10月19日のニュース:U22代表はMリーグ1部クラブ相手に連勝、U22代表監督はフル代表監督と掛け持ち組の処遇についての話し合いを希望、ペラFCが全ての外国籍選手との契約解除を発表

 今日10月19日はイスラム教の開祖とされるムハマドの誕生日でマレーシアは国民の祝日ですが、それよりも何よりも嬉しいのは昨日の発表では新型コロナの新規感染者数がおよそ4ヶ月ぶりとなる5000人台となったこと。また今月末にはクダ州とケランタン州が、11月1日からはペナン州、ペラ州、サバ州が国家復興計画の第3段階に入ることからこれらの週を含めた多くの州で11月からは学校でも対面授業が再開される他、ワクチン接種者に限り海外からの入国者の隔離期間が7日間に短縮されるなど、マレーシアにも徐々に日常が戻りつつあります。

U22代表はMリーグ1部クラブ相手に連勝
 AFC U23アジアカップ予選に出場するマレーシアU22代表は予選出場前の最終戦となる3試合目の練習試合を行い、今季Mリーグ1部スーパーリーグ2位のクダ・ダルル・アマンFCに2ー0で勝利しています。
 DFアフマド・ジクリ・カリリ(スランゴールFC)のゴールで先制したU22代表は、後半には5日前に追加招集されたばかりのMFモハマド・ヌル・アズファル・フィクリ・アズハル(トレンガヌFC II)がロスタイムに2点目のゴールを挙げて、10月15日のペナンFC戦に続き2連勝しています。
 クダ・ダルル・アマンFCは外国籍選手など複数の主力を欠く布陣でしたが、それでもこの勝利はU22代表にとって自信になったはず。この日は出場しなかったフル代表組のルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)、ムカイリ・アジマル(スランゴールFC)、ハキミ・アブドラ(トレンガヌFC)、クェンティン・チェン(ペナンFC)も検疫隔離期間を終えてチームに合流しており、U22代表は最終メンバーの23名を決定した後、明日10月20日に予選J組の集中開催地であるモンゴルのウランバートルへ向けて出発することになっています。

U22代表監督はフル代表監督と掛け持ち組の処遇についての話し合いを希望
 U22代表のブラッド・マロニー監督は、フル代表とU22代表を兼ねる選手たちの今後についてフル代表のタン・チェンホー監督と話し合いを持つ用意があると、マレーシア語紙ハリアンメトロにか立っています。
 上でも取り上げたAFC U23アジアカップ(旧U23選手権)予選に出場するU22代表候補には、先月9月にフル代表が行ったヨルダン遠征のメンバーからルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)、ムカイリ・アジマル(スランゴールFC)、ハキミ・アブドラ(トレンガヌFC)、クェンティン・チェン(ペナンFC)の4名が含まれていますが、この4選手は今回の予選終了後の12月に開幕するアセアンサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020年大会に出場するフル代表に再び招集される可能性が高いことから、マロニーU22代表監督はこの4選手の両代表の間で過度に行き来させないような方法をタン代表監督と話し合いたいとしています。
 「フル代表でプレーすることによってより高いレベルでのプレーを経験できることはU22代表の選手にとってもU22代表チームにとっても良いことである。今回U22代表に招集したフル代表組は今後も、両代表でプレーする可能性があることから、彼らにとって最善の方法をタン監督と話し合いたいと思っている。」とマロニーU22代表監督は述べています。
 U22代表は10月25日から31日までモンゴルのウランバートルで行われるAFC U23アジアカップ2022年大会予選に出場後、予選を突破できれば来年6月にAFC U23アジアカップ本戦が控えている一方、フル代表は12月5日から始まるスズキカップが終わると来年2月にはAFC選手権アジアカップ2023年大会第3次予選が予定されています。

ペラFCが全ての外国籍選手との契約解除を発表
Mリーグ1部で今季11位となり来季の2部降格が決まっているペラFCは、所属する4名の外国籍選手との契約を解除したことをクラブの公式Facebookで発表しています。
 ペラFCのアズマン・ノーGM(ゼネラルマネージャー)名で発表された告知ては、既に先月末にクラブを離れているMFサミル・アヤス(レバノン)に加えて、DFズバイロウ・ガルバ(カメルーン、ただしインドネシア帰化選手のためアセアン枠)、FWジスラン・ゲサン(コートジボアール)、FWナナ・ポク(ガーナ)が今週中にもチームを離れるということです。
 今回の契約解除については経営陣と監督、コーチが話し合いを行った結果によって決定されたものであり、クラブと各選手との間で合意に達していると説明されています。
 なお10月29日から再開するマレーシアカップグループステージには、ペラFCのセカンドチームであるペラFC II登録となっているDFジャド・ヌールディーン(レバノン)、MFチャーリー・マシェル(イングランド)、セルヒオ・アグエロ(アルゼンチン、スリ・パハンFCより期限付き移籍中)の3選手と既存の選手で臨むということです。
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 今季前半戦終了後に給料未払いでファーストXIの半数以上が退団したことから、急遽補強した外国籍選手もマレーシアカップが心境中にも関わらず退団と、まさに今季のペラFC経営陣のお粗末さを示しています。中にはわずか3ヶ月程度で契約解除となった選手もおり、まさに泥縄式の補強だったことが露呈しています。

10月18日のニュース:タイ1部第8節-エルドストールはフル出場もタンはベンチ入りせず、ハリス・ハイカルがU22代表に合流、給料6割増しのオファーもマレーシア人選手はカンボジアリーグに魅力なし

タイ1部第8節-前節出場停止のエルドストールが復帰で勝利に貢献 
 2021/2022年シーズンのタイ1部リーグ第8節が10月17日と18日にかけて開催に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCは2位のバンコク・ユナイテッドに敗れたものの4位を維持、一方、代表ドミニク・タン不在のポリス・テロFCはを12位から8位まで上げています。

タイ1部リーグ第8節
2021年10月17日@トゥルースタジアム
バンコク・ユナイテッド 1-0 チョンブリーFC
 この試合前まで2位のバンコク・ユナイテッドと同4位のチョンブリーFCの対戦はMFヴァンデル・ルイス・シウヴァ・ソウザのゴールを守り切ったバンコク・ユナイテッドが勝利しています。
 チョンブリーFCのDFジュニオール・エルドストールは先発してフル出場しています。
 (試合のハイライト映像はチョンブリーFCの公式Youtubeチャンネルより)

https://youtu.be/kCRjwSC1EhM

2021年10月17日@ブンヤジンダースタジアム
ポリス・テロFC 2-2 ラーチャブリーFC
 ポリス・テロFCがホームにラーチャブリーFCを迎えた一戦は。後半ロスタイムに今季新加入のFWエヴァンドロ・シルバ・ド・ナシメントがPKを決めたポリス・テロFCが引き分けに持ち込んでいます。
 マレーシア代表のヨルダン遠征に参加したDFドミニク・タンは渡航者に義務付けられている検疫隔離期間を終えていると思いますが、この試合ではベンチ入りしていません。

タイ1部リーグ順位表(第8節終了)

順位チーム試合得失差勝点
1ブリーラム・ユナイテッド86111119
2バンコク・ユナイテッド7511516
3チェンライ・ユナイテッド7422314
7チョンブリーFC8323611
9ポリス・テロFC823319
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFC、ポリス・テロFCのみ表示しています。

ハリス・ハイカルがU22代表に合流
 マレーシアサッカー協会FAMの公式Facebookでは、スランゴールFCのDFハリス・ハイカル・アダム・アフカルのU22代表招集を発表しています。ハリス選手はAFC U23アジアカップ予選に出場するU22代表の第2次合宿に直ちに参加するということです。
 U22代表のブラッド・マロニー監督はハリス選手のU22招集熱望を公言していましたが、これまでの報道では、この予選がFIFA国際マッチデー期間外であり、さらに10月29日から再開するマレーシアカップでは1勝1敗とグループステージ突破が楽観できる状況ではない上に守備陣のケガ人が多発していることから所属するスランゴールFCがハリス選手の招集に難色を示しているとされていました。10月25日から31日までモンゴルで開催されるAFC U23アジアカップ予選に出場した場合、帰国後はマレーシア政府が全ての渡航者に義務付けている14日間の検疫隔離に入ることから、ハリス選手はスランゴールFCのマレーシアカップグループステージの残り4試合全てに出場できなくなるとされていました。
 しかしマレーシア政府入国後の検疫隔離期間をこれまでの14日間から7日間に短縮することを発表したことにより、11月10日のマレーシアカップグループステージ最終戦への出場が可能となったことから、スランゴールFCが招集に応じたと、サッカー専門サイトのヴォケットFCは伝えています。.

給料6割増しのオファーもマレーシア人選手はカンボジアリーグに魅力なし
 サッカー専門サイトのヴォケットFCは、カンボジア1部リーグのクラブからオファーを受けた、現在はMリーグ2部プレミアリーグでプレーするマレーシア人選手が魅力的な内容にもかかわらずそのオファーを拒否したという記事を掲載しています。
 現在のチームではセンターバックを務めているこの選手の代理人は選手名を明かさなかったものの、受けたオファーの内容が現在の給料の6割増であること、さらにオファーを出しているのがAFCカップ出場出場の可能性があるクラブであることを明らかした上で、このマレーシア人選手はMリーグ2部でプレーすることを選んだと話し、選手のキャリアップになるオファーにも関わらず、それを拒否したことを残念がっているということです。
 ヴォケットFCの記事では、2部プレミアリーグで4年目を迎えるこの選手にとって、AFCカップ出場の可能性があるクラブからの高待遇オファーにも関わらず、マレーシア国内の他のクラブから同等の獲得オファーが来ることを期待しながら居心地の良いマレーシアから離れたくない、あるいはマレーシアではまだ知名度が低いカンボジア1部リーグでプレーすることが「恥ずかしい」と考えているのが拒否の理由ではないかと分析した上で、自分のレベルアップにつながるこのような好機を生かさずに拒否してしまうのは残念なことだと記事を結んでいます。

10月15日のニュース:去就が注目されるトレンガヌFCIIのリーグ得点王はマレーシアカップに専念、「ミッキー」に国外のクラブが関心、ケランタンFCのインドネシア出身FWがU22代表に招集

去就が注目されるトレンガヌFCIIのリーグ得点王はマレーシアカップに専念
 Mリーグ2部トレンガヌFC IIのFWジョーダン・ミンターは、今季出場9試合で16ゴールを量産し、シーズン中にはトップチームのトレンガヌFCに昇格して1部スーパーリーグでも6試合で4ゴールを挙げています。この活躍から来季に向けて他のMリーグクラブはもとより、国外のクラブからも獲得オファーを受けているというガーナ出身のミンター選手ですが、現在は今月10月29日から再開するマレーシアカップに専念し、トレンガヌFCがマレーシアカップで優勝することに貢献したいと述べています。
 マレーシア語紙のハリアンメトロによれば、トレンガヌFCとの契約期間は12月末までとなっていることを尊重したいと話すミンター選手は、マレーシアカップ終了後に来季もトレンガヌFCでプレーするかどうかを代理人と相談したいとして、今はAFCカップ出場権の懸かるマレーシアカップ優勝を目指したいということです。
 一方、トレンガヌFCを運営するTFC社のアブドル・ラシド・ジュソーCEOは、ミンター選手の去就は経営陣の判断に加えて、トップチームのナフジ・ザイン監督が残留を希望するか否かによると話しています。
 またその後に出たハリアンメトロの別の記事では、トレンガヌFCのセカンドチームでもあるトレンガヌFC IIのバドロル・アフザン・ラザリ監督は今季3位という成績を挙げたチームの最も重要な選手で、来季も欠かせない選手であり、またチーム内の若い選手の手本となっているとして強く残留を希望すると述べており、ミンター選手の去就はマレーシアカップ終了までは確定することはなさそうです。

「ミッキー」に国外のクラブが関心
 先日のヨルダン遠征ではヨルダンに0-4、ウズベキスタンには1-5と大敗したマレーシアですが、その中でキラリと光るところを見せたFWファイサル・ハリム(トレンガヌFC)が国外のクラブからの視線を集めているようです。
 ハリアンメトロによると、公称158cmの身長から「ミッキー」の愛称で知られるファイサル選手は、ヨルダン戦とウズベキスタン戦のいずれにも先発し、相手を抜くドリブルでマレーシアの数少ない好機を演出しましたが、この活躍後、国外クラブの代理人から接触を受けたと話しています。その詳細については明らかにはしなかったものの、ファイサル選手自身も国外でプレーする機会があればそれを逃したくないと述べています。
 さらにマレーシア語紙ブリタハリアンではファイサル選手の代理人がソーシャルメディア上でスペインやポルトガルのクラブからそれぞれ身分紹介の問い合わせがあったと報じています。これによれば、ソーシャルメディア上のアカウント名ジョー・ベルバトフ氏はマレーシア国内で代理人会社のエストラダ・スポーツ・エージェンシーを運営し、ファイサル選手の代理人でもありますが、ファイサル選手について正式なオフーを受けたわけではないものの現在の契約内容(今季開幕前にスリ・パハンFCから移籍したファイサル選手は来季までの2年契約を結んでいます)や給料などの問い合わせを受けたことを明らかにしています。なおベルバトフ氏は、今回のヨルダン遠征で代表デビューとなった19歳のMFムカイリ・アジマル(スランゴールFC)にも同様の関心が寄せられているとも述べています。
 なおファイサル選手が所属するトレンガヌFCは、国内外いずれのクラブからも正式な問い合わせを受けていないことを公表していますが、その一方で現在23歳のファイサル選手の獲得に関心があるクラブからは話を聞く用意があるとも述べています。
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 トレンガヌFCに移籍したことで今年はブレイクの年となったファイサル選手ですが、マレーシア人選手の国外移籍で障害となりかねないのが、Mリーグクラブが現在支払っている給料の額です。公表されていないので正確な額は不明ですが、複数の記事を読むとMリーグ1部クラブの主力クラスが月給2万リンギから5万リンギ(およそ54万8000円から219万円)、代表選手クラスは5万リンギ以上、そして外国籍選手が2万米ドルから6万米ドル(227万円から683万円)辺りが相場かと思いますが、マレーシアでは大卒初任給が2000リンギから3000リンギ(およそ5万4800円から8万2200円)であことを考えると、その破格な待遇に驚くものの、国外クラブに移籍して1年目から同じ給料を得られるかというとそこは疑問符がつくところです。となると給料が減ってでも「高いレベルでプレーしたい」といった志がなければ、マレーシア人選手の国外移籍は今後も増えることはなさそうです。

ケランタンFCのインドネシア出身FWがU22代表に招集
 Mリーグ2部ケランタンFCのFWナタナエル・シリンゴリンゴは今季の活躍によって契約延長を勝ち取ったという記事はこのブログでも紹介しましたが、このナタナエル選手が今度は母国インドネシアのU22代表に招集されたことを、ケランタンFCの公式Facebookが伝えています。 
 インドネシアU22代表はAFC U23アジアカップ予選G組でオーストラリアと同組となっており、(注:この組は中国、ブルネイが出場を辞退しており2チームのみの編成です。)タジキスタンを会場として、変則的にインドネシア対オーストラリアが2回戦行われるこの予選で、韓国出身でフル代表監督兼任のシン・テヨン(申台龍)U22代表監督は4名の「国外組」を含む33名のU22代表候補を発表しました。その内、国外組はMFエギ・マウラナ・フィクリ(スロバキア1部FKセニツァ)以外は全員がMリーグでプレーする選手でFWサディル・ラムダニ(サバFC)、MFシャフリアン・アビマニュ(JDT)、そして今回が初招集となったナタナエル選手です。しかしサディル・ラムダニはケガから復帰しておらず、シャフリアン・アビマニュはこの予選がFIFA国際マッチー期間外であることからJDTが招集を拒否し、MリーグからはケランタンFCが招集に応じたナタニエル選手のみが参加します。

1人、テキストの画像のようです


10月14日のニュース:来季のクラブライセンス交付の可否は今月下旬に決定、11月のFIFA国際マッチデー期間は代表戦なし、スタジアム観戦解禁後の入場者数の概要が発表、今季MリーグのYouTube視聴総数が7700万回越え

来季のクラブライセンス交付の可否は今月下旬に決定
 Mリーグを運営するMFLのスチュアート・リマリンガムCEOは今季2021年シーズンにプレーした1部スーパーリーグの12チームと2部プレミアムリーグの10チームが全てが、マレーシアサッカー協会FAMのクラブライセンス交付第一審機関FIBに対して来季2022年シーズンのクラブライセンスの最終申請を行なったことを明らかにしています。
 英字紙ニューストレイトタイムズによると 各クラブは今年9月の第一次申請期限までに必要書類をFIBに提出しており、今回はその見直しなどを経た最終申請の提出となっています。FIBは今回の申請内容を精査した上で今月下旬にクラブライセンス交付の可否を決定します。
 昨季終了後のクラブライセンス申請では1部スーパーリーグで恵龍太郎選手が所属していたフェルダ・ユナイテッドFCと2部プレミアリーグのUKM FCが、FAMが進める民営化の条件を満たすことができなかったためクラブライセンスの交付が受けられずMリーグから撤退した他、未払い給料の分割による支払い期限を守らなかったことにより1部スーパーリーグのマラッカ・ユナイテッドFCに対してFIBはリーグ戦での勝点3剥奪処分を下しています。
 第一次申請では新型コロナによるロックダウンが施行されたことで監査法人が休業し財務諸表の提出に問題があったクラブもあったことを明かしたスチュアートCEOは、全てのクラブが最終申請までには必要な書類を用意できたと話し、今後はFIBの最終判断を仰ぐことになるとしています。
 さらにスチュアートCEOは新型コロナの感染拡大予防のためMリーグ各クラブは外部との接触を断つために合宿形式での練習を強いられたことによる運営費用の増加に加え、無観客試合による入場料収入減やスポンサーの離脱による資金不足で経営状況が苦しいクラブが存在することを認めた上で、各クラブがクラブライセンスを交付されることを望む一方で、FIBが経営内容を問題視し、条件付きでのクラブライセンス交付となる可能性もあることを指摘しています。

11月のFIFA国際マッチデー期間は代表戦なし
 先日のヨルダン遠征ではヨルダンとウズベキスタンを相手に試合を行ったマレーシア代表ですが、次のFIFA国際マッチデー期間となる11月8日から16日にかけては代表戦を行われないとスポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 さらにスタジアムアストロの記事では、この期間中の11月9日と10日にはマレーシアカップのグループステージ最終節となる第6節が組まれており、大半の選手の契約が11月いっぱいとなっていることから日程の変更が難しいため、次の代表戦はこのマレーシアカップ決勝が行われる11月30日以降で、東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020年大会の前に行われる可能性があるとしています。
 当初予定されていた2020年から順延されたスズキカップ2020年大会は12月5日からシンガポールで集中開催されますが、マレーシアの初戦は12月6日のカンボジア戦となっています。
 マレーシア代表のモハマド・ユソフ・マハディ チームマネージャは、マレーシア政府が渡航者に求めている2週間の検疫隔離のために国外からチームを招くのは難しいとしながらも、スズキカップに向けて遅くとも12月3日までには試合を組みたいと話しています。
 またタン・チェンホー監督はスズキカップ前の練習試合を代表のホームでもある首都クアラルンプールのブキジャリル国立競技場で開催したいと話しています。なおマレーシア代表がこのブキジャリル国立競技場で最後に試合を行ったのは、2019年11月19日のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選のインドネシア戦で、この試合でマレーシアはインドネシアを2-0で下しています。
 スズキカップ前にホームで試合を開催してサポーターから応援を受けることは代表チームにとっても大きな力になると話すタン代表監督は、スズキカップに出場する東南アジアのチームとの対戦を希望しているとも話しています。

スタジアム観戦解禁後の入場許可数の概要が発表
 10月29日から再開されるマレーシアカップはおよそ5ヶ月ぶりにスタジアムでの観戦が可能になることが発表されていますが、マレーシアカップを主催するMFLは入場できる観戦者数の概要を公式サイトで発表しています。
 これによると各スタジアムでの観戦可能な入場者数は、新型コロナ対策を司る国家安全保障委員会NSC、マレーシア政府保健省、そして国内スポーツを統括する青年スポーツ省による標準作業手順SOPを基準として、国家復興計画NRPの段階に合わせて以下のように発表されています。
NRP第2段階の州(クダ、ペナン、ケランタン、ペラ、サバ):スタジアム定員の20%または5,000人
NRP第3段階の州(スランゴール、クアラルンプール、マラッカ、トレンガヌ、ジョホール、サラワク):スタジアム定員の30%または10,000人
NRP第4段階の州(ヌグリスンビラン、パハン): スタジアム定員の50%または20,000人
*州名はMリーグクラブが本拠地を持つ州のみ
 なおスタジアムでの観戦に際しては、18歳以上でワクチン接種が完了している者という条件がついており、スタジアム内での飲食禁止や試合中のマスク着用も義務付けられています。
 またMFLはMリーグクラブに対して事前の申請を行うことを前提に、10月29日以前に行われれるMリーグクラブ同士の練習試合についても観客を入れて行うことを許可するとしています。

今季MリーグのYouTube視聴総数が7700万回越え
 Mリーグを運営するMFLは公式サイト上で、今季2021年シーズンのMリーグ1部スーパーリーグの試合がYouTubeで視聴された回数が7796万5339回に達したと発表しています。
 この再生回数は9月30日時点で1部スーパーリーグ132試合が視聴された回数です。なおリーグが短縮され、試合数が半減した昨季2020年シーズンはスーパーリーグ66試合が1622万3282回視聴されています。
 今季のスーパーリーグはリーグスポンサーでインターネット接続事業者のUnifi(ユニファイ)によるYouTubeでの無料ストリーミング配信の他、UnifiによるIPTVのUnifi TV、そして地上波チャンネルのRTMなどで視聴可能ですが、ライブ観戦に限定すると今季の総視聴回数は3589万1793回となるということです。なお、Unifiによるスーパーリーグの無料ライブストリーミングは、無観客試合での開催が決定した第5節から始まり、スーパーリーグ終了後も、マレーシアカップグループステージ第2節まで続いています。
 YouTubeで視聴総数が多かったクラブは今季スーパーリーグ8連覇を達成したJDTで2260万959回、2位がクダ・ダルル・アマンFCの1590万1863回、3位がペナンFCの1321万1869回となっており、視聴回数もリーグでの順位がそのまま反映された形になっています。(記録はいずれも9月20日現在)
 またYouTubeでの視聴回数が多かった試合のトップ3は全てJDTの試合で、3月7日のスランゴールFC戦が最多の171万79回、4月24日のトレンガヌFC戦が168万4922回、5月8日のペナンFC戦が163万76回と続いています。

10月13日のニュース:タン代表監督がヨルダン遠征を総括、タイ1部第7節-前節出場停止のエルドストールが復帰でチョンブリーFCの勝利に貢献、AFC U23アジアカップ予選出場のU23はヌグリスンビランに惜敗  

タン代表監督がヨルダン遠征を総括
 先日のヨルダン遠征ではヨルダンに0-4、ウズベキスタンには1-5と大敗したマレーシアですが、タン・チェンホー監督がマレーシアの通信社ブルナマを含めた国内メディアとのオンライン会見を行い今回の遠征を総括しています。
 タン監督はまず公称158cmの身長から「ミッキー」の愛称で知られるFWファイサル・ハリム(トレンガヌFC)を取り上げて、ヨルダン戦、ウズベキスタン戦ともそのスピードと相手を抜いていくドリブルが際立っていたとし、いわばギャンブル的な先発起用にファイサル選手が見事に応えてくれたと話しています。さらに今回の遠征に参加した2人の「国外組」の内の1人でFWルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)についてもボールコントロールの技術の高さで、先発したウズベキスタン戦では相手を翻弄していたと話しています。
 その一方で2試合で9失点を喫した守備陣については、不正確なパスやボールコントロールのミス、そして連携の悪さに加えて、相手攻撃陣に押し込まれたことで不用意なミスが身だっていたと指摘し、期待通りには機能しなかったことを認めています。特に初戦のヨルダン戦で4失点した後のウズベキスタン戦でもDFアイディル・ザフアン(JDT)とイルファン・ザカリア(KLシティFC)を起用したことを問われると、このコンビの経験不足を認めながらも、例え失点してでも試合で学ばなければならないことがあると述べて経験を積ませるための起用だったと話しています。
 「初戦のヨルダン戦では個々のミスが目立ったが、(最終戦の)ウズベキスタン戦ではその数は減っていた。しかしまだチームとして「組織で守る」と言ったことが不十分だった。攻撃面では、今回のような格上のチームと対戦する場合にはよりピンポイントなパスやより正確なボールコントロールができなければならいことが選手にはわかったと思う。今回の遠征に参加した選手たちにはこの経験を生かして、自身のレベルアップを図って欲しい。」と述べたタン監督ですが、今回の遠征メンバーの中から今年12月に開幕する東南アジアサッカー連盟選手権スズキカップ2020年大会や来年2月のAFC選手権アジアカップ3次予選に出場する代表のメンバーにも選ばれる者がいるかどうかを問われると、その名前は挙げなかったものの数名の選手は今後の合宿で鍛えたいと述べ、スズキカップ前に予定されている来月11月の練習試合でも起用したいと話しています。

タイ1部第7節-前節出場停止のエルドストールが復帰で勝利に貢献 
 2021/2022年シーズンのタイ1部リーグ第7節が10月9日と10日にかけて開催に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCが2連勝し4位を維持、一方、代表のヨルダン遠征でドミニク・タン不在のポリス・テロFCも2連勝で順位を12位から8位まで上げています。

タイ1部リーグ第7節
2021年10月10日@チョンブリースタジアム(バンコク)
チョンブリーFC 1-0 スパンブリーFC
 第5節のレッドカードで前節第6節は出場停止を受けていたDFジュニオール・エルドストールが復帰したチョンブリーFCが2連敗の後の2連勝で4位を維持しています。エルドストール選手は先発してフル出場しています。
 (試合のハイライト映像はチョンブリーFCの公式Youtubeチャンネルより)

https://youtu.be/GwdQcMTygSk

2021年10月9日@BGスタジアム
BGパトゥム・ユナイテッド 0-3 ポリス・テロFC
 ポリス・テロFCが昨季王者のBGパトゥム・ユナイテッドにまさかの3得点で完封勝利。ドミニク・タン不在の間に今季初勝利からの2連勝ですが、まぁそれまでもタン選手は試合出場はありませんでしたが…。

タイ1部リーグ順位表(第7節終了)

順位チーム試合得失差勝点
1ブリーラム・ユナイテッド7511916
2チェンライ・ユナイテッド7421414
3バンコク・ユナイテッド6411413
4チョンブリーFC7322711
8ポリス・テロFC722318
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFC、ポリス・テロFCのみ表示しています。

AFC U23アジアカップ予選出場のU23はヌグリスンビランに惜敗
 今月10月25日からモンゴルのウランバートルで開催されるAFC U23アジアカップ予選に出場するマレーシアU23代表は現在、第2次合宿を行っていますが、昨日10月12日には練習試合初戦となるMリーグ2部プレミアリーグの今季チャンピオンのヌグリスンビランFCと練習試合を行い1-2で惜敗しています。
 現在はスランゴール州プタリンジャヤにあるマレーシアサッカー協会FAM本部の施設で合宿を行なっているU23代表はモンゴル出発前に3つのMリーグクラブとの練習試合を予定していますが、このヌグリスンビランFCがその初戦でした。
 この試合の様子を伝えたマレーシア語紙ハリアンメトロでによると、試合開始から何度もチャンスを掴みながらもヌグリスンビランFCのGKダミエン・リムの好守に阻まれていたU23代表は、今季プレミアリーグでマレーシア人としてはリーグ2位の8ゴールを挙げたアズハド・ハラズ・アルマン(FAM-MSNプロジェクト)が11分にゴールを挙げてこの試合に先制しました。その後もさらにチャンスを作りながら追加点を奪えなかったU23代表は後半開始早々の46分にヌグリスンビランFCのエース、アライン・アコノアコノが同点ゴール、さらに81分にはR・バラトクマルが逆転のゴールを決めてヌグリスンビランFCが勝利しています。
 U23代表は10月15日(金)にはMリーグ1部3位のペナンFC、そして10月18日(月)には2位のクダ・ダルル・アマンFCとの練習試合が予定されており、その後の10月20日(水)にモンゴルへ向けて出発する予定です。
 今回のAFC U23アジアカップ予選J組では、10月25日にラオス、28日にモンゴル、そして31日にはタイと対戦することになっています。

10月10日のニュース(1):2試合連続の大量失点でウズベキスタンに敗れたマレーシアは2連敗でヨルダン遠征終了

2試合連続の大量失点でウズベキスタンに敗れたマレーシアは2連敗でヨルダン遠征終了
 マレーシア代表のヨルダン遠征の最終戦となるウズベキスタン戦が10月9日に行われ、FIFAランキング84位のウズベキスタンと対した同154位のマレーシアは1−5で敗れています。
 今回の遠征の初戦となった10月6日のヨルダン戦ではFIFAランキング93位の相手になすすべもなく0-4と完敗したマレーシアは、ヨルダン戦で採用したの4-3-3のシステムから、この試合では4-2-3-1に変更し、GKは2019年3月以来の代表戦となったカイルル・ファーミ(マラッカ・ユナイテッドFC)、DF陣は右からリザル・ガザリ(クダ・ダルル・アマンFC)、イルファン・ザカリア(KLシティFC)、アイディル・ザフアン(JDT)、そしてヨルダン戦で先発したアリフ・ファルハン(クダ・ダルル・アマンFC)に代えてアリフ・ファジラー(トレンガヌFC)の4バック、MFアクラム・マヒナンとMFケニー・パッラジのKLシティFCコンビをボランチ、トップ下にはボドロル・バクティアル(クダ・ダルル・アマンFC)、左右ウイングには21歳のハキミ・アブドラと23歳のファイザル・ハリムのトレンガヌFCコンビ、そしてワントップに代表戦初先発となる19歳のルクマン・ハキム・シャムスディンを配して臨みました。
 セリエAのASローマでプレーするFWエルドル・ショムロドフを筆頭にFWシャフバーズ・エルキノフ(ベラルーシ1部FC BATEボリソフ)、MFオタベク・シュクロフ(アラブ首長国連邦1部シャールジャFC )、MFジャロリディン・マシャリポフ(サウジアラビア1部アル・ナスルSC)ら国外組を揃えてベストメンバーのウズベキスタンに対し、試合開始直後は相手ゴールを狙う姿勢を見せていたマレーシアですが、試合が落ち着くと共に徐々に自陣へ押し込まれて守勢に回ります。そこから時折カウンターを見せるもパスの精度が低く前線までボールは渡らない苦しい展開の中、17分にウズベキスタンはMFファルーフ・サイフィエフ(FCパフタコール・タシュケント)のクロスにFWドストンベク・ハムダモフ(アル・ナスルSC-アラブ首長国連邦1部リーグ)が合わせて先制し、さらに29分には再びドストンベク・ハムダモフ、そして33分にはフセイン・ノルチェイエフ(ナサフ・カルシFC)が立て続けに決めた3ゴールで着々とリードを広げていきます。一方のマレーシアはタン監督が機能しないハキミ・アブドラに代えてシャフィク・アフマッドを投入するなど積極的にカードを切り、前半終了間際には右SBのリザル・ガザリからパスを受けたファイザル・ハリムがシュートのこぼれ球を、ゴール前に詰めていたバドロル・バクティアルが押し込んで、マレーシアが今回の遠征初ゴールで1点を返して1-3で前半を終了します。
 後半に入っても自陣でのプレーが続くマレーシアは守備の時間が長くなる中、ウズベキスタンがさらに2点を追加して結局1-5と初戦に続く4点差でマレーシアは大敗しています。
 この試合で今回の遠征を終えたマレーシア代表は明日10月10日にヨルダンを発って帰国の途に着きます。(以下の試合のハイライト映像はアストロ・アリーナより)

国際親善試合
2021年10月9日@アンマン国際スタジアム(ヨルダン)
マレーシア 1-5 ウズベキスタン
得点者:マレーシア-ボドロル・バクティアル(45+1分)、ウズベキスタン-ドストンベク・ハムダモフ2(17分、29分)、フセイン・ノルチェイエフ(33分)、イブラヒムカハイル・ユルダシェフ(68分)、アジズべク・アマノフ(88分)

10月7日のニュース:国際親善試合-マレーシアはヨルダンに0-4で完敗、タイ1部第6節-代表選手所属クラブの直接対決は両選手ベンチ入りせず

国際親善試合-マレーシアはヨルダンに0-4で完敗
 マレーシア代表にとっては6月のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選以来の代表戦となる国際親善試合が10月6日に行われ、マレーシア代表はヨルダン代表に0-4で敗れています。
 ヨルダンの首都アンマンのキング・アブドラ2世スタジアムで現地時間午後6時(マレーシア時間午後11時)キックオフとなったこの試合では、代表初招集のアリフ・ファルハン(クダ・ダルル・アマンFC)を左サイドバック、いずれも代表復帰組ののバドロル・バクティアル(クダ・ダルル・アマンFC)とアクラム・マヒナン(KLシティFC)を中盤に配した以外は、6月のW杯予選のメンバーが先発しました。
 試合開始から自陣でのプレーが続いたマレーシアは、34分に初先発のDFアリフ・アルファンのクリアミスをヨルダンのエサン・ハッドがゴール前へパス、これをDFイルファン・ザカリア(KLシティFC)がポジショニングミスでクリアできず、走り込んできたアリー・アルワンが蹴り込んでヨルダンが先制します。さらに42分にはGKカイルルアズハン(スランゴールFC)とDFアイディル・ザフアン(JDT)がコミュニケーションが取れず交錯して溢れたボールをオダイ・アル・サイフィがゴールしヨルダンが2-0とリードを広げます。後半に入っても、47分にはDFイルファン・ザカリアのヘディングがクリアミスとなり3点目、その2分後の49分には前掛り気味になったDFラインの間をムーサ・スレイマンに美しいパスを通され4点目といずれもアリー・アルワンにゴールを決められマレーシアがヨルダンに敗れています。
 途中にはFWファイザル・ハリム(トレンガヌFC)がドリブルで切り込む場面などはあったものの、前線でFWギリェルメ・デ・パウラが孤立する時間も多く、またそのデ・パウラにボールが渡ってもシュートまではつながらず、攻守共に完敗でした。
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 W杯予選で酷評されたデ・パウラ選手とリーグ戦ではほとんど試合出場のなかったシャフィク・アフマドをいずれもFWとして敢えて先発させたタン・チェンホー代表監督ですが、この試合では残念ながら機能しませんでした。先発メンバーを見た段階の素人考えでは、デ・パウラをターゲットにロングボールを使い、そのこぼれ球に運動量を生かしてシャフィク・アフマドとファイザル・ハリムが寄せてシュートにつなげるという単純明快なサッカーをするための布陣かと思いましたが、ロングボールはほとんどなく、しかも中盤でのパスの精度が低かったことからデ・パウラが孤立する形になってしまったのは戦術と戦略が一致していないように見えました。(試合のダイジェスト映像はアストロアリーナのYouTubeチャンネルより)

国際親善試合
2021年10月6日@キング・アブドラ2世スタジアム(アンマン、ヨルダン)
ヨルダン 4-0 マレーシア
得点者:ヨルダン-アリー・アルワン3(34分、47分、49分)、オダイ・アル・サイフィ(42分)
 

タイ1部第6節-代表選手所属クラブの直接対決は両選手ベンチ入りせず 
 2021/2022年シーズンのタイ1部リーグ第6節が10月5日から7日にかけて開催に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCとDFドミニク・タンが所属するポリス・テロFCが直接対決しましたが…。

タイ1部リーグ第6節
2021年10月1日@ブンヤジンダースタジアム(バンコク)
ポリス・テロFC 2-0 チョンブリーFC
 試合は前半の2ゴールで先制したポリス・テロFCがそのまま逃げ切り、待望の今季初勝利をきろくしています。一方、前節に開幕からの無敗記録が4でストップしたチョンブリーFCは2連敗となりました。
 当初は代表DFコンビのドミニク・タン(ポリス・テロFC)とジュニオール・エルドストール(チョンブリーFC)の対戦とマレーシアサッカー的には注目のカードでしたが、マレーシア代表のヨルダン遠征に招集されたタン選手は不在、またなぜかヨルダン遠征に招集されなかったエルドストール選手は前節のチェンライ・ユナイテッド戦で一発退場となっており、この試合は出場停止処分を受けており、結局、両選手不在でした。
 (試合のハイライト映像はチョンブリーFCの公式Youtubeチャンネルより)

https://youtu.be/ZPYH7NUU7WI

タイ1部リーグ順位表(第6節終了)

順位チーム試合得失差勝点
1ブリーラム・ユナイテッド6411713
2チェンライ・ユナイテッド6321311
3バンコク・ユナイテッド5311210
4チョンブリー622268
12ポリス・テロFC6123-25
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFC、ポリス・テロFCのみ表示しています。

10月5日のニュース:「イカ釣り」事件に新展開!代替召集される可能性を知っていたらそれを逃すようなことはしない-シャールル・ニザム、シャールル・ニザムは自身が代替召集選手候補であることを通達されていたはず-タン代表監督、シャールル・ニザムが代替召集される原因となったディオン・クールズがクラブの試合に出場

代替召集される可能性を知っていたらそれを逃すようなことはしない-シャールル・ニザム
 9月23日に発表されたヨルダン合宿と練習試合2試合に出場するマレーシア代表24名からケガ人が出たことにより代替召集されたシャールル・ニザム(トレンガヌFC)は10月1日の代表集合日に姿を見せず、その結果、ヨルダン合宿へ参加しませんでした。その時点では集合日に現れなかった理由やその背景も不明で、代表サポーターの間で様々な憶測を呼びましたが、昨日のこのコラムで取り上げたように、マレーシア代表のTM(チームマネージャー)で、マレーシアサッカー協会FAMの会長代理でもあるモハマド・ユソフ・マハディ氏がシャールル選手はイカ釣りで海に出ており、連絡が取れなかったと説明し、その真相が明らかになりました。
 しかしその後、様々な事実が明らかになり、その責任問題が複雑化しています。まず当のシャールル選手が自身の名が代替召集選手候補リストに載っていたことを知らされていなかったと説明していることをマレーシア語紙ウトゥサンマレーシアが報じています。
 「9月29日の試合(マレーシアカップのスランゴールFC戦)後にチーム(トレンガヌFC)から5日間のオフを与えられ、特に予定もなかったのでケランタン州にある実家に戻った。実家は漁師をしているので、実家に戻れば自分も親を手伝って海に出ることもある。今回も漁に出たが、漁から戻ると自分が代表チームから召集を受けていたことを知らされて驚いた。」
 「しかも知らされた時には既に代表チームはヨルダンへ出発した後だった。代表チームに召集されたにも関わらず、集合日にチームに合流しなかったことは本当に申し訳ないと思っている。自分が召集されていたことを知った時は悲しみや失望などが入り混じり、さらにはやましい気持ちでいっぱいになった。『代表チームに敬意を示していない』『真剣にサッカーに取り組んでいない』といった誹謗中傷を受けたが、どんな選手でも代表チームでプレーすることが夢であり、もし自分が代替召集される可能性があることを知っていたら、自らその機会を逃すようなことはしない。」と述べて、自身がケガ人が出た場合の代替召集候補となっていたことを知らなかったとしています。
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 もしシャールル選手が真実を述べているとすれば、9月29日の試合後の段階ではシャールル選手も所属するトレンガヌFCもケガ人が出た場合には代替召集されるされることを知らなかったということになります。言い換えれば9月23日の代表メンバー発表の際には、この代替召集候補選手リストができていなかったということになりますが、次の記事を読むと、この前提が覆ってしまいます。


シャールル・ニザムは自身が代替召集選手候補であることを通達されていたはず-タン代表監督
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロは、シャールル・ニザムはケガ人が出た場合の代替召集選手候補であること、そしてそれに備えて待機しているべきであることを事前に通告されていたとタン・チェンホー監督が話していると報じています。
 15時間のフライトを経て合宿地であるヨルダンの首都アンマンに到着しているマレーシア代表は現在、検疫隔離期間中ということですが、スタジアムアストロの取材に答えたタン代表監督は「ヨルダン遠征のメンバーを発表した9月23日以前に、我々はシャールル選手に連絡を取り、代替召集選手候補であることを伝えているので、彼がそれを知らなかったはずはない。」と述べています。なおこの記事の中でタン代表監督は”I”ではなく”we”という表現を使っているので、タン代表監督がシャールル選手に直接、連絡を入れたわけではなさそうですが、それでも代表チームはシャールル選手が代替召集選手候補であることを通達していたことは事実のようです。
 なおタン代表監督は今回の召集はシャールル選手にとっても良い機会であったと述べる一方で、今後のプレーぶりを見ながら再び招集するかどうかを検討したいと述べています。
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 自身が召集される可能性があることを知らなかったと主張するシャールル選手と、既にその可能性を告知済みと述べたタン代表監督のどちらが本当のことを述べているのか、あるいは二人とも本当のことを述べていて、どこかでそれが正しく伝わらなかったのか。その真相は現在は不明ですが、最終的に誰も傷つかないようにする(=誰も責任を取らない)マレーシア的決着で真相追及が行われない可能性もあります。

シャールル・ニザムが代替召集される原因となったディオン・クールズがクラブの試合に出場
 9月23日に発表されたヨルダン遠征メンバー24名からケガによる辞退者が出たことで上の記事で取り上げたシャールル・ニザムが代替召集されましたが、そのケガによる辞退者の1人がデンマーク1部FCミィテッランに所属するDFディオン・クールズです。このクールズ選手の代表辞退とシャールル・ニザム選手の代替召集は9月30日にマレーシアサッカー協会FAMの公式Facebookで発表されていますが、現地時間の10月1日にポルトガルのブラガにあるエスタディオ・ムニシパル・デ・ブラガで行われた欧州サッカー連盟UEFAヨーロッパリーグのFCミッティラン対SCブラガで、このクールズ選手がベンチ入りしていたことが判明し、マレーシア代表サポーターの間に波紋を広げました。
 さらにその2日後の10月3日にはダンマーク1部第11節のFCミィテッラン対オーフスFGでもクールズ選手は再びベンチ入りし、しかも79分には交代出場までしたことから、一旦は代表に招集されながら辞退した理由はFAMが発表したケガではなく、何か他の理由があるのではないかという疑惑が持ち上がりました。この件を取り上げたサッカー専門サイトのラ・ボラは、このヨルダン遠征がFIFA国際マッチデー期間にも関わらずクラブがコールズ選手の招集に否定的だった、ヨルダン遠征から帰国後の検疫期間の長さをクラブが嫌った、そして今年12月の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップがFIFA国際マッチデー期間外でクラブは選手の召集を拒否できることから、スズキカップでプレーできる選手だけを召集することにしたなどの理由を挙げていますが、実際の理由は何であれクールズ選手の辞退の理由を「ケガによるもの」とFAMが発表したことには疑問が残るとラ・ボラの記事は締めくくっています。
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 ここまでくるともう何が事実で何が嘘なのかはわからなくなりますが、それは置いておくとしても、クールズ選手がいない現在の代表に関して、個人的にはやはりタイ1部のチョンブリーFCでプレーするジュニオール・エルドストールが今回のヨルダン遠征メンバーに入らなかったことが疑問です。同じタイ1部でプレーするドミニク・タンは今季1度も試合に出場したいない一方で、エルドストール選手は全試合に先発フル出場しています。185cmのクールズ選手を欠く代表DF陣にとって身長が190cm近いエルドストール選手は有用ですし、昨季からタイリーグでプレーしていることでタイ代表のFW陣の特徴は把握できているはず。その一方でタン代表監督となってからは今年6月のW杯予選が初の召集で、代表召集自体も7年ぶりとなったエルドストール選手は今回の遠征と練習試合を通じてチームメートとの連携を強化するために呼ぶべきだった気がしてなりません。

10月4日のニュース:イカ釣りに出ていて船を逃したシャルル・ニザム、ケランタンFCはインドネシア出身ウィングと契約延長か

イカ釣りに出ていて船を逃したシャルル・ニザム
 FIFAの国際マッチデー期間に合わせてヨルダンでの合宿と練習試合を行うマレーシア代表は10月1日にマレーシアサッカー協会FAM本部に集合し、翌2日にヨルダンに向けて出発しましたが、今回の代表召集メンバーのムハマド・シャールル・ニザム・ロス・ハスニ(トレンガヌFC)が10月1日の集合日に何の連絡もなく姿を見せなかったことから様々な憶測が飛び交っていました。
 これについてマレーシア代表のモハマド・ユソフ・マハディ のチームマネージャーTMがその真相をマレーシアの通信社ブルナマに明かしています。
 今回の合宿参加メンバーは先月9月23日にFAMから発表になりましたが、その後、DFディオン・クールズ(デンマーク1部FCミッティラン)とDFシャーミ・サファリ(スランゴールFC)がいずれもケガのため代表合宿参加を辞退し、この2人に代わって招集されたのがいずれもDFのアリフ・ファルハン(クダ・ダルル・アマンFC)とシャールル・ニザムの両選手でした。アリフ選手は他の選手同様、10月1日にFAM本部に集合しましたが、招集メンバー20名の内、シャールル選手だけが集合部に姿を見せなかったことをFAMは公式Facebook上でその理由を説明せずに告知したため、シャールル選手が代表招集を拒否したのでは、といったものから彼女が国外に出ることを許さなかったといった荒唐無稽な理由まで様々な噂がソーシャルネットワーク上で飛び交っていました。
 FAMの会長代理でもあるモハマド・ユソフTMによればその真相というのは、シャールル選手はイカ釣りで海に出ていたため連絡がつかなかった、ということのようです。シャールル選手が所属するトレンガヌFCのズルファディル・ロジTMから直接、電話連絡を受けて状況が判明したようですが、その電話を受け取った時間も代表がヨルダンに出発する12時間前だったいうことで、10月1日の集合日の時点ではそういった状況すらFAMは把握できていなかったことになります。自身が対表チームのTMとなってから代表招集に応じなかった選手に出会ったことがないとモハマド・ユソフTMは話し、10月1日の午後にイカ釣りから戻ったシャールル選手は自身が代替招集されている話を聞いて驚いたと説明しています。
 さらにモハマド・ユソフ代表TMは、今回のシャールル選手の代替招集がヨルダン合宿出発直前だったことから自身が招集される可能性を考えなかった可能性もあるとして、FAM事務局に対してその詳細を調査するよう命じてことを明かしています。またトレンガヌFCのズルファディルTMはシャールル選手に対する処分が行われないよう求めているということです。
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 これを報じた記事がシャールル選手のイカ釣りに関連させて”miss the boat”(「船に乗り遅れる」転じて「機会を逃す」という意味)という見出し付きで取り上げていましたが、笑い話で済む話ではないでしょう。シャールル選手の代替招集がFAMのFacebookで告知されたのが9月30日の14時50分で、トレンガヌFCは9月29日にマレーシアカップグループステージのスランゴール戦を戦い、シャールル選手もこの試合に先発してフル出場しています。つまりこの9月29日の試合後の段階では当初招集されたクールズ、シャーミ両選手の代表辞退も発表されおらず、シャールル選手への代替招集も伝えられていなかったということになります。
 ここで気になるのは、FAMあるいは代表チームが代替招集される可能性がある選手を事前に選考し、それが該当選手に伝わっていたのか、ということです。シャールル選手自身が代替招集の対象であることを事前に伝えていた上で連絡が取れないようなイカ釣りに出ていたのであれば、シャールル選手への処分は必至でしょうが、ケガによる事態が相次いだといった理由でシャールル選手の代替招集が9月30日に決まったのであれば、マハディ・ユソフTMを含めた代表チームの運営に関する失態となります。
 本人との連絡が取れていないにも関わらずFAMがFacebookでシャールル選手の代替招集を発表した事実から、シャールル選手はケガ人が出た場合に代替招集される可能性について知らされていた可能性の方が高そうですが、そうであれば多くのファンが指摘しているように「代表に招集されるということの重み」を23歳のシャールル選手は理解できていなかったことになります。

ケランタンFCはインドネシア出身ウィングと契約延長か
 Mリーグ2部のケランタンFCに今季から加入したインドネシア出身のウィング、ナタナエル・シリンゴリンゴはプレミアリーグの試合で3ゴールを、またマレーシアカップグループステージではサバFC戦で1ゴールを決めていますが、クラブオーナーのノリザム・トゥキマン氏は自身のFacebook上でナタナエル選手の活躍に満足し、22歳のナタナエル選手を獲得した自分の目に狂いはなかったの述べています。
 ナタナエル選手のリーグ戦3ゴールはケランタンFCではヌルシャミル・アブドル・ガニの9ゴールに続くチーム2位のゴール数です。
 ノリザム オーナーはチームに勝点1をもたらした前述のサバFC戦での同点ゴール、そして先月9月に同じケランタン州コタバルのスルタン・モハマド4世スタジアムを共有するケランタン・ユナイテッドFCと「ケランタンダービー」での一戦で挙げた2ゴールを挙げ、来季の契約延長について言及しています。
 このナタナエル選手について取り上げたサッカー専門サイトのヴォケットFCは、このナタナエル選手について元韓国代表監督で現在はインドネシア代表の監督を務めるシン・テヨン監督に代表でのプレー機会を与えるべきだというインドネシアサポーターの声を紹介しています。

10月3日のニュース:FIFAのW杯隔年開催案にタン代表監督は賛成もオン前協会テクニカルディレクターは育成への影響を懸念、タイ1部第5節-代表コンビはエルドストールは出場もタンは5試合連続で出場なし

タン代表監督はFIFAのW杯隔年開催案に賛成も、オン前協会テクニカルディレクターは育成への影響を懸念
 マレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長が200カ国以上が参加してオンラインで行われたFIFAの会合に出席し、FIFAが提案しているワールドカップ隔年開催案などについて説明を受けたことがFAMの公式Facebookに投稿されています。
 ハミディン会長はW杯を開催する機会がより多くの国に与えられるなどを理由からこれに賛同することを表明していますが、英字紙ニューストレイトタイムズはこの隔年開催案に対するマレーシア代表のタン・チェンホー監督と先月9月までFAMの前テクニカルディレクター(TD)を務めていたオン・キムスイて現サバFC監督のコメントを掲載しています。
 タン代表監督はこの提案に対して、欧州の巨大クラブはこの案に消極的かもしれないが、各国のサッカー協会、特にマレーシアのような小国の協会にとっては大会開催の間隔が短くなることである年の大会の出場機会を逃したとても次の大会まで待つ時間が短くなることの利点、さらに試合の頻度が増すことで年代別の代表選手が従来よりも短い期間でフル代表に加わるようになるだろうとも予想しています。
 一方でオン・キムスイ前TDは、W杯が隔年開催となることで弱小国がフル代表の強化により重きを置くようになり、その結果として若い選手の育成がおろそかになる恐れがある可能性を指摘しています。「国内サッカーの構造の中に各年代での育成の仕組みが十分に組み込まれている国にとってはこの隔年開催が及ぼす影響は大きくないだろうが、そうでない弱小国はW杯出場を目指して予算や人的資源をこれまで以上にフル代表に注力することが考えられる。そうなった場合に育成プログラムや各年代別の大会開催といった部分がおろそかにならないかと心配だ。」と述べているということです。

タイ1部第5節-代表コンビはエルドストールは出場もタンは5試合連続で出場なし
 2021/2022年シーズンのタイ1部リーグ第5節が10月1日と2日開催に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCとDFドミニク・タンが所属するポリス・テロFCの試合が行われました。

タイ1部リーグ第5節
2021年10月1日@チョンブリースタジアム
チョンブリーFC 2-3 シンハー・チェンライ・ユナイテッド
 首位チョンブリーFCがチェンライ・ユナイテッドをホームに迎えたこの試合では、チェンライ・ユナイテッドがブラジル出身FWロシマール・アマンシオのPKを含む3ゴールで、今季ここまで負けなしのチョンブリーFCに初黒星をつけています。
 今月の代表合宿とヨルダン、ウズベキスタンとの練習試合には招集されなかったジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)は先発しましたが、65分にいわゆるプロフェッショナルファウルで一発退場となっています。
 (試合のハイライト映像はチョンブリーFCの公式Youtubeチャンネルより)

https://youtu.be/xALpA89L-SY

2021年10月2日@ピッチャヤスタジアム
ノーンブワ・ピッチャヤFC 1-0 ポリス・テロFC
 第4節を終えてまだ勝利のないポリス・テロFCが今季1部に昇格したノーンブワ・ピッチャヤFCと対戦し、今季加入のハミルトン・スワレス・デ・サのゴールで敗れています。
 10月の代表合宿に招集されたドミニク・タンは既に代表に合流したのか、この試合ではベンチ入りしませんでした。今季開幕以来の5試合で一度もピッチに立っていないタン選手ですが、ここまで未勝利のポリス・テロFCで出場機会がないという現状での代表召集には疑問が残ります。

タイ1部リーグ順位表(第5節終了)

順位チーム試合得失差勝点
1ブリーラム・ユナイテッド5311610
2チョンブリー522188
3ポートFC522128
16ポリス・テロFC5023-42
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFC、ポリス・テロFCのみ表示しています。