6月23日のニュース:ACL予選G組-JDTは名古屋に惜敗

 今季2021年AFCチャンピオンズリーグ東地区予選がいよいよ始まりました。JDTはバンコクで開催される予選G組で名古屋グランパス、浦項スティーラーズ(韓国)、ラーチャブリー・ミトポンFCと同組になっています。集中開催ということで19日間で6試合という強行日程、しかも同じ試合会場ということで、疲労やピッチコンディションなどホームアンドアウェイ方式とは異なる要因も勝敗に影響を及ぼす可能性があります。

ACL予選G組-JDTは名古屋に惜敗
 AFCチャンピオンズリーグACL予選が開幕し、バンコクで集中開催となった予選G組は2試合が行われました。Mリーグ7連覇中のJDTは名古屋グランパスと対戦し0-1で敗れ、黒星スタートとなりました。
 外国籍選手登録枠の都合からFWゴンザロ・カブレラでなくDFシェーン・ローリーを登録するなど守備重視の布陣で臨んだJDTは、その守備が機能し、また試合会場となったラジャマンガラスタジアムは前の試合の影響でピッチ状態が悪かったこともあり、前半は名古屋が優勢に試合を進めながらも0-0で終了します。後半に入ると名古屋はさらに攻撃のペースを上げ、JDTは守勢に回りますがそれでも何とか持ちこたえ続けたものの60分に阿部浩之選手のゴールで名古屋が先制します。JDT守備陣がオフサイドと判断して足が止まった隙をついたゴールでした。ここから選手交代で守備を固めた名古屋に対し、JDTはボールは保持できるものの、この試合はコーナーキック0というデーターが物語る通りアタッキングサードまで持ち込ませてもらえず、このまま終了かと思われたロスタイムにJDTはマシュー・デイヴィーズからのクロスにベルグソン・ダ・シルヴァが頭で合わせて同点ゴール!しかしこれはベルグソン選手が木本恭生を押し倒した反則によりゴールと認められませんでした。結局、試合はこのまま終了し、JDTは3季連続ACL初戦黒星となりました。
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 攻守の要として安定のプレーを披露していたラヴェル・コービン=オングが試合中に受けたタックルで動きがわるくなったところを名古屋のマテウスがドリブルで持ち込み、それがゴールにつながりました。その後もコービン=オング選手は足を引きずる場面も見られるなど動きが悪く、次戦以降の出場が気になるところです。
 またテレビの解説者が指摘していましたが、ベルグソン選手の幻の同点ゴールはその直前に木本選手がベルグソン選手のシャツを引っ張っており、ベルグソン選手が木本選手を押し倒さず、引っ張られたまま倒れてしまえばむしろJDTがPKを獲得できた可能性があります。この辺りもMリーグでは経験できない駆け引きだったかもしれません。しかし少なくとも守備では名古屋と十分に渡り合えることを示したJDTは、攻撃陣の奮起が期待されます。

AFCチャンピオンズリーグ2021予選G組マッチデー1
2021年6月22日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
JDT(マレーシア) 0-1 名古屋グランパス
得点者:名古屋-阿部浩之(60分)
*試合のハイライト映像はこちら-AFCの公式YouTubeチャンネルより
(下は両チームの先発XI-JDTのFacebookと名古屋のツイッターより)

 なおこの試合に先立って行われた予選G組のもう1試合は浦項スティーラーズ(韓国)がラーチャブリー・ミトポンFC (タイ)を2-0で破っています。
2021年6月22日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
浦項スティーラーズ(韓国)2-0 ラーチャブリー・ミトポンFC (タイ)
得点者:浦項-ボリス・タシチー(11分)、リム・サンヒュブ(80分)
試合のハイライト映像はこちら-AFCの公式YouTubeチャンネルより

ACL予選G組順位(マッチデー1終了時点)

TeamWDLGFGAGDP
1浦項11002023
2名古屋11001013
3JDT100101-10
4ラーチャブリー100102-20
P-試合数、W-勝利、D-引分、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点

ACL予選G組の日程(会場はいずれもラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク、試合は1試合目が午後6時、2試合目が午後10時キックオフ-いずれもマレーシア時間)
6月25日(金)
名古屋-浦項、JDT-ラーチャブリー
6月28日(月)
ラーチャブリー-名古屋、浦項-JDT
7月1日(木)
JDT-浦項、名古屋-ラーチャブリー
7月4日(日)
ラーチャブリー-浦項、名古屋-JDT
7月7日(水)
浦項-名古屋、ラーチャブリー-JDT

6月22日のニュース:JDTオーナーのイスマイル殿下が代表チームマネージャーとなるべきでない5つの理由

JDTオーナーが代表チームマネージャーをすべきでない5つの理由
 先日終了したFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選では、マレーシアは予選G組で1位アラブ首長国連邦、2位ベトナムに敗れて3次予選進出を逃した一方で、アジアカップ3次予選への出場権を獲得しています。
 この予選最終戦となったタイ戦前日にMリーグ1部JDTのオーナーでジョホール州皇太子でもあるトゥンク・イスマイル殿下がマレーシアサッカー協会会長FAMに向けて、代表チームに最高の練習環境と最高の指導者を提供する用意があるとして、その条件に自身を代表チームのチームマネージャーにすることを突然、提案しました。
 この提案に対して、国内のメディア、さらにはソーシャルメディア上で様々な意見が交わされる一方、FAMのハミディン・アミン会長は、この提案を検討するために協会にでの手続きに則った話し合いを進めることを明らかにし、慎重に対応する方針をとっています。
 このイスマイル殿下の提案に対し、サッカー専門サイトのスムアニャボラが「イスマイル殿下が代表チームマネージャーとなるべきでない5つの理由」というタイトルで非常に興味深い記事を掲載していますので、拙訳ですがここに書き留めておきたいと思います。
 イスマイル殿下が2013年にオーナーとなって以降、JDTはMリーグ1部で昨季まで7連覇を達成し、東南アジアのクラブとしては初となる2015年のAFCカップ制覇を果たすなど、その手腕は申し分ありませんが、この記事を書いたゲイリー・ルガード氏はイスマイル殿下は代表のチームマネージャーとなるべきではないとしています。

<理由1:FIFAの規定に抵触する可能性がある>
 一般に代表チームはその国のサッカー協会が運営上の責任を負い、マレーシアではマレーシアサッカー協会FAMがこれにあたる。この条件下でイスマイル殿下が代表チームのチームマネージャーになるための方法は二つありその一つは、かつて会長を務めたFAMに復帰することだが、イスマイル殿下は代表チームの運営権を求めているだけで、FAM全体の運営は意図していない。そしてもう一つは代表の民営化という方法だ。民営化された代表チームはFAMから離れて自由に活動ができるが、マレーシアサッカーのトップに位置するFAMが代表チームに何ら責任を追わないという事態はFIFAの規定に抵触しないのだろうか。

<理由2:マレーシアサッカーのロードマップ、F:30との整合性>
 マレーシアサッカー協会FAMは2030年までにアジアのトップ5入りを目指すためのロードマップ(行程表)「F:30」を発表している。このロードマップはFAM、そしてマレーシア国内のサッカーに関係者及びサポーターに対する行動計画でもある。このF:30で掲げられている目標を実現するためには、関係者全員が目的を共有する必要がある。その場合、FAMが代表チームを一個人に任せることはこのF:30と整合性があると言えるのか。ハミディン・アミンFAM会長がこのF:30を発表した際には、このロードマップはFAMの「本気度」を示すものだと述べたが、FAMがうかつに他人に代表チームを任せることによって、このF:30に関わる人々にはFAMの言う「本気度」が薄れたとは映らないだろうか。誰かに任せたからといってFAMは代表チームが短期間で強くなるという幻想を持つべきではない。

<理由3:マレーシアサッカーDNAと整合性>
 イスマイル殿下は自身がチームマナージャーになった暁には、最高のコーチングスタッフを用意すると述べている。ここで疑問が湧くのは、FAMが草の根からトップレベルまで国内サッカー全体に浸透させたいとしているマレーシアサッカーのDNAに沿った指導を果たしてその「最高のコーチングスタッフ」が行うのかどうか、ということである。代表チームのことだけを考えれば、現在の代表が採用しているシステムとJDTが採用しているシステムは似ており、イスマイル殿下もおそらく熟知していると考えられることから、特に問題にはならないだろう。しかし、FAMはジュニア、ユースから代表まで一貫したシステムでプレーすることで、将来の代表選手となるべき選手を養成するためのマレーシアサッカーDNAを導入しており、FAMがこの方針を変更しない限り、代表独自のシステムはマレーシアサッカーDNAと齟齬(そご)をきたす可能性がある。

<理由4:利益相反>
 イスマイル殿下が代表チームを強化する際に最も懸念されるのがこの利害対立である。イスマイル殿下がJDTのオーナーのまま代表チームのチームマネージャーに就任すれば、サッカー関係者やサポーターから否定的なコメントが出る可能性が非常に高い。具体的な例を挙げるとすれば誰をを代表に招集するか、といった問題もその一つである。現在の代表には、マレーシア人の親を持つもののマレーシア国外で生まれ育ったディオン・コールズ、マシュー・デイヴィーズ、ブレンダン・ガン、ドミニク・タン、ラヴェル・コービン=オング、ジュニオール・エルドストール、サミュエル・サマーヴィルらの帰化選手、そしてマレーシア人とは血縁関係持たないギリェルメ・デ・パウラ、リリドン・クラスニキ・モハマドゥ・スマレといった帰化選手がいる。そしてこれらの10名の帰化選手の内、JDTに在籍した経験が全くないのはブレンダン・ガン(スランゴールFC)と今回の予選から代表に加わったディオン・コールズだけである。この状況を理解した上で、もしイスマイル殿下が代表チームのチームマネージャーとして誰を帰化させるかにも関与することになれば、それが果たして代表の利益なのか、JDTの利益なのか、という議論が間違いなく発生する。例えイスマイル殿下が純粋に代表チームのことを考えて行うことだとしても、必ずその目的に対して疑心暗鬼になる者は出る。そしてイスマイル殿下が代表チームのチームマネージャーを続ける限り、これは取りざたされ続け、結果的に代表チームそのものにも影響が出る可能性がある。

<理由5:JDTは今後もイスマイル殿下を必要とする>
 JDTを東南アジアでトップレベルのチームに育て上げたことで、イスマイル殿下は代表チーム自体の強化にも間接的ながら大きく貢献している。
 JDTのサファウィ・ラシド、シャフィク・アフマド、アキヤ・ラシド、アリフ・アイマン、ラマダン・サイフラーといった選手たちは今後10年は代表の中心選手としてプレーできる選手たちである。また今回のW杯予選で代表に加わったディオン・コールズ(デンマーク1部FCミッティラン)に代表でプレーするよう拙宅したのもイスマイル殿下である。また代表でも屈指の帰化選手ラヴェル・コービン= オングがマレーシア代表でプレーするようになったのもイスマイル殿下の説得のおかげである。国内リーグでは敵なしのJDTだが、AFCチャンピオンズリーグというアジア最大の舞台でJDTが成功するためにはイスマイル殿下のリーダーシップが必要である。

<最後に>
 イスマイル殿下は代表が今回のW杯予選で思うような結果を出せなかったのはFAMの指導力不足ではないかと指摘しており、自身の代表チームのチームマネージャー就任を提案したことをFAMの理事会は自分たちへの警鐘だと考えるべきだ。自分たちの努力は十分なのか、現状に甘んじてはいないのか、と。
 イスマイル殿下の提案は考慮に値する者だが、上の5つの理由から、少なくとも現在は代表チームのチームマネージャーに就任するべきときではない。
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 この記事は最後に「この記事はあくまでも筆者の個人的な意見であり、スムアニャボラ全体の意見を反映したものではない」との注意書きも掲載されています。王族へのオープンな意見はなかなか表明しにくこの国で、このような記事を見たのは初めてでした。非常に興味深くまた建設的な意見で説得力もありますが、一部の極端な考えを持つマレー人の中には王室に対する意見を全く認めないものもいるので、この国で王族についての内容を掲載するには、こういった注意書きも必要だということも改めて認識しました。

6月19日のニュース:FAM会長-JDTオーナーによる自身の代表チームマネージャー就任提案は慎重に検討、サファウィ・ラシドがタイ戦ゴール後のパフォーマンスについて謝罪、JDTがACL登録メンバーを発表

FAM会長-JDTオーナーによる自身の代表チームマネージャー就任提案は慎重に検討
 Mリーグ1部JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が自身をマレーシア代表チームのマネージャーとするよう提案した件について、マレーシアサッカー協会FAMが正式に声明を発表しタコとを、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 FAMのハミディン・アミン会長は前FAM会長でもあるイスマイル殿下の提案については、FAMの内規に沿って検討したいという声明を発表しています。イスマイル殿下は代表チームに最善の練習環境と最善のコーチングスタッフをできるとして、自身を代表チームのマネージャーにするよう、ハミディンFAM会長に宛てたメッセージを6月14日に自身のインスタグラムに投稿しています。
 またハミディン会長は、今回のW杯予選で不振を極め各方面から批判的な意見が出ている帰化選手について、FAM内の帰化選手プログラム委員会、技術委員会、そしてテクニカルディレクターのオン・キムスイ氏の間で帰化選手プログラムの効果についての検証を行うよう、事務局長に指示を出したことも明らかにしています。
 ハミディン会長はこの他、代表チーム運営委員会に今回のW杯予選に関する最終報告書と既に出場が決定しているAFC選手権アジアカップ2023年大会3次予選への準備計画が提出されるのを待って、その詳細をFAMの理事会で検討する予定であると述べています。

サファウィ・ラシドがタイ戦ゴール後のパフォーマンスについて謝罪
 FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ20223年大会予選G組最終戦となったタイ戦で決勝ゴールを決めたサファウィ・ラシド(JDT)が得点後のパフォーマンスついて謝罪していると、ブルナマが報じています。
 タイを破り予選G組でマレーシアの3位とアジアカップ3次予選進出を確定させたこのゴールの後、サファウィ選手はやはりこの予選でゴールを決めていたギリェルメ・デ・パウラと喜びを爆発させた後、キーボードを打つようなジェスチャーの後に口に人差し指を当てて黙るようなポーズをスタンドに向かってしていました。
 予選通算3得点を挙げたサファウィ選手ですが、アラブ首長国連邦でのW杯予選では不調を極めたことから、一部ファンからはこのパフォーマンスについて「やり過ぎ」という声が上がっていました。
 サファウィ選手は自身のゴールパフォーマンスを不快に思ったサポーター対して、同じようなことは2度と繰り返さないようにすると謝罪しています。
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 今回のW杯アジア2次予選中、この試合で初めて先発を外れたサファウィ選手は、デ・パウラ選手とともに主力選手として期待されていた分だけ、その期待以下のプレーによって他の選手以上に連日、激しい批判にさらされていました。そんなストレスがかかる中でのこの試合でのゴールは喜びも大きかったと思いますし、ゴールパフォーマンスも個人的には理解できます。時には理不尽とも言えるような批判を受けてもで常に結果を出すことがサファウィ選手には求められていくと思いますが、それに応えていけるようになれば名実ともに代表のエースとなれると思います。

JDTがACL登録メンバーを発表
 6月22日からタイのバンコクで開催されるAFCチャンピオンズリーグ予選に出場するMリーグ1部JDTが登録メンバー30名を公式Facebookで発表しています。
 Mリーグ1部は5名の外国籍選手(内1名はAFC枠、1名はアセアン東南アジア枠)が登録可能ですが、ACLでは外国籍選手の登録は4名であることから、守備を強化するためにFWゴンザロ・カブレラが外れたことを、JDTのベンヤミン・モラ監督が別の投稿で説明しています。
 今回のACLでJDTは外国籍選手として現在リーグ得点王でブラジル出身のFWベルグソン・ダ・シルヴァ、同じブラジル出身のDFマウリシオ、アルゼンチン出身のMFレアンドロ・ヴァレスケス、そして新たに獲得したオーストラリア出身のDFシェイン・ローリーの4名を登録しています。またマレーシア人選手では、先日終了したW杯予選に参加したサファウィ・ラシド、ギリェルメ・デ・パウラ、モハマドゥ・スマレ、アキヤ・ラシド、シャフィク・アフマド、アリフ・アイマンのFW陣、シャマー・クティ・アッバ、ナズミ・ファイズのMF陣、そしてラヴェル・コービン=オング、マシュー・デイヴィーズ、アダム・ノー・アズリン、アイディル・ザフアンのDF陣、そしてGKファリザル・マーリアスの13名がアラブ首長国連邦のドバイから直接、バンコク入りした他、に加え、JDT IIからMFチア・ルオハン(20)、DFフィルダウス・ラムリ(19)、DFフェロズ・バハルディン(21)の若手選手も登録されています。
 JDTは予選G組で、名古屋グランパス、浦項スティーラーズ(韓国)、ラーチャブリー・ミトポンFC (タイ)と対戦します。
(以下はJDTのACL登録メンバー-JDTのFacebookより)

6月18日のニュース:代表チームが「マラヤの虎」チャーター便で帰国、FAMはJDTオーナーの代表チームマネージャー就任希望に未だ回答せず

代表チームが「マラヤの虎」チャーター便で帰国
 アラブ首長国連邦UAEで開催されたFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に出場したマレーシア代表は、昨日の午後に無事マレーシアへ帰国したとマレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 5月20日にマレーシアを出国して以来、ほぼ1ヶ月ぶりの帰国となった代表チームは、出国時と同様にマレーシア航空特別機で帰国しました。
 帰国途中にはバンコクを経由し、タイで6月22日から開催されるAFCチャンピオンズリーグに出場するJDTの選手13名を降ろし、マレーシアに帰国した選手は8名のみとで、マレーシア国外でプレーするディオン・コールズ(デンマーク1部FCミッティラン)、ルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)、リリドン・クラスニキ(オーストラリア1部ニューカッスルジェッツ)、ジュニオール・エルドストール(タイ1部チョンブリーFC)、ドミニク・タン(タイ1部ポリステロFC)の各選手は既に別途帰途についたということです。
 今回予選G組では首位UAE(勝点18)、2位ベトナム(同17)に次ぐ3位(同12)となったマレーシアは、来年2022年2月あるいは3月に行われる予定のアジアカップ3次予選出場権を獲得しています。
 (代表カラーに塗装された特別機に登場する代表チーム-FAMのFacebookより)

FAMはJDTオーナーの代表チームマネージャー就任希望に未だ回答せず
 W杯予選G組最終戦のタイ戦を前に、Mリーグ1部JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下がマレーシアサッカー協会FAMに対し、代表チームのマネージャー就任を希望していると自身のインスタグラムに投稿しましたが、これに対してFAMは回答を保留していると英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。。
 イスマイル殿下は、ハミディン・アミンFAM会長に宛てて「代表チームに対して最高の練習環境と最高のコーチングスタッフを提供することを約束し、代表チームを強化するためには自分をチームマネージャに就任させて欲しい。短期間での成功は約束できないが、現実的な目標を一つ一つ達成し、必ずチームを改善する」と述べる一方で、「一部の選手は代表チームへの招集を夏休みのように考えているようだ。また今後は簡単に帰化選手を生み出すべきではない。」と述べ、代表のプレースタイルにあった選手だけを帰化させるためにその分析を行う技術委員会が管理するべきだとも述べています。
 これは今回のW杯予選に出場したマレーシア代表にはモハマドゥ・スマレ(JDT-ガンビア出身)、ギリェルメ・デ・パウラ(JDT-ブラジル出身)、リリドン・クラスニキ(JDTから期限付き移籍でAリーグのニューカッスルジェッツ-コソボ)の3名の帰化選手がいましたが、3名が3名とも不調であったことから、国内サポーターだけでなく国内サッカー界からも帰化選手と帰化選手プログラムを推し進めるFAM双方に対する批判が高まっています。
 イスマイル殿下は、JDTがMリーグ7連覇を含む多くのトロフィーを獲得している秘訣は、選手をメデイアなど外部から遮断し、ソーシャルメディアの使用も管理した上でサッカーという仕事に集中できる環境を提供している自身のリーダーシップによるものだと話しています。
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 ジョホール州皇太子の略称TMJの愛称でも呼ばれるイスマイル殿下ですが、自身の代表チームマネージャー就任希望を投稿したのは予選G組の最終戦タイ戦の前でしたが、正直なぜこのタイミングで?というのが最初の印象でした。FAM会長はじめとする役員の尻に火をつけるためのなのか、はたまた代表に13名いるJDTの選手に気合いを入れるためなのか。いずれにせよ、大事な最終戦前にマイナスに作用することはあってもプラスには採用しないのでは、というタイミングでした。(もちろんこのハッパが効いて、タイに勝利したのであればそれはそれで効果的だったとも言えますが…。)
 2017年から2018年までは自身がFAMの会長を務めたイスマイル殿下ですが、退任後のFAMはそれまではとは違い、王族も中央政府の政治家もいない組織として機能しており、また代表チームも2019年末まではタイを破り、UAEと接戦を繰り広げるなどここ数年来、最も期待できるチームでした。しかし新型コロナ蔓延後は他国も条件は同じとはいえ、代表合宿は行えず、強豪との練習試合も組めず、正確な日数は調べていないのでわかりませんが、移動制限令が連発されたマレーシアは、2020年以降で見ればおそらく代表合宿開催日数は予選G組では最低ではないかと思います。コロナ禍が落ち着けば、2019年のように代表の強化ができれば、アジアカップ本戦出場も夢ではないような気がします。
 そんな中でのイスマイル殿下の投稿は、Mリーグの優秀な選手を片っ端からJDTが獲得している手腕と合わせた上でうがった見方をすれば、自身の手中に代表チームを納めたいのという思惑があるようにすら思えてしまいます。FAMによる代表強化が手ぬるいから、と言われてしまえばそれまででしょうが、FAMがイスマイル殿下に「預けて」しまった後は、批判的な意見が出にくくなる恐ればあり、また万が一、その強化が失敗と判明した場合に誰が殿下を解任できるのか、という最大の問題が残ります。

  • BERNAMA

6月15日のニュース:今晩はG組最終戦のタイ戦-出場停止3選手を欠くマラヤの虎は正念場をどう戦うか、スランゴールFC2に3人目のガーナ出身選手が加入、スタジアム観戦にワクチン接種義務化は国内のワクチン接種促進にも貢献

 6月4日に始まったFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選G組はマレーシア時間の今晩0時45分に最終戦となるタイ-マレーシア戦、アラブ首長国UAE-ベトナム戦が行われます。
 予選開催国UAE入り後は練習試合での2試合も含め4連敗となったのマレーシア代表は、新型コロナの影響で対外試合が全くできず、当初は試合勘が不足している印象でしたが、敗れたとは言えベトナム戦ではチームとして機能し始めた印象もあり、また短期決戦ではその見極めが重要な使える選手、使えない選手も明らかになってきました。この予選の集大成ともなるタイ戦はアジアカップ3次予選出場がかかる重要な試合でもある一方で、ここで敗れてしまうとアジアカップ3次予選出場をかけたプレーオフに回るだけでなく、ここ数年の好調で高まってきた代表チームへ期待が一気に失望に代わる可能性があり、文字通り正念場の試合です。

今晩はG組最終戦のタイ戦-出場停止3選手を欠くマラヤの虎は正念場をどう戦うか
 ベトナム戦は5枚のイエローカードがマレーシアに出されましたが、これによりDFラヴェル・コービン=オング(JDT)、MFシャマー・クティ・アッバ(JDT)、FWモハマドゥ・スマレ(JDT)の3選手が累積警告によりタイ戦は出場停止となっています。
 この主力選手の出場停止について、タン・チェンホー監督は代わりの選手が臨機応変に対応してくれることを期待していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 中でも左サイドバックのコービン=オングの欠場は守備面での影響が大きいことを認めた上で、これまで先発機会のなかった選手も全力を尽くしてくれると信じていると話すはタン監督はコーチ陣と相談して布陣を決めたいとしています。
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 プレッシャーのかかる1戦なのは事実ですが、タイもFWティーラシン・デーンダー(BGパトゥム・ユナイテッド、前清水)、MFチャナティップ・ソングラシン(札幌)、DFテーラトン・ブンマタン(横浜F・マリノス)ら主力選手を欠いており、マレーシアにとってはFIFAランキングで47位離れているタイを倒す絶好の機会でもあります。このW杯予選でマレーシアは2019年11月14日にホームでタイに2-1と勝利しており、2018年スズキカップ準決勝も合わせれば直近の3試合では1勝2分となっており、ここでタイを叩いてまずはベトナムに続く東南アジアNo.2を目指したいところです。一方のタイは、W杯予選ではベトナムと引き分けた後、インドネシアとUAEを破りながら、このマレーシア戦敗戦以降は未勝利で、タイ国内では結果が出ていない西野監督への批判も高まっているという報道もあり、マレーシア戦には当然勝利を目論んで臨んでくるでしょう。しかしそんなタイを破ってこそ、マレーシアはワールドカップ最終予選出場云々を語る資格が得られるようになると思います。

スランゴールFC2に3人目のガーナ出身選手が加入
 Mリーグ1部のスランゴールFCは、セカンドチームでMリーグ2部のスランゴール2にガーナ出身で20歳のMFアレックス・アグヤルクワがガーナ2部リーグのアクラ・ライオンズFCから期限付き移籍で加入することを公式サイトで発表しています。
 スランゴールFCにはこのアクラ・ライオンズFCからいずれも20歳のDFジョーダン・アイムビラ、FWジョージ・アトラムが加入しており、アイムビラ選手はスランゴールFCで、アトラム選手はスランゴール FC2で今季はここまでプレーしていますが、アトラム選手はスランゴールFCの練習に参加しており、現在中断中のMリーグ再開後はスランゴールFCへ昇格するとも噂されています。
 獲得に関わってスランゴールFCのマイケル・ファイヒテンバイナー スポーツディレクターSDによると、アイムビラ、アトラム両選手のMリーグでの活躍を見て、さらにアクラ・ライオンズFCへオファーを出した結果、今季のガーナ2部リーグでは13試合中8試合でMOMを受賞したアグヤルクワ選手の獲得につながったということです。
 ファイテンバイナーSDは、来週マレーシアに到着するアグヤルクワ選手について、スランゴールFC2で「スランゴールサッカーのDNA」に慣れた後は、トップチームのスランゴールFC昇格も考えていると話しています。

スタジアム観戦にワクチン接種義務化は国内全体のワクチン接種促進にも貢献
 スタジアム観戦者に新型コロナウィルスワクチン接種を義務付けることは、スタジアム内での感染リスクを軽減するだけでなく、国内全体のワクチン接種促進に寄与する可能性があるとMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLが公式サイトで報じています。
 MFLはMリーグの7月再開に向けて新型コロナ観戦拡大防止のため、Mリーグ各クラブのサポータークラブに向けて、ワクチン接種をスタジアムでの観戦に義務付けたいという提案を行なっていました。
 これに対してスランゴールFCのサポータークラブ会長のモハマド・ファイザル・ワヒド氏は、他国のリーグが実施しているように、ワクチン接種を義務付けた上でスタジアム観戦が許可されれば、多くのサポーターがスタジアムへ足を運ぶだろうと述べて、この提案を歓迎した上で、「ワクチン接種に懐疑的、あるいは消極的な場合でも、スタジアム観戦ではワクチン接種が義務付けられれば、考えを変えて接種を受けるサポーターも出てくるだろう。その結果として、マレーシア政府が目指すできるだけ多くのマレーシア人へのワクチン接種という方針にも貢献できる。」とも話しています。
 またスリ・パハンFCのサポータークラブのモハマド・ファウジ・アブドル・マナフ氏も、このMFLの提案に同意した上で、ワクチン接種が進んでいない現状を考慮して、接種者の数が一定数に達した段階でこの方針を実施して欲しいと述べています。「現時点ではワクチン接種者はまだ少ないが、数ヶ月もすれば集団免疫が達成できると期待している。そうすればスタジアムも他の場所と同じように足を運んでも安全な場所になるだろう。」
 現在中断中のMリーグは7月3日から2部プレミアリーグが、7月24日から1部スーパーリーグがそれぞれ再開予定ですが、MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、新型コロナ観戦拡大後から再び無観客試合で行われてきたMリーグについてスタジアム観戦の許可を求めてマレーシア政府と交渉する用意があると話しており、その条件としてスタジアムでの観戦者にはワクチン接種を義務付けたい意向を表明していました。

6月14日のニュース:MFLが7月以降の試合日程を発表、Mリーグクラブ各コーチはMFL発表の新日程を支持、ワン・クザインも代表チーム入りに関心

MFLが7月以降の試合日程を発表 
 現在、アラブ首長国連邦で開催中のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選、さらにこのW杯予選に続いてJDTが出場するAFCチャンピオンズリーグACL、そしてクダ・ダルル・アマンFCとトレンガヌFCが出場するAFCカップが6月下旬から7月上旬にかけて開催されることから、現在、Mリーグは中断中です。そんな中、Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは公式サイト上で、7月から再開される1部スーパーリーグと2部プレミアリーグの日程を公開しています。
 これによるとスーパーリーグは7月24日から、プレミアリーグは7月3日から再開と発表されています。またリーグ中断前に豪雨により中止となった第7節のスランゴールFC2対サラワク・ユナイテッドFC戦は6月30日にスランゴール州スラヤンのMBSスタジアムで、またチーム内に新型コロナウィルス感染者が発生したため延期となった第12節のペラFC II対ケランタンFCは6月29日のペラ州イポーのペラスタジアムで開催されることも併せて発表されています。
 ただし今回の日程発表に伴い、MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、マレーシア国外で開催予定のACLとAFCカップに出場する3クラブは、帰国後に2週間の検疫隔離が必要となることから、さらなる日程変更の可能性があることに言及しています。JDTが出場するACLは6月21日から7月7日にタイで開催されますが、マレーシア政府は全ての渡航者に14日間の検疫隔離を求めており、この措置が変更されない場合にはスーパーリーグの日程がさらに変更となるとアブドル・ガニCEOは述べています。またAFCカップについてはクダが所属する予選H組とトレンガヌが所属する予選G組の集中開催国として当初は立候補していたシンガポールが国内の感染状況悪化から先月5月末に開催を返上すること発表しましたが、AFCのウインザー・ジョン事務局長は現時点で開催を希望する国が名乗り出ていないことを明らかにしており、その代替地や新たな日程については現在も未定です。
 アブドル・ガニCEOはこのAFCカップについて、日程が変更になればMリーグやその後のマレーシアカップの日程にも大きな影響があると話し大半のクラブと選手の契約は11月末で切れてしまうことから、それ以降に試合開催とはならないよう、マレーシアサッカー協会FAMを通じてAFCに強く要望しているということです。 
 なお今回新たに発表となったMリーグの日程表は以下のリンクから入手可能です。
 1部スーパーリーグ
 2部プレミアリーグ

Mリーグクラブ各コーチはMFL発表の新日程を支持
 上の記事でも取り上げた新たに発表されたMリーグの再開日程について、Mリーグ各クラブの反応は概ね良好だと、MFLが公式サイトで伝えています。
 Mリーグ1部PJシティFCのP・マニアム監督は、今回発表された新日程は各チームにとって公平なものになっていると述べています。完全ロックダウンが施行されているマレーシアでは、MFLはMリーグ各クラブに対し、外部との接触を遮断する形での合宿形式でのみチーム練習を許可していますが、PJシティは未だチーム練習が行えていないということで、リーグ再開が7月24日となったことで、リーグ再開までに十分な練習時間が確保できる日程であると述べています。
 さらにMリーグ2部でサラワク・ユナイテッドと激しい優勝争いを繰り広げているヌグリスンビランFCのK・デヴァン監督もリーグ再開まで3週間以上の猶予があるので、チームの状態を上げていくの字十分な時間があるとこの日程変更に同意しています。
 一方AFCカップに出場するMリーグ1部のトレンガヌFCのナフジ・ザイン監督は、Mリーグの日程よりもAFCカップの日程の方が木になると話し、試合開催地は変わっても、当初の予定通りAFCカップは6月29日に開幕することを望んでいると話しています。AFCカップの日程次第でチームが試合に向けて行う準備の日程も変わってしまう大変さがあると話すナフジ監督は、AFCカップの日程変更がMリーグの日程全体に及ぼす影響を心配していると述べています。

ワン・クザインも代表チーム入りに関心
 アメリカ生まれのワン・クザイン・ワン・カマルが代表入りに関心があると、マレーシア語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 アメリカ生まれながらマレーシア人の両親を持つワン・クザインは現在、アメリカ2部にあたるUSLチャンピオンシップのリオグランデヴァリーFCでプレーする22歳のMFで、2019年の東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場するU23代表に招集された経験はありますが、このときはマレーシアパスポートを取得するための書類の不備などから最終的には大会に参加できませんでした。
 このワン・クザインがマレーシア代表入りに関心があることは、父親のワン・カマル氏が自身のツイッターで明らかにしたもので、ワン・クザイン選手がアメリカ代表入りを望んでおり、アメリカ国籍離脱に興味がない、というネット上の噂も併せて否定しています。
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 アメリカ1部リーグに当たるMLSのスポルティング・カンザスシティでデビューもその後は尻すぼみで、現在は2部でプレーするワン・クザイン選手ですが、もしMLSでプレーする実力があるのであれば、そこで自分のレベルを上げながら代表招集を待ってもらいたいです。アメリカで伸び悩んだ結果、例えばMリーグのJDTへ移籍するようなことになれば、代表には招集されるでしょうが、マレーシアが今後、アジアで上位を目指すための役に立てるかどうかは疑問です。

6月11日のニュース:今夜はベトナム戦-試合前の代表の様子、ベトナム戦は中盤の勝負で長身選手起用が効果的-元Vリーグ選手がアドバイス、消滅クラブのコーチへも未払い給料の支援を求める- 指導者協会

 現在、アラブ首長国連邦UAEのドバイで開催中のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選G組は、現地時間の6月11日に2試合が予定されています。
 6月2日のUAE戦では0-4と完敗したマレーシアは、タン・チェンホー監督就任以来の対戦成績が4試合で0勝1分3敗のベトナムと対戦します。UAE入り後、インドネシアと引き分け、UAEに敗れたタイと同様、3次予選進出の可能性が限り無く低くなったマレーシアですが、現実的な目標はW杯ではなくアジアカップ2023年大会出場。現在勝点9でタイと並びながら得失差でG組4位のマレーシアは、今夜のベトナム戦で万が一勝利すればタイ戦で引き分けても3位がとなりますが、今夜負ければタイ戦での勝利が必須となります。FIFAランキング153位のマレーシアが同92位のベトナムと同106位のタイを天秤に掛ければ、素人目ではここはタイ戦勝利のためにベトナム戦をどう戦うかという発想も必要かと思います。
 UAE入り後の練習試合と先日のUAE戦を合わせた3試合でマレーシアは1得点10失点と攻守とも不安材料満載ですが、前述したようにタイもこの予選では1分1敗(3得点5失点)と結果を出せておらず、タイと2-2で引き分けたインドネシアを4-1で一蹴したベトナムと比べれば、少なくともタイは与し易い相手に見えます。となれば、毎試合勝利が期待されている代表チームですが、今夜のベトナム戦、次戦のタイ戦の2試合合わせて勝点3獲得を目指す戦略があっても良いと思うのですがどうでしょうか。

今夜はベトナム戦-試合前の代表の様子
 UAEに4-1で敗れてから今夜のベトナム戦まで試合のない期間が8日間続いたマレーシア代表チーム。選手は十分な休養が取れ、首脳陣は次戦に向けて戦術や戦略を用意する時間が確保できる一方で、タン・チェンホー監督は空き過ぎた時間のせいで必要以上に不安や緊張を感じることがあることから、選手を鼓舞し、対話を続け、練習を通じて自信を植えつけることに精を出していたようです。
 UAE戦敗戦の原因を分析し、それを修正するための練習を続けてきたと話すタン監督は、選手が敗戦を引きずらずにベトナム戦に臨む用意ができていると、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版に語っています。
 対戦相手のベトナムについて問われたタン監督は、FIFA U20ワールドカップ2017年大会出場選手を核とするチーム内の連携が良く取れており、相互理解と強い精神力を持ったチームだと称えた上で、前試合のUAE戦から連日の練習で攻守共に改善されたマレーシアにとって今夜の試合はベトナム戦連敗を止める好機だとして、最後まで集中力を切らさずに戦いたいと記者会見で話しています。

ベトナム戦は中盤の勝負で長身選手起用が効果的-元Vリーグ選手がアドバイス
 Mリーグ1部UITM FCの主将でフランス出身のヴィクトル・ニレノルドはベトナム1部VリーグのダナンFCでプレー経験があることから、今夜のW杯予選でベトナムと対戦するマレーシアに対して、自身の経験からアドバイスがあると英字紙スター電子版が報じています。
 「ベトナムの強さは中盤にあり、Mリーグで言えばJDTのように短いパスをつなぐサッカーを展開するので、そこで競り負けないことが第一。一方、攻撃に比べると守備には脆さもあり、マレーシアはギリェルメ・デ・パウラ、リリドン・クラスニキ、ディオン・コールズそしてラヴェル・コービン=オングといった長身選手をセットプレーで活用するべきだ。」と話すニレノルド選手は、マレーシアが注意するべき選手としてプレーメーカーのMFグエン・クアン・ハイ(ただしマレーシア戦は警告累積により出場停止)、FWグエン・バン・トアンを挙げています。

消滅クラブのコーチへも未払い給料の支援を求める- 指導者協会
 先日のこのブログでは、FIFAが国際プロサッカー選手会FIFProが共同で設立したFIFAサッカー選手基金(FIFA FPF)を通じ、かつてMリーグにありながら消滅してしまった5クラブによって給料未払い問題を被っている147選手に対して、一人当たりおよそ1230米ドルから9230米ドル(およそ13万5000円から101万円)が支払われるというニュースを取り上げました。これについて同じ5クラブからの給料がやはり未払いとなっている監督、コーチについての支援がないことから、マレーシアサッカー指導者協会FCAMはFIFAが監督、コーチの窮状を無視していると非難しています。
 プルリスFA、ハネランFC、マルセラ・ユナイテッドFC、クアンタンFA、トレンガヌシティFCの5クラブはかつてMリーグに所属しながら、運営資金不足などを理由にリーグから撤退し、クラブは消滅しています。
 FCAMのB・サティアナタン会長はFIFAが選手のみを支援し、監督、コーチを支援しない理由が理解できないとして、給料未払いとなっている5クラブの監督、コーチを代表してFCAMがFIFAに対し、問題喚起の手紙を送る予定だとニューストレイトタイムズの取材に対して明らかにしています。
 「国際プロサッカー選手会がFIFAサッカー基金創設で重要な役割を果たし、選手の福利を図るという目的を達成できているのは良いことだが、その一方でプロ指導者を統括する国際プロサッカー選手会のような世界的な組織はなく、権利のために戦う環境が整っていないのは残念だ。」
 数年前にFCAMの代表者としてヨーロッパサッカー指導者協会の定款に署名をしたと話すサティアナタン会長は、このヨーロッパサッカー指導者協会がプロ指導者の権利を守る唯一の国際的組織であり、世界各国が指導者協会を設けることを望んでいること、アジア諸国では指導者協会がほとんどなく、現在はインドと日本の指導者協会が中心となり、各国に協会設立を働きかけている最中であることなども述べています。
 最後にサティアナタン会長は、選手の声を代弁し、資金的にも裕福な国際プロサッカー選手会に倣って、FCAMはインドや日本の指導者協会と協力して、選手同様にサッカーに貢献しているプロ指導者の権利を守り、その代弁者となるような組織を設立したいと話しています。

6月10日のニュース:東南アジア競技大会延期案にマレーシアは反対、トレンガヌFCはヴァーチャルチームを発足、JDTのU21チームのシンガポールリーグ参加希望に対し地元は賛否両論

東南アジア競技大会延期案にマレーシアは反対
 マレーシアの通信社ブルナマは今年2021年11月21日に開幕予定の東南アジア競技大会延期案に反対の意を表明したと報じています。
 東南アジア版オリンピックとも言える東南アジア競技大会通称シーゲームズは隔年開催の大会で、第31回大会となる2021年大会はベトナムのハノイを中心に開催されることになっていますが、先日、オンラインで開催された東南アジア競技大会連盟SEAGFの会合席上で、主催者となるベトナムより新型コロナウィルス感染拡大を理由に主催者側から来年2022年5月または7月への延期が提案されたということです。この対案に対してSEAGF所属国のうち、開催国ベトナムともう1カ国が支持を表明した一方で、マレーシアを含めた8カ国が反対を表明、ラオスは意思表明を行わなかったということですが、反対多数により主催者は2週間以内にSEAGF所属各国が了承できる新たな提案を行う必要があるということです。
 反対の理由についてマレーシアオリンピック協会OCMのモハマド・ノルザ・ザカリア会長は、来年2022年には*コモンウェルス競技大会(7月28日から8月8日まで英国バーミンガムで開催)、アジア競技大会(9月10日から25日まで中国杭州市で開催)など大会が続き選手の日程が過密になることを挙げています。
 東南アジア競技大会ではサッカーはオリンピック同様、U23代表チームの大会となっていますが、2024年パリオリンピック出場を目指すマレーシアはU19代表チームを出場させることをマレーシアサッカー協会が明らかにしています。

トレンガヌFCはヴァーチャルチームを発足
 Mリーグ1部のトレンガヌFCがEスポーツにも参戦することをクラブの公式サイトで発表しています。
 トレンガヌFCを運営するTFC社は、同じトレンガヌ州を拠点とするEスポーツマレーシアトレンガヌ社(ESMT)とパートナー契約を結び、仮想空間で「ヴァーチャル」トレンガヌFCを立ち上げるということです。このようなヴァーチャルチームを発足させるのはMリーグのクラブとしては初めてということです。
 TFC社のアブドル・ラシド・ジュソーCEOは、トレンガヌFCがEスポーツに参戦することで、クラブのサポーターなどにもEスポーツを体験する機会が提供できるだけでなく、このヴァーチャルチームを国内だけでなく国外へのトレンガヌFCのマーケティングの手段として活用したいと話しています。
 なおこのヴァーチャルトレンガヌFCの選手は、トレンガヌFCのユニフォームと同じユニフォームを着用して、EAスポーツのFIFAシリーズやプロエヴォリューションサッカーPES(日本語名ウイニングイレブン)などの国際大会にも出場するということです。
 

JDTのU21チームのSリーグ参加希望に対し地元は賛否両論
 Mリーグ1部JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下はJDTのU21チーム、JDT IIIをシンガポール1部のSリーグに参加するための交渉が行われていることを明らかにしました。
 イスマイル殿下はクラブがU21チームに多額の投資を行う一方で、マレーシア国内ではU21チームが出場できる試合が少ないことがその理由で、これに対してシンガポールサッカー協会FASのリム・キアトン会長は、Sリーグへの参加が公式に申請された場合、シンガポール国内サッカーにとって利益になるようであれば、JDT IIIの参戦を検討すると前向きな姿勢を見せています。
 これについてシンガポールの英字紙ストレイトタイムズはこのJDT IIIのSリーグ参加希望に対する様々な意見を取り上げています。
 元シンガポール代表のR・サシクマル氏はイスマイル殿下のサッカーに対する考えには共感するが、JDT IIIがU21のサードチームだとして、シンガポールサッカーにとっては何の利益もないとして、Sリーグ参加には反対だと述べています。さらに2034年のワールドカップ出場を目指しているシンガポール代表を強化するためには、外国のクラブ参加を認める代わりにSリーグに参加する国内クラブの数を現在の7から10に増やすべきだと述べています。
 またやはり元代表のシャーリル・ジャンタン氏はFASに対してSリーグの存在意義を再検討するよう求めています。強い国内リーグが強い代表チームや質の高いシンガポール代表選手を生み出す基盤になるとして、JDT IIIの参加はシンガポール人選手のレベルアップには全く繋がらないと話しています。
 その一方でSリーグ昨季5位のバレスティア・カルサFCの副会長でFASの理事でもあるダーウィン・ジャリル氏は、リーグ内の競争を激しくするようなクラブの参加は認めるべきだとしています。チーム数が増えることは歓迎すべきことで、チーム数が増えれば試合数も増えることから、国内クラブ数が増えることが望ましいものの、当座しのぎとしてはJDT IIIのSリーグ参加は悪いアイディアではないと述べています。
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 昨季2020年シーズンのSリーグ優勝チームはアルビレックス新潟シンガポール、そしてその前年2019年シーズンブルネイのDPMMが優勝といずれも外国のクラブが2連覇を達成しています。また、それ以前にもマレーシアのU22代表が2012年に、またU21代表が2013年から2015年にSリーグに参加(同時にシンガポールU22がMリーグに参加)していたこともあります。ちなみにシンガポールU22代表は2013年にはMリーグ1部スーパーリーグで優勝しています。
 なお現在のSリーグは8チームが所属していますが、アルビレックス新潟シンガポールは先発に必ずシンガポール人選手2名を含めること、またベンチ入りも含めて最低10名のシンガポール人選手を登録することなどが義務付けられています。

6月9日のニュース:DFエルドストールはベトナム戦欠場か、ペラFCは再建に向けて外国籍選手を総入れ替え、スランゴールFC監督は現有戦力に自信

DFエルドストールはベトナム戦欠場か
 現在アラブ首長国連邦で開催中のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選ではマレーシア代表は6月11日(現地時間)にベトナムと対戦しますが、この試合にはDFジュニオール・エルドストール(チョンブリーFC-タイ)が欠場するようだと、スポーツ専門サイトのヴォケットFCが報じています。
 スポーツ専門チャンネルのアストロ・アリーナのズルヘルミ・ザイナル・アザム記者のツイートを引用する形で書かれた記事では、エルドストール選手は途中出場となった先日のアラブ首長国連邦UAE戦でアキレス腱を痛め、現在は練習にも参加していないということです。
 主将のアイディル・ザフアン(JDT)に代わって69分から出場したエルドストール選手は、この試合が代表初戦となったDFディオン・コールズ(ミィティランFC-デンマーク)とともにセンターバックとしてプレーしましたが、チームは試合終了前の10分で3失点するなどし、0-4で敗れています。
 守備陣だけの責任とは言えないものの、UAE戦は4失点と大敗し、必勝が求められるベトナム戦を控えた状況でのエルドストール選手の離脱により、タン・チェンホー代表監督は、アイディル・ザフアン選手やコールズ選手の他、まだ起用していないアダム・ノー・アズリン(JDT)、ドミニク・タン(ポリステロFC-タイ)、イルファン・ザカリア(KLシティ)らも含めた守備陣の再編成を迫られています。
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 この情報が本当なら、大事な試合の前にベトナムにとっては有益、マレーシアにとっては不利益以外の何物でもないこういった情報は外部に漏らされるべきではないと思うのですが、代表には情報管理というのは概念はないようです。
 代表のマシュー・デイヴィーズ(JDT)がUAE戦敗戦後、インスタグラムに「ミスを修正して次戦に向けて集中します。」と投稿すると、JDTオーナーのTMJことトゥンク・イスマイル ジョホール州皇太子が「まずはソーシャルメディアを止めて集中しろ」とコメント欄で返信したことがサポーターの話題になっているのですが、これも外部に情報がダダ漏れしている現状を野放しにしているチームマネージャーや事務方の力量不足が露呈した形です。

ペラFCは再建に向けて外国籍選手を総入れ替え
 このブログでも何度も取り上げたMリーグ1部ペラFCの給料未払い問題とそれに伴う主力選手の流失ですが、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロによると、選手の流失は止まり、後半戦へ向けてチームの再建が始まっているようです。
 移籍が噂れながらも残留したペラFCのGKハフィズル・ハキムがアストロ・アリーナの取材に対応し、経営陣が問題解決に対して見せた取り組みにより、残留した選手たちはチームに対しての信用が回復し、2部降格を阻止しようという気持ちを持ち始めているということです。W杯予選開催に伴い現在中断中のMリーグ1部でペラFCは3勝3分7敗の成績で、降格圏の11位とは勝点差1の10位につけています。
 代表FWギリェルメ・デ・パウラやDFシャールル・サアドら流出した6名の主力選手に代わり、ペラFCは先月末に終了したトランスファーウィンドウ期間に英国出身のMFチャーリー・マシェル(カンボジア1部ビサカFCより加入)、いずれも元レバノン代表のDFジャド・ヌールディン(バーレーン2部アル・アハリ・マナマより加入)、MFサミル・アヤス(ブルガリア1部POFKボテフ・ヴラツァより加入)、カメルーン生まれのインドネシア人DFズバイロウ・ガルバ(インドネシア1部ペルセバヤ・スラバヤ より加入)、コートジボアール出身のDFジスラン・コナン(昨季は所属なし)と5名の外国籍選手を総入れ替えした他、マレーシア人選手4名もこのトランスファーウィンドウ期間に獲得しています。
 ペラFCのチョン・イーファット監督はセカンドチームでMリーグ2部のペラFC IIからの選手昇格も明言しており、ハフィズル選手ら残留した4名の主力選手に新たな外国籍選手、そしてセカンドチームから昇格する若手の融合チームで、ペラFCは1部残留を目指して後半戦に臨みます。

スランゴールFC監督は現有戦力に自信
 上の記事でも取り上げたペラFCを含めMリーグ1部の他のクラブが新戦力獲得に動く中、スランゴールFCはトランスファーウィンドウ期間に加入した選手はいませんでしたが、カルステン・ナイチェル監督は現有戦力で後半戦に臨むことに何の心配もしていないとスタジアムアストロが報じています。
 合宿形式での練習を再開したスランゴールFCには、開幕前に同じ1部のスリ・パハンFCから移籍しながらプレシーズンマッチでのケガにより前半戦を棒に振ったMFニック・シャリフ・ハッセフィ、やはり長期離脱中だったDFティム・ホイバッハ、DFサフアン・バハルディンらが復帰した他、セカンドチームでMリーグ2部のスランゴール2からも複数の選手を昇格させています。
 前半最終戦後から各選手とも十分な休養が取れたと話すナイチェル監督は、全選手が今季初めて揃ったチームは残る後半戦9試合に向けて練習を再開できることを喜んでいると話しています。
 スランゴールFCはMFブレンダン・ガンとDFシャミ・サファリがW杯予選を戦う代表に召集されていますが、この2人が戻りベストの布陣となったところで、自身の戦術や戦略を浸透させたいとないチェル監督は語っています。
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 正直なところ、今季はトップ3も現実的な目標ではないスランゴールFCですが、これまでのように次々に新戦力を獲得して目先の勝利を追及する方針から、育成しながら勝つ方針へと転向したことは中、長期的には良い結果をもたらす可能性が高そうです。前半戦終盤の試合で起用され始めた国内エリートアカデミーAMD出身者や20代前半の若い外国籍選手たちも1部のサッカーに慣れ、後半戦には期待が持てそうです。

6月8日のニュース:W杯予選G組-ベトナムとUAE勝利で順位は変わらずマレーシアは4位のまま、JDTオーナーが自身のクラブ運営方法批判を一蹴

W杯予選-ベトナムとUAE勝利で順位は変わらずマレーシアは4位のまま
 FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選G組の試合が行われ、グループ1位のベトナムと2位のアラブ首長国連邦UAEがそれぞれ勝利しています。
 首位ベトナムと最下位インドネシアの対戦は、0-0で前半を折り返したものの、後半のゴールラッシュで順当にベトナムが勝利してグループ首位を堅持しています。
 一方、2019年10月15日のホームでの試合ではUAEを2-1で破っていたタイでしたが、この試合はタイの神童こと18歳のスファナット・ムエアンタがゴールを挙げるも、3−1でUAEがブラジル出身の帰化選手の2ゴールを含む3ゴールで快勝しています。

6月7日@アール・マクトゥーム・スタジアム、アラブ首長国連邦ドバイ
ベトナム 4-0 インドネシア
得点者:ベトナム-グエン・ティエン・リン(51分)、グエン・クアン・ハイ(52分)、グエン・コン・フオン(67分)、ヴー・ヴァン・タン (74分)

6月7日@ザビールスタジアム、アラブ首長国連邦ドバイ
アラブ首長国連邦UAE 3-1 タイ
得点者:UAE-カイオ・カネド (14分)、ファビオ・ヴィルジニオ・ジ・リマ (33分)、ユースィフ・ジャービル(90+4分)、タイ-スファナット・ムエアンタ (54分)

FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選
兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選G組順位表(2021年6月8日現在)

TeamPWDLGFGAGDPTS
1ベトナム642091814
2UAE64021551012
3タイ72329819
4マレーシア6303810-29
5インドネシア7016522-171

P-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、PTS-勝点

予選G組今後の日程(時間は現地時間、試合はいずれも午後8時45分キックオフ)
6月11日(金)
インドネシア-アラブ首長国連邦@ザビールスタジアム、アラブ首長国連邦ドバイ
マレーシア-ベトナム@アール・マクトゥーム・スタジアム、アラブ首長国連邦ドバイ
6月15日(火)
ベトナム-アラブ首長国連邦ザビールスタジアム、アラブ首長国連邦ドバイ
タイ-マレーシア@アール・マクトゥーム・スタジアム、アラブ首長国連邦ドバイ

JDTオーナーが自身のクラブ運営方法批判を一蹴
 英字紙スター電子版は、Mリーグ1部7連覇中のJDTがMリーグのトップ選手を独占しているという批判に対するオーナーの反論を紹介しています。
 JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が参加して先日行われたインスタグラムライブ中、一人の参加者がイスマイル殿下に対して国内のトップ選手をJDTが次々と獲得していることによりMリーグ全体に悪影響を及ぼしているのではないのではないか、と問いかけました。そこでイスマイル殿下はMリーグで給料未払いとなっている複数のクラブがあることを挙げて、給料未払いのクラブと自身のどちらがリーグにとって悪影響を及ぼしているのかと問い返し、選手の給料や福利に責任を持たないクラブに苦しめられている選手を救っているだけだと主張したということです。
 さらにイスマイル殿下は「JDTは自らの予算の範囲内でクラブを運営している。他のMリーグクラブも同様にするべきで、それができないのであれば、その失敗の責任は各クラブが負うべきである。JDTのオーナーとしてクラブの成功を目指すのは当然で、選手を獲得する必要があれば獲得し、育成する必要があれば育成する。」と述べています。
 またイスマイル殿下は、ややもすると傲慢(ごうまん)とも言える自身のクラブの運営方法に対して問われると、プロサッカークラブを運営するにはプロとして見栄えが重要であり、自身の自尊心を高揚させるためにあらゆる面で最高のものが必要になり、ライバルとの争いには謙虚さは全く必要でない、という自信の考えも明かしています。
 なおJDTはW杯予選、そしてAFCチャンピオンズリーグ後のMリーグ再開に向けて、期限付きでオーストラリア1部のニューカッスルジェッツに移籍していたシャフリアン・アビマニュを復帰させるほか、英国1部ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズFCのU23チームでプレーする20歳のナサニエル・シオ・ホング・ワンの獲得も発表しています。