4月22日のニュース(2)
J3沼津のハディ・ファイヤッドがマレーシア人選手初のJリーグデビュー
FIBはペラから出されていた時間的猶予を求める申請を承認
シーゲームズ出場の男子フットサル代表候補合宿参加メンバー発表
マレーシアFAカップ2回戦組み合わせ決定

J3沼津のハディ・ファイヤッドがマレーシア人選手初のJリーグデビュー

マレーシアサッカーに新たな歴史が刻まれました。J3のアスルクラロ沼津に所属するマレーシア人FWハディ・ファイヤッドが、マレーシア人選手として初めてJリーグ公式戦に出場しています。

昨日4月21日のJ3リーグ第4節、ヴァンラーレ八戸 vs アスルクラロ沼津の試合が青森県八戸市のプライフーズスタジアムで行われ、背番号27のハディ選手は84分、渡邉りょう選手と交代でこの試合に出場し、マレーシア人選手初のJリーグデビューを飾っています。試合は2-0で沼津が勝利しています。

ハディ選手は2018年12月にMリーグのJDT IIからJ2のファジアーノ岡山に加入し、昨年2020年12月には出場機会を求めて、J3の沼津に期限付き移籍していました。移籍直後の練習中に右膝前十字靭帯を損傷した昨季は治療と回復でシーズンを棒に振ることなりましたが、昨日の試合で待望のJデビューを果たしています。

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マレーシアにはいないタイプの大型ストライカーとして期待されるハディ選手は、来月5月にベトナムで開催される東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場するU23代表候補にも選ばれています。マレーシアU23代表は6月のAFC U23アジアカップ出場も決めており、一気にアジアの舞台まで駆け上がって欲しいです。

2012年には、マレーシアU22代表でプレーしていたワン・ザック・ハイカルとナジルル・ナイムが、日本と対戦したロンドン五輪最終予選でのプレーを見た当時JFLに所属していたFC琉球と契約しましたが、ワン・ザック選手は佐川印刷SC戦の1試合に出場したのみ、ナジルル選手は怪我のため1試合も出場せずに退団した記録が残っています。

下のハディ選手デビュー戦の映像はJ league InternationalのYouTubeより

FIBはペラから出されていた時間的猶予を求める申請を承認

国内クラブのライセンスなどを交付する第一審機関は、Mリーグ2部プレミアリーグペラから出されていた、新たなオーナー候補との交渉に必要な時間の猶予を求める申請を認めたことを、MFLの公式サイト上で発表しています。

FIBのシーク・モハマド・ナシル委員長は、4月18日にペラから提出されていた期限延長の申請の内容を精査した結果、4月29日まで時間を与えることにしたと説明しています。

この交渉が成立すれば、給料未払いで苦しんでいる選手や監督、コーチにとっても問題解決につながることが期待できることから承認した、とその理由を説明したシーク・モハマド委員長は、4月29日の期限までに交渉が成立しなかった場合には、当初の予定通りより厳格な処分を科すことは変わらないと話しています。

シーゲームズ出場の男子フットサル代表候補合宿参加メンバー発表

マレーシアサッカー協会FAMは公式サイトで、来月5月にベトナムで開催される東南アジア競技大会通称シーゲームズ2021年大会に出場する男子フットサル代表の合宿参加メンバー20名を発表しています。

4月29日から5月2日までFAM本部内のFAMフットサルアリーナで行われる合宿の参加メンバーは、今月タイで行われたアジアサッカー連盟AFFフットサル選手権に出場したメンバー16名に加え、チュー・チャンヨン監督はファリク・カビボル(パハンレンジャーズ)、ヒクマル・フィルダウス(ペナン)、アキル・カリス(クランタン)、ヌル・ハジム・スライマン(PDRM)の4選手を新たに招集しています。

男子フットサル代表は、この合宿で選手が16名まで絞り込まれた後、5月3日にベトナムのホーチミンへ向けて出発します。ホーチミンでは複数の親善試合を行い、5月8日にはシーゲームズが行われるハノイ入りする予定になっています。

シーゲームズの男子フットサルは5月11日から20日にかけて行われ、タイ(5月11日)開催国ベトナム(5月14日)、インドネシア(5月16日)、ミャンマー(5月20日)と1回戦総当たりで対戦します。

2019年大会では男子フットサルは開催されなかったことから、2大会ぶりの開催となるシーゲームズ男子フットサル。マレーシアのクアラルンプールで開催された2017年大会では現メダルを獲得したマレーシア代表ですが、今月初旬に行われたAFFフットサル選手権では、優勝したタイに4-2、準優勝したインドネシアには5-1といずれも敗れ、準決勝進出を逃しています。このAFFフットサル選手権ではベトナム、ミャンマーとも準決勝に進出していることから、シーゲームズでのメダル獲得にはチーム力の大幅なアップが必要です。

代表候補メンバー発表後、チュウ監督はパワープレーの質を上げることが課題である、とマレーシアの通信社ブルナマの取材に答えています。シーゲームズでは追う立場の試合展開となることはAFFフットサル選手権の試合を見ても明らかです。AFFフットサル選手権でも、マレーシアは何度かこのパワープレーを使いましたが、結果として失敗し、逆に失点してしまう場面もあり、今回のシーゲームズで目標とする銅メダル獲得は、このパワープレーの出来次第ということになりそうでうs。

シーゲームズ2021年大会男子フットサル代表候補合宿参加メンバーはこちらです。

マレーシアFAカップ2回戦の組み合わせ決定

マレーシアFAカップの2回戦組み合わせ抽選が行われ、16チーム、8試合のカードが決定しています。

規模を縮小して開催されている今年のマレーシアFAカップには、プレーオフ出場チームを含めて34チームが出場し、チーム内に新型コロナ感染者が出た影響で、今月4月29日に順延されているトレンガヌ対ヌグリスンビランの試合を除き、1回戦が全て終了しています。

1回戦では、Mリーグ3部M3リーグのプルリス・ユナイテッドが2部プレミアリーグのPDRMを破った以外はいわゆるジャイアントキリングはなく、プレミアリーグの4チームと1部スーパーリーグの12チーム(1回戦のトレンガヌとヌグリスンビランを含む)が順当に残っています。

今回行われた2回戦の組み合わせで注目されるのは、1回戦唯一のスーパーリーグクラブ同士の対戦となるトレンガヌ対ヌグリスンビランの勝者対クダのカードでしょう。チーム内に新型コロナ感染者が出たこともあり1勝2敗と開幕ダッシュに失敗した現在10位トレンガヌに対し、1部昇格初年度ながら2勝2分と開幕から無敗の4位ヌグリスンビランの勝者は、現在4勝1敗の2位クダと対戦します。

またスーパーリーグ開幕戦以来となるクランバリーダービーとなったスランゴール対KLシティも盛り上がりそうです。いずれも首都圏クランバリーを本拠地とする両チームの対戦は、2−2と引き分けに終わった開幕戦では、試合後に起きたサポーター同士の小競り合いなどピッチ外での注目も浴びましたが、それだけサポーターも熱くなるカードだということです。

日本人選手がいるチームでは、加賀山泰毅選手が所属するスーパーリーグのサバは、深井脩平、本山雅志両選手が所属するプレミアリーグのクランタン・ユナイテッドと対戦します。また谷川由来選手が所属するクチンシティは、M3リーグで勝ち残った唯一のクラブ、プルリス・ユナイテッドとのマッチアップが決まっています。

FAカップ2回戦は5月13日と14日に開催が予定されています。詳しい日程はこちらです。

8月12日のニュース:活動停止処分期間中のプルリス州FAが密かに活動再開か、強化合宿中のU19代表は練習試合2試合を予定、パハンFAのレバノン出身選手はいまだ自国から出国できず

活動停止処分期間中のプルリス州FAが密かに活動再開か
 複数の在籍選手やコーチに対しての未払い給料が支払われなかったことから、国際サッカー連盟FIFAから2019年より2年間のあらゆるサッカー活動の停止処分を受けているプルリス州サッカー協会(プルリス州FA)が、マレーシアサッカー協会FAMの知らないうちに活動を再開しているという疑惑を英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 プルリス州に拠点を持つクラブのプルリス・ユナイテッドFCは今季2020年シーズンからMリーグ3部にあたるM3リーグに参加していますが、このプルリス・ユナイテッドFCがプルリス州FAを運営しているという疑惑が浮上しています。
 プルリス・ユナイテッドFCはプルリス州を拠点にするということで、クラブのM3リーグ参加の際には、プルリス州FAの元役員らと接触を持たないようFAMが警告していましたが、効果はなかったようです。
 今季まではMリーグ1部と2部を運営するマレーシアフットボールリーグMFLの下部組織であるアマチュアフットボールリーグAFLが3部のM3リーグと4部のM4リーグを運営していましたが、来季2021年シーズンからはFAMが3部と4部リーグを運営することなり、これによりこの疑惑が発覚したようです。
 FAMでクラブライセンス審査を担当する第一審査機関FIBのフィルダウス・モハマド委員長は、「プルリスFAは現在、2年間の活動停止処分期間中であり、どのような活動も許されていない。プルリス・ユナイテッドFCがどのようにしてM3リーグに参加できたのかは定かではないが、来季開幕前までには精査を行なって、事実を明らかにしたい。」と話しています。さらにFAM主導で行われている州FAが運営するクラブの民営化に際しては、法を守らないクラブがMリーグに戻れるような抜け穴を作らないようにするとも話しています。
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 このプルリス・ユナイテッドFCは今年3月には、給料の半分しか支払わず、しかも選手の同意なしに契約解除を行ったことが報じられるなど、既に問題が発生していましたが、それをAFL、そしてMFLが放置していた結果、このような事態になった可能性もあります。

強化合宿中のU19代表は練習試合2試合を予定
 10月にウズベキスタン で開催されるアジアサッカー連盟AFC U19選手権に出場するU19代表は、大会前にMリーグクラブと2試合の練習試合を行うことが予定されていると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 第一次合宿と現在開催中の第二次合宿を合わせると既に5週間の練習を続けてきたチームは、待望の実戦練習として本日8月12日にはMリーグ1部のPJシティFCと、そして8月19日にはMリーグ2部のスランゴール2との対戦が組まれているということです。
 強い相手と練習試合を行いたいとするU19代表のブラッド・マロニー監督は、現在強化合宿が開催されているスランゴール州の両クラブを相手に、これまで練習で行ってきたことができるかどうかを確認する機会でもあり、良い腕試しになることを期待していると話しています。
 AFC U19選手権ではグループDに入るU19代表は、10月16日のグループステージ初戦でトルクメニスタンと、10月19日にはカタール、10月22日にはイエメンと対戦します。この大会では、各グループの上位2チームがベスト8としてノックアウトステージに進み、準決勝まで勝ち上がったチームは、来年2021年にインドネシアで開催されるU20W杯への出場権を獲得することができます。

パハンFAのレバノン出身選手はいまだ自国から出国できず
 Mリーグ1部パハンFAで今季からプレーするレバノン出身のDFカリル・ハミスは、Mリーグ再開の8月26日が近づく一方で、いまだに自国で足止めされていると、マレーシア語紙コスモ電子版が伝えています。
 カリル選手は、現在、レバノン政府が自国民の海外渡航を禁じていることからいまだに出国できていません。さらに出国許可が出る予定も立っていないことから、パハンFAのドラー・サレー監督は、カリル選手は今季中にチームに合流できない可能性が高いことを認めざるを得ないと話しています。新型コロナウィルスにより中断しているMリーグは、試合数が半分になっており、今季は9月末に終了する予定になっています。
 新型コロナウィルスに加え、先日、レバノンの首都のベイルートで起こった爆発事故の影響で、レバノンからの出国ははさらに難しくなっているという話もあります。
 ここにきてカリル選手との連絡も途絶えていると話すドラー監督は、同じくディフェンダーのムスリム・アーマドもケガが完治しておらず、リーグ再開に向けて頭が痛いとし、現有戦力で戦うしかないと話しています。
 リーグ中断時点で勝点6でリーグ3位のパハンFAは、8月26日のリーグ再開初戦で同じくリーグ首位のジョホール・ダルル・タジムとホームのダルル・マクムルスタジアムで対戦します。

4月23日のニュース:フェルダU主将がクラブが発表した給料削減内容に反論、国内リーグのクラブの半数が選手との給料削減についてさらに時間が必要、プルリス・ユナイテッド主将はクラブに選手の再契約を求める、給料未払い問題があればリーグへ報告を-アマチュアリーグ会長

フェルダU主将がクラブの発表に反論
 昨日のこのブログでは、マレーシアフットボールリーグ1部のフェルダ・ユナイテッドFCの選手およびスタッフが5%から20%の給料削減を受け入れたという記事を取り上げましたが、フェルダ・ユナイテッドの主将は給料削減には同意したものの、金額には同意していないようです。
 昨日の記事を報じた英字紙ニューストレイトタイムズ電子版によると、フェルダ・ユナイテッドのジャサズリン・ジャマルディン主将は、活動制限令MCOの発令期間中の選手は給料削減には同意したもののその金額については昨日の発表内容に同意していないということです。
 主将としてチームの総意を伝えたいとするジャサズリン主将は「クラブの置かれた状況は理解しており、給料削減については同意しているが、クラブも選手の状況を理解して欲しい。もともと給料が低い選手が多いので20%の削減は多すぎる。」「1万リンギ(およそ24万5000円)以上の給料をもらっている選手にとっては10%の給料削減は受け入れられるかもしれないが、それ以下の給料の選手にとっては5%程度が受け入れられる限度であり、給料削減は一律で行うべきではない。」と話しています。

国内リーグのクラブの半数が選手との給料削減についてさらに時間が必要
 国内リーグ1部と2部のおよそ半数のクラブが選手との同意にさらに時間が必要だと、英字紙スター電子版が伝えています。
 マレーシアサッカー協会FAMは昨日4月22日までに国内リーグの各クラブと選手およびスタッフとの間で給料削減について合意することを求めていましたが、およそ半数のクラブが未だ合意に達していないということです。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、クラブと選手およびスタッフとの給料削減交渉について、1部と2部の全24クラブと連絡を取り合っていることを明かし、およそ半数のクラブは両者が同意し、残りの半数は同意はしているものの詳細が確定していないと話しています。その上で、交渉が完了していないクラブには数日の猶予を与える予定であるとしています。
 なお、クラブと選手およびスタッフの間で給料削減が合意に至らない場合には、FAMが仲裁に入ることになっています。

プルリス・ユナイテッド主将はクラブに選手の再契約を求める
 数日前に国内リーグ3部のM3リーグに所属するプルリス・ユナイテッドが選手に契約解除の書類へのサインを強要しているという噂について取り上げましたが、どうもこの話は噂ではなく事実のようです。
 マレー語紙ブリタハリアンによると、プルリス・ユナイテッドのアジジ・マット・ロズ主将はクラブ経営陣に対して、半分しか支払われていない3月分の給料を全額を支払いと、契約解除の取り消しを求めているということです。
 アジジ主将は3月分の給料を全額支払う条件として、クラブ経営陣が用意した「自発的な」契約解除を認める書類に全選手がサインすることを強制され、選手は給料を受け取るためにその書類にサインせざるを得なかったと明かしています。
 さらにアジジ主将は「自分たちはクラブを愛しているので、再びこのクラブでプレーしたいと考えており、特に若い選手たちにはこのクラブに残ってもらいたい。また給料については1月から3月までの3ヶ月分の給料が半分しか支払われておらず、全額の支払いを望んでいる。選手が望んでいるのはこの給料支払いと再契約である」と話しています。

給料未払い問題があればリーグへ報告を-アマチュアリーグ会長
 国内リーグ3部のM3リーグを統括するマレーシアアマチュアフットボールリーグAFLは、給料未払い問題が発生しているクラブの選手に対して、AFLへ報告するよう求めています。
 AFLのウィラ・モハマド・ユソフ・マハディ会長は、現時点では給料未払い問題について何の報告も受けていないとした上で、セミプロリーグであるM3リーグ所属の各クラブに対し、クラブの状況を報告するように求めていると話しています。
 「給料未払い問題が発生した場合には、選手はAFLあるいはマレーシアフットボールリーグMFLに直接、不服申し立てを行って欲しい。また各クラブにはそういった状況に対してどのような対処をしているのかも報告を求める予定である。」と話すユソフ会長は「どのくらいの数のクラブが問題を抱えており、どのくらいの数の選手が影響を受けているのかを把握する必要がある。」とも話しています。
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 同じブリタハリアン電子版上でプルリス・ユナイテッドの「強制」契約解除の記事と、「問題があればリーグへ連絡をするべき」というリーグトップの発言を取り上げた記事が同居しているのを見ると、リーグは選手の権利を積極的に守る意識があるのか疑問に感じてしまいます。指導的立場にあるリーグには、選手の権利を守るために経営問題を抱えるクラブに対しては、報告を待つだけではなく積極的に介入して欲しいと思います。

4月19日のニュース:国内リーグ再開は6月あるいは7月の可能性、3部リーグで選手の同意なしに契約解除を行ったクラブの噂、マレーシアサッカーコーチ協会は給料削減に同意を表明、 6月の代表強化合宿は実施せず

国内リーグ再開は6月あるいは7月の可能性
 マレーシアフットボールリーグMFLは、リーグ再開について慎重な態度で臨んでいると、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 インドネシアは5月29日までのリーグ中断と7月1日のリーグ再開を、タイは9月からのリーグ再開をそれぞれ発表していますが、マレーシアの国内リーグを運営するMFLはリーグ再開の時期について何も発表していません。
 これについてMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、MFLは現在発令中の活動制限令解除後のリーグ再開については、マレーシア政府の保健省からの指針が出るのを待っている状況であると説明しています。さらに現在、中断中のリーグについては6月あるいは7月に再開する計画があるとしながらも、活動制限令が(現時点で予定されている)4月28日に解除されれば、リーグ再開の時期が早まる可能性があるとも話しています。
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 スタジアムアストロの別の記事では、国内リーグの再開は保健省からの指針に基づいて国家安全委員会が決定するとされており、実際のところ、MFL自体にはその時期を決定する権利はないようです。

3部リーグで選手の同意なしに契約解除を行ったクラブの噂
 今季2020年シーズンからマレーシアフットボールリーグMFL3部のM3リーグでプレーするプルリス・ユナイテッドは、マレーシア最北端にあるプルリス州カンガーに本拠地を持つクラブですが、マレー語紙ハリアンメトロ電子版では、クラブが所属選手との契約を強制的に解除し、それを拒否した選手には給料支払いを行わないと脅されているという噂があることを報じています。
 記事によると、プルリス・ユナイテッドは、選手への事前通告を行わずに契約を解除した上、選手に対しては自主的に契約解除に応じたとする書類にサインするように求めているということです。
 新型コロナウィルスの影響でM3リーグは3月15日の第2節終了後に中断していますが、プルリス・ユナイテッドの選手たちは4月分の給料が払われないことは問題にしていないとする一方で、クラブのフロントは契約解除を了承するという書類にサインしない選手には3月分の給料も支払わないとしており、選手たちはサインせざるを得ない状況に追い込まれているということです。
 またプルリス・ユナイテッドのフロントは選手たちがサインした契約解除承認の書類をマレーシアサッカー協会FAMとM3リーグを統括するマレーシアアマチュアフットボールリーグAFLに提出して、選手たちが自主的にクラブを離れたことにしようとしているということです。
 ハリアンメトロの記事は、FAMとAFLに実際の状況を調査し、この噂が事実かどうかを確認するべきとしています。
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 プルリス州サッカー協会PFAは、昨季2019年に運営していたMFL2部のプルリスFAが悪質な給料未払いがあったとして、クラブはMFLから出場停止を受け、未払い給料を完済するまで国内でのあらゆるサッカー活動に関わることが禁止されています。このため、FAMはプルリス州を拠点とする全てのクラブに対して、かつてのPFA関係者をクラブのフロントやスタッフとして雇用しないよう通達を出しています。この記事では、PFAとプルリス・ユナイテッドの関連性については何も書かれていませんが、この記事に書かれたことが事実であれば、ずさんな経営で失職した元PFA関係者の関与も考えられるかも知れません。

マレーシアサッカーコーチ協会は給料削減に同意を表明
 ブリタハリアン電子版では、マレーシアサッカーコーチ協会PJBMが各クラブに対し、給料削減に同意をする一方で、過度な削減への反対と各クラブの監督による同意の上での給料削減実施を求めていると伝えています。
 スランゴールFCの監督でもあるPJBMのサティアナタン・バスカラン会長は、各クラブの監督、コーチは給料削減に応じる用意があるとしながらも、クラブ側と監督、コーチのいずれにとっても納得できる条件のもとで行われるべきと話しています。
 「PJBMはクラブが給料削減についての交渉を行うことに同意するが、削減については給料の額に応じて行うこと、またクラブと監督、コーチとの同意に基づいて行うことを求める」と話すサティアナタンPJBM会長は、給料削減を行った後に給料の遅配が起こらないようにすることも求めています。

6月の代表強化合宿は実施せず
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、6月に予定されていた代表強化合宿が行われない見通しであるとしています。
 今年6月1日から9日までは国際サッカー連盟FIFAが設定するインターナショナルウィンドウ期間でしたが、FIFAは既に6月中の公式戦を全て延期することを発表しているだけでなく、各クラブが6月中の代表チーム招集に応じる必要はないこと、またこの期間中に代表に招集された選手は、クラブを優先して招集を拒否することも許されています。マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は予定されていたマレーシア代表強化合宿は実施しないだろうと話しており、現在中断中の国内リーグが再開となれば、国内リーグ日程として使われる可能性があるとしています。
 ラマリンガム事務局長は、現在、FAMは国内リーグを主催するマレーシアフットボールリーグMFLが再開後の日程について話し合いを続けている一方で、アジアサッカー連盟AFC加盟国も国際試合を行う予定がないとして、新型コロナウィルス感染拡大が鎮静化し、リーグが再開できれば、国内リーグ開催を優先したいと話しています。