部リーグでプレーしているようなので、今後も注目してみたいと思います。(下はライね選手が先発した、昨日の東ティモールU23代表戦の先発XI。J3沼津のハディ・ファイヤッドの名前も見えます。)

4月25日のニュース
ACLグループステージI組第4節-JDTは川崎に大敗でグループ2位に転落(ハイライト映像あり)
トレンガヌはMFLにリーグ日程の再考を求める

ACLグループステージI組第4節-JDTは川崎に大敗でグループ2位に転落

MFレアンドロ・ヴェラスケスに代えてDFカルリ・デ・ムルガを起用するのでは、というボラセパマレーシアJPの予想は外れてしまいましたが、レアンドロ・ヴェラスケスではなくDFマウリシオ、そしてここまで4ゴールを決めているFWベルグソン・ダ・シルヴァに代えてフィリピン代表のFWビエンベニード・マラニョンを起用するなど、JDTのベンヤミン・モラ監督は3日前の引き分けた試合から先発を5名入れ替え、しかもこの5名全員が今大会初先発という布陣で、Jリーグ王者に臨みました。

キックオフから両チームとも激しくせめぎ合った試合は、13分にマウリシオがペナルティエリアの外で小林悠を倒してFKを与えてしまいます。このFKを脇坂泰斗がゴール左上に決めて、川崎が先制しました。このゴールが合図かのようにここから川崎が一気に攻勢を強め、試合はJDTサイドでの時間が長くなります。

JDTにとって不運だったのは、20分にはマウリシオが負傷で交代となったことでしょう。今季ここまでリーグ戦でもベンチ入りすらなかったマウリシオの先発起用は予想しませんでしたが、今季初出場がこのインテンシティの高い試合ということに問題があったのかもしれません。

攻め続ける川崎は31分に家長昭博から山根視来、そして脇坂と繋いだボールを小林が決めて2-0、さらに42分には再び家長からのパスを受けた山根のクロスを再び小林が決めて3-0と、いずれも右サイドを崩す形でゴールを重ね、前半はこのまま川崎の3点リードで折り返します。JDT視点で見ると、2点目と3点目はここまで全試合フル出場の左SBラヴェル・コービン=オンとCBシェーン・ローリーが振り切られ、カバーが遅れる形での失点でした。

JDTのモラ監督はハーフタイムでFWフェルナンド・フォレスティエリとMFアフィク・ファザイルに代えてFWハズワン・バクリとMFナズミ・ファイズを投入します。51分にはそのナズミからのクロスにサファウィ・ラシドが、その直後のCKではシェーン・ローリーがいずれもヘディングでゴールを狙いますが、得点には至りません。

グループステージ突破のためには得失差を考えると、少しでも差を詰めておきたいJDTでしたが、81分にはマルシーニョ、88分にはチャナティップ・ソングラシンがそれぞれゴールを決めて、終わってみればJDTが5失点と大敗に終わった試合でした。

Jリーグ王者の壁の厚さを思い知らされると共に、この試合ではベンチ外となったナチョ・インサやベルグソン・ダ・シルヴァ、80分に投入されたものの焼け石に水だったアリフ・アイマンといったレギュラーとそうでない選手との差が歴然でした。今後も集中開催方式が続く限り、JDTが日本や韓国のクラブと対等に勝負するには選手層に厚みを増す必要がありそうです。

またグループステージI組は残り2節となりましたが、この日の勝利で川崎が勝点8となり首位浮上し、この前の試合で広州を5-0で破った蔚山とJDTが勝点7で並びましたが、グループステージは勝点で並んだ場合には、得失差ではなく直接対決の結果を優先することから、第2節で蔚山に勝利しているJDTが2位、蔚山が3位、そしてここまで全敗の広州が4位となっています。

次節第5節の広州戦は、川崎戦大敗で1となった得失差を再び広げるための大勝が必要な一方で、ここまで4試合フル出場のレヴェル・コービン=オンとシェーン・ローリー、そしてほぼフル出場のマシュー・デイヴィーズを最終第6節の蔚山戦に向けてどれだけ休ませることができるかが焦点となりそうです。

ACLグループステージI組 第4節
4月24日(日)
スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
JDT 0-5 川崎フロンターレ
⚽️川崎:脇坂泰斗(14分)、小林悠2(31分、43分)、マルシーニョ(81分)、チャナティップ・ソングラシン(88分)
🟨JDT(1):マウリシオ、アフィク・ファザイル
🟨川崎(0)
(下は両チームの先発XIとハイライト映像。映像はアストロアリーナの公式YouTubeより)

4月24日(日)
タン・スリ・ダト・ハジ・ハッサン・ユノススタジアム(ジョホール州ジョホールバル)
広州FC 0-0 蔚山現代
⚽️蔚山:ユン・イルロク(4分)、マールク・コスタ(54分)、ヴァレリ・カザイシュヴィリ(64分)、天野純(73分)、ソル・ヨンウ(85分)
🟨広州(0)
🟨蔚山(0):キム・ヒョヌ
(下は両チームの先発XI)

ACLグループステージI組 順位表

チーム得失差勝点
1川崎4229141138
2JDT42117617
3蔚山421110374
4広州4004021-210

ACLグループステージI組日程(時間はマレーシア時間、日本時間は-1時間)
試合会場はJDTの試合は全てスルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)、それ以外の試合はタンスリ・ダト・ハジ・ハサン・ユノススタジアム(ジョホール州ジョホールバル)となっています。

4月15日(金)
川崎フロンターレ 1-1 蔚山現代JDT 5-0 広州FC
4月18日(月)
広州FC 0-1 川崎フロンターレ蔚山現代 1-2 JDT
4月21日(木)
蔚山現代3-0 広州川崎フロンターレ 0-0 JDT
4月24日(日)
広州FC 0-5 蔚山現代JDT 0-5 川崎フロンターレ
4月27日(火)
蔚山現代-川崎(17時キックオフ)、広州-JDT(22時キックオフ)
4月30日(土)
川崎-広州(17時キックオフ)、JDT-蔚山現代(17時キックオフ)

トレンガヌはMFLにリーグ日程の再考を求める

昨日のこのブログでも取り上げたMリーグ1部スーパーリーグの日程変更。これによりスランゴールとトレンガヌ両クラブの第7節から第9節までの試合が5月以降に変更になっています。この日程変更についてトレンガヌがMリーグを運営するMFLに対して再考を求めていると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

5月にベトナムで行われる東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場するU23代表に招集された選手が、スーパーリーグの試合を欠場せずに、大会前の合宿参加やシーゲームズ出場が可能になるようにとの理由からMFLは日程変更を行なっていますが、事前にクラブに打診などなしにMFLが一方的に日程変更を行なったことに失望していると、トレンガヌのアブドル・ラシド・ジュソCEOは述べています。

第7節から第10節の試合が延期されたことで、トレンガヌは5月には全くリーグ戦がなく、その後は延期された試合が組み込まれることで日程が過密になることは明らかであるとし、リーグ終盤の大事な時期に選手のパフォーマンスに影響が出ることを懸念していると述べたアブドル・ラシドCEOは、今季開幕直後に新型コロナの感染者がチーム内に出たことによる試合延期によるその後の連戦で同様の問題がすでに起こったと説明しています。

「スーパーリーグの延期の理由は理解できるが、開幕直後の試合延期のせいで2連敗でスタートしたが、現在はチームは立ち直って2連勝でチームに勢いがついたところである。ここでまた1ヶ月に渡って試合がない状況が続けば、チームの勢いが途切れてしまう心配がある。」と日程変更の再考を求める理由を説明したアブドル・ラシドCEOは、この日程変更により、すでに予約済みの宿舎や移動手段などをキャンセルすることで余分な費用が発生する点も理由として挙げています。

さらにアブドル・ラシドCEOは、今回の日程変更の影響を直接、受けているのはスランゴールとトレンガヌだけであることから、公平さを記すためにもMFLには日程変更の再興を求めたいとしています。

今回のスーパーリーグの日程変更はU23代表候補合宿の招集メンバー31名中、スランゴールから11名、トレンガヌから9名が選ばれていますが、合宿期間もシーゲームズ期間もいずれもFIFA国際マッチデー期間外であることから、トレンガヌのナフジ・ザイン監督は招集拒否を明言し、他のクラブもリーグ戦を優先し、合宿初日には参加者がわずか5名しかいませんでした。


4月24日のニュース
ACLグループステージI組-JDTと川崎が再び激突
Mリーグが代表戦とシーゲームズの代表選手招集を考慮した日程変更を発表
FAMはシーゲームズ出場のサッカーeマレーシア代表4名を発表

ACLグループステージI組-JDTと川崎が再び激突

ACLグループステージI組は今日が第4節。まさかのグループ首位で前半戦を折り返したJDTは、第3節で引き分けた川崎フロンターレと再び対戦します。この試合が引き分け以上で終われば、JDTは悲願のグループステージ突破が見えてきますが、果たしてその結果はどうなるのでしょう。

JDT、川崎両チームにとって重要な今日の試合の戦術分析などは専門家に任せることにして、ボラセパマレーシアJPでは、サッカー素人でもできるグループステージI組のここまでの3試合の出場時間を調べてみました。

JDT 各選手の第1節から第3節の試合出場時間

選手名広州蔚山川崎合計
14DFシェーン・ローリー909090270
22DFラヴェル・コービン=オン909090270
32DFシャールル・サアド909090270
2DFマシュー・デイヴィーズ829090262
9FWベルグソン・ダ・シルヴァ909081261
30MFナチョ・インサ759090255
45FWフェルナンド・フォレスティエリ907688254
10MFレアンドロ・ヴェラスケス826468214
42FWアリフ・アイマン756468207
4MFアフィク・ファザイル623379174
26GKハジック・ナズリ90780168
21MFナズミ・ファイズ15572294
1GKファリザル・マーリアス009090
11MFサファウィ・ラシド28262276
8MFサフィク・ラヒム0261137
17FWラマダン・サイフラー1512936
24GKイザム・タルミジ012012
6MFナサニエル・シオ・ホン・ワン8008
91DFシャミー・サファリ8008
18FWハズワン・バクリ0022

川崎フロンターレ 各選手の第1節から第3節の試合出場時間

選手名蔚山広州JDT合計
1GKチョン・ソンリョン909090270
5DF谷口彰悟90090180
6MFジョアン・シミッチ90090180
13DF山根視来90090180
15DF佐々木旭90090180
8MF橘田健人69690165
9FWレアンドロ・ダミアン80085165
20FW知念慶214690157
23FWマルシーニョ69085154
19FW遠野大弥632162146
7DF車屋紳太郎219029140
31MF山村和也69061130
24FW宮城天218415120
14MF脇坂泰斗275828113
11FW小林悠10691594
41MF家長昭博900090
3MF塚川孝輝090090
16MF瀬古樹090090
17MF小塚和季090090
18MFチャナティップ090090
25MF松井蓮之046046
28FW五十嵐太陽044044
30DF田邊秀斗044044
29DF高井幸大032032

以上が両チームの過去3試合の出場時間ですが、これを見てわかるのは選手層の差です。JDTは3試合(270分)ともフル出場したのが、シェーン・ローリー、シャールル・サアド、ラヴェル・コービン=オンのDF3名、一方の川崎はGKチョン・ソンリョン1名だけです。もう少し細かく見ていくと、過去3試合で180分以上出場した選手は、JDTには上記の3名を含めて全部で9名いますが、川崎はGKのチョン選手を加えても5名となっています。しかもJDTは9名全員がフィールドプレヤーで、川崎の4名の倍以上です。ここから見えてくるのは、選手層に厚みがある川崎はローテーションで選手を試合ごとに入れ替える余裕がある一方で、JDTは先発と控え選手との間に大きな差があることから、3試合ともほぼ固定したメンバーで戦わざるを得なかったということではないでしょうか。

前回の対戦は、双方とも力を出し切った試合だったとおもいますので、そこから中2日で再び交える両チームがどれだけ回復しているかが今日の試合に大きく影響しそうです。特にここまでの3試合にフル出場して最終ラインを支えたシェーン・ローリーとシャールル・サアドがその疲労から回復し、これまで同様のパフォーマンスを見せてられるかどうかが、今日の試合の鍵になるのではないでしょうか。なおボラセパマレーシアJPの大穴予想ですが、今日の試合でグループステージ突破を決めにいくのであれば、外国籍選手枠の1つをレアンドロ・ヴェラスケスからフィリピン代表のDFカルリ・デ・ムルガに代えて守備重視のメンバーで臨む可能性もあるのではないかと思っています。

Mリーグが代表戦とシーゲームズの代表選手招集を考慮した日程変更を発表

Mリーグを運営するMFLは公式サイト上で、Mリーグ1部スーパーリーグの一部試合日程変更を発表しています。MFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは、FAMとMFLが協議した結果、東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場するU23代表候補選手が、リーグ戦を欠場せずに、大会前の代表候補合宿に参加し、また最終メンバーが5月7日に開幕するシーゲームズ2021年大会(ベトナム、ハノイ)に出場できるようにとの配慮から、4月30日から5月23日までの日程を変更したことを明らかにしています。シーゲームズは5月19日に準決勝が、また5月22日には決勝が予定されています。

なおスーパーリーグの試合日程が変更になっているのは、U23代表候補に11名の選手が招集されているスランゴールと、9名の選手が招集されているトレンガヌ両チームの試合のみで、4月29日に順延されていた第2節のスランゴール対スリ・パハン戦と、第7節(5月6日/7日)、第8節(5月10日/11日)、第9節(5月17日/18日)の両チームが関係するスーパーリーグの6試合です。

さらにU23代表はシーゲームズ終了後には、6月1日に開幕するAFC U23アジアカップ(ウズベキスタン)に向けて再び代表候補合宿を5月24日から31日までよていしています。一方、A代表は6月8日に開幕するAFC選手権アジアカップ2023年大会第3次予選(マレーシア)に向けた代表候補合宿を5月19日から29日まで予定しているます。

MFLのスチュアートCEOは、アジアカップ第3次予選が6月8日から14日に予定されていることから、スーパーリーグ第10節(6月18日/19日)の全カードを延期することも併せて発表しています。.

この他、スチュアートCEOは、AFCチャンピオンズカップに出場中のJDTや、AFCカップに出場するクダとKLシティがノックアウトステージに進出した場合には、再度日程変更が行われる可能性にも言及しています。

今回変更された日程の詳細はこちらです。

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シーゲームズの日程は当初から分かっていたにもかかわらず、今回の突然とも言える日程変更が行われたのは、このブログでも取り上げた通り4月19日から始まっているU23代表代表合宿の練習参加者が31名の代表候補中のわずか5名しかおらず、各クラブが自チームの選手にリーグ戦出場を優先させて、招集を拒否したことが影響しています。U23代表合宿期間も、またシーゲームズ開催期間もいずれもFIFA国際マッチデー期間ではないことから、代表選手の招集に強制力はなく、このブログでも4月15日の記事で、スーパーリーグのサバが所属するインドネシアU23代表のサディル・ラムダニの招集を拒否して、インドネシアサポーターから非難されていることを取り上げましたが、今回の日程変更は、各クラブに所属選手の「招集拒否」の理由を与えないための措置でもあります。

特に今回のシーゲームズに出場するU23代表は、6月のU23アジアカップを睨み、登録可能なオーバーエイジ選手枠を(3名)なしで臨むことを表明しており、前回2019年大会(フィリピン)ではグループステージ敗退に終わり、2017年大会(マレーシア)以来のメダル獲得のためには、できる限りのベストメンバーを揃える必要があります。

FAMはシーゲーム出場のサッカーeマレーシア代表4名を発表

2021年大会に出場するサッカーeマレーシア代表(eリマウ)のメンバー4名を発表しています。

ルクマン・ハジック(LuqmanHzq)、アシャラフ・カマル(AK31)、ガン・ムンキァット(PippleJeannn)、ワン・ハキム(P3rlisTeamJr)の4名は、FAM本部で4月25日から29日まで行われる代表合宿に参加後、5月11日に試合会場となるベトナムのハノイへ出発します。

大会は、オンラインサッカーゲームのFIFA Online 4を使った予選ラウンドが5月14日に、決勝ラウンドは翌日5月15日に行われ、eリマウは、最低でも銅メダルを持って帰りたいと決意を語っています。

4月22日のニュース(1)
ACLグループステージI組-JDTは川崎フロンターレと引き分けもグループ首位堅守(ハイライト映像あり)

ACLグループステージI組-JDTは川崎フロンターレと引き分けもグループ首位堅守

大会前のスーパーリーグ、トレンガヌ戦で味方選手と交錯し、脳震盪を起こして初戦の広州FC戦、2戦目の蔚山現代戦とベンチ外だったGKファリザル・マーリアス、そして中盤は初戦同様にアフィク・ファザイルが戻ったJDT。試合開始から押し込まれる場面が多くあり、また攻撃では前線までボールを送れない展開が続きました。それでも前半終了間際にはラヴェル・コービン=オングがペナルティーエリアの外から、また相手DFにブロックされたもののエース、ベルグソン・ダ・シルヴァもシュートを放つなど、少しずつ川崎の早い試合展開に対応し始めたところで前半が終了しました。

両チームとも選手交代なしで始まった後半は、59分にレアンドロが倒されてJDTがペナルティエリアの外でFKを得ますが、これはGKに阻まれてしまいます。その後も一進一退を繰り返す中、試合の終盤にかけては試合がこう着状態のまま、見ているこちらもヒヤヒヤしましたが、結局0-0でフルタイムとなりました。

JDTはJクラブ相手に初の引き分けで勝点1を積み上げ、通算成績を2勝1分の勝点7としてI組の1位を堅守。川崎は1勝2分の勝点5で2位に続いています。なおこの両チームは3日後の4月24日(日)の第4節で再び対戦しますが、Mリーグではあり得ないインテンシティに耐えたJDTの選手たちが3日間で回復できるかどうかが、次戦の鍵になりそうです。

ACLグループステージI組 第3節
4月21日(木)
スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
川崎フロンターレ 0-0 JDT
🟨川崎(1):車屋紳太郎
🟨JDT(2):レアンドロ・ヴァレスケス、アリフ・アイマン
(下は両チームの先発XIとハイライト映像。映像はアストロアリーナの公式YouTubeより)

またこの試合の前に行われた蔚山現代対広州FCは、JDTに5失点、川崎には8失点の広州を相手に、蔚山現代は勝利したものの3失点と、グループ順位決定に関わる得失差では川崎、JDTには少なくとも現時点で差をつけられています。

4月21日(木)
タン・スリ・ダト・ハジ・ハッサン・ユノススタジアム(ジョホール州ジョホールバル)
蔚山現代3-0 広州
⚽️蔚山:マールク・コスタ(28分)、パク・チュヨン(57分)、ユン・イルロク(68分)
🟨広州(0)
🟨川崎(0)
(下は両チームの先発XI)

チーム得失差勝点
1JDT32107167
2川崎31209185
3蔚山31115324
4広州3002016-160

ACLグループステージI組日程(時間はマレーシア時間、日本時間は-1時間)
試合会場はJDTの試合は全てスルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)、それ以外の試合はタンスリ・ダト・ハジ・ハサン・ユノススタジアム(ジョホール州ジョホールバル)となっています。

4月15日(金)
川崎フロンターレ 1-1 蔚山現代JDT 5-0 広州FC
4月18日(月)
広州FC 0-1 川崎フロンターレ蔚山現代 1-2 JDT
4月21日(木)
蔚山現代3-0 広州川崎フロンターレ 0-0 JDT
4月24日(日)
広州-蔚山現代(17時キックオフ)、JDT-川崎(22時キックオフ)
4月27日(火)
蔚山現代-川崎(17時キックオフ)、広州-JDT(22時キックオフ)
4月30日(土)
川崎-広州(17時キックオフ)、JDT-蔚山現代(17時キックオフ)

4月17日のニュース
東南アジア競技大会出場のU23代表候補発表-J3沼津のハディは2019年以来の候補入り
ACL-ベルグソンにキックを見舞った広州FC選手が解雇に(映像あり)

東南アジア競技大会出場のU23代表候補発表-J3沼津のハディは2019年以来の候補入り

マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で、4月19日(火)より始まるU23代表合宿に参加する31名のメンバーを発表しています。今回の合宿は来月5月6日からベトナムのハノイで開催される東南アジア競技大会、通称シーゲームズの男子サッカーに出場するメンバー選考が目的です。

新型コロナ感染拡大の影響で1年遅れの開催となった今回のシーゲームズでは、マレーシアはタイ、シンガポール、カンボジア、ラオスと同じグループステージB組になっており、フィリピンのマニラで開催された前回2019年大会優勝のベトナム、準優勝のインドネシアのいるA組とは別組となっています。

4月19日(火)よりマラヤ大学構内にあるUMアリーナを会場として行われるU23代表で選ばれたメンバーの顔ぶれですが、昨年10月にモンゴルのウランバートルで行われたAFC U23アジアカップ予選をグループ1位で予選突破を決めたメンバー19名が中心となっています。

この他、今年2月に行われた東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権に出場したU23代表からはウバイドラー・シャムスル・ファジリ(FAM-MSNプロジェクト)とA・セルヴァン(ヌグリスンビラン)の2名が選ばれています。なおこのAFF U23選手権でマレーシアU23代表はラオスU23代表に2戦2敗でグループステージ敗退となっています。

残る10名はスランゴールでプレーするダニアル・アスリ、シャヒル・バシャー、アリフ・ハイカル、JDTのセカンドチームJDT IIでプレーし、プレミアリーグではゴールも決めているダリル・シャム、アイサル・ハディ、トレンガヌの正GKに近づいているラハディアズリ・ラハリム、トレンガヌのセカンドチームのトレンガヌIIのムスリフディン・アティク、サフワン・マズラン、KLシティのハキミ・ロスリ、そしてJ2岡山から3沼津に期限付き移籍中のハディ・ファイヤッドとなっています。

U23代表候補は非公開で4月29日に東ティモールU23代表と、5月1日にはフィリピンU23代表と練習試合を行い、最終メンバー20名を決定した後、5月4日にハノイ入りすることになっています。(なお今大会は主催者規定により、この20名の中から新型コロナ感染者が出た場合に限り、選手の追加登録が可能ということで、ハノイ入りする選手は20名となることが決まっています。)

ハノイ入り後は5月7日の初戦がタイ、以下ラオス(5月11日)、シンガポール(5月14日)、カンボジア(5月16日)と試合が続き、準決勝に進出するためには、B組の上位2位までに入る必要があります。

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今回のメンバーで興味深いのはJDTのアリフ・アイマンが選ばれていないことです。昨季のリーグMVPを史上最年少の19歳で受賞したアリフ選手はA代表でも主力選手ですが、今回、U23代表に選ばれなかったことで、6月1日から19日の予定でウズベキスタンで開催されるAFC U23アジアカップにU23代表として出場するのではなく、6月8日から14日までクアラルンプールで開催されるAFC選手権アジアカップ2023年大会3次予選にA代表として出場する可能性が高くなりました。(あるいは単にJDTが招集を拒否した可能性もありますが。)同じJDTでは、先日のACLの広州FC戦でゴールを決めたラマダン・サイフラーも個人的にはU23代表で見てみたい選手でしたが、こちらも今回は招集されていません。

その一方で、ムカイリ・アジマル、クエンティン・チェン(いずれもスランゴール)、ラハディアズリ・ラハリム(トレンガヌ)、アズリ・アブドル・ガニ(KLシティ)、ルクマン・ハキム(ベルギー1部KVコルトレイク)ら昨季はA代表に招集された選手たちは、少なくとも今季はキム・パンゴン監督はA代表では起用する可能性がなく、U23代表でシーゲームズ、そしてAFC U23アジアカップで頑張れ、ということなのかも知れません。

またJ2岡山からJ3沼津に期限付き移籍中のハディ・ファイヤドは、2019年3月のAFC U23選手権2020年大会予選以来となるU23代表への招集となっています。昨年は出場機会を求めて岡山から沼津へ期限付き移籍したハディ選手ですが、移籍先の沼津での練習で膝前十字靭帯を断裂し、昨季を棒に振っています。今回のU23代表招集はケガの後は順調に回復したということでしょう。現在のU23代表はAFC U23アジアカップ予選では3試合でチーム総得点が2、AFF U23選手権では2試合で同じく1点と深刻な得点力不足が課題で、大型FWのハディ選手には大きな期待がかかります。

東南アジア競技大会2021年大会出場 U23代表合宿参加メンバー

選手氏名年齢所属
ムカイリ・アジマル21スランゴール
シーク・イズハン20スランゴール
アフマド・ジクリ20スランゴール
アズリン・アフィク20スランゴール
クエンティン・チェン23スランゴール
ハリス・ハイカル20スランゴール
ダニアル・アスリ22スランゴール
シャヒール・バシャル21スランゴール
アリフ・ハイカル22スランゴール
ファイズな・アメル19スランゴール 2
ファーミ・ダニエル20スランゴール2
ニック・アキフ23トレンガヌ
アザム・アズミ21トレンガヌ
シャフィク・イスマイル22トレンガヌ
ハイリー・ハキム22トレンガヌ
ラハディアズリ・ラハリム21トレンガヌ
サイド・ナスルルハク23トレンガヌII
ヌル・アズファル22トレンガヌII
ムスリフディン・アティク21トレンガヌII
サフワン・マズラン20トレンガヌII
ウマル・ハキム20JDT II
ダリル・シャム20JDT II
アイサル・ハディ19JDT II
シャフィー・アズスワド21JDT III
アズリ・アブドル・ガニ23KLシティ
ハキミ・ロスリ19KLシティ
ルクマン・ハキム20KVコルトレイク
アイマン・アフィフ21クダ
ウバイドラー・シャムスル19FAM-MNSプロジェクト
A・セルヴァン22ヌグリスンビラン
ハディ・ファイヤド22J3沼津
ACL-ベルグソンにキックを見舞った広州FC選手が解雇に(映像あり)

香港の英字紙サウスチャイナモーニングポストSCMPによると、4月15日のAFCチャンピオンズリーグACLのJDT対広州FC戦の試合中に、JDTのベルグソン・ダ・シルヴァにキックを見舞った広州FCのグァン・ハオジンが解雇されたようです。

この記事では、「グァン選手がチームの規範を犯したことを深刻に受け止め、クラブは即時解雇を行なった」というクラブからの発表を報じています。

グループステージI組の第1節に行われたこの試合では、Mリーグ1部スーパーリーグ8連覇中のJDTが若手主体の広州FCを試合開始から終始圧倒し、5-0で圧勝しています。この試合ではJDTが4-0とリードしていた68分に、JDTのベルグソン選手と交錯して倒れ込んだ広州FCのグァン選手が、ベルグソン選手の側頭部にキックを見舞い、一発レッドで退場となりました。問題の場面は下の映像の04:00からです。(画像はAstro Arenaの公式YouTubeより)

映像ではマレーシア人コメンテーターが「審判が説明する必要がないほど明らかです。」と言うほど露骨な反則でしたが、このグァン選手の退場で10人となり、さらに劣勢になった広州FCはその後、JDTに追加点を許し、0-5で敗れています。

広州FCの公式サイトでは、監督、コーチおよび選手に対して、グァン選手の蛮行が広州FCの選手に求められている三九規則に違反していること、また監督、コーチが選手を選手を厳格に統制できていないとして双十規則に違反していると説明し、これを罰すると同時に、今後同様のケースが起こることを防ぐために1)グァン選手の即時解雇、2)監督の給与は3段階、コーチの休養は1段階降格処分を行うと発表しています。(Google翻訳による)

三九規則と双十規則が具体的に何かは分かりませんが、クラブは今回の件に対して、厳格な姿勢で望んでいることは伝わってきます。