1月31日のニュース:フットサルリーグなどの開幕が6月に延期、Mリーグの選手登録期限が延長か、ACLとAFCカップの集中開催地争いではマレーシアは不利

フットサルリーグなどの開幕が6月に延期
 マレーシアサッカー協会FAMは主催するマレーシアプレミアフットサルリーグMPFLとMリーグのU21チームが参加するプレジデントカップ、同じくU19チームが参加するユースカップの開幕を6月に延期されると英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 3月開幕が予定されていたこれらの大会は、暫定措置として6月開催が予定されているということです。FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は試合方式を変更し、プレジデントカップとユースカップには地域リーグ制を導入し、移動距離を短くすることで移動制限に対応できるすることも明らかにしています。この他、新型コロナウィルスによるロックダウンなどによって、FAMが設定する地域リーグ終了期限までにリーグ内の試合が全て終了できない場合は、その期限の時点で首位のチームがノックアウトステージへ進出するルールを採用するとしています。またMPFLは各節ごとに1カ所での集中開催で実施し、週ごとに開催地を変更する予定ということです。
 スチュアート事務局長は今年のイスラム教の断食月が4月13日から5月12日までであることも考慮した上での6月開幕を予定としているとも話しています。
 なおMPFL、プレジデントカップ、ユースカップはいずれも昨年2020年は新型コロナウィルスの影響により中止となっています。

Mリーグの選手登録期限が延長か
 今季2021年シーズンのMリーグの選手登録は2月14日が期限となっていますが、Mリーグの開幕が当初の2月26日から3月5日に延期されたことを受け、選手登録期限も延期される可能性が高いと、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 現時点では外国籍選手枠(1部5名-アジア枠1名と東南アジア枠1名を含む、2部4名-アジア枠1名を含む)の全てが埋まっていないクラブもあり、そういったクラブには朗報となるだろうとしています。
 ただし選手登録変更期限の変更はマレーシアサッカー協会FAMとFIFAの承認が必要であるとしており、Mリーグを運営するアブドル・ガニ・ハサンCEOもリーグ開幕延期を各クラブに知らせた際には、選手登録期限の延期がFAMとFIFAの承認待ちであることも合わせて伝えてあるとスタジアムアストロのインタビューに答えています。
 なお外国籍選手枠が全て埋まっていないクラブはMリーグ1部のスリ・パハン、ペラ、マラッカ・ユナイテッド、サバの4クラブです。

ACLとAFCカップの集中開催地争いではマレーシアは不利
 1月27日に開催されたアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグとAFCカップのグループステージ抽選で、マレーシアからACLに出場するジョホール・ダルル・タジムJDTとAFCカップに出場するクダ・ダルル・アマンとトレンガヌの対戦相手が決定しました。
 今季のACLとAFCカップはいずれもグループステージは集中開催方式で行われることが決定しており、今後は予選各組の試合開催国が決定されていくことになります。集中会さということで、自国開催が最も望ましいところですが、新型コロナウィルスの感染状況を見る限り、マレーシアが自国開催権を手に入れることは難しいだろうと、サッカー専門サイトのスムアニャボラが予想しています。
 昨日1月29日にはマレーシア全土で合わせて5728人の新規感染者が出ており、JDTやクダ・ダルル・アマンやトレンガヌが本拠地での集中開催を希望しても、実現の可能性は低そうだと分析しています。例えばJDTが予選で同組となっている江蘇蘇寧(中国)や名古屋グランパスと比べても、中国はここ数日の新規感染者数平均が100名程度、日本は4000名程度と、マレーシアと比べると明らかに感染者数が少ないいずれかの国での開催が有力です。
 またAFCカップでクダ・ダルル・アマンと同組のライオンシティ・セイラーズ(シンガポール)とサイゴン(ベトナム)を比べても、マレーシアはシンガポール(新規感染者27名)とベトナム(同15名)の後塵を拝しており、トレンガヌ同組のカヤ-イロイロ(フィリピン)、シャン・ユナイテッド(ミャンマー)についてもフィリピンが1694名、ミャンマーが427名となっており、いずれの国もマレーシアよりはるかに新規感染者数が少ないため、こちらもマレーシアでのグループリーグ開催の可能性は限りなく低いと言えそうです。

1月30日のニュース:エリゼッチ氏側がKLサッカー協会に反論、2年連続でのM3リーグ中止をクラブは望まず、代表合宿開催決定も宿舎が決まらず

エリゼッチ氏側がKLサッカー協会に反論
 昨日のこのブログで取り上げたMリーグ1部のKLユナイテッドによるシモン・エリゼッチ氏と契約不履行について、その後、クアラルンプールサッカー協会KLFAのノクマン・ムスタファ事務局長が声明を発表し、エリゼッチ氏と契約したのはKLFAであり、民営化によってKLFAと別組織となったKLユナイテッドは無関係であり、KLユナイテッドを訴えるのは見当違いであるという声明を発表しました。
 これに対し、エリゼッチ氏の弁護士であるザフリ・アミヌラシド氏が早速、反論しています。マレーシア語紙ブリタハリアン電子版に対してザフリ弁護士は、KLFAとKLユナイテッドは(ノクマン事務局長の主張とは異なり)同一の組織であり、契約に携わったのがKLFA関係者かどうかは問題ではないとし。さらにエリゼッチ氏との契約後に(民営化により)クラブの運営権がKLFAからKLユナイテッドに移ったという主張についても、そもそも同一組織であることからKLユナイテッドは法的責任を負わないという類の話ではないとしています。
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 この記事では、同じザフリ弁護士の「エリゼッチ氏は名誉回復のために訴訟を起こしており、KLFAおよびKLユナイテッドが法定外での解決を求めるのであれば話を聞く用意がある。」という発言を掲載していますが、先日の記事では徹底的に裁判で争うような発言が書かれていましたので、名誉毀損で訴えるのが大好きなマレーシア人らしくその発言は単に相手を威嚇するだけのつもりだったのかも知れません。

2年連続でのM3リーグ中止をクラブは望まず
 新型コロナウィルスの新規感染者数が昨日1月29日には国内全体で5700人を超えたという報道も出るなど状況の改善が見られない中、Mリーグ3部にあたるM3リーグの今季開催が危ぶまれています。昨季2020年シーズンもMリーグ1部と2部は期間を短縮して開催された一方で、M3リーグ以下はシーズン途中で中止となりました。
 2年連続の中止は望まないというM3リーグの各クラブの声を代表して国軍FCのモハマド・ノーラザム・アブドル・ラザク チームマネージャー(TM)がブリタハリアンの取材に答えています。
 「M3リーグが2年連続で中止となればその影響は計り知れない。大半のクラブはと契約を済ませており、中には既に給料を支払ったクラブもある。昨季は新型コロナウィルスによる問題と初めて対峙したため、中止はやむを得なかったが、今季は開幕日を遅らせるなど、リーグ中止以外の解決策を(M3リーグを運営する)アマチュアフットボールリーグAFLに求めたい。」とノーラザムTMは話しています。
 昨季のM3リーグは開幕直後に新型コロナウィルス感染拡大によりリーグが中断した後、7月にシーズン中止が発表されました。

代表合宿開催決定も宿舎が決まらず
 国内スポーツを監督する青年スポーツ省と新型コロナウィルス対策を検討する国家安全保障委員会から、FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選に出場するマレーシア代表の合宿開催許可が出ましたが、マレーシア語紙シナルハリアンは代表合宿の宿舎が決まっていないと報じています。
 当初予定されていた国家スポーツ評議会NSCが運営するブキジャリルの施設は他のスポーツの代表選手の多くが合宿している施設で、代表合宿開催の条件となっている外部との交流を断ち切る完全隔離型の合宿開催が難しいことが指摘されていました。
 代表チームのモハマド・ユソフ・マハディ チームマネージャーはシナルハリアンの取材に対して、練習はブキジャリル国立競技場で行うことが可能である一方で、合宿の宿舎が決まっていないことを明らかにしています。
 モハマド・ユソフTMは、宿舎は最終的にタン・チェンホー代表監督やマレーシアサッカー協会FAMとの話し合いで決定するとし、さらにその決定した宿舎の使用が国家安全保障委員会から認可される必要があることも説明しています。