11月30日のニュース:今季のフィナーレを飾るマレーシアカップは今日決勝、タイ1部第15節-代表コンビは揃って出場もタンは退団へ

今季のフィナーレを飾るマレーシアカップは今日決勝

 100周年記念大会となったマレーシアカップは今日11月30日午後9時からブキジャリル国立競技場を舞台に決勝が行われ、2019年に続き連覇を狙うJDT(Mリーグ1部今季1位)と決勝進出32年ぶりのKLシティFC(同6位)が対戦します。準々決勝、準決勝はいずれもホームアンドアウェイ方式で行われましたが、決勝は文字通りの一発勝負。JDT有利の予想が大方を占める中、KLシティFCのボジャン・ホダック監督が策士としての本領を発揮すれば、好試合が期待できそうです。ということで今回は今日の決勝戦にまつわる小ネタ集です。

1. 両チームともグループステージから無敗
 JDTはグループステージから準決勝までの10試合を8勝2分(19得点2失点)、一方のKLシティFCは6勝4分(17得点6失点)と無敗で勝ち上がっています。

2. 今季のリーグ戦ではJDTの1勝1分
 今季リーグ戦からマレーシアカップまでホームでは15戦無敗のKLシティFCは4月30日にJDTと対戦して1-1で引き分けており、この時のJDTのゴールは既に退団したシンガポール代表主将のハリス・ハッルンがゴールを決めています。またJDTがKLシティFCをホームに迎えた9月12日の今季Mリーグ最終戦では、KLシティFCはニック・シャールルのオウンゴールで1-2と敗れています。

3. KLシティFCのホダック監督は今回が4度目のマレーシアカップ決勝
 KLシティFCは32年ぶりの決勝進出ですが、クラブの指揮を取るボジャン・ホダック監督自身は今回が4回目のマレーシアカップ決勝です。2012年にケランタンFA(現ケランタンFC)を率いてマレーシアカップに優勝し、国内3冠(Mリーグ、マレーシアカップ、マレーシアFAカップ)を達成した浦ダック監督は翌2013年にもケランタンFAで2年連続でマレーシアカップ決勝に進出しましたが、この年は決勝で敗れています。その翌年の2014年にJDTの監督に就任したホダック監督は、前年同様パハンFA(現スリ・パハンFC)に決勝で敗れています。ただしこの2014年の決勝は前後半を終えて2-2から延長戦に入るも決着がつかず、最後はPK戦による惜敗でした。

4. 幻となった「師弟対決」
 前述の2014年の決勝ではサフィク・ラヒムがJDTの主将を務めており、今日の決勝戦では7年前の決勝では同じチームだったホダック監督との「師弟対決」になるはずでしたが、サフィク選手は11月26日の準決勝第2戦トレンガヌFC戦で試合中にトレンガヌFCのファイサル・ハリムに頭突きを喰らわせて1発退場となり、今日の決勝戦は出場停止になっています。

5. 3度目の優勝を目指すJDTに対しKLは32年前に3連覇達成
 2017年、2019年(2020年は新型コロナにより大会中止)に続く3度目の優勝を目指すJDTに対し、32年ぶりの決勝進出となったKLシティFCですが、1987年から1989年までは前身のクアラルンプールFAがファンデイ・アフマドとマレク・アワブ、K・カナンのシンガポールトリオの活躍で3連覇を果たしています。ちなみにこの3連覇の立役者で当時のクアラルンプール市長でクアラルンプールサッカー協会会長でもあったエリアス・オマー氏、そして3連覇を果たした監督のチョウ・カイラム氏はいずれも故人となりましたが、キャラクターが濃いこの2人の印象はちょうどマレーシアのサッカーを見始めたばかりの私にはとても印象深く残っています。

タイ1部第15節-代表コンビは揃って出場もタンは退団へ

 2021/2022年シーズンのタイ1部リーグ第15節が11月27日と28日に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCはラーチャブリー・ミトポンFCに勝利し3位に浮上、一方DFドミニク・タンが所属するポリス・テロFCもチェンマイ・ユナイテッドに勝利し、順位を2つ下げて今季最高位の9位としています。

タイ1部リーグ第15節
2021年11月27日@ブンヤジンダースタジアム
ポリス・テロFC 1-0 チェンマイ・ユナイテッド
 11位のポリス・テロFCが最下位のチェンマイ・ユナイテッドに勝利し、今季最高位の9位に浮上しています。
 ドミニク・タンは88分から出場し、試合終了までプレーしています。

2021年11月28日@チョンブリースタジアム
チョンブリーFC 3-0 ラーチャブリー・ミトポンFC
 今季のACLではMリーグチャンピオンのJDTや名古屋グランパスと同組となったラーチャブリー・ミトポンFCと対戦したチョンブリーFC。4日前にはFAカップで最下位のチェンマイ・ユナイテッドに敗れる波乱がありましたが、この試合ではリーグ戦6試合無敗の好調を取り戻して解消しています。
 ジュニオール・エルドストールは先発してフル出場しています。

タイ1部リーグ順位表(第15節終了)

順位チーム試合得失差勝点
1ブリーラム・ユナイテッド1510231632
2バンコク・ユナイテッド1510231532
3チョンブリーFC158431428
9ポリス・テロFC15555-220
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFC、ポリス・テロFCのみ表示しています。
ドミニク・タンはポリス・テロ退団へ

 タイ1部ポリス・テロFCに所属するマレーシア代表DFドミニク・タンが自身のインスタグラムを更新し「ポリス・テロFC、素晴らしい思い出をありがとう。一生忘れません。でもこれは終わりではありません。私は戻ってきます。コップンカップ」というメッセージとともにチームメートとの写真を投稿しています。
 2019年にJDTから期限付き移籍で当時2部に在籍していたポリス・テロFCに加入していたタン選手は、翌2020年には完全移籍していました。
 昨季は21試合に出場しましたが、今季は第9節まで出場はなく、初出場となった第10節以降も終盤の起用が多く、第15節まででプレー時間の最長は29分でした。
 U23代表では主将も務めるなど将来の代表DF陣の中心選手と目されていただけに、この出場時間の少なさでは、今後は代表招集すら危うくなることからの退団のようです。
 ポリス・テロFC退団後は、U23代表時代の監督だったオン・キムスイ監督が就任したMリーグ1部のサバFCへの加入が濃厚と噂されています。今季Mリーグ2部のFAM-MSNプロジェクトでプレーし、マレーシア人選手としてはリーグ2位の8ゴールを挙げたU22代表でもプレーする18歳のFWアズハド・ハラズに4年契約をオファーする一方で、今季Mリーグ1部2位のクダ・ダルル・アマンFCからMFバドロル・バクティアル、DFリザル・ガザリ、マレーシアカップでベスト4のマラッカ・ユナイテッドFCからGKカイルル・ファミ・チェ・マットの代表トリオ獲得が噂されるなど、来季に向けた大型補強が噂される中、タン選手獲得もその一つと考えられています。