7月1日のニュース:マレーシアのレジェンド選手が通算ゴール世界第3位、サバFCがラムダニとの契約延長、ペラFCが創立100周年記念ユニを発表

マレーシアのレジェンド選手は通算ゴール世界第3位
 「スーパーモク」の愛称で1970年代から80年代にかけてスランゴールとマレーシア代表でプレーし、マレーシアサッカー界を席巻したレジェンド選手のモクタル・ダハリは、キャップ数131、そして代表では89ゴールを決めながら運動ニューロン疾患を発症してからわずか3年後に享年37という若さで亡くなったレジェンド中のレジェンド選手です。
 マレーシアサッカー協会FAMと国家スポーツ協議会NSCが運営する国内最高峰のユースアカデミー、モクタル・ダハリアカデミーにもその名を残す故モクタル氏が、FIFAが発表した代表チームでの通算ゴール数で世界3位となり再び脚光を浴びています。
 1位を分け合うアリ・ダエイ(イラン)とクリスティアーノ・ロナルド(ポルトガル)の109ゴールに続き、通算89ゴールを挙げた故モクタル氏は、ハンガリーのレジェンド選手フェレンツ・プスカシュ(84ゴール)、ブラジルのペレ(77ゴール)らを抑えて堂々の3位となっています。
 故モクタル氏はスランゴールで10度のマレーシアカップ優勝の他、東南アジア競技大会通称シーゲームズで2度の優勝、そして1974年のアジア大会3位などの成績を収めています。
(以下が代表ゴール数ランキング。日本人では釜本邦茂氏は75ゴールで7位タイ。また6月29日のコパアメリカ、ボリビア戦で2ゴールを挙げたリオネル・メッシも75ゴールとなり7位タイとなりました。-7/1記事を一部修正し、写真を差し替えました。)

サバFCがラムダニとの契約延長
 Mリーグ1部のサバFCはインドネシア出身のFWサディル・ラムダニら3選手との契約を来年2022年11月まで延長したことを公式Facebookで告知しています。
 今回、契約延長となったのはラムダニ選手といずれも地元サバ州出身のアルト・リナス、ランディー・バルーの3選手で、サバFCのマルズキ・ナシル チームマネージャー(TM)は、この3選手が今季ここまで素晴らしいパフォーマンスを見せていることを評価し、1年の延長が決まったと話しています。
 『現在のサバFCの選手は全員が今年11月までの契約となっているが、この3選手とは早めの契約延長交渉を行い、合意に達した。なお契約延長後の給料はそれまでの給料から増額されている。」と語ったマルズキTMは、今後はさらに複数の選手との契約延長の予定もあることを明かしています。
 またこの契約延長を記事にしたマレーシアの通信社ブルナマはラムダニ選手とのインタビューを掲載し、今回の契約延長でチーム内での責任がより大きくなったと話すラムダに選手は、チームメートや首脳陣、そしてクラブ経営陣の信用を裏切らないよう全力でプレーしたいと述べています。

ペラFCが創立100周年記念ユニを発表
 Mリーグ1部のペラFCは創立100周年を記念したサードユニフォームを発表しています。
 1921年に第1回大会が開催されたマラヤカップ(当時、現マレーシアカップ)にペラ州チームが出場したことを記念して作られた100周年記念ユニフォームは、今季のホーム、アウェイ用ユニフォーム同様、マレーシアのブランド、カキジャージ社製で、全体が黒地のユニフォームの胸には今季開幕前にサポーターから応募した新ロゴコンテストでサポーターから最多得票を得たハフィス・イスマイル氏デザインのロゴ、そして大きく100 YEARS、Perak Football Legacyと書かれています。
 価格はXXLサイズまでが109リンギ(およそ2910円)、 4XLから8XLまでが115リンギ(およそ3070円)で、1500着限定ということです。興味のある方はこちらから購入可能です。
(下のサードユニの写真はペラFCの公式Facebookより)

6月30日のニュース:U21、U19、フットサル各リーグの開幕が9月に延期、タン代表監督交代についてFAMは検討せず、マレーシア代表が日本代表に3連勝(e国際親善試合で!)

U21、U19、フットサル各リーグの開幕が9月に延期
 マレーシアサッカー協会FAMは主催するU21リーグのプレジデントカップ、U19リーグのユースカップ、そしてフットサルリーグのマレーシアプレミアフットサルリーグの今季2021年シーズン開幕をいずれも9月まで延期することを公式サイトで発表しています。
 スチュアート・ラマリンガムFAM事務局長名で掲載された発表によると、この延期は6月28日までとされていた完全ロックダウンが期限を決めないまま延長となったことが理由とされていますが、同時に9月とする開幕もマレーシア政府が発表した「回復」政策次第によるとし、各リーグ開幕から30日前に参加チームの練習が許可されることを条件としており、正確には「早くとも」9月開幕ということになりそうです。
 また今回の発表では、リーグの開幕時期だけでなく、リーグフォーマットの変更や試合日程、またリーグで適用されるルールの変更などの可能性にも言及されており、そういった変更点には逐次、リーグ参加チームと共用していくとも述べられています。
 当初はプレジデントカップとユースカップはそれぞれ6月2日と6月3日に、マレーシアプレミアフットサルリーグは男子が6月12日に、女子が8月12日に開幕の予定となっていましたが、6月1日より完全ロックダウンが実施されたため延期となっていましたが、今回の発表でさらに延期となりました。

タン代表監督交代についてFAMは検討せず
 先月終了したFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選では同じ予選G組だった隣国タイではサッカー協会が西野朗代表監督との契約を解除といった報道も出ているようですが、そのタイを破って3位となったマレーシア代表のタン・チェンホー監督は来年2022年12月までとなっている契約の見直しなどについての予定はないとマレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 マレーシアサッカー協会FAMのユソフ・マハディ会長代理は、契約期間が残っていることに加えて、アジアカップ出場というミッションが達成されていないことから、今後予定されている代表チーム運営委員会では、来年3月に予定されているAFC選手権アジアカップ2023年大会3次予選に向けての準備以外の議題は現時点では挙がっていないと話し、W杯3次予選出場を逃したタン監督の去就について話し合われる予定はないとブルナマの取材に答えています。
 その一方で、代表チームのチームマネージャーでもあるマハディ・ユソフ会長代理は、代表チームがアジアカップ3次予選を突破して本大会出場を達成するために最適な環境を用意できるよう、運営委員会では今後新たに代表監督の人選も含めてあらゆる点が議題に上がる可能性については否定しなかったということです。

マレーシア代表が日本代表に3連勝(e国際親善試合で!)
 eスポーツのサッカーマレーシア代表が日本代表に3連勝!6月24日に行われたe国際親善試合キリンイミューズカップで2020年3月に新たに発足したeスポーツ・サッカーの日本代表「サッカーe日本代表」はサッカーeマレーシア代表と対戦し、マレーシアが3試合で3-5、3-4、0-3と3連勝で日本を一蹴しています。
 日本代表は今年2021年4月末から5月にかけて行われたFIFAeネーションズカップのアジア・オセアニア予選で優勝し、8月にデンマークで行われる本大会に出場する8月の世界大会に出場を決めたものの、アジア・オセアニア予選のグループリーグでは、やはりFIFAeネーションズカップ世界大会に出場するマレーシアに連敗、しかも予選グループでは首位マレーシアに次ぐ2位となっており、8月の本大会と同様の2on2の団体戦形式で行なう強化マッチとして企画されたこの国際親善試合をアジア・オセアニア予選のリベンジマッチとして臨んだものの、マレーシアが逆にこれを返り討ちにする形になりました。
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 私は知らなかったのですが、マレーシアはFIFAeランキングでは1位英国、2位ブラジルに次ぐ3位、一方で日本代表は18位とアジアではダントツの強さです。
 以下は日本サッカー協会JFAの公式YouTubeチャンネルにアップロードされたe日本代表対eマレーシア代表の試合の映像で、試合は2分30秒辺りからです。

6月29日のニュース:ACL予選G組-JDTは3PK献上で自滅、名古屋は3試合連続完封勝

ACL予選G組-JDTは3PK献上で自滅
 JDTは初勝利を挙げたラーチャブリーFC戦からFWアキヤ・ラシドに代えてMFアフィク・アザイルを起用し、システムを4-3-3から4-1−4-1に変更し、ナチョ・インサを司令塔に、前戦でも攻撃に絡むことが多かったサフィク・ラヒムがより攻撃参加できる布陣で臨みましたが、その布陣が功を奏し、試合開始から格上の浦項にも守勢に回ることなく互角に渡り合いました。
 先制したのはJDTでした。17分にペナルティーエリア手前からレアンドロ・ベラスケスが放ったシュートが浦項ディフェンダーに当たって角度が変わり、GKカン・ヒョンムが反応できないまま浦項ゴールに吸い込まれ、JDTがリードします。
 しかしその10分後、左サイドからペナルティーエリアに切り込んできたコ・ヤングヨンをベラスケスが倒して浦項がPKを獲得、これをボリス・タシチーが決めて浦項が同点に追いつきます。さらに35分にはペナルティーエリア内でマウリシオが「フライング」タックルでマリオ・クヴェシッチを倒して再びPKを浦項に与え2失点目となりました。なおこの悪質な反則によりマウリシオにはイエローカードも出され、マウリシオは警告累積により次戦の出場停止が決まりました。なおオーストラリアのショーン・エバンス主審は前半だけでJDTに4枚のイエローカードを出すなどややイエローカード出し過ぎのきらいがある審判でした。
 浦項1点リードで折り返した後半は、試合開始から降る雨とこの日2試合目ということで、ピッチコンディションも悪化、早く同点に追いつきたいJDTは浦項ゴールに迫り、何度かチャンスを得るもベルグソン・ダ・シルヴァがいずれのチャンスも決めきれず、逆に浦項はオフィサイドと判断して足が止まったJDT守備陣を交わして82分にゴール、その後も焦るJDTは少しずつ「荒い」プレーが見られるようになり、ロスタイムにはマシュー・デイヴィーズがアレックス・グラントをまたもペナルティーエリアで倒し、この試合3度目のPKを与えて万事休すとなり、JDTは1-4で浦項に敗れています。
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 同じカードは7月1日に組まれていますが、この試合でイエローをもらった守備の要マウリシオとアリフ・アイマンが次戦は警告累積により出場停止となりました。またこの試合でも初戦で途中交代したラヴェル・コービン=オングはベンチしておらず、ベストメンバーとは程遠い布陣で浦項と再戦する事になります。

AFCチャンピオンズリーグ2021予選G組マッチデー3
2021年6月28日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
浦項スティーラーズ 4-1 JDT
得点者:JDT-レアンドロ・ヴァレスケス(17分)、浦項:ボリス・タシチー(27分PK)、カン・サンウ(35分PK)、クワン・ギピョ(82分)、イム・サンヒュブ(90+1分PK)
(下は両チームの先発XI-JDTと浦項のFacebookより)
*この試合のハイライト映像はこちら-AFCの公式YouTubeより

 G組のもう1試合は2戦2勝の名古屋が山崎凌吾選手のハットトリックを含む4ゴールで3連勝しています。敗れたラーチャブリーは勝ち星なしの3連敗となっています。
2021年6月28日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
ラーチャブリー・ミトポンFC 0-4 名古屋
得点者:名古屋-山崎凌吾3(26分、31分、46分)、斉藤学(65分)
*この試合のハイライト映像はこちら-AFCの公式YouTubeより

ACL予選G組順位(マッチデー3終了時点)

TeamGWDLGFGAGDP
1名古屋33008089
2浦項32016426
3JDT310225-33
4ラーチャブリー300307-70
P-試合数、W-勝利、D-引分、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点

ACL予選G組の日程(会場はいずれもラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク、試合は1試合目が午後6時、2試合目が午後10時キックオフ-いずれもマレーシア時間)
7月1日(木)
JDT-浦項、名古屋-ラーチャブリー
7月4日(日)
ラーチャブリー-浦項、名古屋-JDT
7月7日(水)
浦項-名古屋、ラーチャブリー-JDT

6月26日のニュース:ACL予選G組-JDTはラーチャブリー戦勝利で1勝1敗のタイに、名古屋は浦項を下して2連勝

ACL予選G組-JDTはラーチャブリー戦勝利で1勝1敗のタイに
 AFCチャンピオンズリーグACL予選G組はマッチデー2の2試合が行われ、JDTはラーチャブリー・ミトポンFCと対戦し1-0で予選初白星を挙げ、通算成績を1勝1敗としています。
 いずれも初戦で敗れている両チームの対戦となったこの試合は、初戦と同じメンバーで臨んだラーチャブリーに対し、初戦の先発メンバーからサファウィ・ラシド、ラベル・コービン=オング、アフィック・ファザイル、S・クナランの4名を入れ替えて臨んだJDTが、試合開始から積極的に仕掛けます。
 名古屋戦ではロスタイムのゴールが無効となるなどフラストレーションが溜まる試合となったJDTのエース、ベルグソン・ダ・シルヴァは27分にペナルティーエリア内で倒されPKを得ますが、自らが蹴ったPKもはラーチャブリーGKカンポン・パトマッカックルに止められるなど、この試合もフラストレーションが溜まる試合でしたが、その一方で今季はトップチームどころかセカンドチームでも試合出場がなかったアズリフ・ナスルルハクのサプライズ起用を筆頭に、サフィク・ラヒムやマシュー・デイヴィーズ、アキヤ・ラシドら予選初先発となった選手がベンヤミン・モラ監督の期待に応えるようにゴールに迫ります。しかしこの試合では度々好セーブを見せた絶好調のGKパトマッカックル、そしてJDT攻撃陣のフィニッシュの質の低さから両チームとも無得点で終了します。
 後半に入るとサファウィ・ラシドを押しのけて本来の右ウイングで先発したアリフ・アイマンがドリブルで持ち込み、これがベルグソンァからゴールを背にしたレアンドロ・ヴェラスケスに渡り、ベラスケスが振り向きざまに放ったシュートが決まり、JDTが47分に先制します。このゴールを境にラーチャブリーのテンポが上がり、JDT陣内までボールを運ばれるものの、マウリシオとシェーン・ローリーの両センターバックが決定機を作らせません。その後、JDTは再三チャンスを得るものの得点には至らず、ロスタイムの絶好機もサファウィ・ラシドのシュートが外れ、1-0のまま試合終了。シュート数で7-23(内オンターゲットは1-7)と相手を圧倒しながらも快勝とはいえない勝利でJDTが勝点3を獲得し、この日が誕生日だったベンヤミン・モラ監督へ勝利をプレゼントしました。この試合の結果、JDTは得失差で浦項を抜いて予選G組の2位に浮上しています。
*****
 名古屋戦では最後は足をひきづっていたラヴェル・コービン=オングがこの日はベンチから外れました。代わりに入ってアズリフ・ナスルルハクは守備面では必要最低限の仕事をしたものの、コービン=オングほどの攻撃参加はできず、多くのチャンスがありながら結局、1得点で終わったことからもその存在の沖さが改めて感じられました。また勝利したとは言え、エースのベルグソンも2戦連続で不発と次戦の浦項戦に向けて攻撃陣に不安も残ります。1点差のまま試合が進んだことで、シェーン・ローリー、マウリシオのセンターバックコンビとナチョ・インサは交代させることもできず、この予選G組で2位を狙うための重要な次戦の浦項戦での、この3選手の疲労度が心配です。

AFCチャンピオンズリーグ2021予選G組マッチデー2
2021年6月25日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
ラーチャブリー・ミトポンFC 0-1 JDT
得点者:JDT-レアンドロ・ヴァレスケス(47分)
(下は両チームの先発XI-ラーチャブリーとJDTのFacebookより)
*この試合のハイライト映像はこちら-AFCの公式YouTubeより

 なおこの試合に先立って行われた予選G組のもう1試合は名古屋グランパスが浦項スティーラーズ(韓国)を3-0で破っています。
2021年6月25日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
名古屋グランパス 3-0 浦項スティーラーズ
得点者:名古屋-柿谷 曜一朗(34分)、マテウス2(65分PK、82分)
*この試合のハイライト映像はこちら-AFCの公式YouTubeより

ACL予選G組順位(マッチデー2終了時点)

TeamGWDLGFGAGDP
1名古屋22004046
2JDT21011103
3浦項210123-13
4ラーチャブリー200203-30
P-試合数、W-勝利、D-引分、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点

ACL予選G組の日程(会場はいずれもラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク、試合は1試合目が午後6時、2試合目が午後10時キックオフ-いずれもマレーシア時間)
6月28日(月)
ラーチャブリー-名古屋、浦項-JDT
7月1日(木)
JDT-浦項、名古屋-ラーチャブリー
7月4日(日)
ラーチャブリー-浦項、名古屋-JDT
7月7日(水)
浦項-名古屋、ラーチャブリー-JDT

6月25日のニュース:Mリーグ2部は7月3日のリーグ再開が延期に、サラワクUにFIFAから給料未払いへ処分が届く、ペラ州FAにも給料未払い問題浮上も関係者はこれを否定

Mリーグ2部は7月3日のリーグ再開が延期に
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、来月7月3日より再開予定だったMリーグ2部プレミアリーグの再開延期を公式サイトで発表しています。
 また今回のリーグ中断前に新型コロナウィルスの感染者が出たことから延期となり6月29日に予定されていたペラFC II対ケランタンFC、また豪雨により延期となり6月30日に予定されていたスランゴールFC2対サラワク・ユナイテッド戦のいずれも再度の延期が発表されています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、連日5000人前後と新型コロナの新規感染者数が高止まりしているマレーシア国内の状況について、国内スポーツを統括するマレーシア政府青年スポーツ省から出された勧告に基づいて決定したことを明らかにしています。
 この他、現在Mリーグ各クラブに義務付けられている合宿形式の練習については今後も継続が可能と話す一方、アブドル・ガニCEOはプレミアリーグ再開の日程については国家安全保障委員会の今後の発表によるとして、具体的な再開日程について言及していません。
 なお7月24日より再開予定の1部スーパーリーグについては、現時点では日程変更はないということです。

サラワクUにFIFAから給料未払いへ処分が届く
 Mリーグ2部で現在首位のサラワク・ユナイテッドFCに対してFIFAより給料未払い問題に関する罰金を含む処分が下されたことを英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 サラワク・ユナイテッドを運営するサラワク州サッカー協会はスペイン出身のホアン・カルロ・マルガ元監督と昨季開幕前に契約しましたが、開幕前に行われたプレーシーズンマッチで3連敗を喫したことで、開幕前に解任されていました。FIFAの処分はその際の給料20万リンギ(およそ533万円)が未払いとなっていることに関するものだということです。
 サラワク州サッカー協会のポサ・マジャイス会長はFIFAによる処分の連絡を受け取ったことを認め、FIFAに対して支払いを半額とするよう求めると話しています。なおFIFAは給料支払いに加え、来年1月のMリーグのトランスファーウィンドウ期間の選手獲得禁止処分も合わせて行なっていますが、ポサ会長は年内に未払い給料を支払い、選手獲得禁止処分を避けたいという意向も示しています。
 またニューストレイトタイムズは現在のチーム内でも一部で給料未払い問題があり、チーム内で給料が支払われている選手とそうでない選手がいるいびつな状況があるとも報じています。地元サラワク州出身の選手には給料が支払われる一方で、そうでない選手には給料が未払いとなっているとされており、これについてポサ会長はサラワク州出身の選手は給料額が2000リンギから4000リンギ(およそ5万3300円から10万7000円)で一括の支払い可能だが、給料が高額選手な選手には一部未払いとなっていると話し、地元選手優遇といったことではないと話しています。
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 かつてこのブログでも取り上げたサラワク・ユナイテッドの給料未払い問題ですが、その際もポサ会長は給料未払いを公表したサンドロ・ダ・シルヴァに対して未払いではなく遅配だと主張した上でサンドロ選手の「顔も見たくない」と発言するなど、経営責任を果たしていないにも関わらず開き直った発言しています。なおポサ サラワク州サッカー協会会長はマレーシアサッカー協会の理事でもあります。
 

ペラ州FAにも給料未払い問題浮上も関係者はこれを否定
 マレーシア語紙ウトゥサンマレーシア電子版は、ペラ州サッカー協会(ペラ州FA)が給料未払いで訴えられていると報じています。
 記事によれば2019年に入団テストを受けた韓国出身のチョン・ヒョソクは、このテストの結果、ペラ州サッカー協会と契約を結んだにも関わらず、その後のケガが判明したため契約が破棄となったということです。チョン選手は未払いとなっている給料50万リンギ(およそ1330万円)の支払いを求めてFIFAに提訴し、6月18日付でFIFAから未払い給料支払いを求める手紙がペラ州サッカー協会に届いていることが記事の中で述べられています。
 これに対してペラ州サッカー協会はケガが判明したことからチョン選手とは契約を結んでいないと主張しています。ペラ州サッカー協会の関係者によれば、入団テスト後に練習参加を求めたにも関わらずチョン選手が様々な理由で練習に参加せず、メディカルチェックの際に古傷が発覚したため、ペラ州サッカー協会は契約をしなかったと述べ、ペラ州サッカー協会を欺こうとした行為を非難し、さらに今回のFIFAの提訴はチョン選手が契約書を複製して自らサインし、それを証拠として使っているとウトゥサンマレーシアの取材に述べています。
 またこの関係者はペラ州サッカー協会も宣誓供述書で反論をスイスのスポーツ仲裁裁判所に提出しており、そこで審議が行われる予定でしたが、現在のコロナ禍により現時点では行われていないと述べています。

6月23日のニュース:ACL予選G組-JDTは名古屋に惜敗

 今季2021年AFCチャンピオンズリーグ東地区予選がいよいよ始まりました。JDTはバンコクで開催される予選G組で名古屋グランパス、浦項スティーラーズ(韓国)、ラーチャブリー・ミトポンFCと同組になっています。集中開催ということで19日間で6試合という強行日程、しかも同じ試合会場ということで、疲労やピッチコンディションなどホームアンドアウェイ方式とは異なる要因も勝敗に影響を及ぼす可能性があります。

ACL予選G組-JDTは名古屋に惜敗
 AFCチャンピオンズリーグACL予選が開幕し、バンコクで集中開催となった予選G組は2試合が行われました。Mリーグ7連覇中のJDTは名古屋グランパスと対戦し0-1で敗れ、黒星スタートとなりました。
 外国籍選手登録枠の都合からFWゴンザロ・カブレラでなくDFシェーン・ローリーを登録するなど守備重視の布陣で臨んだJDTは、その守備が機能し、また試合会場となったラジャマンガラスタジアムは前の試合の影響でピッチ状態が悪かったこともあり、前半は名古屋が優勢に試合を進めながらも0-0で終了します。後半に入ると名古屋はさらに攻撃のペースを上げ、JDTは守勢に回りますがそれでも何とか持ちこたえ続けたものの60分に阿部浩之選手のゴールで名古屋が先制します。JDT守備陣がオフサイドと判断して足が止まった隙をついたゴールでした。ここから選手交代で守備を固めた名古屋に対し、JDTはボールは保持できるものの、この試合はコーナーキック0というデーターが物語る通りアタッキングサードまで持ち込ませてもらえず、このまま終了かと思われたロスタイムにJDTはマシュー・デイヴィーズからのクロスにベルグソン・ダ・シルヴァが頭で合わせて同点ゴール!しかしこれはベルグソン選手が木本恭生を押し倒した反則によりゴールと認められませんでした。結局、試合はこのまま終了し、JDTは3季連続ACL初戦黒星となりました。
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 攻守の要として安定のプレーを披露していたラヴェル・コービン=オングが試合中に受けたタックルで動きがわるくなったところを名古屋のマテウスがドリブルで持ち込み、それがゴールにつながりました。その後もコービン=オング選手は足を引きずる場面も見られるなど動きが悪く、次戦以降の出場が気になるところです。
 またテレビの解説者が指摘していましたが、ベルグソン選手の幻の同点ゴールはその直前に木本選手がベルグソン選手のシャツを引っ張っており、ベルグソン選手が木本選手を押し倒さず、引っ張られたまま倒れてしまえばむしろJDTがPKを獲得できた可能性があります。この辺りもMリーグでは経験できない駆け引きだったかもしれません。しかし少なくとも守備では名古屋と十分に渡り合えることを示したJDTは、攻撃陣の奮起が期待されます。

AFCチャンピオンズリーグ2021予選G組マッチデー1
2021年6月22日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
JDT(マレーシア) 0-1 名古屋グランパス
得点者:名古屋-阿部浩之(60分)
*試合のハイライト映像はこちら-AFCの公式YouTubeチャンネルより
(下は両チームの先発XI-JDTのFacebookと名古屋のツイッターより)

 なおこの試合に先立って行われた予選G組のもう1試合は浦項スティーラーズ(韓国)がラーチャブリー・ミトポンFC (タイ)を2-0で破っています。
2021年6月22日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
浦項スティーラーズ(韓国)2-0 ラーチャブリー・ミトポンFC (タイ)
得点者:浦項-ボリス・タシチー(11分)、リム・サンヒュブ(80分)
試合のハイライト映像はこちら-AFCの公式YouTubeチャンネルより

ACL予選G組順位(マッチデー1終了時点)

TeamWDLGFGAGDP
1浦項11002023
2名古屋11001013
3JDT100101-10
4ラーチャブリー100102-20
P-試合数、W-勝利、D-引分、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点

ACL予選G組の日程(会場はいずれもラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク、試合は1試合目が午後6時、2試合目が午後10時キックオフ-いずれもマレーシア時間)
6月25日(金)
名古屋-浦項、JDT-ラーチャブリー
6月28日(月)
ラーチャブリー-名古屋、浦項-JDT
7月1日(木)
JDT-浦項、名古屋-ラーチャブリー
7月4日(日)
ラーチャブリー-浦項、名古屋-JDT
7月7日(水)
浦項-名古屋、ラーチャブリー-JDT

6月22日のニュース:JDTオーナーのイスマイル殿下が代表チームマネージャーとなるべきでない5つの理由

JDTオーナーが代表チームマネージャーをすべきでない5つの理由
 先日終了したFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選では、マレーシアは予選G組で1位アラブ首長国連邦、2位ベトナムに敗れて3次予選進出を逃した一方で、アジアカップ3次予選への出場権を獲得しています。
 この予選最終戦となったタイ戦前日にMリーグ1部JDTのオーナーでジョホール州皇太子でもあるトゥンク・イスマイル殿下がマレーシアサッカー協会会長FAMに向けて、代表チームに最高の練習環境と最高の指導者を提供する用意があるとして、その条件に自身を代表チームのチームマネージャーにすることを突然、提案しました。
 この提案に対して、国内のメディア、さらにはソーシャルメディア上で様々な意見が交わされる一方、FAMのハミディン・アミン会長は、この提案を検討するために協会にでの手続きに則った話し合いを進めることを明らかにし、慎重に対応する方針をとっています。
 このイスマイル殿下の提案に対し、サッカー専門サイトのスムアニャボラが「イスマイル殿下が代表チームマネージャーとなるべきでない5つの理由」というタイトルで非常に興味深い記事を掲載していますので、拙訳ですがここに書き留めておきたいと思います。
 イスマイル殿下が2013年にオーナーとなって以降、JDTはMリーグ1部で昨季まで7連覇を達成し、東南アジアのクラブとしては初となる2015年のAFCカップ制覇を果たすなど、その手腕は申し分ありませんが、この記事を書いたゲイリー・ルガード氏はイスマイル殿下は代表のチームマネージャーとなるべきではないとしています。

<理由1:FIFAの規定に抵触する可能性がある>
 一般に代表チームはその国のサッカー協会が運営上の責任を負い、マレーシアではマレーシアサッカー協会FAMがこれにあたる。この条件下でイスマイル殿下が代表チームのチームマネージャーになるための方法は二つありその一つは、かつて会長を務めたFAMに復帰することだが、イスマイル殿下は代表チームの運営権を求めているだけで、FAM全体の運営は意図していない。そしてもう一つは代表の民営化という方法だ。民営化された代表チームはFAMから離れて自由に活動ができるが、マレーシアサッカーのトップに位置するFAMが代表チームに何ら責任を追わないという事態はFIFAの規定に抵触しないのだろうか。

<理由2:マレーシアサッカーのロードマップ、F:30との整合性>
 マレーシアサッカー協会FAMは2030年までにアジアのトップ5入りを目指すためのロードマップ(行程表)「F:30」を発表している。このロードマップはFAM、そしてマレーシア国内のサッカーに関係者及びサポーターに対する行動計画でもある。このF:30で掲げられている目標を実現するためには、関係者全員が目的を共有する必要がある。その場合、FAMが代表チームを一個人に任せることはこのF:30と整合性があると言えるのか。ハミディン・アミンFAM会長がこのF:30を発表した際には、このロードマップはFAMの「本気度」を示すものだと述べたが、FAMがうかつに他人に代表チームを任せることによって、このF:30に関わる人々にはFAMの言う「本気度」が薄れたとは映らないだろうか。誰かに任せたからといってFAMは代表チームが短期間で強くなるという幻想を持つべきではない。

<理由3:マレーシアサッカーDNAと整合性>
 イスマイル殿下は自身がチームマナージャーになった暁には、最高のコーチングスタッフを用意すると述べている。ここで疑問が湧くのは、FAMが草の根からトップレベルまで国内サッカー全体に浸透させたいとしているマレーシアサッカーのDNAに沿った指導を果たしてその「最高のコーチングスタッフ」が行うのかどうか、ということである。代表チームのことだけを考えれば、現在の代表が採用しているシステムとJDTが採用しているシステムは似ており、イスマイル殿下もおそらく熟知していると考えられることから、特に問題にはならないだろう。しかし、FAMはジュニア、ユースから代表まで一貫したシステムでプレーすることで、将来の代表選手となるべき選手を養成するためのマレーシアサッカーDNAを導入しており、FAMがこの方針を変更しない限り、代表独自のシステムはマレーシアサッカーDNAと齟齬(そご)をきたす可能性がある。

<理由4:利益相反>
 イスマイル殿下が代表チームを強化する際に最も懸念されるのがこの利害対立である。イスマイル殿下がJDTのオーナーのまま代表チームのチームマネージャーに就任すれば、サッカー関係者やサポーターから否定的なコメントが出る可能性が非常に高い。具体的な例を挙げるとすれば誰をを代表に招集するか、といった問題もその一つである。現在の代表には、マレーシア人の親を持つもののマレーシア国外で生まれ育ったディオン・コールズ、マシュー・デイヴィーズ、ブレンダン・ガン、ドミニク・タン、ラヴェル・コービン=オング、ジュニオール・エルドストール、サミュエル・サマーヴィルらの帰化選手、そしてマレーシア人とは血縁関係持たないギリェルメ・デ・パウラ、リリドン・クラスニキ・モハマドゥ・スマレといった帰化選手がいる。そしてこれらの10名の帰化選手の内、JDTに在籍した経験が全くないのはブレンダン・ガン(スランゴールFC)と今回の予選から代表に加わったディオン・コールズだけである。この状況を理解した上で、もしイスマイル殿下が代表チームのチームマネージャーとして誰を帰化させるかにも関与することになれば、それが果たして代表の利益なのか、JDTの利益なのか、という議論が間違いなく発生する。例えイスマイル殿下が純粋に代表チームのことを考えて行うことだとしても、必ずその目的に対して疑心暗鬼になる者は出る。そしてイスマイル殿下が代表チームのチームマネージャーを続ける限り、これは取りざたされ続け、結果的に代表チームそのものにも影響が出る可能性がある。

<理由5:JDTは今後もイスマイル殿下を必要とする>
 JDTを東南アジアでトップレベルのチームに育て上げたことで、イスマイル殿下は代表チーム自体の強化にも間接的ながら大きく貢献している。
 JDTのサファウィ・ラシド、シャフィク・アフマド、アキヤ・ラシド、アリフ・アイマン、ラマダン・サイフラーといった選手たちは今後10年は代表の中心選手としてプレーできる選手たちである。また今回のW杯予選で代表に加わったディオン・コールズ(デンマーク1部FCミッティラン)に代表でプレーするよう拙宅したのもイスマイル殿下である。また代表でも屈指の帰化選手ラヴェル・コービン= オングがマレーシア代表でプレーするようになったのもイスマイル殿下の説得のおかげである。国内リーグでは敵なしのJDTだが、AFCチャンピオンズリーグというアジア最大の舞台でJDTが成功するためにはイスマイル殿下のリーダーシップが必要である。

<最後に>
 イスマイル殿下は代表が今回のW杯予選で思うような結果を出せなかったのはFAMの指導力不足ではないかと指摘しており、自身の代表チームのチームマネージャー就任を提案したことをFAMの理事会は自分たちへの警鐘だと考えるべきだ。自分たちの努力は十分なのか、現状に甘んじてはいないのか、と。
 イスマイル殿下の提案は考慮に値する者だが、上の5つの理由から、少なくとも現在は代表チームのチームマネージャーに就任するべきときではない。
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 この記事は最後に「この記事はあくまでも筆者の個人的な意見であり、スムアニャボラ全体の意見を反映したものではない」との注意書きも掲載されています。王族へのオープンな意見はなかなか表明しにくこの国で、このような記事を見たのは初めてでした。非常に興味深くまた建設的な意見で説得力もありますが、一部の極端な考えを持つマレー人の中には王室に対する意見を全く認めないものもいるので、この国で王族についての内容を掲載するには、こういった注意書きも必要だということも改めて認識しました。

6月21日のニュース:FAMはアジアカップ3次予選抽選前に国際Aマッチを検討、元代表監督がW杯予選の結果と今後の代表の計画について発言、AFC事務局長はAFCカップ中止は最後の選択肢と話すも今週中には何らかの発表か

FAMはアジアカップ3次予選抽選前に国際Aマッチを検討
 先日のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選では、ワールドカップアジア3次予選出場はならなかったものの、アジアカップ3次予選出場権を得たマレーシア。アジアカップ3次予選の組み合わせ抽選は今年2021年10月に予定されていますが、マレーシアのFIFAランキングを上げて「より良い組み合わせ」が得られるよう、マレーシアサッカー協会FAMはこの組み合わせ抽選前に国際Aマッチを複数行う予定があると、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 当初は今年12月5日から始まる東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップを利用してFIFAランキングを上げようとしていましたが、アジアカップ3次予選の組み合わせ抽選が10月となったことで、この計画の変更を迫られていました。
 2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選G組で3位となったマレーシアですが、最新のFIFAランキングでは153位で、このFIFAランキングを元に行われる組み合わせ抽選ではイエメン(同145位)、クウェート(同148位)、アフガニスタン(同149位)、モルディブ(同155位)、シンガポール(同159位)とともにポット3に回ることが濃厚です。一方、ポット2に回る可能性があるのはタイ(同106位)、タジキスタン(同121位)、フィリピン(125位)、トルクメニスタン(同130位)、ミャンマー(同130位)、香港(同144位)の6カ国で、マレーシアがこのポット2に回るためには、この6か国中最下位ランクの香港との差(ランキング9位、ポイントで言えば32.02ポイント)を詰める必要があります。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、新型コロナ禍の中、8月30日から9月7日、そして10月4日から12日までとなっているFIFA国際マッチデー期間の練習試合開催は容易ではないとした上で、他国のサッカー協会と連絡を取りながら、タン・チェンホー代表監督から出ている練習試合4試合のマッチメイクを行いたいと話しています。
 来年2022年2月に予定されているアジアカップ3次予選では、参加24カ国が6組に分かれて戦い、各組の1位に加えて、各組2位の内上位5チームが、2023年に中国で開催される本戦出場権を獲得します。

元代表監督がW杯予選の結果と今後の代表の計画について発言
 Mリーグ2部サラワク・ユナイテッドFCのB・サティアナタン テクニカルディレクターTDは、予選G組で3位となったFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選について、英字紙ニューストレイトタイムズに感想を述べています。
 今回の予選では3位となり、W杯3次予選出場を逃した代表チームについて、マレーシアサッカー協会FAMは、タン・チェンホー監督とユソフ・マハディ代表チームマネージャーによる総括を元に、練習試合のマッチメイクや新たな代表候補選手招集などを行うことになるだろうと述べています。また、上の記事でも取り上げたFIFAランキングを上げるための国際Aマッチ開催もそのうちの選択肢となりうると述べる一方で、国際Aマッチはアジアカップ3次予選に向けてチーム強化を目的とすることが最優先であるべきで、FIFAランキングを上げることだけを目的としたマッチメイクはするべきではないとも話してています。
 「監督の立場なら、(強い相手と試合した結果)負け続けるチームを改善するよりも、選手をに様々な戦術や戦略を試させる場が必要になる。ランキングを上げるためにランキング上位のチームと4試合全てを戦って負ければ、選手のモチベーションにも影響し、重要な大会前のチームの仕上げ方としては良い方法とは言えない。」と話しています。
 またサティアナタンTDは、Mリーグ1部JDTのオーナーであるトゥンク・イスマイル ジョホール州皇太子がFAMに対して行った、自身を代表チームのチームマネージャーにするべきという提案に対して、イスマイル殿下は思いつきだけで発言したのではないだろうとし、JDTでの成功例を見てもわかるように、チームマネージャーとしては適任の人物の一人であると述べる一方で、最終的にはFAMが判断するべきだとしています。

AFC事務局長はAFCカップ中止は最後の選択肢と話すも今週中には何らかの発表か
 昨季2020年シーズンの優勝チームとしてJDTが出場するアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグ予選G組は明日6月22日よりタイのバンコクで始まり、JDTは初戦で名古屋グランパスと対戦します。
 一方、昨季2位のクダ・ダルル・アマンFCと3位のトレンガヌFCが出場予定のAFCカップのアセアン(東南アジア)地区は、集中開催地のシンガポールが新型コロナウィルスの感染状況悪化を理由に開催を辞退して以降、新たな開催地は決まっておらず、開催そのものが危うくなっています。
 これについてAFCのウインザー・ポール事務局長は、今季のAFCカップのアセアン地区開催を諦めていないと話す一方で、最終的な決定は今週中にも発表されるだろうと話しています。
 クダとトレンガヌが所属する予選H組とI組は当初はいずれもシンガポールでの集中開催となることが発表されていましたが、シンガポールの開催辞退表明後は、大会に出場するクラブが所属する東南アジア各国のサッカー協会、またそれ以外の中立国のサッカー協会ともに開催に名乗りをあげる国が現れていません。この2組に残るG組を加えたアセアン地区予選3組全てで現在も開催地は決まっておらず、これについてAFCのウインザー・ジョン事務局長はAFCカップアセアン地区の今季中止はあくまでも最後の選択肢だと述べる一方で、運営委員会には今週中に最終決定を行うよう依頼したことを明らかにしています。
(6/21-一部記事を修正しました。)

6月19日のニュース:FAM会長-JDTオーナーによる自身の代表チームマネージャー就任提案は慎重に検討、サファウィ・ラシドがタイ戦ゴール後のパフォーマンスについて謝罪、JDTがACL登録メンバーを発表

FAM会長-JDTオーナーによる自身の代表チームマネージャー就任提案は慎重に検討
 Mリーグ1部JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が自身をマレーシア代表チームのマネージャーとするよう提案した件について、マレーシアサッカー協会FAMが正式に声明を発表しタコとを、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 FAMのハミディン・アミン会長は前FAM会長でもあるイスマイル殿下の提案については、FAMの内規に沿って検討したいという声明を発表しています。イスマイル殿下は代表チームに最善の練習環境と最善のコーチングスタッフをできるとして、自身を代表チームのマネージャーにするよう、ハミディンFAM会長に宛てたメッセージを6月14日に自身のインスタグラムに投稿しています。
 またハミディン会長は、今回のW杯予選で不振を極め各方面から批判的な意見が出ている帰化選手について、FAM内の帰化選手プログラム委員会、技術委員会、そしてテクニカルディレクターのオン・キムスイ氏の間で帰化選手プログラムの効果についての検証を行うよう、事務局長に指示を出したことも明らかにしています。
 ハミディン会長はこの他、代表チーム運営委員会に今回のW杯予選に関する最終報告書と既に出場が決定しているAFC選手権アジアカップ2023年大会3次予選への準備計画が提出されるのを待って、その詳細をFAMの理事会で検討する予定であると述べています。

サファウィ・ラシドがタイ戦ゴール後のパフォーマンスについて謝罪
 FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ20223年大会予選G組最終戦となったタイ戦で決勝ゴールを決めたサファウィ・ラシド(JDT)が得点後のパフォーマンスついて謝罪していると、ブルナマが報じています。
 タイを破り予選G組でマレーシアの3位とアジアカップ3次予選進出を確定させたこのゴールの後、サファウィ選手はやはりこの予選でゴールを決めていたギリェルメ・デ・パウラと喜びを爆発させた後、キーボードを打つようなジェスチャーの後に口に人差し指を当てて黙るようなポーズをスタンドに向かってしていました。
 予選通算3得点を挙げたサファウィ選手ですが、アラブ首長国連邦でのW杯予選では不調を極めたことから、一部ファンからはこのパフォーマンスについて「やり過ぎ」という声が上がっていました。
 サファウィ選手は自身のゴールパフォーマンスを不快に思ったサポーター対して、同じようなことは2度と繰り返さないようにすると謝罪しています。
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 今回のW杯アジア2次予選中、この試合で初めて先発を外れたサファウィ選手は、デ・パウラ選手とともに主力選手として期待されていた分だけ、その期待以下のプレーによって他の選手以上に連日、激しい批判にさらされていました。そんなストレスがかかる中でのこの試合でのゴールは喜びも大きかったと思いますし、ゴールパフォーマンスも個人的には理解できます。時には理不尽とも言えるような批判を受けてもで常に結果を出すことがサファウィ選手には求められていくと思いますが、それに応えていけるようになれば名実ともに代表のエースとなれると思います。

JDTがACL登録メンバーを発表
 6月22日からタイのバンコクで開催されるAFCチャンピオンズリーグ予選に出場するMリーグ1部JDTが登録メンバー30名を公式Facebookで発表しています。
 Mリーグ1部は5名の外国籍選手(内1名はAFC枠、1名はアセアン東南アジア枠)が登録可能ですが、ACLでは外国籍選手の登録は4名であることから、守備を強化するためにFWゴンザロ・カブレラが外れたことを、JDTのベンヤミン・モラ監督が別の投稿で説明しています。
 今回のACLでJDTは外国籍選手として現在リーグ得点王でブラジル出身のFWベルグソン・ダ・シルヴァ、同じブラジル出身のDFマウリシオ、アルゼンチン出身のMFレアンドロ・ヴァレスケス、そして新たに獲得したオーストラリア出身のDFシェイン・ローリーの4名を登録しています。またマレーシア人選手では、先日終了したW杯予選に参加したサファウィ・ラシド、ギリェルメ・デ・パウラ、モハマドゥ・スマレ、アキヤ・ラシド、シャフィク・アフマド、アリフ・アイマンのFW陣、シャマー・クティ・アッバ、ナズミ・ファイズのMF陣、そしてラヴェル・コービン=オング、マシュー・デイヴィーズ、アダム・ノー・アズリン、アイディル・ザフアンのDF陣、そしてGKファリザル・マーリアスの13名がアラブ首長国連邦のドバイから直接、バンコク入りした他、に加え、JDT IIからMFチア・ルオハン(20)、DFフィルダウス・ラムリ(19)、DFフェロズ・バハルディン(21)の若手選手も登録されています。
 JDTは予選G組で、名古屋グランパス、浦項スティーラーズ(韓国)、ラーチャブリー・ミトポンFC (タイ)と対戦します。
(以下はJDTのACL登録メンバー-JDTのFacebookより)

6月18日のニュース:代表チームが「マラヤの虎」チャーター便で帰国、FAMはJDTオーナーの代表チームマネージャー就任希望に未だ回答せず

代表チームが「マラヤの虎」チャーター便で帰国
 アラブ首長国連邦UAEで開催されたFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に出場したマレーシア代表は、昨日の午後に無事マレーシアへ帰国したとマレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 5月20日にマレーシアを出国して以来、ほぼ1ヶ月ぶりの帰国となった代表チームは、出国時と同様にマレーシア航空特別機で帰国しました。
 帰国途中にはバンコクを経由し、タイで6月22日から開催されるAFCチャンピオンズリーグに出場するJDTの選手13名を降ろし、マレーシアに帰国した選手は8名のみとで、マレーシア国外でプレーするディオン・コールズ(デンマーク1部FCミッティラン)、ルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)、リリドン・クラスニキ(オーストラリア1部ニューカッスルジェッツ)、ジュニオール・エルドストール(タイ1部チョンブリーFC)、ドミニク・タン(タイ1部ポリステロFC)の各選手は既に別途帰途についたということです。
 今回予選G組では首位UAE(勝点18)、2位ベトナム(同17)に次ぐ3位(同12)となったマレーシアは、来年2022年2月あるいは3月に行われる予定のアジアカップ3次予選出場権を獲得しています。
 (代表カラーに塗装された特別機に登場する代表チーム-FAMのFacebookより)

FAMはJDTオーナーの代表チームマネージャー就任希望に未だ回答せず
 W杯予選G組最終戦のタイ戦を前に、Mリーグ1部JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下がマレーシアサッカー協会FAMに対し、代表チームのマネージャー就任を希望していると自身のインスタグラムに投稿しましたが、これに対してFAMは回答を保留していると英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。。
 イスマイル殿下は、ハミディン・アミンFAM会長に宛てて「代表チームに対して最高の練習環境と最高のコーチングスタッフを提供することを約束し、代表チームを強化するためには自分をチームマネージャに就任させて欲しい。短期間での成功は約束できないが、現実的な目標を一つ一つ達成し、必ずチームを改善する」と述べる一方で、「一部の選手は代表チームへの招集を夏休みのように考えているようだ。また今後は簡単に帰化選手を生み出すべきではない。」と述べ、代表のプレースタイルにあった選手だけを帰化させるためにその分析を行う技術委員会が管理するべきだとも述べています。
 これは今回のW杯予選に出場したマレーシア代表にはモハマドゥ・スマレ(JDT-ガンビア出身)、ギリェルメ・デ・パウラ(JDT-ブラジル出身)、リリドン・クラスニキ(JDTから期限付き移籍でAリーグのニューカッスルジェッツ-コソボ)の3名の帰化選手がいましたが、3名が3名とも不調であったことから、国内サポーターだけでなく国内サッカー界からも帰化選手と帰化選手プログラムを推し進めるFAM双方に対する批判が高まっています。
 イスマイル殿下は、JDTがMリーグ7連覇を含む多くのトロフィーを獲得している秘訣は、選手をメデイアなど外部から遮断し、ソーシャルメディアの使用も管理した上でサッカーという仕事に集中できる環境を提供している自身のリーダーシップによるものだと話しています。
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 ジョホール州皇太子の略称TMJの愛称でも呼ばれるイスマイル殿下ですが、自身の代表チームマネージャー就任希望を投稿したのは予選G組の最終戦タイ戦の前でしたが、正直なぜこのタイミングで?というのが最初の印象でした。FAM会長はじめとする役員の尻に火をつけるためのなのか、はたまた代表に13名いるJDTの選手に気合いを入れるためなのか。いずれにせよ、大事な最終戦前にマイナスに作用することはあってもプラスには採用しないのでは、というタイミングでした。(もちろんこのハッパが効いて、タイに勝利したのであればそれはそれで効果的だったとも言えますが…。)
 2017年から2018年までは自身がFAMの会長を務めたイスマイル殿下ですが、退任後のFAMはそれまではとは違い、王族も中央政府の政治家もいない組織として機能しており、また代表チームも2019年末まではタイを破り、UAEと接戦を繰り広げるなどここ数年来、最も期待できるチームでした。しかし新型コロナ蔓延後は他国も条件は同じとはいえ、代表合宿は行えず、強豪との練習試合も組めず、正確な日数は調べていないのでわかりませんが、移動制限令が連発されたマレーシアは、2020年以降で見ればおそらく代表合宿開催日数は予選G組では最低ではないかと思います。コロナ禍が落ち着けば、2019年のように代表の強化ができれば、アジアカップ本戦出場も夢ではないような気がします。
 そんな中でのイスマイル殿下の投稿は、Mリーグの優秀な選手を片っ端からJDTが獲得している手腕と合わせた上でうがった見方をすれば、自身の手中に代表チームを納めたいのという思惑があるようにすら思えてしまいます。FAMによる代表強化が手ぬるいから、と言われてしまえばそれまででしょうが、FAMがイスマイル殿下に「預けて」しまった後は、批判的な意見が出にくくなる恐ればあり、また万が一、その強化が失敗と判明した場合に誰が殿下を解任できるのか、という最大の問題が残ります。

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