今季Mリーグ1部に昇格するクアラルンプール・ユナイテッド(KLユナイテッド)が、チリ出身で前東ティモール代表監督のシモン・エリゼッチ氏の今季監督就任を昨年末に明らかにしたことはこのブログでも紹介しましたが、そのニュースを取り上げた時点ではエリゼッチ氏は既にマレーシア入りしており、渡航者全員に求められる検疫隔離期間でした。それが急遽、今月に入るとケランタンFCなどで監督を務めたクロアチア出身のボジャン・ホダック氏の監督就任が報じられる一方で、契約間近と思われたエリゼッチ氏に関する報道はぴたりと止みました。
そのエリゼッチ氏が契約の不履行と、自身のコーチとしての実績を中傷しているとしてKLユナイテッドに対して法的措置を取ることを明らかにしてます。
英字紙ニューストレイトタイムズは、エリゼッチ氏が弁護士を伴って開いた記者会見の様子を伝えています。この会見でエリゼッチ氏は、KLユナイテッドが正当な理由や手続きを踏まずに契約を解除したとして、その損害賠償を求めて民事訴訟を起こしたことを明らかにしています。
KLユナイテッドはエリゼッチ氏が有効なプロコーチライセンスを保持していないことを主張しているとされていますが、記者会見に同席した弁護士はアジアサッカー連盟AFCとマレーシアサッカー協会FAMが承認している有効なライセンスを保持していると述べ、KLユナイテッドによる虚偽の告発によってエリゼッチ氏は評判を汚されたとして民事訴訟を起こす他、契約不履行をFIFAに訴えるとしています。なおエリゼッチ氏はKLユナイテッドに対して非常に失望していることから示談での解決を望んでいないことも弁護士が明らかにしています。
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別の報道ではエリゼッチ氏が求めている損害賠償の額が350万リンギ(およそ9021万円)というものや、KLユナイテッドのスタンリー・バーナードCEOの関知しないところで契約が結ばれたなどというものもあり、両者による泥試合の様相を呈してきました。
AFCカップ グループステージ組み合わせ決定-アイディル監督はかつて指揮したクラブと対戦へ
2021年AFCチャンピオンズリーグ(ACL)とAFCカップのグループステージ組み合わせ抽選が1月27日にクアラルンプールのAFCハウスで行われ、Mリーグを代表して出場する3チームの対戦相手が決まりました。
AFCカップには昨季Mリーグで2位のクダ・ダルル・アマンと3位のトレンガヌが出場します。クダ・ダルル・アマンは予選H組となり、昨季国内リーグ3位のサイゴン(ベトナム)、同3位のライオンシティ・セイラーズ(シンガポール)、そして現在は未定の第2プレイオフの勝者と同組となっています。クダ・ダルル・アマンのアイディル・シャリン監督はMリーグでの監督就任前にはライオン・シティ・セイラーズの前身であるホーム・ユナイテッドで2016年から2018年まで監督を務めており、自身が監督をする新旧チームの対戦となりました。
マレーシアの通信社ブルナマの報道によれば、現在のライオンシティ・セイラーズのメンバーの80%を知っていると話すアイディル監督は、その強さも弱さも理解しているとしていますが、ライオンシティ・セイラーズがリーグ史上最高額となる300万シンガポールドル(およそ2億3500万円)の移籍金で最近獲得したブラジル人MFディエゴ・ロペスについて問われると、かつて監督を務めたクラブが今大会のタイトル獲得を真剣に狙っているとしながらも、クダ・ダルル・アマンはG組の他のチームと張り合う十分な力があると話しています。
また予選I組となったトレンガヌは昨季国内2位のカヤ-イロイロ(フィリピン)、同4位のゲイラン・インターナショナル(シンガポールリーグ)、同1位のシャン・ユナイテッド(ミャンマー、ただしシャン・ユナイテッドがACL出場権を獲得した場合には同3位のエーヤワディー・ユナイテッドが繰り上げでこのグループに参加します。)と同組となりましたが、G組、H組と比べるとやや楽な組に入った印象です。
トレンガヌのズル・ファドリ・ロジ チームマネージャーは、この組み合わせを好機と捉えてグループステージ突破を目指したいとブルナマに話しています。
FCカップのアセアン地区グループステージは6月22日から28日に一回戦総当たりの集中開催が予定されています。(ただし開催地は未定。)
ACLグループステージ組み合わせ決定-JDTは中国リーグ優勝クラブや名古屋と同組に
AFCカップのグループステージ組み合わせ抽選に続いて行われた2021年AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージ組み合わせ抽選で、Mリーグ7連覇中のジョホール・ダルル・タジムJDTは予選G組となり、昨季の中国リーグチャンピオンの江蘇蘇寧、Jリーグ3位の名古屋グランパス、そして第3プレーオフの勝者と同組となっています。
Mリーグ1部優勝チームがプレーオフを経ずにACLへ参加できるようになって今回が3大会目ですが、3年連続の出場となるJDTは過去2大会で日本のクラブとは1勝2敗、中国のクラブとは0勝2敗という成績を残しています。(注:新型コロナウィルスにより中断した昨季2020年ACLグループステージが集中開催で再開した際、JDTはマレーシア政府から開催地カタールへの渡航が認められれず大会途中で事態となり、正式記録では対ヴィッセル神戸(5-1でヴィッセルの勝利)の記録は無効になっている他、同組だった広州恒大(中国)とも対戦しませんでした。)
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ACLでは既にホームでは勝点3を挙げているJDTの今季の現実的な目標はアウェイマッチでの勝点3獲得ですが、今季もなかなか厳しい組に入ってしまったようです。
JDTは英国1部のU23チームでプレーするナサニエル・シオと契約
JDTは公式Facebookで英国1部ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズのU23チームでプレーする20歳のMFナサニエル・シオ・ホング・ワンと契約をしたことを発表しています。ロンドン生まれのシオ選手はジョホール州出身のマレーシア人の母親と中国人の父親を持ち、イギリス、マレーシア、中国の代表でプレーする資格があるということです。
JDTの公式Facebookでは、シオ選手のマレーシア国籍取得を条件とした獲得であるとして、シオ選手の現在の契約が切れる6月以降からマレーシア国籍取得手続きを始めるとしています。