マレーシアスーパーリーグ26/27:第5節の試合結果とハイライト映像(1)<br>・スターシティが未勝利対決を制して今季初勝利<br>・スランゴールは苦しみながらも開幕5連勝

代表戦やFAカップなどで中断していたマレーシアスーパーリーグがほぼ1ヶ月ぶりに再開しています。
(各試合のハイライト映像はマレーシアンフットボールリーグ(MFL)の公式YouTubeより)


スターシティが未勝利対決を制して今季初勝利

いずれも今シーズン未勝利チームの対決は、スターシティがアズファル・ファクリのハットトリックなどで、クランタンに快勝しています。

ホームのクランタンは開幕から5連敗中で、この間の得点はわずか3点、また失点はジョホール戦の9失点を含む24点と、昇格初年度とはいえ苦しいシーズンとなっています。しかもかつて所属した選手に対する給料未払い問題が解決していないとして、FIFAから新規選手契約禁止処分を受けており、外国籍選手はフィリップ・ダンダダ・ムサとエマニュエル・エムバガ両FWのみ。この布陣ではトップリーグで戦うには明らかにコマ不足です。

一方のスターシティはここまで2分2敗で、やはりジョホール相手に7失点しているものの、直近ではヌグリスンビラン、トレンガヌ相手に2試合連続1−1の引き分けで、確実に勝点を積み上げています。

この試合のヒーローはなんと言ってもアズファル・フィクリです。元マレーシアU23代表のアズファルは、過去2戦では途中出場していましたが、この試合で今シーズン初先発を果たすと、16分にはダイビングヘッドで先制ゴールを決めると一気にハットトリックを達成しています。

またこの試合では、シーズン開幕前に行われたアセアン選手権ヒュンダイカップで負傷し、ここまでベンチ外だったブラジル出身のマレーシア代表MFエンドリッキ・ドス・サントス(前ベトナム1部ホーチミン市公安FC)が、移籍後初出場を果たしています。

名将メフメト・ドゥラコヴィッチ監督やエンドリッキ、ラモン・マチャド、ラファエル・ヴィトールらマレーシアリーグをよく知る面々が揃うスターシティは、次節第6節ではスランゴールと対戦します。

マレーシアスーパーリーグ2026/27 第5節
2026年10月16日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(クランタン州コタ・バル)
クランタン・レッド・ウォリアー 2-5 スターシティ
⚽️クランタン:ムハマド・ファウジ(52分)、アルハム・クシャイリ(69分)
⚽️スターシティ:アズファル・ファクリ3(16分、45+5分、60分)、ペドロ・サントス(45分)、ラモン・マチャド(90+6分PK)
MOM:エンドリッキ・ドス・サントス(スターシティ)


ヌグリスンビランとサバは引き分け

日本人選手5名を擁するヌグリスンビランは、開幕戦のクアラルンプールシティ戦こそ相手の不戦敗で勝点3を挙げていますが、その後は1分2敗と未勝利が続いています。一方のサバも開幕から2連勝するも、その後はクチンシティ、DPMMに連敗して上位進出が果たせていません。そんな両チームの対戦は、ホームのヌグリスンビランが先制を許すも、後半に得たPKで追いつき、引き分けに持ち込んでいます。

ヌグリスンビランはケガで出遅れていたルクマン・ハキムが今シーズン初出場を先発で果たしましたが、雨でコンディションが良くないピッチということもあり、良いところを見せられませんでした。またヌグリスンビランサポーターが待望していた佐々木匠選手も今シーズン初めてベンチ入りすると、84分から出場しています。佐々木選手もルクマン選手同様、シーズン前の練習でケガ(ハムストリング)を負っていました。

マレーシアスーパーリーグ2026/27 第5節
2026年10月17日@トゥンク・アブドル・ラーマン・スタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
ヌグリスンビラン 1-1 サバ
⚽️ヌグリスンビラン:ヨバン・モティカ(68分PK)
⚽️サバ:ゴンサロ・ディ・レンソ(45+2分)
MOM:アダム・ハイカル・アジゾル(ヌグリスンビラン)
ヌグリスンビランの大城蛍、平野佑一、皆川佑介の3選手は先発し、大城、平野両選手はフル出場、皆川選手は59分に交代しています。また佐々木匠は84分から交代出場し、試合終了までプレーしています。常安澪選手は膝のケガで手術を終えたばかりで、ベンチ外でした。


逆転勝利のマラッカは10位から6位に浮上

この試合前まで1勝3敗のマラッカが、逆転勝ちで10位から一気に6位まで浮上しています。アフガニスタン代表ファリード・サダットのゴールでクアラルンプールシティ(KLシティ)に先制を許したホームのマラッカは、前半終了間際にクリスティアンのゴールで追いつきます。後半は両チームとも1点ずつを加えて、このまま引き分けかと思われた終盤に、ヒュンダイカップでは代表戦を経験したR・ルヴェンティランがゴール前の混戦からボールを押し込んで、マラッカの決勝点を挙げています。

この試合の敗戦もKLシティにとって痛いですが、試合前にはFIFAによる新規選手獲得禁止処分が明らかになっています。報道では、昨シーズンまでKLシティ所属だったフィリピン代表パトリック・ライヒェルト(現フィリピン1部ワン・タギッグ所属)が、未ブライ給料自体は支払われたものの、未払いとなっていた期間の金利分の支払いを求めてFIFAに提訴し、FIFAがこれを受けてKLシティに支払を命じ、その支払いが行われるまで、新規選手獲得の禁止の処分が科されているということです。

KLシティは、今シーズン開幕戦となったヌグリスンビランとの試合では、同様の処分を受けており、ベンチ入りできる選手がリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)の規定に足りておらず、不戦敗となっていました。

その後、未払い給料は支払われ、この試合でもゴールを決めたファリード・サダットを含めた外国籍およびマレーシア人選手の加入が認められています。

SNS上ではFIFAのレターヘッド付きの処分告知状の写真が共有されており、そこには告知されたことが10月15日であることや、未払い分の支払いが行われるまで、連続3回のトランスファーウィンドウでの新規選手獲得が禁止さえることが書かれています。

開幕戦で勝点3を失ったKLシティは、続くクチンシティ戦ではMFLの特例でベンチ入りが11名、そのうちの一人を控えに残した結果、試合開始から10名で臨む異例の試合も行っています。

マレーシアスーパーリーグ2026/27 第5節
2026年10月17日@ハン・ジェバ・スタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ 3-2 クアラルンプールシティ
⚽️マラッカ:クリスティアン・デ・ソウザ(41分)、クパー・シャーマン(54分)、R・ルヴェンティラン(86分)
⚽️クアラルンプール:ファリード・サダット(13分)、シャヒル・アブドル・ラシド(77分OG)
MOM:クパー・シャーマン(マラッカ)
マラッカの浅野崇斗選手は、開幕戦で先発して以来、この試合も含めてベンチ外が続いています。ちなみにFC大阪との契約を破棄してまで加入した浅野選手の名前はチーム登録選手リストからも消えています。


スランゴールは苦しみながらも開幕5連勝

この試合は現地で観戦しました。この試合はスランゴールの前身となるクラブが1921年に初めて試合を行って以来、2000試合目となる記念の試合ということで、以下のような紙が配られました。

ちなみにその時はスランゴールクラブのフィールド(当時、現在はKL市内ムルデカ広場)で、相手は偶然にもペナンのチームで5−1で勝利したということです。それから105年後に行われたこの日の試合は、記念すべき試合にもかかわらず、何のイベントもなし。さらに商売っけがないと言うか何と言うか。記念品とかTシャツとかタオルとかを作って売れば買う人はそれなりにいると思うんだけどなぁ。そういった歴史を伝えながら利益にもつながるようなことをスランゴールの営業担当者は誰一人として考えなかったのか。「ビジネス」としてのサッカークラブ運営を真剣に考えている人がこのクラブにはいないんだろうか。


と、愚痴はこの辺りで終わりにしておきましょう。スランゴールの先発XIは、CFクリゴール・モラエスと、アセアン杯でケガをしたファイサル・ハリムに代わりT・サラヴァナンが左、ヴィトール・プルナンブコが右のWG、中盤はトップ下にエドゥアルド・ソーサ、ノーア・ライネ、シャヒール・バシャーがダブルボランチ、そしてDF陣は左右SBにタビナス・ジェファーソンとクエンティン・チャン、CBはサフワン・バハルディンとアルベニット・ジェマイリの、現状ではベストの布陣です。

11分にクリゴール・モラエスのゴールで先制した際には、この試合でどれだけゴールを上げるのだろう、と言う感じでしたが、そこからはいつものスランゴール。チャンスは作るけれど、得点にならないお馴染みの試合展開。しかもこの日は試合中も雨降り続けていたため、足元は緩く、ボールは転がらずと、短いパスを繋いで攻撃を組み立てたいスランゴールにとっては最悪のピッチコンディションでした。

スランゴールの次戦は、来週末のFAカップ準決勝1stレグのクチンシティ戦。昨シーズンは2位争いで敗れた相手であるだけでなく、マレーシアカップ準決勝でも1分1敗で決勝進出を阻まれた相手でもあります。この試合を含めて5連勝のスランゴールとやはりリーグ戦では開幕戦でジョホールに敗れたものの、そこから5連勝中のクチンシティとの対戦は今シーズンのハイライトの一つとなりそうです。

マレーシアスーパーリーグ2026/27 第5節
2026年10月17日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴール 3-1 ペナン
⚽️スランゴール:クリゴール・モラエス2(11分、51分)、ジクリ・カリリ(90+4分)
⚽️ペナン:ステファノ・ブルンド(69分)
MOM:クリゴール・モラエス(スランゴール)
スランゴールのタビナス・ジェファーソン選手は先発して、82分に交代しています。


2026/27 マレーシアスーパーリーグ順位表(9月18日現在)

2026/27 マレーシアスーパーリーグ得点ランキングトップ10(9月18日現在)

順位選手氏名所属得点
1クリゴール・モラエススランゴール9
2シャハブ・ザヘディジョホール7
2ジェローム・ムパコ・エタメクチンシティ7
4ベルグソン・ダ・シウバジョホール6
5アイディン・ムヤギッチクチンシティ4
6パウロ・ジョズエクアラルンプール3
6マルコス・ギリェルメジョホール3
6ゴンサロ・ディ・レンソサバ3
6アフザル・フィクリスターシティ3
8ムサ・フィリップ・ダンダダクランタン2
8サファウイ・ラシドクチンシティ2
8アキヤ・ラシドヌグリスンビラン2
8ファイサル・ハリムスランゴール2
8ヘルファネ・カスタネールトレンガヌ2
8ト・ドンヒョンマラッカ2
8クリスティアンマラッカ2
8ステファン・ブルンドペナン2