1月18日のニュース:かつての同僚がSACで対戦、マレーシアとインドネシアのサッカーの違いをプルシブ・バンドンの監督が語る

かつての同僚がSACで対戦
 本日1月18日から2日間の予定でスランゴール州シャーアラムスタジアムで開催されるスランゴールアジアチャレンジSACは、主催するスランゴールFCと東南アジアの3クラブが参加する大会です。
 参加クラブのうちの一つであるプルシブ・バンドン(インドネシア)の監督は、かつてマレーシアでも複数のクラブで監督の経験があるロバート・アルバーツ氏です。アルバーツ氏は1990年代に監督を務めたクダFAでリーグ優勝とマレーシアカップ優勝を経験している他、2000年代と2010年代にはサラワクFAでも監督を務め2部リーグで優勝、この他、インドネシアやシンガポールでもリーグ優勝経験があり、東南アジアサッカー界のカリスマ監督の一人です。
 またアルバーツ氏は、マレーシアサッカー協会FAMのもとで2005年から2008年までテクニカルダイレクターTDやU19代表の監督を務めた経験もあります。そしてそのTD時代に、同じFAMでU23代表の監督をしていたのが今回の大会のホストであるスランゴールFCを率いるサティアナタン・バスカラン監督です。長年の知り合いであるというこの二人はかつてアーセナルがマレーシアで開催するサッカーアカデミーで一緒に指導していた経験もあります。
 今回のプルシブ・バンドンは、経験の浅い若手選手や新外国籍選手候補など、この大会で契約獲得を目指す選手で構成されており、アルバーツ監督が「サティアナタン監督は戦略家だが、ウチのチームの情報はほとんど持っていないだろう」と軽くジャブを放つと、サティアナタン監督は「未契約選手が多いチームは、(契約獲得のために)コーチに好印象を持ってもらおうと全員が全力でプレーしてくるので厄介だ」と切り返し、大会前の公式記者会見でも火花を散らしています。

マレーシアとインドネシアのサッカーの違いをプルシブ・バンドンの監督が語る
 前述したように、マレーシアとインドネシアで指導経験が豊富なアルバーツ氏は、英字紙スター電子版で両国のサッカー界の違いを述べています。
 マレーシア人自身が「設備や施設は一流国並み、精神構造は三流国並み」という言い方を自虐的にすることがありますが、アルバーツ氏はサッカーにもこれが当てはまると指摘し、マレーシアのサッカー組織は一流だが、文化としてのサッカーは貧弱であるとし、以下のようなコメントを出しています。
 「マレーシアではいつからシーズンが始まるか分かっているので、それに合わせて各クラブはプレシーズンの練習を開始するが、インドネシアではいつ開幕かがわからないことがよくある」
 「プロサッカーでは目標を設定し、そこへ向かって努力するためにはそういったこと(スケジュールの確定)が欠かせないので、マレーシアの方が明らかに進んでいる」
 「組織という点では、インドネシアはマレーシアが現在、到達しているレベルを目指している状況である。しかしそのレベルまで達することができれば、サッカーへの情熱、豊かな才能といったことを考えると、インドネシアは東南アジアのサッカーを席巻できる可能性がある」
 「特にサッカーへの情熱という点では、インドネシアはマレーシアを凌駕している。どんな小さな街にでもスタジアムがあり、大半のスタジアムに多くのファンが常に詰め掛け、贔屓(ひいき)のクラブに対して情熱的なサポーターが多い。また、国内リーグという点では、インドネシアでは既にピラミッドが出来上がっており、多くのクラブがトップを目指して激しく競争している」
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 アルバーツ氏が述べているように、国内のクラブ同士の競争の熾烈さ、サポーターの熱狂度合いでは、インドネシアは既にマレーシアを上回っているように感じます。またインドネシアは人口が2億7000万人を超える一方で、マレーシアの人口は3300万人弱、他のアジアの国々と比べても、国の規模そのものが違っており、タレント持った選手が育つ確率が同じだとすれば、東南アジアどころかアジアのサッカー強国になる可能性するあります。


 
 

1月17日のニュース:フル代表の中東遠征は予定通り実施、マット・ヨーがタイ1部リーグのクラブに正式加入、ケランタンFAとケランタンUが今季のクラブライセンス取得

フル代表の中東遠征は予定通り実施
 フル代表は3月にFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選のアラブ首長国連邦UAE戦を控えていますが、アメリカとイランの対立により中東情勢が緊迫したことによりその実施があやぶまれていました。これについてFAMのダト・ハミディン・・モハマド・アミン会長は、マレーシア内務省やアジアサッカー連盟AFC、またUAEサッカー協会によって安全が保障されたことにより、フル代表の遠征は予定通り実施すると英字紙スター電子版に語っています。
 フル代表はUAE遠征前にバーレーン代表とブキジャリル国立競技場で国際親善試合を行ったのち、3月26日に予定されているFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選でアラブ首長国連邦UAEと対戦する予定になっています。
 なおUAE戦後のフル代表は、3月31日にホームでのベトナム戦、6月9日のアウェイでのタイ戦という日程が残っています。なお、6月のタイ戦の前にはクウェート代表との国際親善試合も予定されています。

マット・ヨーがタイ1部リーグのクラブに正式加入
 フル代表でもプレーする33歳のベテランFWノーシャルル・イドラ・タラハの正式加入が新たな所属先となるBGパトゥム・ユナイテッドFCのFacebookで発表されています。既にタイ入りし、健康診断を残すだけという話はこのブログでも一昨日、取り上げましたが、ついに入団が正式に決まったようです。
 昨季タイ2部リーグで優勝し、今季は1部に昇格するBGパトゥム・ユナイテッドFCには、大分から期限付き移籍を終えてタイリーグに復帰するMFティティパン・プアンチャンもおり、ティティパン選手からのパスを受けてノーシャルル選手がゴール!といった場面も見られるかも知れません。
(写真はBGパトゥム・ユナイテッドFCのFacebookより)

ケランタンFAとケランタンUが今季のクラブライセンス取得
 MFL2部のケランタンFAとケランタン・ユナイテッドFCがマレーシアフットボールリーグMFL参加に必要なクラブライセンスを取得したことをマレーシアの通信社ベルナマが報じています。
 ケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会のフシン・デラマン事務局長によると、マレーシアサッカー協会FAMとアジアサッカー協会AFCが規定したライセンス取得のための6条件の内の5つを満たしていることから、ケランタンFAに条件付きではあるもののライセンスが発行されたとのことです。
 また昨季はMFL3部にあたるM3リーグで優勝し、今季からMFL2部でプレーするケランタン・ユナイテッドFCのワン・モハマド・ズル・イクマン事務局長は、ライセンス取得により新たな選手との契約が可能となったことから、戦力を強化してリーグ戦に臨みたいとベルナマに語っています。
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 クラブライセンスを獲得したとはいえ、ケランタンFAはFAMから最後通帳を受けた3クラブの1つです。クラブライセンス取得条件の残る1つの条件は財政面ということで、給料未払い問題と関連している可能性もあります。2018年シーズン終了後、自動昇格となる条件を満たさないまま3部からMFL2部に参加したものの、リーグ開幕後に出場停止処分を受けたプルリスFAのようなことにならないよう、FAMとMFLには厳格な審査をお願いしたいです。

1月16日のニュース:FAMが最後通牒を与えた3クラブはマラッカU、PDRM FC、ケランタンFAと判明、MFLにVAR導入は時期尚早-MFL会長、MFLは今季の放映権について複数のメディアと協議中、ポドルスキーがJDT訪問

FAMが最後通牒を与えた3クラブはマラッカU、PDRM FC、ケランタンFAと判明
 マレーシアサッカー協会FAMが未払い給料問題解決の遅れから最後通牒を与えた3クラブは、昨日のこのブログではまだ明かされていないと書きましたが、今日付のFAM公式サイトにてマラッカU、PDRM FC、ケランタンFAが該当クラブであることが発表されています。
 昨日も書きましたが、この3クラブは1月31日までに未払い給料完済、あるいは選手との間で支払い方法に関する合意に達しなければ勝点3が剥奪(はくだつ)され、それが2月28日(マレーシアフットボールリーグMFL第1節試合日)までなら勝点6が、3月30日まで解決されなければ今季のリーグ出場停止処分となります。
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 開幕を例年より遅らせて2月末にしたにもかかわらず、開幕後まで問題解決の猶予を与えるFAMの姿勢は正直疑問です。昨季はMFL2部のプルリスFAに対する出場処分後が開幕後に決まったため、MFL2部の試合日程が途中で変更を強いられたように、今季もドタバタが起こるのかも知れません。
(最後痛料を出された3クラブを公表する告知。FAMのFacebookより。)

MFLにVAR導入は時期尚早-MFL会長
 昨日1月15日に開催されたMFL開幕イベントで、MFLのダト・スリ・ハミディン・アミン会長は、MFLへのVAR導入は時期尚早だと述べたことが英字紙ニューストレイトタイムズで報じられています。
 FAMの会長でもあるハミディン会長は、VARの導入はMFLの経営が安定してから導入されるべきという見解を述べた上で、MFLの最優先事項はマレーシア代表チーム強化につながるようなリーグ自体の向上であるとして、そのためにはまずリーグの商業価値を高め、その上でVAR導入に関する協議を行いたいと話しています。

MFLは今季の放映権について複数のメディアと協議中
 MFLは1部スーパーリーグ、2部プレミアリーグ、マレーシアFAカップ、マレーシアカップ、チャレンジカップの公式戦の放映権について、複数のメディアと協議の最終段階に入っていると英字紙スター電子版が報じています。
 MFLは今季の公式戦を配信元を1社に限らず、複数のメディアを通じて有料チャンネルだけでなく、無料の地上波やネット配信でも希望しているとされ、特にMFL1部スーパーリーグについては全試合の放映を求めているとしています。
 記事の中でMFLのハミディン会長は、2月中には詳細が確定し発表できるだろうとも述べています。

ポドルスキーがJDT訪問
 今季在籍したJリーグのヴィッセル神戸との新たな契約を結んでいないルーカス・ポドルスキが、MFL1部のジョホール・ダルル・タジムJDTのホーム、スルタン・イブラヒムスタジアムを訪問したと、スポーツ専門サイトのフォックススポーツが報じています。
 JDTでプレーすることに関心がある、と本人から連絡があったことをJDTのオーナーTMJことジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下が公表したことから、すわJDT移籍かと日本のメディアも報じる中、JDTの新本拠地スルタン・イブラヒムスタジアムを訪れている様子が、JDTのFacebookで伝えられています。
 JDTのFacebookには、トゥンク・イスマイル殿下とポドルスキー選手のツーショットや話し合いを行なっている写真が掲載されています。(写真はJDTのFacebookより)

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 個人的に確定していない選手の移籍の噂には興味はないのですが、日本でも関心が高いようなので、簡単に触れることにしました。
 今季のACLでは、JDTがヴィッセル神戸と予選グループに入ったことから、ポドルスキー選手がJDTに移籍して古巣と対決、のようなストーリーができている節もあるようですが、今季のJDTでプレーする5名の外国籍選手(ただし5名枠にはAFC枠1、ASEAN東南アジア枠1が含まれています)を考えるとあまり現実的ではない気がします。ポドルスキー選手が入団すれば、FWジオゴ、MFレアンドロ・ヴァレスケス、DFマウリシオのうちの一人が弾き出されることになりますが、JDTの今季の目標がACLで好成績を収めることだとすれば、いずれの選手も欠かせない選手ですので、ポドルスキー選手は今のチーム状況に適した選手には思えません。

1月15日のニュース:代表FWがタイ1部リーグのクラブへ移籍、MFLから未払い給料問題を抱える3クラブに対して最後通牒が出される、クダFAはカンボジア遠征を勝利で終える

代表FWがタイ2部リーグのクラブへ移籍
 昨年2019年のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選でもプレーしたフル代表のFWノーシャルル・イドラ・タラハが、隣国タイの2部リーグで昨季優勝し、今季は1部に昇格するBGパトゥム・ユナイテッドFCへ加入すると英字紙ニューストレイトタイムズで報じられています。
 マット・ヨーの愛称でも知られるノーシャルル選手は、昨季はマレーシアフットボールリーグ1部で2位となったパハンFAに在籍していましたが、シーズン終了後に契約満了が伝えられていたものの、移籍先が決まっていませんでした。今年の6月に34歳となるノーシャルル選手は健康診断を経て、問題がなければ今週中には契約となるようです。なお契約期間は1年となっています。
 ノーシャルル選手が加入するBGパトゥム・ユナイテッドFCとともに今季タイ1部リーグに昇格するポリス・テロFCには前JDTでU22代表の主将も務めたドミニク・タンもいますので、今季のタイ1部リーグではマレーシア人選手が二人もプレーすることになります。
 タイ1部リーグは2月15日に開幕しますが、ノーシャルル選手が所属予定のBGパトゥム・ユナイテッドFCは昨季5位のムアントン・ユナイテッドFCと、タン選手が所属するポリス・テロFCは、昨季2位となったものの2017年、2018年とリーグ2連覇を果たしている強豪ブリーラム・ユナイテッドFCと対戦します。

MFLから未払い給料問題を抱える3クラブに対して最後通牒が出される
  サッカー専門サイトヴォケットFCによると、本日1月15日に開催された今季のMFL開幕イベント後のメディアとの会見の席で、MFLのスチュアート・ラマリンガム事務局長はMFLの3クラブが最後通牒を出されており、期限までに未払い給料問題の解決方法が明示されない場合、今季のMFL出場停止処分もありうるとしています。ラマリンガム事務局長は具体的に以下の日程を挙げています。

1月30日
 この日までに未払い給料の完済、あるいは選手との間で未払い給料支払い方法についての合意が得られない場合、勝点3を剥奪する。
2月28日
 この日までに未払い給料の完済あるいは選手との間で合意した支払い方法が守られない場合、勝点6を剥奪する。
3月30日
 この日までに未払い給料の完済あるいは選手との間で合意した支払い方法が守られない場合、今季のリーグ戦およびカップ戦全てに出場停止処分を科す。
 
 また、リーグ出場停止処分を科されたクラブは、未払い給料を完済するまでリーグへの復帰は認められず、また復帰が認められた場合も下部リーグからの出場となるとしています。
 なお、ラマリンガム事務局長は最後通牒を出されたクラブ名をこの日は公表せず、まずは該当クラブに通告し、その後、FAMから公式に発表するとしています。

クダFAはカンボジア遠征を勝利で終える
 カンボジア遠征中のクダFAは、出場したスマートRSNカップ最終戦で地元のプノンペン・クラウンFCを2−1で破りで優勝したと、公式Facebookで伝えています。
 1月21日にアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLの予選プレーオフ、和富大埔(Tai Po FC – 香港)戦を控え、他のMFLクラブに比べると早めの始動となったクダFAですが、この日の決勝戦は新戦力のチェチェ・キプレ(トレンガヌFCより加入)とハディン・アズマン(フェルダ・ユナイテッドFCより加入)がゴールスなど、大型補強の効果が出ているようです。
 13日間で5試合の強行軍でしたが、カンボジアのクラブとは4勝1敗、その間に行ったトレーニングにも満足しているというアイディル・シャリン監督は、試合の結果以上にACL予選プレーオフに向けて勢いがついたと語っています。
(優勝を祝うクダFA。写真はクダFAのFacebookより)

1月14日のニュース:前PKNS FC監督は国外のクラブでの指導を視野に、カンボジアリーグ王者がマレーシアでのプレシーズンマッチツアーを終了

前PKNS FC監督は国外のクラブでの指導を視野に
 スランゴールFA(現スランゴールFC)に吸収合併され、スランゴールFCのBチームとなったPKNS FC前監督のラヤゴパル・クリシュナサミ氏は、マレーシア国外での監督に興味を持っているとマレー語氏シナルハリアン電子版が伝えています。
 現役時代にもプレーしたPKNS FCの他、ケランタンFA、スランゴールFA、サラワクFAでも監督経験のあるラヤゴパル氏は、昨年2019年10月に開幕したインドスーパーリーグISLで、12試合を経過した時点で8位に低迷するチェンナイインFCの監督就任が噂されていました。しかしジョン・グレゴリー監督が解任され空席となった監督のポストにはオーウェン・コイル氏が就任したことから、この話は立ち消えになってしまいました。
 ラヤゴパル氏自身はシナルハリアンの取材に対し、現在も東南アジアのクラブでの監督就任を希望している一方で、新たなシーズンに向けて多くのクラブで監督がすでに決まっていることを認めています。
 ラヤゴパル監督は、フル代表の監督として2010年の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップで優勝している他、その前年2009年にはU22代表監督として東南アジア競技大会通称シーゲームズでも金メダルを獲得するなど現役監督しての実績はトップクラスです。フル代表監督を退いた2014年にはベトナム代表監督候補という報道もでるなど、その評価は国外でも高いようなので、近いうちにどこかの国のクラブの監督に就任する可能性は大有りです。
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 国外で監督を務めたマレーシア人指導者としては、前トレンガヌFC監督のイルファン・バクティ(2007年にインドネシア1部リーグのプルシプラ・ジャヤプラで監督)やそのイルファン氏のコーチングスタッフとしてインドネシアに渡り、イルファン氏が帰国後もインドネシアに残り、現在はマレーシアよりもインドネシアで名前が知られているラジャ・イサ氏(現インドネシア2部リーグのPSPSリアウ監督)がいます。

カンボジアリーグ王者がマレーシアでのプレシーズンマッチツアーを終了
 マレーシアに遠征していた昨季2019年カンボジアリーグ王者のプレア・カン・リーチ・スヴァイ・リエンFC(PKRSR FC)が3試合のプレシーズンマッチを終えたとスポーツ専門サイトのフォックススポーツが伝えています。
 PKRSR FCはスランゴールFC、フェルダ・ユナイテッド、そして昨日のトレンガヌFCとMFL1部の3クラブと対戦し、それぞれ4−0、2-1、4-3と3戦全勝でツアーを終えています。
 このPKRSR FCは、昨季のカンボジアリーグでは20勝5分1敗(しかも1敗はリーグ最終戦)と国内リーグではダントツの強さを誇り、アイルランド出身のコナー・ネストー監督がアイルランドサッカー協会の育成コーチや国内リーグのリムリックFCのU19監督などを歴任後、カンボジアでの監督就任2年目で優勝チームを作り上げています。
 なお、PKRSR FCは1月22日と29日に行われるアジアサッカー連盟AFCカップの予選ラウンドではラオスのマスター7FCと対戦し、この試合に勝つとAFCカップ本選に出場します。

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 昨日のトレンガヌFCとの試合は、私も後半だけ観戦しました。主将のリー・タックらが出場していなかったせいもあるかも知れませんが、私が観戦した時間帯はほぼトレンガヌFCのハーフ内で試合が行われている印象で、トレンガヌFCは前線にボールが渡ることがあっても結局シュートまで結びつかず、私が観戦する前までにどうやって3点も取ったのだろうという印象でした。

12月13日のニュース:プルリスFAのMFL復帰への道は険しい、ケランタン州サッカー協会に再びFIFAによる制裁の可能性が浮上

プルリスFAのMFL復帰への道は険しい
 昨季2019年シーズンにマレーシアフットボールリーグMFL2部で給料未払い問題と運営資金不足が明らかになり、開幕後わずか3試合でMFLよりリーグ出場停止処分となったプルリスFAのリーグ復帰の道のりはまだ険しいと、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が伝えています。
 プルリスFAはリーグ出場停止処分の他、昨季在籍したブラジル人FWバルチ・テイシェイラ・ジュニオールへの給料未払い問題が未解決のため、国際サッカー連盟FIFAによる選手獲得禁止処分も受けています。
 ニューストレイトタイムズによると、プルリスFAを運営するプルリス州サッカー協会PFAは、リーグ復帰に必要となるクラブの経済状況に関する書類をMFLに提出できていないということですが、上記のジュニオール選手の他、サフィ・サリー(PJシティFC)、カイリル・ムヒミーン(スランゴールFC)らマレーシア人選手に対しても未払い給料を抱えており、その総額は500万リンギ(およそ1億3500万円)とも言われ、これを完済することもリーグ復帰の条件です。
 PFAでは昨日1月12日に臨時総会と会長選が行われ、ザムリ・イブラヒム氏が新会長に選出されていますが、ザムリ会長は就任直後のインタビューで、マレーシアサッカー協会FAMを通じてFIFAに抗告の申し立てを行い、できるだけ早くチームを再建したいとしています。
 「サッカーに関するあらゆる活動が禁止されている現状では、チーム再建どころか未払い給料を支払うための資金を集めることもできないので、活動の余地が欲しい」と述べるザムリ会長は未払い給料完済を最優先事項とすると述べています。
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 MF再加盟が認められても、MFL3部にあたるM3リーグからのスタートとなるプルリスFAの道はまだまだ険しそうです。

ケランタン州サッカー協会に再びFIFAによる制裁の可能性が浮上
 MFL2部のケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会KAFAは、再びFIFAによる制裁処分を受ける可能性が浮上していると英字紙スター電子版が伝えています。
 給料未払い問題を抱えることが明らかになっているMFL1部のマラッカ・ユナイテッド、PDRM FCとともにケランタンFAも、FAMに対して今季2020年シーズン開幕までに未払い給料を完済すると保証したとされていますが、かつてケランタンFAに在籍した複数の外国籍選手が給料未払いについての苦情申し立てをFIFAに行ったことが明らかになり、シーズン開幕前にもかかわらず勝点剥奪(はくだつ)という制裁を受ける可能性が浮上したということです。
 なおケランタンFAは昨季2019年シーズンには、2017年にテクニカル・ダイレクターを務めたウルグアイ出身のアルフレッド・ゴンザレス氏に対し、FIFAの懲罰委員会が設定した期限までに未払い給料を完済しなかったことにより、勝点3を剥奪される処分を受けています。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、MFLの大半のクラブは今季開幕前に未払い給料完済が可能であるとしながらも、複数のクラブは数年前までさか上る未払い給料があることを認めています。ケランタンFAに関して言えば、先日取り上げた、カイルル・ファミ・チェ・マットやモハマド・バドリ・モハマド・ラジのように分割払いでの支払いに応じる選手がいる一方で、一括払いも求める選手もおり、KAFAと選手の間の協議が成立しなければ、KAFAは再度、FIFAの制裁対象となるとラマリンガム事務局長はスター電番の取材に答えています。
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 FIFAによる処分では、昨季2019年はMFL2部のペナンFAもFIFAから勝点6の剥奪処分を受け、MFL1部昇格を逃している他、2015年にはMFL1部のパハンFAもモロッコ出身のモハメド・ボルジがFIFAに2013年シーズン分の未払い給料の苦情申し立てを行い勝点6を剥奪されています。

1月12日のニュース:アキヤ・ラシドの移籍問題に裁定が下される、ペラTBGの今季新ジャージお披露目が無期延期に、U22代表新監督は3月頃までに決定-FAM

アキヤ・ラシドの移籍問題に裁定が下される
 フル代表やU22代表でもプレーするアキヤ・ラシドは2018年12月にそれまで在籍していたクダFAからジョホール・ダルル・タジムJDTへ移籍しましたが、この移籍について、アキヤ選手がクダFAとの契約期間中にJDTが入団交渉を行った「タッピングアップ」の疑惑が持ち上がりました。
 そこでクダFAはマレーシアサッカー協会FAMに提訴し、FAMはアキヤ選手には契約解除違約金25万リンギ(およそ670万円)の支払いと、JDTには育成費としてクダFAに7万5000リンギ(およそ200万円)の支払いを求める調停案を出しましたが、クダFAはこの金額がFAMとアキヤ選手の間で決められ、クダFAが関与していないことからこれを拒否し、アジア国際仲裁センターAIACにこの件を持ち込み、調停を求めていました。
 英字紙ニューストレイトタイムズによると、その裁定が昨日、発表されクダFAの申し立てを認めるものであったと報じています。(昨日取り上げた、JDTの練習にアキヤ選手の姿が見えなかった理由は、この裁定のためにクアラルンプールにあるAIACに来ていたのか知れません。)なお、ニューストレイトタイムズの記事によると、賠償金額などは確定していないということです。
 この裁定が出ると、JDTのFacebookではアリスター・エドワーズTD(テクニカルダイレクター)が、この裁定にはJDTは関与しておらず、クダFAとアキヤ選手間の問題であるとの見解を発表しています。
 またJDTのオーナーのTMJことジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下は自身のインスタグラムで、クダFAがアキヤ選手に対して30万リンギ(およそ805万円)の賠償金を請求していることを暴露しています。その上で、アキヤ選手は減額交渉を行うことも可能としながら、いくらであっても賠償金が払えるくらいアキヤ選手は裕福であるので心配は無用とコメントしています。

ペラTBGの今季新ジャージお披露目が無期延期に
 ペラTBGは昨日1月11日に予定されていた今季使用する新ジャージの発表と新入団選手紹介及びファン交流イベントを急遽、中止しました。
 サッカー専門サイトヴォケットFCによると、その理由は今季からユニフォームを供給するドイツのスポーツメーカーJAKO(ヤコ)社が事前に用意したユニフォームがペラTBGを運営するペラ州サッカー協会PAFAの求める品質でなかったことが理由と報じています。また、当日販売予定のユニフォームも全てメーカーに返却され、品質改善が求められたようです。
 JAKO社がこのような問題を起こすのは実は今回が初めてではなく、2017年シーズンにもパハンFAとの間で同様の問題が発生し、結局、パハンFAはその年はFILA(フィラ)社のユニフォームを採用しました。
 なお新たなイベントの日程は決まっていません。

U22代表新監督は3月頃までに決定-FAM
 優勝の期待も高かった東南アジア競技大会通称シーゲームでのグループステージ敗退により、新たに契約が延長されなかったU22代表のオン・キムスイ監督の後任は3月までに決定する予定であると、マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長が発表しています。
 現時点で外国籍4名を含む12名が候補者として名乗りをあげているようで、その候補者の中から、代表チーム運営委員会議長でもあるダト・ハミディン・モハマド・アミン会長が直々に選別するとしています。また、ラマリンガム事務局長は、今年はU22が出場する大会もないことから、人選を急ぐ必要がないとも述べています。
 この他、監督としての契約が更新されなかったオン監督は、若手選手育成部門のトップとしてFAMと契約することも発表されています。
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 現在アジアサッカー連盟AFCU23選手権がタイで開催中ですが、マレーシアはホーム開催となった予選で2勝1分ながら得失差で中国に次ぐグループ2位となり、2大会連続の出場を逃しています。シーゲームでの敗退だけでなく、AFC選手権への出場を逃したことも、オン監督との契約が更新されなかった理由と考えられています。

1月11日のニュース:JDTの新スタジアムでの練習公開でポドルスキ獲得の噂に拍車がかかる、トレンガヌFCの練習に新たな外国籍選手が参加も監督は沈黙を貫く、ヌワカエメが今季もパハンFAでプレーする可能性が浮上

JDTが新スタジアムでの練習公開でポドルスキ獲得の噂に拍車がかかる
 ジョホール・ダルル・タジムJDTの新たなホーム、完成したばかりのスルタン・イブラヒムスタジアムでの練習の様子がJDTのFacebookで公開されています。
 しかしその様子を伝える映像に主力選手のアキヤ・ラシドとマウリシオの姿が写っていないことからある憶測がソーシャルメディアを賑わせています。
 JDTは現在、外国籍選手枠5名が全て埋まっていることから、新たな外国籍選手の獲得では現実的ではないとされていましたが、マウリシオが練習に参加していない様子から、ヴィッセル神戸を退団したルーカス・ポドルスキのために外国籍選手枠1名が空いたのではないかという憶測です。
 JDTオーナーのTMJことジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下はポドルスキ選手から連絡があったことを公表し、近いうちにJDTがあるジョホール州にやってくることも明かしています。
 またアキヤ・ラシドについては、今季から東南アジア出身選手枠が新設される韓国リーグへの移籍が以前から噂されていることに加え、フィールド外でのアキヤ選手の行動についてクラブ規範を守らないことで罰金を貸したことや、プロ選手としての自覚がないとTMJが批判したこともあり、移籍の可能性は大いにありそうでうす。
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 ポドルスキ選手獲得の件については、既にジオゴやゴンザロ・カブレラといった攻撃陣を抱えるJDTが、DFのマウリシオを外し、FWのポドルスキを獲得するのは、今季のAFCチャンピオンズリーグACLでプレーする際にはリスクが大きすぎるのではないかとサッカー専門サイトのセムアニャボラが指摘するなど、噂で終わってしまう可能性もありますが、アキヤ選手については、素人から見ても明らかに伸び悩んでいると思いますので、個人的には他のクラブへ「修行」に出て、もっと(人間的に)成長してマレーシア に帰ってきて欲しいです。

トレンガヌFCの練習に新たな外国籍選手が参加も監督は沈黙を貫く
 今季開幕に向けて積極的な補強を行っているトレンガヌFCは、既に外国籍選手枠5名が埋まっていますが、そのトレンガヌFCの練習に新たな外国籍選手が参加していることをセムアニャボラが報じています。
 参加しているのはオーストラリア出身で昨季はオーストラリア2部リーグのクラブでプレーしていた22歳のクリストファー・フェイヤーズですが、トレンガヌFCは新加入のFWドミニク・ダ・シルヴァ(モーリタニア、ベトナム1部リーグのサイゴンFCより加入)、DFババカー・ディアロ(セネガル、フィンランド1部リーグのクオピオン・パロセウラより加入)、MFファリス・ラムリ(シンガポール、シンガポール1部リーグのホーガン・ユナイテッドより移籍)と昨季から残留するMFサンジャル・シャアフメドフ(ウズベキスタン)と主将のFWリー・タック(英国)の外国籍選手5名と既に契約しています。
 この状況で俄然、注目を浴びることになったのが主将を務めるリー・タックです。祖母がマレーシア人というタック選手は、これまでもマレーシア代表としてプレーしたいという希望を公言してきましたが、祖母がマレーシア人であることを証明する書類が見つかっていないということで、マレーシア国籍取得の申請ができていません。しかし、プレシーズン前の休暇で英国へ帰国していたタック選手がこれまで見つからなかった書類を見つけていれば、タック選手はマレーシア人選手として登録可能になり、もう一人外国籍選手の獲得が可能になります。
 これについてセムアニャボラは、トレンガヌFCのナフジ・ザイン監督に確認を取ろうとしたということですが、ナフジ監督からの返事はまだないと記事は結ばれています。

ヌワカエメが今季もパハンFAでプレーする可能性が浮上
 他のMFLクラブに比べると景気の良い話が聞こえてこないパハンFA。先日も今期開幕に向けたプレシーズントレーニング初日の参加者が15名しかおらず、今期在籍が確定している外国籍選手はフランス出身のDFエラルド・グロン選手のみという記事をアップしました。しかしここにきて、昨季も在籍した「鉄人」ことFWディクソン・ヌワカエメが今季もパハンFAでプレーするのでは、という可能性が浮上しています。
 その根拠となるのが、ヌワカエメ選手のインスタグラムで「お気に入りの場所の一つ、クアラルンプール」とマレーシアにいることが伝わるような投稿を繰り返しています。
 パハンFAはヌワカエメ選手の去就について明言をしていませんが、ヌワカエメ選手はパハンFAサポーターの「パハンFAに戻ってきて欲しい」という呼びかけに対して、無給でプレーすると答えるなど、残留に向けての動きがありそうです。
(写真はヌワカエメ選手のインスタグラムより)


 

1月10日のニュース:マラッカ州サッカー協会会長の発言に選手らが反発、さらにそこから別の問題も発生

昨季のマラッカ・ユナイテッドの主将がFAMに宣誓供述書を提出
 昨季2019年はマラッカ・ユナイテッドに在籍し、主将も務めたシュコール・アダンは、シーズン途中に給料未払い問題を公表、その後は試合出場を拒否し、そのまま退団していました。今季2020年はクアラルンプールFA(KLFA)に加入したシュコール選手ですが、事前に取り決められていた期間内に解決されなかった給料未払い問題に業を煮やし、給料やボーナスなどに関する主張を記載した宣誓供述書をマレーシアサッカー協会FAMに提出したと、ニュース専門サイトアストロアワニが報じました。
 シュコール選手に加えて、昨季マラッカ・ユナイテッドに在籍した13名の選手も同様の行動を取ったようですが、シュコール選手は第三者を介さずに提出したのに対し、13名の選手はマレーシアプロサッカー選手協会PFAMを代理人として提出しています。
 マラッカ州サッカー協会MUSAは契約選手に対し、その契約内容に関してメディア向けに公式発言をすることを禁じていましたが、給料未払い問題を抱える選手の中には破産宣告を強いられた選手もいるとのことで、シュコール選手はこの行動は自分一人のためではなく、他の選手のためでもあると述べています。

マラッカ州サッカー協会会長はシュコール選手を非難し、謝罪を要求
 シュコール選手がFAMに宣誓供述書を提出したことを受けて、マラッカ州サッカー協会MUSAのダミアン・ヨー会長は、「シュコール・アダン、火遊びをするつもりなら、火をやるよ。(原文の”play with fire”は 「危険なことに手を出す」とでも訳せば良いでしょうか。「そんなことをすると、悪い結果や危険なことになるだろう」と忠告するときの表現です。)と自身のFacebookでシュコール選手の行動を非難しています。
 MUSAは昨シーズン、マラッカ・ユナイテッドに所属した14選手に対する未払い給料の支払いは分割で行うことが決まっている一方で、それが予定より2ヶ月遅れていることについてはその理由を説明し、さらに話し合う用意があるとしており、ヨー会長は、今回のシュコール選手の行動により、1月15日に予定されていた最初の支払いが遅れるだけでなく、問題解決により多くの時間がかかる可能性を示唆しています。
 その上で、シュコール選手に対し、もし未払い給料を直ちに受け取りたければ、FAMに提出した宣誓供述書を取り下げた上でMUSAに謝罪すべきであると述べています。
 またヨー会長は、シュコール選手が給料未払い問題をFAMに持ち込んだことにより、新外国籍選手獲得にも影響が出ていると非難し、その例として交渉中であった英国EPLのエバートンでプレー経験のあるFWヴィクター・アニチェベが交渉を取りやめたとしています。

TMJはヨー会長にアドバイスを送る
 元マラッカ・ユナイテッドのマシュコール選手とマラッカ州サッカー協会MUSAヨー会長のやりとりに、ジョホール・ダルル・タジムJDTのオーナーTMJことジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下が興味を持ったようで、自身のインスタグラムで、シュコール選手が未払い給料の問題をFAMに持ち込んだことが明らかに不満なヨー会長に対して「まずは落ち着いて、(未払いの)給料をシュコール選手に払えよ」とアドバイスを送っています。

選手会会長はシュコール選手を支持
 またマレーシアプロサッカー選手会PFAMの会長を務めるPJシティFCのサフィ・サリーは、MUSAのヨー会長のシュコール選手の名誉を傷つける職業倫理に反する発言であると非難しています。
 サフィーPFAM会長は、シュコール選手は自らの権利を行使してだけであるとし、謝罪の必要はないとシュコール選手を支持しています。

ヨー会長はTMJに対して干渉をやんわりと拒絶
 TMJのアドバイスに対して、ヨー会長は自らのFacebookでこれを感謝しながらも、この問題についてはマラッカ州サッカー協会の内部規律に沿って対応するとし、やんわりと干渉を拒絶しています。

ヴィクター・アニチェベとの交渉決裂はシュコール選手とは無関係か
 マレー語紙ブリタハリアン電子版では、ヴィクター・アニチェベとMUSAの交渉が決裂したのは、シュコール選手がFAMに給料未払い問題を持ち込んだからではなく、単に選手側の要求確かすぎて応じられなかったからだという記事を掲載しています。
 記事によればアニチェべ選手の代理人は月額4万米ドル(およそ438万円)を要求し、MUSAがこれに応じられなかったとしています。

ヴィクター・アニチェべはMUSAとの交渉そのものを否定
 その一方でスポーツ専門サイトフォックスポーツは、ヴィクター・アニチェべ本人の話として、マラッカ州サッカー協会MUSAと契約交渉が決裂したどころか、交渉を行ったこと自体を否定していると報じています。
 フォックスポーツに対し、アニチェべ選手はMUSAとは交渉したこともなく、自分の名前を語る人や組織に何が起こっているのかについては全く知らないと述べています。
 このアニチェべ選手の発言により、MUSAのヨー会長が述べていたシュコール選手が給料未払い問題をFAMに持ち込んだことにより、アニチェべ選手の獲得交渉が不調に終わったという発言の信憑性が疑わしくなりました。
 フォックスポーツは、交渉中の選手が本当にアニチェべ選手だったのか、あるいは代理人に騙されていたのか、それともアニチェべ選手が事実を隠しているのか、真実は不明であるとしています。

 


 

1月9日のニュース:フェルダUにはオバメヤンのチームメートが加入、JDT IIに昨季MFL1部の得点王と日本人選手が加入、FIFAはFAMに対して罰金処分

フェルダUにはオバメヤンのチームメートが加入
 英字紙スター電子版は、マレーシアフットボールリーグMFL1部のフェルダ・ユナイテッドにMFフレデリック・ビュロがJ2リーグの岐阜FCから加入したと報じています。
 岐阜FC時代はフレデリックの登録名だったビュロ選手は、フランス、イギリスなどでプレー経験がある現役のガボン代表選手で、英国プレミアリーグ、アーセナル主将で快速FWピエール=エメリク・オバメヤンとはガボン代表でチームメートです。
 わずか1日のトライアウトでその技術に魅了されたというフェルダ・ユナイテッドのニザム・ジャミル監督は、今季のフェルダ・ユナイテッドの攻撃の中心になる選手と評価した上で、様々な国でのプレー経験は若手主体となる今季のチームにとって貴重だとし、またその控えめな姿勢がチームに良い作用を与えてくれるだろうと話しています。
 ビュロ選手の加入により、フェルダ・ユナイテッドは今季の陣容が決まりましたが、昨季在籍した渡邉将基選手、池田圭選手ら外国籍選手だけでなく、ハディン・アズマンらマレーシア人の主力選手の多くが去ったことにより、残留争いの一番手と目されていたチームは、カイルル・アムリ(シンガポール)以外は総入れ替えとなった外国籍選手枠も5人全てが埋まりました。
 シンガポールリーグのタンピネス・ローバーズ時代にはカイルル選手と攻撃陣をリードしたMF恵龍太郎選手、DFニコラ・ラスポポヴィッチ(セルビア、チェコリーグ2部のFKデュクラ・プラハより加入)、FWニコラス・ヴェレズ(アルゼンチン、ポルトガルリーグ1部のベレネンセスより加入)にビュロ選手が加わった布陣は十分な補強ができているように見えます。
 ニザム監督は外国籍選手の若返り(昨年は全員が30歳以上)により、バランスの取れたチーム構成になっていること、そして単なる数合わせといったシーズン前の評判を覆したいと話しています。

JDT IIに昨季MFL1部の得点王と日本人選手が加入
 マレーシアフットボールリーグMFL1部のジョホール・ダルル・タジムJDTはFacebook上で、JDTのBチームでMFL2部所属のJDT IIに昨季のMFL1部の得点王FWフェルナンド・ロドリゲス(前クダFA)とMF廣瀬慧(前インドネシアリーグ1部プルセラ・ラモンガン)両選手の加入を発表しています。
 昨季はクダFAで21ゴールを挙げたスペイン出身のロドリゲス選手は、今季はクダFAとの契約が更新されず、母国のリーグへ戻るのではとされていましたが、何とMFL2部のチームとの契約を選んだようです。とは言え、マレーシアでの実績は申し分ないので、AチームのJDTの外国籍選手の誰かが不調になれば直ちに入れ替えとなる可能性があります。
 また昨季はインドネシアでプレーした24歳の廣瀬選手は、プルセラ・ラモンガン加入1年目ながら34試合に出場し2ゴール、8アシストを記録しています。
 なお英字紙スター電子版によると、両選手とも2年契約を結んだとのことです。
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 今季は国内の試合の他、AFCチャンピオンズリーグなどが控えるJDTは、過密な日程に対処するため、今回獲得し両選手も含めていわゆるローテーション制を導入する可能性もあり、開幕時はMFL2部の両選手を1部で見ることができるかも知れません。
 なお廣瀬選手のJDT II加入により、今季2020年シーズンにMFLでプレーする日本人選手は恵龍太郎選手(フェルダ・ユナイテッド)、廣瀬慧選手(JDT II)、鈴木ブルーノ選手(トレンガヌFC II)、中武駿介選手(ヌグリ・スンビランFA)、鈴木裕太選手(クチンFA)の5名となりました。
(写真左からJDTIIのラファ・ギル監督、フェルナンデス選手、廣瀬選手、アリスター・エドワーズJDTテクニカルダイレクター。JDTのFacebookより)

FIFAはFAMに対して罰金処分
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、国際サッカー連盟FIFAがマレーシアサッカー協会に対し、サポーターによるフーリガン行為が発生したことを理由に5万スイスフラン(およそ562万円)の罰金を課したと報じています。
 昨年11月19日にブキジャリル国立競技場で行われたFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選のマレーシア対インドネシア戦では、41人のサポーターが逮捕された他、暴動鎮圧部隊が出動する事態となっていました。
 また10月10日にハノイで行われたワールドカップ予選ベトナム戦では、試合後に義務付けられている記者会見を頭痛を理由にキャンセルしたマレーシア代表のタン・チェンホー監督がFIFAより警告を受けています。
 なお今回のワールドカップ予選ではマレーシアも属するグループGのインドネシアが、ホームで行われたマレーシア戦とタイ戦でのサポーターによるフーリガン行為のため、24万5000スイスフラン(およそ2750万円)の罰金と1試合の無観客試合という処分を受けています。