Mリーグを運営するMFLは公式サイト上で本日7月24日に予定されていたMリーグ2部プレミアリーグ第13節のクチンシティFC対トレンガヌFC II戦と明日7月25日予定されていたサラワク・ユナイテッドFC対ペラFC II戦が延期となったことを発表しています。
両試合ともクチンシティFCとサラワク・ユナイテッドFCがともに本拠地としているサラワク州クチンのサラワク州立スタジアムでの開催が予定されていました。
Mリーグは本日7月24日からおよそ3ヶ月の中断期間を挟んで後半戦が始まります。
MFLの発表によれば7月22日サラワク・ユナイテッドFCの選手22名と監督、コーチを含む関係者14名がPCR検査を受けた結果、1名の選手が陽性であることが発覚したということです。またクチンシティFCは試合当日の7月24日の午前中に行った抗原検査で選手3名と関係者3名が陽性反応を示したため、その6名はさらにPCR検査を受けると同時に抗原検査では陰性だった他の選手と関係者も検疫隔離されているということです。
Mリーグでは1部スーパーリーグでも本日7月24日に予定されていたクダ・ダルル・アマンFC対ペナンFC戦(クダ州ダルル・アマンスタジアム)が、PCR検査の結果、クダ・ダルル・アマンFCの2選手が陽性となったため延期されています。
Mリーグ各クラブはMリーグが中断された5月上旬以降は練習場と合宿先のみで活動するスポーツバブル形式で練習を行うなど厳格な標準行動基準SOPを遵守することが求められてきましたが、残念ながらそれだけでは感染は防止できないことが明らかになった形です。
この発表の中でMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは改めて各クラブにスポーツバブル形式下でのSOP遵守を求めると述べていますが、本日のマレーシア政府の発表では新型コロナの1日あたりの新規感染者がこれまでで最多となる1万5902名を記録、しかも2日連続で1万5000名越えとなっていることから、MFLが個々のクラブに感染防止措置を任せるだけで果たして十分なのかどうかも疑わしくなっています。
日: 2021年7月24日
7月24日のニュース:Mリーグ後半戦を勝手に予測(1部スーパーリーグ編)
W杯アジア2次予選やAFCチャンピオンズリーグなどにより、Mリーグは5月8日より中断していましたが、いよいよ本日7月24日から再開されます。そこで前回の2部プレミアリーグ編に続き、今回はボラセパマレーシアJPによる勝手な後半戦予測の1部スーパーリーグ編をお届けします。
とここまで書いたところで、クダ・ダルル・アマンFCに新型コロナの感染者2名が発覚し、本日のクダ・ダルル・アマンFC対ペナンFC戦が延期になったことがMFL公式サイトで発表されています。満を辞して始まる後半戦もいきなり新型コロナの洗礼に見舞われてしまいました。
第13節まで終了している今季のスーパーリーグは本日7月24日と明日7月25日に開催される第14節から後半戦が始まり、10月27日と28日に予定されている最終節第22節までのおよそ3ヶ月で、各クラブは残り9試合を行います。スーパーリーグ現在の順位表は以下の通りです。
Mリーグ1部スーパーリーグ順位表(第13節終了時)
| Club | G | W | D | L | GF | GA | GD | P |
1 | JDT | 13 | 9 | 3 | 1 | 28 | 6 | 22 | 30 |
2 | TFC | 13 | 8 | 3 | 2 | 20 | 12 | 8 | 27 |
3 | KDA | 13 | 8 | 2 | 3 | 21 | 13 | 8 | 26 |
4 | PEN | 13 | 6 | 4 | 3 | 18 | 14 | 4 | 22 |
5 | SEL | 13 | 5 | 4 | 4 | 22 | 20 | 2 | 19 |
6 | KL | 13 | 4 | 5 | 4 | 17 | 14 | 3 | 17 |
7 | SBH | 13 | 4 | 4 | 5 | 17 | 17 | 0 | 16 |
8 | PJ | 13 | 3 | 6 | 4 | 10 | 14 | -4 | 15 |
9 | PHG | 13 | 3 | 3 | 7 | 16 | 22 | -6 | 12 |
10 | PRK | 13 | 3 | 3 | 7 | 14 | 21 | -7 | 12 |
11 | MU | 13 | 3 | 5 | 5 | 15 | 19 | -4 | *11 |
12 | UITM | 13 | 0 | 2 | 11 | 4 | 30 | -26 | 2 |
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MEL-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ
現在、スーパーリーグ7連覇中のJDTは、今季も2位のトレンガヌFCに勝点差3をつけて首位を堅持し、優勝候補の大本命です。今年2度目のトランスファーウィンドウ期間中には同じスーパーリーグのペラFCからいずれもマレーシア代表のFWギリェルメ・デ・パウラとDFシャールル・サアドを獲得て代表選手コレクションに加え、またオーストラリア1部のニューカッスルジェッツに期限付き移籍させていたインドネシア各年代で代表経験のある22歳のMFシャーリアン・アビマニュを呼び戻すなど、首位にいながら補強に余念がありません。
しかしその一方で、JDTは主力選手の多くがマレーシア代表選手でもあり、6月上旬にアラブ首長国連邦で行われたFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選に出場した代表選手たちは、そこからタイへ直行して6月下旬から7月初旬まで行われたAFCチャンピオンズリーグACLに出場するなど、強行日程をこなしており、そこから来る疲労は後半戦へ向けての不安材料の一つに思えます。また前半戦は11試合で11ゴールを量産したFWベルグソン・ダ・シルヴァはACLでは格上のチーム相手だったとは言え不振を極め、こちらも後半戦への不安要素となりそうで、2位に勝点差10をつけて優勝した2019年シーズンや、11試合に短縮されたリーグながら勝点差7をつけて優勝した昨季2020年シーズンと比べると、今季のJDTは攻略の隙が十分あります。
そしてこのJDTの対抗馬1番手となりそうなのが現在2位のトレンガヌFC。前半戦ではJDTに 今季唯一の黒星を着け、首位とは勝点差3で前半戦を終えています。前半戦好調の立役者MFマカン・コナテや彗星のように現れJDT戦では決勝ゴールも挙げた快速ウィングのハキミ・アブドラ、やはり今季急成長したセンダーバックのモハマド・ファウジ、そのモハマド・ファウジと共に守備陣を支えるフィリピン代表DFカルリ・デ・ムルガらに加えて、トランスファーウィンドウ期間中には、スリ・パハンFCから昨季まで主将を務めていたMFリー・タックを期限付き移籍で獲得、さらにMFハビブ・ハルーン(バーレーン)を獲得するなど、着実な補強を進めています。リーグ優勝へ向けては、直接対決がある第21節まで勝点差3のままJDTに離れずについて行けるかどうかが鍵になりそうです。
ボラセパマレーシアJPが今季開幕前に優種候補に挙げたクダ・ダルル・アマンは現在3位。JDT戦では何故かパフォーマンスが低下する「JDTアレルギー」により、今季も既に2敗しており自力優勝の目はないので。後半戦の現実的な目標はリーグ2位に与えられるAFCカップ出場権獲得が目標となりそうです。戦力的にはエースのFWクパー・シャーマンを中心に、MFチェチェ・キプレ、MFボドロル・バクティアルら現有戦力で後半に臨みます。
前半戦の台風の目となったのは、昨季は2部で優勝し、今季から1部でプレーするペナンFCでした。昇格初年度でここまで4位の成績は、昨季は2部で得点王を取り、1部でもゴールを量産するFWカサグランデを中心とした攻撃陣と、トマス・トゥルチェ監督の抜擢に応えたスランゴールFCから期限付き移籍中の21歳DFクェンティン・チャンや1部でも安定したプレーを見せ続けて6月のW杯予選に招集されたGKサミュエル・サマーヴィルらが前半戦同様のパファーマンスを見せることができれば、トップ3入りはもちろん、AFCカップも見えてきます。
5位は思い切った方針転換を行い、若手を積極的に起用しながら「育てながら勝つ」を実践するスランゴールFC。リーグ得点王のFWイフェダヨ・オルセグンを擁し、チーム総得点はJDTに次ぐリーグ2位の22得点ながら失点も22点と守備の破綻が目立ちます。開幕前のケガで前半戦を棒に振った期待の新戦力MFニック・シャリフ・ハセフィも復帰する攻撃面は万全なので、マニュエル・コンラッド、ティム・ホイバッハら外国籍選手がシャールル・ナジーム、シヴァン・ピレイといった若いDF陣をうまく引っ張って行ければさらに上位を脅かす可能性もありますが、前半戦を見る限りではトップ5に入れれば今季の目標達成となるのではないでしょうか。
前半戦は上位のチームとは接戦を繰り広げながら、下位のチームに取りこぼすなど不安定な面もあった6位のKLシティFC。トランスファーウィンドウ期間中にペラFCから守備的MFケニー・パラッジとウイングJ・パルティバンといずれも主力選手を獲得、さらに第4節ペラFC戦で負傷しそれ以降出場のなかったFWドミニク・ダ・シルヴァに代わりFWキリアン・ヌワブエズを獲得するなど、選手層の薄さや攻撃力不足を補う着実な補強を行うなど、上位に食い込むには十分な戦力が整い、Mリーグでは実績のあるボジャン・ホダック監督率いるチームは後半戦の台風の目となりそうです。
新型コロナによる影響で開幕時には外国籍選手が不在だったサバFCは開幕直後の4試合を0勝1分3敗と苦しいスタートを切り、早々とクルニアワン・ドゥイ・ユリアント監督更迭の噂まで出たものの、外国籍選手が合流した前半戦最後の5試合では3勝1分1敗と不振から持ち直して6位まで順位を上げています。40歳のFWアムリ・ヤハヤの復活など話題に富むチームではあるものの、前半戦途中では給料未払い問題(経営陣は単なる遅配と主張)が明らかになり、外国籍選手獲得の遅れも合わせて、現場ではなく経営陣の不手際が目立ってしまいました。戦力的には2部降格の心配はないものの、トップ5入りは難しいといったところなので、後半戦も6位から9位辺りを行き来することになりそうです。
今季のスーパーリーグで唯一、外国籍選手が1人もいないPJシティFCは、開幕からの5試合を2勝2分け1敗と大方の予想を覆してスタートしましたが、その好調さはFWダレン・ロックのケガとともに尻すぼみとなりました。それでも前半戦は8位で終える大健闘を見せましたが、降格圏となる11位のクラブとは勝点差4と安閑としていられる状況ではありません。今日の試合(サバFC戦)からロックは復帰するようですが、下位チームの補強状況を見る限り、後半戦は1部残留が目標となりそうです。
スリ・パハンFCは前半戦終盤に開いたトランスファーウィンドウ期間に外国籍選手4名を入れ替えると、アルゼンチン出身の攻撃的MFマヌエル・イダルゴ、ミャンマーU23代表FWアウン・カウン・マン、南スーダン代表FWケニー・アティウと新加入の選手たちが続々とゴールを決め、前半戦最後の3試合を2勝1分とチームを立て直し、通算成績を3勝3分7敗の9位まで順位を上げています。とは言え、前半戦最後の3試合の内、給料未払いで主力の大半が流出したペラFCと今季未勝利のUITM FCから上げた2勝で、上位のスランゴールFCとは引き分けており、11位のクラブとは勝点差1と降格圏の一歩手前の状況なのは変わらず、今日のマラッカ・ユナイテッドFC以降の後半戦は全て上位のクラブとの対戦となります。後半戦直前には昨季はタイ2部で優勝したノーンブワ・ピチャヤFCでプレーしたDFニコラス・スウィラドも獲得し、こうした新戦力が果たして上位クラブとの対戦でも活躍するのかどうかに注目です。
開幕前に監督が交代し、大方の予想に反して開幕当初から調子の上がらなかったペラFCは、前半戦途中に選手への給料未払いが発覚。トランスファーウィンドウ期間中には主力選手の大半が流出した結果が現在の10位という順位に反映されています。代表クラスを含む開幕戦の先発メンバー6名が退団する異常事態に、当初はセカンドチームで2部プレミアリーグでプレーするペラFC IIから選手を招集して…という話が出ていたものの、結局は外国籍選手を獲得しています。2018年にペラでプレー経験があるレバノン出身のDFジャド・ヌールディン、同じレバノン出身のMFサミル・アヤス、そしてUITM FCからFWナナ・ポクを獲得し、残留したブラジル出身コンビのFWカレッカ、MFレアンドロ・ドス・サントスと外国籍選手枠を埋めたものの、代表DFシャールル・サアドらの離脱の穴は大きく、セカンドチームから上がって来る若い選手と外国籍選手がそれを埋められるか否かが、チーム創設以来初となる2部降格を防げるかどうかの鍵になります。
給料未払いにより昨季に続き、勝点3を剥奪される放漫経営のツケが周り、降格圏となる11位にとどまっているマラッカ・ユナイテッドは、トランスファーウィンドウ期間中に4得点を挙げているステファン・ニコリッチと3得点を挙げているアレックス・ゴンサウヴェスの両FWに代えてアドリアーノ、ジョバンニ・ゴメスの2人のFWを獲得しています。チーム総得点15点の内、7点を挙げていたFWを交代させてさらに挟撃力アップを、という目論みなのでしょう。しかし、前半最後の3試合で7失点しており、素人目にではむしろ守備の補強が急務にも見えますが、守備陣の補強はJDT IIから期限付きで移籍したゲイリー・スティヴン・ラバットのみで、いよいよ6年振りの2部降格が近づいてきました。
前半戦では勝ち星を挙げられず勝点もわずか2、11位とは勝点差9の最下位のUITM FC。リーグが11試合に短縮されたとはいて昨季の5勝2分4敗の成績が嘘のような今季の成績です。昨季のチームからはクラブ運営予算上の問題により主将のDFヴィクトル・ニーレノルドを除く外国籍選手4名との契約を更新せず、主力選手の顔ぶれも変わりましたが、そういった今季こそ元U23代表監督でもあったフランク・バーンハート監督の手腕が試されるシーズンだったはず。しかし連敗が続くと経営陣はバーンハート監督を「休養」させ、状況が改善しないと再び「復帰」させるなど混乱状態のまま終わった前半戦でした。またトランスファーウィンドウ期間には一旦獲得した東ティモール代表FWジョゴ・ペドロとの契約を解除するなどこちらも迷走しています。結局、昨季もUITM FCでプレーしたMFウスマン・ファネを獲得した他、昨季はサバFCでプレーしたドイツ出身のデニス・ブシェニング、韓国出身のMFクォン・ヨンヒョン、そしてブラジル出身のジョエル・ヴィニシウスの両FWを獲得するなどの補強を行いましたが、2部降格濃厚の状況は変わりそうにありません。