9月18日のニュース
AFC U20アジアカップ2023予選-マレーシアはスリランカに勝利し最終節で予選1位を賭けて韓国と対戦
キングズカップ出場の代表合宿開始-25名中24名が参加
セルヒオ・アグエロがマレーシア国籍取得
AFC U17アジアカップ予選出場のU16代表候補25名が発表

AFC U20アジアカップ2023予選-マレーシアはスリランカに勝利し最終節で予選1位を賭けて韓国と対戦

モンゴルのウランバートルで開催中のAFC U20アジアカップ2023年大会予選E組に出場中のマレーシアU19代表は、9月16日の第2節でスリランカと対戦し、3-0で勝利して今予選初勝利を挙げています。

初戦のモンゴル戦では1-1で引き分けていたマレーシアは、53分に退場者が出て10名となったスリランカを相手に、初戦で唯一のゴールを決めていたアリフ・イズワン・ユスラン(スランゴール2)が、この試合でも2ゴールを決め、アダム・ファルハン(JDT III)のゴールと合わせて3-0で勝利しています。この日の勝利でマレーシアは1勝1分となり、最終第3節ではスリランカに6-0、モンゴルに7-0と2連勝中の韓国と予選1位をかけて本日9月18日に対戦します。

今回の予選ではA組からJ組までの1位10チームと各組2位の内、上位5チームの15チームそして、開催国ウズベキスタンの合計16tチームが来年2023年3月の本戦に出場します。

キングズカップ出場の代表合宿開始-25名中24名が参加

タイのチェンマイで今月9月22日より開催される第48回キングズカップに出場するマレーシア代表の合宿が始まり、合宿初日の9月16日には召集された25名中、24名が参加しています。

スランゴール州プタリンジャヤにあるマレーシアサッカー協会FAMのトレーニング施設 には、DFディオン・クールズ(チェコ1部FKヤブロネツ)を除く24名が集合しましたが、その内、DFシャールル・サアド(JDT)は体調不良を理由に、練習には参加していません。また、クールズ選手はマレーシア国内での合宿には参加せず、チェンマイで直接、チームに合流するということです。

キム・パンゴン監督就任後の初の公式戦となった、今年6月のAFC選手権アジアカップ2023年大会最終予選のメンバー23名中、キム監督は17名を再び招集しています。またキム監督就任後、初招集となったのは、GKラーディアズリ・ラハリム(トレンガヌ)、カラムラー・アル=ハフィズ(PJシティ)、DFアザム・アズミ(トレンガヌ)、DFシャルル・ナジーム、MFムカイリ・アジマル、MFブレンダン・ガン(いずれもスランゴール)、MFザフリ・ヤハヤ、DFデクラン・ランバート(いずれもKLシティ)の8名です。

なお、キム監督はタイへ出発する来週月曜日の9月19日まで予定されている合宿に招集した25名全員がタイ入りすると説明し、このキングズカップでのパフォーマンスをもとに、今年末の東南アジアサッカー連盟AFF選手権、三菱電機カップ、そして来年のAFCアジアカップに向けて代表チームのメンバーを絞り込みたいと話しています。

キングズカップでマレーシアは、9月22日にタイ代表と対戦し、9月25日はトリニダード・トバゴまたはタジキスタンと対戦する予定になっています。

セルヒオ・アグエロがマレーシア国籍取得

セルヒオ・アグエロと言っても、マンチェスターシティで活躍したアグエロ選手ではなく、Mリーグでプレーするセルヒオ・アグエロことエセキエル・アグエロのことですが、アルゼンチン出身のこのアグエロ選手がMリーグで通算5年プレーしたことから、FIFAの規定に従ってマレーシア国籍を取得しています。

先日このブログでは英国出身のリー・タックがやはりMリーグで5年連続してプレーしたことでマレーシア国籍を取得したことを紹介しましたが、タック選手同様、アグエロ選手も所属するスリ・パハンやパハン州政府などの支援でマレーシア国籍取得を申請し、これが認められた結果、国籍を取得しています。

自身のインスタグラムで国籍取得を明らかにしたアグエロ選手は、チームのオーナーでもあるパハン州皇室のテンク・アブドゥル・ラーマン・イブニ・スルタン・アフマッド・シャー 殿下(現マレーシア国王の弟君)に感謝の言葉を述べていることから、今回の国籍取得についてはパハン州皇室からの支援なども受けていたことがわかります。

2017年からMリーグでプレーしている28歳のアグエロ選手は、前述のタック選手とともにリーグ戦終了後のマレーシアカップからマレーシア人選手としてのプレーが可能になります。

AFC U17アジアカップ予選出場のU16代表候補25名が発表

マレーシアサッカー協会FAMはAFC U17アジアカップ予選に出場するU16代表候補25名を発表しています。オスメロ・オマロ監督率いるU16代表候補は、国内エリートアカデミーのモクタル・ダハリアカデミーで1合宿を行います。

U16代表は、今年8月にインドネシアで開催された東南アジアサッカー連盟AFF U16選手権に出場し、グループステージを突破できませんでしたが、そのチームのメンバー25名中24名が再び召集されています。詳しいメンバーはこちらから。

10月1日に開幕する今回のAFC U17アジアカップ予選でB組のマレーシアは、開催国インドネシアのほか、アラブ首長国連邦UAE、パレスチナ、グアムと同組になっています。


Mリーグ1部スーパーリーグ
2022年シーズン第15節と第18節結果とハイライト(2)

2022年9月14日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロー・スター)
クダ 3-1 スランゴール
⚽️クダ:ロナルド・ンガ(23分)、マルク・ヴァレス(33分)、ファイヤド・ズルキフリ(90+5分)
⚽️スランゴール:カイオン(33分)
🟨クダ(2):シャーリル・サアリ、マフムード・アル=マルディ
🟨スランゴール(3):ブレンダン・ガン、ジクリ・カリリ、シャヒル・バシャー
🟥スランゴール(1):アルールチェルヴァン・イレングー(フィットネスコーチ)
MOM:ロナルド・ンガ(クダ)
 延期されていた第15節のこの試合は、マルク・ヴァレスの今季初ゴールなどでクダが3連勝。順位を5位まで上げています。過去2季はいずれも2位だったクダは、前半戦を5勝2分4敗と上位を狙うには苦しい成績で折り返しましたが、この日の勝利でトップ3とAFCカップ出場の可能性が残りました。
 一方のスランゴールは、エースのカイオンが得点王争い2位となる今季13ゴール目をあげるも、相変わらず試合運びが安定せず、借金3の8位に低迷しています。

2022年9月14日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
トレンガヌ 3-0 ペナン
⚽️トレンガヌ:ファイサル・ハリム(37分)、チェチェ・キプレ2(45+2分、90+1分)
🟨トレンガヌ(0)
🟨ペナン(2):アディブ・アブドル・ラオプ、ファイズ・マズラン
MOM:ペトルス・シテンビ(トレンガヌ)
 この日の勝利で5連勝となったトレンガヌですが、試合後にはナフジ・ザイン監督が契約延長のオファーを受けていないことから、シーズン終了後の退団を示唆するなど、昨季はあと一歩で逃したAFCカップ出場が見えてきた中で、不穏な空気も漂っています。ナフジ監督には来季はクダの監督就任といった噂もあり、その去就は今後も注目です。
 なお今季のAFCカップ出場権はリーグ2位と3位に与えられる可能性があり、今季残り4試合を残して勝点差4の中でひしめく2位サバ、3位ヌグリスンビラン、4位トレンガヌの2位、3位争いも最終節までも連れ込みそうです。
 

2022年9月15日@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ・ユナイテッド 0-0 KLシティ
🟨マラッカ(1):ノラズラン・ラザリ
🟨KLシティ(1):ロメル・モラレス
MOM:ノラズラン・ラザリ(マラッカ・ユナイテッド)
 延期されていた第15節の試合は、ホームのマラッカがスコアレスドローで連敗を3で止めています。過去3試合で12失点と崩壊していた守備陣でしたが、4月9日の第4節以来の先発となったベテランGKノラズラン・ラザリの好守などもあり、8試合ぶりのクリーンシートを達成しています。しかし攻撃陣は唯一の外国籍選手としてFWイフェダヨ・オルセグンが出場したものの、直近3試合を2失点というKLシティの守備陣を崩せず、無得点に終わっています。

2022年9月15日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティ2-2 JDT
⚽️PJシティ:ダレン・ロック(73分)、コギレスワラン・ラジ(90+1分)
⚽️JDT:ベルグソン・ダ・シルヴァ(48分PK)、アキヤ・ラシド(86分)
🟨PJシティ(1):マハリ・ジャスリ
🟨JDT(3):フェルナンド・フォレスティエリ、マシュー・デイヴィーズ、ファリザル・マーリアス
MOM:カラムラー・アル=ハフィズ(PJシティ)
 リードされながらも2度にわたって追いついたPJシティが、ジョホール・ダルル・タジムJDTを相手にホームで引き分けに持ち込んでいます。高い位置からプレスをかけ続け、守勢に回るとゴール前に全員が戻るスタイルでこの試合に臨んだPJシティ。最後まで運動量が持続できるかが疑問でしたが、効果的な選手交代もあり、JDTに絶対的な好機を作らせない試合運びで前半は0-0で終了。後半の失点はいずれもミスからでしたが、エースで代表のストライカーでもあるダレンロック、そしてスーパーサブのコギレスワラン・ラジがそれぞれ数少ない機会を逃さずゴールを決めて、貴重な勝ち点1を獲得しています。
 JDTはPJシティの選手に比べると、明らかに動きが悪く、ここにきて連戦の疲れが出てきたのかもしれません。チームとしては前節のスランゴール戦に続く引き分けで、サポーターからはエクトル・ビドリオ監督への批判の声も上がりそうですが、残り5試合で2勝すればリーグ9連覇という絶対的優位は動きません。

2022年シーズン スーパーリーグ順位表(第18節終了時)

チーム勝点
1JDT17134046103643
2SAB18113430191136
3NSE18105327161135
4TRE18102628161232
5KDA178362626027
6KLC187562427-326
7SRP186392628-221
8SEL185583132-120
9MEL184682031-1118
10PJC183871829-1117
11SWU1842121740-2314
12PEN1814131938-197
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド

2022年シーズン スーパーリーグ 得点ランキング(第18節終了時)

ゴール数選手名所属
121ベルグソン・ダ・シルヴァJDT
213フェルナンド・フォレスティエリJDT
13カイオンSEL
411ロナルド・ンガKDA
8ダレン・ロックPJC
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド

9月15日のニュース
AFC U20アジアカップ予選-マレーシアの初戦はモンゴルと引き分け
将来の代表候補リチャード・チンが英国3部リーグデビュー

AFC U20アジアカップ予選-マレーシアの初戦はモンゴルと引き分け

モンゴルのウランバートルで開催中のAFC U20アジアカップ2023年大会の予選E組に出場しているマレーシアは、初戦となるモンゴルとの試合に1-1で引き分け、勝点1を獲得してのスタートとなりました。

24分に相手CKからのゴール前の混戦でマレーシアが与えたPKでモンゴルが先制する展開となった試合は、モンゴルGKの度重なる好守などもあり、前半は0-1とモンゴルがリードして終了しました。後半に入ると54分に右サイドを上がったハイカル・ハキーミ(スランゴール2)からのパスをナジムディン・アクマル・カマル(JDT III)がマイナスのクロス。これをアリフ・イズワン・ユスラン(スランゴール2)がシュートし、これが決まってマレーシアは同点に追いつきます。しかし、その後は両チームとも追加点を奪えず、モンゴルの8本に対し、マレーシアは倍近い15本のシュートを放ちながら、試合は引き分けに終わっています。

予選E組のもう一つの試合は韓国がスリランカを6-0で破り、E組首位となっています。

将来の代表候補リチャード・チンが英国3部リーグデビュー

英国3部リーグにあたるEFLリーグ1のチャールトン・アスレティックFCに所属する19歳のリチャード・チンがリーグデビューを初先発で飾っています。左サイドバックのチン選手は、9月13日にホームのザ・ヴァリースタジアム(ロンドン)で行われた行われた今季第8節のフォレスト・グリーン・ローヴァーズFCに先発してリーグデビューを果たすと、72分に交代するまでプレーしています。チームは1-1で引き分け、今季通算成績を2勝4分2敗として14位(24チーム中)としています。

英国生まれながらマレーシア出身の父親とセイシェル出身の母親を持つチン選手は、マレーシア、セイシェル、英国代表でプレーする資格がありますが、これまでの報道ではマレーシア代表としてプレーすることを望んでいる旨の発言を何度か繰り返しています。チャールトン・アスレティックU18ではキャプテンも務めたチン選手は、昨年2021年7月にチームをプロ契約を結んでおり、昨年11月にはカップ戦でトップチームデビューを果たしています。今回のリーグ戦デビューでチン選手は、マレーシア代表としてプレー資格がある選手としては、最高位となる英国3部デビューを果たしたことになります。

Mリーグ1部スーパーリーグ
2022年シーズン第18節結果とハイライト(1)

2022年9月9日@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ 0-3 クダ
⚽️クダ:マフムード・アル=マルディ2(13分、89分)、ファイヤド・ズルキフリ(83分)
🟨マラッカ(0)
🟨クダ(2):カイルル・アズリン・カザリ、マフムード・アル=マルディ
MOM:ロナルド・ンガ(クダ)

2022年9月9日@トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
ヌグリスンビラン 3-2 サラワク
⚽️ヌグリスンビラン:グスタヴォ・アルメイダ2(17分、67分)、マテウス・アルヴェス(80分)
⚽️サラワク:ラジャ・イムラン・シャー(30分)、ヌル・シャミー(86分)
🟨ヌグリスンビラン(0)
🟨サラワク(2):ゴンザロ・ソト、ラジャ・イムラン・シャー
MOM:グスタヴォ・アルメイダ(ヌグリスンビラン)

2022年9月10日@リカススタジアム(サバ州コタ・キナバル)
サバ 2-3 スランゴール
⚽️サバ:バドロル・バクティアル(30分)、ジョゼ・エンバロ(41分)
⚽️スランゴール:ムカイリ・アジマル(24分)、ブレンダン・ガン(25分)、ハイン・テット・アウン(75分)
🟨サバ(1):リザル・ガザリ
🟨スランゴール(4):クエンティン・チェン、ハイン・テット・アウン、ハリス・ハイカル、アリフ・ハイカル
MOM:ハイン・テット・アウン(スランゴール)
サバの加賀山泰毅選手は先発して、フル出場しています。

2022年9月11日@ダルル・マクモルスタジアム(パハン州クアンタン)
パハン 0-2 KLシティ
⚽️KLシティ:ハキミ・アジム・ロスリ(31分)、ザフリ・ヤハヤ(72分)
🟨パハン(2):ノー・アザム・アジー、マヌエル・イダルゴ
🟨KLシティ(1):モハマド・ファウジ
MOM:ザフリ・ヤハヤ(KLシティ)

2022年シーズン スーパーリーグ順位表(第18節途中)

チーム勝点
1JDT1613304483644
2SAB18113430191136
3NSE18105324141032
4TRE179262516929
5KLC177462427-325
6KDA167362325-224
7SRP186392628-221
8SEL175573029120
9MEL174582031-1117
10PJC173771627-1116
11SWU1842121740-2314
12PEN1714121935-267
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド

2022年シーズン スーパーリーグ 得点ランキング(第18節途中)

ゴール数選手名所属
121ベルグソン・ダ・シルヴァJDT
213フェルナンド・フォレスティエリJDT
312カイオンSEL
410ロナルド・ンガKDA
58グスタヴォ・アルメイダNSE
8ダレン・ロックPJC
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド

9月14日のニュース
来季のペラ新監督にリム・ティオンキム氏の就任が決定
ディオン・クールズの来季JDT入りは既定路線?

来季のペラ新監督にリム・ティオンキム氏の就任が決定

Mリーグ2部プレミアリーグのペラFC(以下ペラ)は、クラブ公式Facebookで、ユスリ・チェ・ラー監督の今季終了後の退任と、リム・ティオンキム新監督の就任を発表しています。リム新監督との契約期間は2年間で、1年の延長オプションがついているということです。また、ユスリ現監督は、来季新たに開設されるリザーブリーグ(U23チームのリーグ)に出場するU23チームを担当するということです。

リム氏は、現役時代はクアラルンプールFA(現KLシティ)やブンデスリーガのヘルタ・ベルリンでプレーした後、2001年から12年間はバイエルンミュンヘンのU19チームのコーチを務めました。その後、2013年にはマレーシアサッカー協会FAMとマレーシア政府青年スポーツ省傘下の国家スポーツ評議会MSN.が共同で運営する国家サッカー選手育成プログラムNFDPのダイレクターとして5年契約という破格の契約で、当時の青年スポーツ大臣が三顧の礼をもって迎え入れました。

さらに2016年にはNFDPの中核となるエリートアカデミーのモクタル・ダハリアカデミーAMDのダイレクターに就任したリム氏でしたが、同時に就任したU17代表監督として、マレーシア国内開催となった2018年のAFC U16選手権のグループステージで最下位と惨敗すると、青年スポーツ省は手取りで17万5000リンギ(現在のレートではおよそ560万円)とされた給与を公開し、2020年まで残っていたとされる契約も解除しました。

Mリーグクラブの指導経験は全くないリム氏については、今回のペラ以外にも同じプレミアリーグのクランタンFC(以下クランタン)もノリザム・トゥキマン オーナーが来季の監督候補の1人と公言していましたが、未払い給料問題で主力選手が次々とチームを去り、クラブ創設100年目の昨季プレミアリーグに降格したペラが、チームの再建をこのリム氏に託すことになりました。

ディオン・クールズの来季JDT入りは既定路線?

先日発表されたタイのチェンマイで開催されるキングズカップ出場の代表候補メンバー25名中、唯一の国外組がディオン・クールズです。2021/2022年シーズンは、デンマーク1部FCミッティラン所属も、期限付き移籍でベルギー1部のSVズルテ・ワレヘムでプレーしたクールズ選手ですが、期限付き移籍期間終了後は、FCミッティランの登録メンバーにその名前がないなど、その去就に注目が集まっていました。しかしマレーシアサッカー協会FAMが発表した代表候補リストでは、クールズ選手の所属がチェコ1部のFKヤブロネツとなっていたことから、一部で噂になっていたジョホール・ダルル・タジムJDT入りではなく、ヨーロッパでプレーを続けることが明らかになっています。

UEFAチャンピオンズリーグ最終予選に出場したFCミッティランを退団し、チェコのクラブへの遺跡を選んだクールズ選手は、FCミッティランがプレースタイルを変更し、これにより自身のプレー時間が減ってしまう可能性が高くなったことが、今回の退団の理由だと説明し、26歳という自身の年齢を考えた際には、自分のプレーの質を高めるためには移籍が必要だったと述べています。

すでにFKヤブロネツのデヴィッド・ホレイス監督とも話をしたと言うクールズ選手は、開幕から8試合で16チーム中13位というチームは自分にとっても厳しい環境だが、チームの成績を自身のプレーで改善したいと話しています。

しかし、この話はここで終わりではありません。というのも、Mリーグ1部スーパーリーグのジョホール・ダルル・タジムJDTのオーナー、トゥンク・イスマイル殿下が、自身のインスタグラムに意味深な投稿を行ったからです。

クールズ選手のFKヤブロネツ移籍を祝う内容に加えて、「クールズ、4ヶ月間の滞在を楽しみなさい。そして来年1月にジョホールで会おう。」と投稿したのです。なおMリーグの次のトランスファーウィンドウは、今年12月1日から来年2023年2月22日が1回目、2023年5月28日から同年6月24日までが2回目となっており、現在はJDTに加入できないことから、今回のFKヤブロネツ移籍は、JDT加入前の「腰掛け」の可能性が濃厚ということです。

9月13日のニュース
キングズカップに向けて代表候補25名が発表
AFC U20アジアカップ予選出場のU19代表23名を発表

マレーシア代表も出場する第48回キングズカップの日程が発表になっています。タイのチェンマイで今月22日から始まるこの大会は、ホストのタイ、マレーシア、タジキスタン、トリニダード・トバゴが出場しますが、1回戦のカードはトリニダード・トバゴ対タジキスタン、タイ対マレーシアとなることが発表されています。

キングズカップに向けて代表候補25名を発表

マレーシアサッカー協会FAMは、このキングズカップ2022に出場するマレーシア代表の候補合宿参加メンバー25名を発表しています。今週金曜日9月16日から始まる合宿には、6月に行われたAFCアジアカップ2023年大会最終予選に参加した代表23名から、キム・パンゴン監督は17名を再び招集しています。

今回新たな招集メンバーは、先日のFAカップ2022にも出場したGKラーディアズリ・ラハリムとDFアザム・アズミ(いずれもトレンガヌ)の21歳コンビ、また20歳でU23代表のキャプテンを務めるスランゴールのMFムカイリ・アジマル、DFシャルル・ナジーム(22歳、スランゴール)ら若手選手のほか、精巣腫瘍の治療から復帰したMFブレンダン・ガン(スランゴール)、AFCカップで好調のKL攻守の要、MFザフリ・ヤハヤとDFデクラン・ランバート(いずれもKLシティ)、そしてGKカラムラー・アル=ハフィズ(PJシティ)の8名です。また25名にケガ人などが出た際の予備招集メンバー16名も合わせて発表になっています。

メンバーの内訳は、首位を独走するジョホール・ダルル・タジムJDTから9名、スランゴール、トレンガヌ、PJシティから各3名、ヌグリスンビランとKLシティからは2名ずつ、サバ、パハンから各1名、そしてチェコ1部のFKバウミト・ヤブロネツからはDFディオン・クールズが唯一の海外組として招集されています。

9月16日からの代表候補合宿参加メンバー

氏名年齢所属
DFシャールル・サアド29JDT
DFラヴェル・コービン=オング31JDT
MF ナズミ・ファイズ28JDT
MFアリフ・アイマン20JDT
FWサファウィ・ラシド25JDT
FWアキヤ・ラシド23JDT
FWモハマドゥ・スマレー28JDT
DF マシュー・デイヴィーズ27JDT
FWシャフィク・アフマド27JDT
DF シャルル・ナジーム23SEL
MFブレンダン・ガン34SEL
MFムカイリ・アジマル21SEL
FW ファイサル・ハリム24TRE
GKラーディアズリ・ラハリム21TRE
DF アザム・アズミ21TRE
GK カラムラー・アル=ハフィズ27PJC
FWダレン・ロック32PJC
MFルヴェンティラン・ルヴェンティラン21PJC
DFクザイミ・ピー29NSE
GK シャイハン・ハズミ26NSE
MFザフリ・ヤハヤ28KLC
DFデクラン・ランバート24KLC
DFドミニク・タン25SAB
MF ノー・アザム・アジ27SRP
DFディオン・クールズ26JAB
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド、JAB-FKバウミト・ヤブロネツ(チェコ)

予備招集メンバー16名も含めたリストはこちらから。

AFC U20アジアカップ予選出場のU19代表23名が発表

マレーシアサッカー協会FAMは、今月9月14日から18日までモンゴルのウランバートルで開催されるAFC U20アジアカップ2023年大会予選E組に出場するマレーシアU19代表の最終メンバー23名を発表しています。今年7月の東南アジアサッカー連盟AFF U19選手権で、2大会ぶり2度目の優勝を果たしたマレーシアですが、ハサン・サザリ監督はそのチームから16名を再び招集しています。

チームの編成は、スランゴールのセカンドチーム、スランゴール2から10名、ジョホール・ダルル・タジムJDTのセカンドチーム、JDT IIから2名、JDTのU19チームのJDT IIIから4名、FAMとマレーシア政府青年スポーツ省傘下の国家スポーツ評議会MSNが共同で運営するエリートアカデミーAMDのU17チームから3名、FAM-MSNプロジェクトから2名、トレンガヌ、PJシティからそれぞれ1名となっています。チームの詳しいメンバーはこちらから。

今回の予選でマレーシアは、明日9月14日にモンゴル、同16日にスリランカ、同18日に韓国と対戦します。

FAカップ2022決勝-トレンガヌを振り切ってJDTがまず今季一冠

2年ぶりの開催となったマレーシアFAカップの決勝が、9月10日にクアラ・ルンプールのブキ・ジャリル国立競技場に公式発表8万4321人を集めて開催され、ジョホール・ダルル・タジム(JDT)がトレンガヌを3-1で破って、2016年以来6年ぶり2度目の優勝を果たしています。

今季途中の7月にJDTの監督に就任したエクトル・ビドリオ監督にとっては、初タイトルがかかるこの試合で、いつもの通り、ベルグソン・ダ・シルヴァ、フェルナンド・フォレスティエリの2トップを中心とした強力な攻撃陣を中心とした布陣を起用しましたが、トレンガヌのナフジ・ザイン監督は、エースのクパー・シャーマンをベンチ外とし、チェチェ・キプレのワントップという中盤以降を厚くした布陣を選択し、カウンター狙いで11年ぶりの優勝を狙いました。

JDTの最初のチャンスは10分。20歳のウィング、アリフ・アイマンに右サイドを突破されて放たれたシュートは、トレンガヌGKラーディアズリ・ラハリムが止められなかったもののゴールポストに救われます。その後も、JDTは右サイドにボールを集めますが、トレンガヌは190cm越えの長身パペ・ディアキテ、シャールル・ニザム、アザム・アズミらDF陣がJDTのエース、ベルグソン・ダ・シルヴァには仕事をする機会を与えず、守って機会を待つ戦術は少なくとも前半は功を奏しました。

逆に24分には、トレンガヌゴール前から出たボールに反応したファイズ・ナズミがカウンターから左サイドを上がり、JDTのラヴェル・コービン=オングがファウルで止めるも、主審が流しそこからチェチェ・キプレがJDTのGKファリザル・マーリアスと一対一になりながら、ゴールを止められるなど、トレンガヌは好機を作り、JDTには徐々にラフプレーが目立ち始めます。

そんな中、JDTに先制ゴールが生まれます。それまでもJDTは、相手スローインには、ボールをすぐに渡さないなど時間をかける一方で、自らのスローインは相手の選手が戻り切る前に素早く行うなどしていましたが、ここでもラインを割ったボールを素早くゴール前へ展開したJDTは、ベルグソン・ダ・シルヴァからレアンドロ・ヴェラスケスを経て出たパスをアリフ・アイマンがゴールし、JDTが1-0とリードします。

ただし、ハイライト映像を見てもわかりますが、このゴールの起点となったスローインがボールがラインを割った地点の遥か先で行われています。スローインをしようとしたラヴェル・コービン=オンがボールの出た地点にいますが、そこから数メートル離れた地点からのスローインが果たして有効なのかどうかには、正直、疑問が残るほどで、これを認めた審判のJDT贔屓(びいき)という声が上がる可能性があります。

ともかくカウンター狙いだったトレンガヌは、先に失点したことでラインを上げざるを得なくなり、その結果、JDTがリードを広げます。トレンガヌDFラインの裏に抜け出したベルグソン・ダ・シルヴァをGKラーディアズリ・ラハリムが倒してPKを与え、ベルグソン自身がこのPKを決めて、63分にJDTが2-0としました。

76分にはチェチェ・キプレのゴールでトレンガヌは1点様で迫ったものの、78分には再びトレンガヌの守備陣の間隙をついてベルグソン・ダ・シルヴァが再びゴールを決めて、再びリードを広げ、試合はこのままJDTが2点のリードを守り切って、今季一冠目となるFAカップを制しました。

2022年9月10日@ブキ・ジャリル国立競技場(クアラ・ルンプール)
トレンガヌ 1-3 JDT
⚽️トレンガヌ:チェチェ・キプレ(76分)
⚽️JDT:アリフ・アイマン(34分)、ベルグソン・ダ・シルヴァ2(63分PK、78分)
🟨トレンガヌ(1):マヌエル・オット
🟨JDT(5):マシュー・デイヴィーズ、シェーン・ローリー、ベルグソン・ダ・シルヴァ、レアンドロ・ヴェラスケス、ラヴェル・コービン=オング
MOM:ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)

以下は試合のハイライト映像(映像はアストロアリーナのYouTubeチャンネルより

Mリーグ1部スーパーリーグ
2022年シーズン第9節および第16節結果とハイライト(2)

2022年9月2日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロースター)
クダ 1-0 ペナン
⚽️クダ:ロナルド・ンガ(56分)
🟨クダ(2):シャーリル・サアリ、サンワット・デーミット
🟨ペナン(2):ラファエル・ヴィトール、エンドリック
MOM:ロナルド・ンガ(クダ)

2022年9月3日@MPBJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴール 1-1 JDT
⚽️スランゴール:カイオン(65分)
⚽️JDT:ベルグソン・ダ・シルヴァ(32分)
🟨スランゴール(4):アリフ・ハイカル、アレクサンダー・アギャルクワ、ノー・ハキム・ハサン、アシマウィ・ヤキン
🟨JDT(3):シェーン・ローリー、シャールル・サアド、ナタニエル・シオ
MOM:ムカイリ・アジマル(スランゴール)

2022年9月3日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
トレンガヌ 5-0 マラッカ
⚽️トレンガヌ:クパー・シャーマン(16分)、ニック・シャリフ・ハセフィ(62分)、チェチェ・キプレ3(67分、75分、81分)
🟨トレンガヌ(1):マヌエル・オット
🟨マラッカ(0)
MOM:チェチェ・キプレ(トレンガヌ)

2022年シーズン スーパーリーグ順位表(第17節終了時)

チーム勝点
1JDT1613204483644
2SAB17113328161236
3NSE1795324141032
4TRE179262516929
5KLC166462227-522
6SRP176382727021
7KDA156361925-621
8SEL164572727017
9MEL164572028-817
10PJC173771627-1116
11SWU1742111537-2214
12PEN1714121935-267
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド

2022年シーズン スーパーリーグ 得点ランキング(第17節終了時)

ゴール数選手名所属
121ベルグソン・ダ・シルヴァJDT
213フェルナンド・フォレスティエリJDT
312カイオンSEL
410ロナルド・ンガKDA
58グスタヴォ・アルメイダNSE
8ダレン・ロックPJC
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド

9月10日のニュース
MFLはマラッカに給料未払い問題の解決を指示
MFLが規則改定:一転してリー・タックら帰化選手のマレーシア人選手登録を認める

国内2大カップ戦の一つ、FAカップの決勝戦ジョホール・ダルル・タジム(JDT)対トレンガヌはいよいよ今日の午後午後9時(マレーシア時間)にキックオフ。昨季最後の試合となった2021年マレーシアカップ決勝以来、国内では無敗を誇るJDTは6年ぶり2度目の、トレンガヌは11年ぶり3度目の優勝を目指します。マレーシアサッカーではあるあるですが、ジョホール州とトレンガヌ州とも、自州を本拠地とするチームがFAカップに優勝すれば翌日を週の公休日とし、州政府としてチームに褒賞を与えることも発表しています。8万5000人分のチケットが既に売り切れており、2年ぶりの開催となったFAカップ決勝は大いに盛り上がりそうです。

MFLはマラッカに給料未払い問題の解決を指示

Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFLは、給料未払い問題が明らかになっているマラッカ・ユナイテッドFC(以下マラッカ)に対して、9月20日まで全ての未払い給料を完済するか、分割による支払い方法などで選手や監督、コーチらとの合意を得ることを求め、それが達成されない場合には今季のマレーシアカップ出場権を剥奪すると発表しています。

サラワクに対して既に文書での通告は9月6日に行われているということですが、過去2シーズンにわたり給料未払い問題を起こし、その度に勝点剥奪処分まで受けているチームに対して寛大すぎる猶予だとは思いますが、この記事では、期限までに完済、或いは分割支払いの合意を選手との間で得られない場合には、今季のマレーシアカップ出場権剥奪に加え、来季のクラブライセンス申請が認められない、つまり来季の新スーパーリーグに参加できなくなる可能性にまで言及しています。

MFLが規則改定:一転してリー・タックら帰化選手のマレーシア人選手登録を認める

Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)は、Mリーグ1部スリ・パハンFC(以下パハン)から出されていた、帰化選手のマレー人選手登録不許可に対する異議申し立てを受け入れるとともに、直ちに規則を改定し、マレーシア国籍を取得したリー・タック、エセキエル・アグエロの両選手をマレーシア人として登録することを認めることを、公式サイト上で発表しています。

パハンは今季2度目のトランスファーウィンドウ期間(5月28日から6月24日)に、タック、アグエロ両選手をマレーシア人選手として登録しようとしましたが、MFLはその登録を受け付けていませんでした。

MFLの競技規定では、外国籍選手がマレーシア国籍を取得した場合でも、Mリーグでマレーシア人選手として登録できるのは、さらに5年間のプレー期間を経ることが必要としていましたが、これがマレーシア国憲法が規定する「すべてのマレーシア人は同等の権利を有する」ことに抵触するとして、パハンはMFLに対して両選手のマレーシアンジ選手としての登録拒否の再考と規定の改定を求めていました。

今回の規定変更により、タック、アグエロ両選手は、マレーシアカップグループステージからマレーシア人選手としての出場が可能になっています。

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パハンには既にレガシー帰化選手(マレーシア人の両親または祖父母を持つ帰化選手)として英国生まれのDFニコラス・スウィラッド、オーストラリア生まれのMFデヴィッド・ロウリー、マレーシア生まれながらイタリア育ちのMFショーン・ジャンネッリがおり、タック、アグエロ両選手が加わわることで帰化選手が合計5名となります。これに外国籍選手5名が加わることで、リーグ戦ではここまで6勝3分8敗の7位という成績のパハンは、マレーシアカップでは一転してダークホースとして浮上しそうです。

Mリーグ2部プレミアリーグ
2022年シーズン第17節結果とハイライト

Mリーグ2部プレミアリーグは今季残り2節となりました。来季から1部スーパーリーグとの統合が決まっているため、「1部昇格争い」は無くなり、3部に当たるM3リーグとの入れ替え戦に臨む2チームを除き、全てのチームが来季は1部でプレーすることなっています。

今節を終了し、本来なら1部昇格となる2チームが決定しています。1つは「金は出すが物も言う」オーナーとして知られているノリザム・トゥキマン オーナー所有のクランタンFCです。2012年には国内三冠(リーグ戦、FAカップ、マレーシアカップ)を達成、通算でもスーパーリーグ優勝2回、FAカップ優勝2回、マレーシアカップ優勝2回といった実績があるクランタンFCは、その後、放漫経営で運営危機に陥ります。選手や監督、コーチへの給料未払いが続き、それと共にチーム成績も急降下、2019年にプレミアリーグに降格していました。しかし2020年オフにノリザム氏がオーナーとなって以降、2年でスーパーリーグ復帰を果たしています。

従来の仕組みであれば昇格となっていたもう1チームは、谷川由来選手が所属するクチンシティFCです。クタンタンFCとは異なり、来季がクラブ史上初のスーパーリーグ昇格となるクチンシティFCは、2019年にはクチンFAとしてM3リーグでプレーするチームでした。この年、リーグ2位で入れ替え戦に臨むと、プレミアリーグ11位のサラワクFA(当時、現サラワク・ユナイテッドFC)を破ってプレミアリーグに昇格しました。サラワクFAはサラワク州サッカー協会が運営するチームであるのに対し、クチンFAはサラワク州サッカー協会傘下のクチン市サッカー協会運営のチームという関係で、いわば「だらしない親」を「しっかり者の子」が制した格好です。
 次々にチームの歴史を更新してきたクチンシティFCですが、昨季就任したイルファン・バクティ監督の手腕も大きく影響を与えています。71歳のイルファン監督は、トレンガヌなどで監督を務め、FAカップ優勝の経験もあります。監督就任初年度となった昨季のクチンシティFCは7勝6分7敗、得点22失点22の5位で昇格を逃したものの、今季はここまで10勝3分4敗、得点29失点19の3位と、スーパーリーグ昇格に恥ずかしくない成績を挙げています。リーグ改変の影響ではなく、従来の規定に従っても来季スーパーリーグ昇格を決めたことで、クチンシティFCは、今季終了後に引退を発表したイルファン監督の花道を飾ることにもなりました。

2022年9月3日@KLフットボールスタジアム(クアラ・ルンプール)
FAM-MSNプロジェクト1-0 PDRM
⚽️FAM:ハズワン・ハサン(10分)
🟨FAM(0)
🟨PDRM(5):ムアズ・ザイナル・アビディン、シャフィク・アズミ、イザット・ズハイリ・ザカリア、ミロシュ・ラチャニー、アズリ・レザ・ザムリ
MOM:ハズワン・ハサン(FAM-MSNプロジェクト)

2022年9月3日@UITMスタジアム(スランゴール州シャー・アラム)
UITM 2-1 ペラ
⚽️UITM:ファリス・ハフィズ・アザル2(15分、24分)
⚽️ペラ:ワン・ザック・ハイカル(35分)
🟨UITM(2):アフザル・アクバル、ファーミ・サブリ
🟨ペラ(2):アフィフ・アシュラフ、カイルル・アシュラフ・ラムリ
🟥ペラ(1):カイルル・アシュラフ・ラムリ(🟨x2)
MOM:レンディ・リニン(UITM)

2022年9月4日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(クランタン州コタ・バル)
クランタン 1-2 スランゴール2
⚽️クランタン:ガファル・アブドル・ラーマン(76分)
⚽️スランゴール:アリフ・イズワン(29分)、シャルヴィン・セルヴァクマラン(34分)
🟨クランタン(3):フェリペ・エレダ、カイルル・ヘルミ・ジョハリ、イクワン・ヤゼク
🟨スランゴール(2):イズル・アダム・スハイミ、シャズワン・サルヒン
MOM:シャルル・ナジーム(スランゴール)
クランタンの原健太選手は、81分に交代出場し、試合終了までプレーしています。

2022年9月4日@サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
クチンシティ 2-1 クランタン・ユナイテッド
⚽️クチンシティ:アブ・カマラ(63分)、アミル・アムリ・サレー(68分)
⚽️クランタン:アスラフ・アリフディン(90+3分)
🟨クチンシティ(1):シャフィジ・イクマル
🟨クランタン(0)
MOM:アミル・アムリ・サレー(クチンシティ)
 クチンシティの谷川由来選手は先発してフル出場しています。
 クランタン・ユナイテッドの深井脩平、本山雅志の両選手はいずれも先発してフル出場しています。

2022年9月4日@MBPGスタジアム(ジョホール州パシル・グダン)
JDT II 3-0 トレンガヌII
⚽️JDT:ダリル・シャム(6分)、ウマル・ハキム(82分)、ムサ・シディベ(85分)
🟨JDT(2):ムサ・シディベ、ゲイブリエル・ニステルローイ
🟨トレンガヌ(3):ルーク・ウッドワード、アルグジム・レゾヴィッチ、リズアン・ラザリ
MOM:レヴィ・マディンダ(トレンガヌ)

2022年シーズン プレミアリーグ順位表(第17節終了時)

チーム得失差勝点
1JDT17123237132439
2KEL17113326131336
3KCH17103429191033
4TRE179352718930
5KLU176652218424
6PDRM176382027-721
7UITM1752101725-817
8SEL174491424-1016
9FAM1722131031-218
10PRK1751111529-14*7
ペラ(PRK)は給料未払い問題の解決が遅れたことにより、勝点9の剥奪処分を受けています。
KEL-クランタン、PRK-ペラ、KLU-クランタン・ユナイテッド、TRE-トレンガヌII、SEL-スランゴール2、FAM-FAM・MSNプロジェクト、KCH-クチンシティ、JDT-JDTII

2022年シーズン プレミアリーグ 得点ランキング(第17節終了時)

ゴール数選手名所属
111アブ・カマラKCH
28フェルナンド・ロドリゲスJDT
8ンジョク・ジェイコブKLU
8マルティン・アダメックPDRM
8ダリル・シャムJDT
67ジョーダン・ミンターTRE
KEL-クランタン、PRK-ペラ、KLU-クランタン・ユナイテッド、TRE-トレンガヌII、SEL-スランゴール2、FAM-FAM・MSNプロジェクト、KCH-クチンシティ、JDT-JDTII