2月19日のニュース:W杯予選G組の残り試合は6月に集中開催方式による実施が決定、今季のMリーグ2部は10チーム編成か-ペラIIに脱退の可能性が浮上、今季Mリーグ開幕戦はJDTの本拠地で開催決定、2022年AFCクラブライセンス申請受付開始-スリ・パハンとサバは申請せず、UITMは主催トーナメント開催を前にワクチン接種を希望

W杯予選G組の残り試合は6月に集中開催方式による実施が決定
 マレーシアの通信社ブルナマは現在中断中のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選について、マレーシアが所属する予選G組の残り試合全て6月に延期され、さらに集中開催方式で行われることが決定したと報じています。
 アジアサッカー連盟AFCのウインザー・ポール事務局長は、マレーシアの他にベトナム、タイ、アラブ首長国連邦、インドネシアが所属する予選G組についてはAFCの判断で6月開催とすることを各国サッカー協会とのオンラインミーティングで伝えたと、ブル生の取材に答えています。
 またウインザー事務局長は、今後は集中開催となる開催地の選別に取り掛かると話しています。なお開催地となるためにはAFCが設ける複数の条件を満たすことが求められており、その中には国境が開かれていて人の往来が自由に行われていることや、試合のため入国するチームや関係者に対し検疫隔離などの措置が義務付けられていないことなどが挙げられています。

今季のMリーグ2部は10チーム編成か-ペラIIに脱退の可能性が浮上
 今季のMリーグは3月5日に開幕しますが、開幕まで1ヶ月を切ったこの時期に2部のペラIIの出場事態の可能性が報じられています。ペラIIはMリーグ1部ペラのセカンドチームとして昨季からMリーグ2部でプレーしています。
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版は、Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLのアブドル・ガニ・ハサン事務局長は、ブリタハリアン紙の取材に対し、ペラIIのトップチームであるMリーグ1部ペラとペラIIの処遇についての話し合いが行われていることを認める一方で、現時点で何も確定しておらず、話し合いをしていること以上は明かすことができないとも述べています。
 ペラIIはセミプロクラブとしてMリーグ3部M3リーグに降格して再出発するという噂もあり、2019年シーズンにはMリーグ1部で最下位となり2部に降格したとはいえ、わずか数年前までトップリーグにいたクラブがセミプロクラブになってしまうのは残念ですが、それ以上に残念なのは今後プロサッカー選手を目指す若い選手たちの受け皿も減ってしまうことです。
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 ペラIIがMリーグ2部を脱退すれば、今季から参戦するFAM-MSNプロジェクトチーム(マレーシアサッカー協会FAMと国家スポーツ評議会MSNが運営する国営サッカーアカデミーの出身者で構成される間にあわせのチーム)を加えても10チーム編成となるMリーグ2部。しかもこのFAM-MSNプロジェクトやMリーグ1部クラブのセカンドチームであるJDT II、トレンガヌII、スランゴール2の3チームには1部への昇格権はありません。つまり今季は残る6チームで2つの昇格権を争う確率1/3の「お得な」シーズンとなっており、各チームが例年以上に積極的に補強しているのはこの機会を逃さないためでもあります。

今季Mリーグ開幕戦はJDTの本拠地で開催決定
 今季のMリーグ開幕戦では昨季の1部リーグチャンピオンJDTと2位のクダ・ダルル・アマンが対戦しますが、*スンバンシーカップとも呼ばれるこの開幕戦について、今季も含めて7年連続でJDTの本拠地で開催されていることから、一部ではMリーグを運営するMFLがJDTを優遇しているという声が出ているようです。こういった声についてMFLのアブドル・ガニCEOは「スンバンシーカップはMリーグ1部スーパーリーグチャンピオンのものであり、試合会場を変更する必要はない。」と述べています。
 JDTがMリーグ1部7連覇を達成していることから起こっているこの事態について、それ以前からもスンバンシーカップはその年のMリーグ開幕戦として、その前年のMリーグ1部優勝チームの本拠地で行われており、JDTを優遇しているわけではないと話すアブドル・ガニCEOは、もし他のMリーグクラブがスンバンシーカップを開催したければ、1部スーパーリーグで優勝すれば良いだけのことであると、外野の声を一蹴しています。
*スンバンシーカップ(スンバンシー:sumbangsihはマレーシア語で」寄付」の意。この試合は英国プレミアリーグのFAコミュニティーシールドを模しています。本国ではリーグチャンピオンとFAカップチャンピオンが対戦する英国サッカー協会FA主催の大会ですが、マレーシアではリーグチャンピオンとマレーシアカップチャンピオンが対戦し、Mリーグ公式戦の一環として行われます。マレーシアカップは2部のクラブが優勝する可能性もあるので、そうなった時にはリーグ戦扱いはできないのですが、その際にどうなるのかは不明です。

2022年AFCクラブライセンス申請受付開始-スリ・パハンとサバは申請せず
 MFLは公式サイトで来季2022年シーズンのクラブライセンス申請の状況を公表していますが、それによると今季2021年シーズンにMリーグ1部および2部でプレーする全18クラブがMFLに国内リーグ用クラブライセンス申請を行っています。
 また今回はアジアサッカー連盟AFC主催のAFCチャンピオンズリーグやAFCカップに出場する際に必要となるAFCライセンスの申請も受け付けが始まっていますが、こちらはMリーグ全クラブではなく1部と2部合わせて11クラブが申請しているようです。その内訳は1部はスリ・パハンとサバを除く1部10クラブと2部はサラワク・ユナイテッドの1クラブだけです。
 なお国内リーグ用クラブライセンスの申請は2月9日に締め切られているということですが、AFCライセンスの申請は今後も様々な書類の提出期限が続くということです。

UITMは主催トーナメント開催を前にワクチン接種を希望
 Mリーグ1部のUITMが1部のペラ、2部のトレンガヌIIとトーナメントを開催するニュースは先日取り上げましたが、Mリーグで初のスポーツバブル方式のテストとなるこのトーナメントを前に、UTIMのムスタザ・アフマドCEOは、スポーツ関連事業者としてMリーグクラブが初期のワクチン接種対象となることを望んでいると話しています。
 マレーシア語紙ハリアンメトロによると、今回のトーナメント期間中、UITMは各試合の前後に選手29名を含む関係者42名にPCR検査や抗体検査を行うということですが、今回のトーナメントでは1人1試合あたり検査費用として480リンギ(およそ12600円)かかるとムスタザCEOは話しており、ワクチン接種が行われればそうした費用も軽減できるとしています。

2月18日のニュース:ディルガの冒険は続く、UITMが明日からミニトーナメント主催

 Mリーグ2部PDRMでプレーするFWディルガ・スルディはサバ州出身の21歳。Mリーグの大半の選手が国営のスポーツ専門中等学校やMリーグのユースチーム出身なのに対し、2年前まではMリーグ下部の社会人リーグでプレーしていた移植の経歴の持ち主です。そんなディルガ選手を複数のメディアが取り上げています。
 Mリーグでは大半の選手がブキジャリルスポーツ中等学校に代表されるスポーツ専門中等学校やサッカーアカデミーからMリーグクラブのユースカップチーム(U19)、プレジデントカップチーム(U21)を経て、セカンドチーム、或いはトップチームデビュをーを果たしますが、ディルガ選手はこれとは全く異なるルートでMリーグ1部にデビューしています。
 セレクションに集まる多くの選手の中からスカウトされる可能性が低いと考えたディルガ選手はスランゴール州の社会人リーグでプレーを始めました。2019年社会人リーグ終了後にMリーグ3部M3リーグのプチョン・フェルザ(現マンジュンシティ)のトライアルを受け合格、その後に出場したPDRMとの練習試合で「発見」されたディルガ選手はM3リーグ終了後にPDRMのコーチからオファーの連絡をもらったということです。
 「最初は友人からのいたずら電話だと思い切ってしまったが、その後、再度連絡をもらい事実だと分かった。当時PDRMは前シーズンの給料未払い問題で揺れており、しかも他のMリーグクラブからもプレジデントカップチーム入団のオファーが複数あったが、PDRMならMリーグ1部でのプレーするチャンスがあるので、オファーをもらった段階でPDRM入団を決めていた。」と話すディルガ選手は、昨季は11試合に短縮されたMリーグ全試合でベンチ入りし9試合に出場、開幕戦となったサバFA(現サバFC)との試合では昨季唯一の先発出場も果たしています。
 そんなディルガ選手は今度は同じMリーグ1部のUITMのフランク・ベルンハルト監督の目に留まり、昨季所属したPDRMは1部最下位で2部降格となる中、1部7位のUITMと契約していますが、アマチュアリーグ上がりの自分に貴重な経験をする機会を与えてくれたPDRMに感謝する一方、新しい環境に身を置いて、控えの選手ではなく全試合に先発出場できる選手を目指したいことからUITMへの移籍を決意したと話しています。なおUITMでの今季の目標についてディルガ選手は、ベンチ入りだけではなく、常に先発出場するレギュラーとなること挙げており、また最終的には出身地であるサバ州のサバFCでプレーしたいとも話しています。
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 UITMのベルンハルト監督は元マレーシアU23代表監督も経験しており、プロと大学生の混合クラブであるUITMの昨季の大躍進でもわかるように若い選手を育てる手腕は証明済みです。ディルガ選手にとっては良い指導者に巡り会えたのではないでしょうか。ボラセパマレーシアでは今後もディルが選手の冒険を追い続けたいと思います。

UITMが明日からミニトーナメント主催
 Mリーグ1部UITMは本拠地があるスランゴール州シャーアラム市との共催でプレーシーズンのみにトーナメント「シャーアラムシティカップ」を開催することを。公式Facebookで発表しています。参加するのはMリーグ1部のペラと2部のトレンガヌIIの3チームで試合日程は以下の通りです。なお試合はいずれもUITMスタジアムで開催されます。
 2月19日 UITM -トレンガヌII
 2月21日 トレンガヌII-ペラ
 2月23日 ペラ-UITM
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 Mリーグが各クラブに求めているスポーツバブル内での初の実戦となるこの大会は、どのくらいの実効性がスポーツバブル方式にあるのかを知るテストケースになりそうです。参加する3クラブの選手や関係者は外部との完全遮断の状態で宿舎とグラウンドの往復以外に何もできないですが、今季開幕前の良いシミュレーションになりそうです。
(下はUITMが大会中着用するユニフォームーUITMの公式Facebookより)