5月8日のニュース:JDTは鹿島アントラーズを完封でACL初勝利!、PJシティFCが新たな外国人選手と契約

JDTは鹿島アントラーズを完封でACL初勝利!
今、試合が終わりました!アジアサッカー連盟AFCチャンピオンリーグACLで、ホームに昨年のACLチャンピオン鹿島アントラーズを迎えたジョホール・ダルル・タクジムJDTが、69分にシャフィク・アーマドが挙げた1点を守りきり、ACL初勝利を挙げています。
 通算成績は5試合を終えて1勝1分3敗の勝点4と最下位ですが、ACL初出場のJDTにとっては歴史的な勝利と言えます。試合会場は「ジョホールバルの歓喜」で知られる1997年11月16日に日本代表がイラン代表を破ってFIFAワールドカップ本戦初出場を決めたあのラーキンスタジアムで、今回は地元JDTにとっての「ジョホールバルの歓喜」となりました。ちなみに私はこの試合を現地で見ています。(ちょっと自慢です。)
 ただこの試合で悔いが残るのは、試合終盤に時間稼ぎでサファウイ・ラシドがイエローカードをもらってしまったこと。イエローカード積算の結果、グループリーグ突破の可能性が残る最終節のアウェイの慶南FCに出場できなくなってしまいました。個人的には現在、マレーシアでのベストプレイヤーと思っているサファウイ選手の出場停止はJDTには大きな痛手となります。

PJシティFCが新たな外国人選手と契約
マレーシアフットボールリーグMFLの1部スーパーリーグで9位に低迷するプタリン・ジャヤ(PJ)シティFCが、新たな外国人選手と契約したと、当地の英字紙スターのオンライン版が報じています。
 K・デヴァン監督自らが選んだと言う新外国人選手は東チモール出身のFWペドロ・エンリケ・コルテスとブラジル出身のFWワシントン・ブランダオの二人です。この他にシーズン当初はプルリスFA(今シーズン途中で2部プレミアリーグ除名処分)と契約していたDFナスリク・バハロムも5月2日から始まっているトランスファーウインドウ期間中に新たにPJシティFCと契約しています。
 ペドロ選手は、2018年にはタイリーグ2部のサムット・サーコンFCでプレーしましたが、2015年にはPKNS FCでのプレー経験もあり、その際には13試合で8ゴールを決めています。
 一方のワシントン選手は、昨シーズンはインドネシアリーグ1部のプルセラ・ラモンガンでプレーし、それ以前はブラジルのほか、デンマークでもプレー経験があります。
 またナスリク選手は2009年にはスランゴールFAでFAカップ優勝に貢献するなど経験豊富なDFです。
 ペドロ選手とワシントン選手は、5月4日に行われたMFL第12節のパハンFA戦に既に出場しており、リーグ2位のパハンFAに対して2−0の勝利に貢献しています。なおペドロ選手はゴールも決めています。
 今シーズン、スーパーリーグに昇格したPJシティFCは、第12節終了時点で3勝2分7敗で9位となっていますが、7敗のうち5敗は1点差負け、4敗は完封負けと得点力不足に悩まされており、ペドロ選手はDFジョシュア・グロムメン選手(フィリピン)と、ワシントン選手はFWペドロ・エンリケ・アルメイダ選手(ブラジル)に代わって登録されています。
 今回の選手獲得について、K・ディヴァン監督はジョシュア選手については攻撃陣を強化するために放出せざるを得なくなったとし、アルメイダ選手については、回復に時間がかかる足の怪我が理由で放出することになったとしています。

5月7日のニュース:スランゴールFAは新外国人を獲得、JDTはホームで鹿島アントラーズと再戦

スランゴールFAは新外国人を獲得
今年2度目のトランスファーウインドウ期間は5月29日までですが、マラッカ・ユナイテッドに続き、スランゴールFAも新外国人としてナイジェリア出身FWのイフェダヨ・オルセグンを獲得したことを、当地の英字紙スターのオンライン版が伝えています。
 2017年にはフェルダ・ユナイテッドで17試合に出場し9ゴールを、昨シーズンはマラッカ・ユナイテッドで15試合に出場して14ゴールを決めているオルグセン選手について、スランゴールFAのサティアナタン監督は、ケガで離脱中のエンドリック・サントスとルフィノ・セゴビアに代わって、マレーシアフットボールリーグMFL残り10試合でチームを助けて欲しい、と述べています。
 サティアナタン監督は自身がフェルダ・ユナイテッドの監督を務めていた際の選手でもあったオルセグン選手のMFLでの経験にも期待しているとしています。

JDTはACLで鹿島アントラーズと再戦
ジョホール・ダルル・タクジムJDTは、5月8日(水)に鹿島アントラーズをホームに迎えて、アジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLグループEの第5節の試合を行います。
 ACL初出場のJDTは、第1節では昨年のACLチャンピオン鹿島と3月5日に鹿島のホームで対戦し、1−2で敗れています。その後のACLでのJDTは、慶南FC(韓国)とホームで引き分けた以外は、山東魯能にホームとアウェイで敗れ、通算成績が0勝1分3敗の勝ち点1と苦しい試合が続いています。
 しかも今週の月曜日からムスリム(イスラム教徒)は断食月に入っており、JDTのムスリム主力選手たちは体調管理も難しくなっています。
 そんなJDTにとっての朗報は、5月4日のMFL第12節ではベンチ入りすらしていなかったブラジル人センターバックのマウリシオ・ナシメントが出場可能であることでしょう。記者会見でモラ監督はマウリシオ選手を含めたベストメンバーで、ACL初勝利を目指すとしています。
(写真は試合前のプレスコンファレンスに出席した鹿島アントラーズの遠藤康主将、大岩剛監督とJDTのベンヤミン・モラ監督とハリス・ハルン主将(写真左から、JDTのFACEBOOKより)

4月9日のニュース:JDTはACL3戦目で山東魯能と対戦

JDTはACL3戦目で山東魯能と対戦
マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグ昨シーズンの優勝チームであるジョホール・ダルル・タクジム(JDT)は、アジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLグループEの第3戦に臨み、アウェイで山東魯能(シャンドン・ルーネン)に1−2で敗れました。

 ここまでアウェイの鹿島アントラーズ戦に1−2で敗れ、ホームの慶南FC戦を1−1と引き分けたJDTは、ベンジャミン・モラ ヘッドコーチががマレーシアのクアラルンプールで行われている10日間のAFCプロコーチング・ディプロマ取得クラスに出席中で、代行としてホルヘ・アルバレス フィットネスコーチが指揮を取りました。
 対戦する山東魯能は、ここまで初戦の慶南FC戦、第2戦の鹿島アントラーズ戦をともに2−2と引き分けています。
 山東魯能の1点目は30分のコーナーキックからでした。JDTのDFコーヴィン・オングのマークをかわしながら(と言うよりも引きづりながら)山東魯能MFマルアン・フェライニがヘディングシュートを決めました。元ベルギー代表のフェライニ選手は、2018年FIFAワールドカップの日本対ベルギー戦で、ベルギーが同点に追いつく2点目のゴールをヘディングで決めたあのアフロヘアーの選手です。
 山東魯能の2点目は39分のPKでした。山東魯能FWグラツィアーノ・ペッレがロングボールに反応したところ、ペナルティーエリア内でJDTのDFアイディル・ザフアン・アブドル・ラザクに倒されてPKを獲得しました。ペッリ選手は自分でPKを蹴り込み、山東魯能がリードを2点に広げました。JDTのGKファリザル・マーリアスはコースを読んで反応したのですが、わずかに及びませんでした。
 JDTは59分に、MFサファウィ・ラシドが相手選手と競り合いながらも、右サイドから得意の左足を一閃。ボールは綺麗なカーブを描きながら左のトップコーナーに吸い込まれる美しいゴールを決め、1点を返しました。
 JDTが1点を返した後は、山東魯能はやや引き気味になり、JDTのボール保持率は明らかに上がりましたが、ゴール前まではなかなか運べない状況が続きました。それでも90分を超え、アディショナルタイムに入ったところでJDTは相手ペナルティエリアのすぐ外でPKを獲得しました。同点のチャンスでMFゴンザロ・カブレラが蹴ったボールはゴールポスト直撃でゴールならず。試合はそのまま終了しました。
 AFCによるこの試合のゲームスタッツはこちら、マッチレポートはこちらです。 

ACLグループEは第3節を終了し、以下の順位となっています。
1 鹿島アントラーズ 2勝1分0敗 勝点7
2 山東魯能     1勝2分0敗 勝点5 
3 慶南FC 0勝2分1敗 勝点2
4 JDT 0勝1分2敗 勝点1

ACLグループEの第4節は4月24日に予定されており、JDTはホームに山東魯能を迎え、鹿島アントラーズがホームに慶南FCを迎えます。

3月23日のニュース:AFC U23選手権予選が開幕、マレーシアが初戦勝利でスタート

AFC U23選手権予選が開幕、マレーシアは初戦勝利でスタート
来年、バンコクで開催されるアジアサッカー連盟AFC U23選手権予選が、各地で開幕しました。グループJの開催国マレーシアは、中国、フィリピン、ラオスと同組で、初戦はフィリピンとスランゴール州のシャー・アラムスタジアムで対戦しました。
 試合は開始早々の4分にフル代表の経験もあるトリオで先制します。サファウイ・ラシドからシャミ・サファリとつないだボールをアキヤ・ラシド(JDT)がゴシュート!これがゴールとなり、マレーシアが先制します。さらに35分にもアキヤ・ラシドが得点し、マレーシアはリードを広げました。
 観戦記にも書きましたが、マレーシアは後半に入っても、これでもかというくらいもチャンスを作ります。引き気味に守るフィリピン守備陣の前までは簡単にボールを運ぶものの、その守備陣を突破してもゴールの枠内へのシュートまで至らず、追加点を奪えませんでした。
 オン・キムスイ監督は、何度もチャンスを無駄にしていたハディ・ファイヤッド(ファジアーノ岡山)に代えて、ファイサル・ハリム(パハンFA)を投入。数日前のオーストラリアU23代表戦では、投入されるとすぐに効果を発揮したファイサル選手もこの試合では、クロスバーにシュートを当てるなどチャンスを活かしきれませんでしたが、それでも82分にGKとディフェンダーをかわしてシュート!これが決まりマレーシアのリードは3点となりました。
 試合はこのまま終了しましたが、ファイサル選手の3点目について、チームメートが倒れているのを見てフィリピンGKが蹴り出したボールを、マレーシアがスローインから一気にシュートまで持ち込んだことに対して、フィリピンGKを始め選手たちが主審に抗議をしましたが、判定が覆ることはありませんでした。
 この前の試合では中国がラオスに5−0と快勝していたため、マレーシアもできるだけ多くの点を取って、グループ内順位が得失点差勝負になった場合に備えておきたかったですが、シュート数24、そのうち枠内が11もあったにもかかわらず3点では、攻撃陣の責任です。

マレーシアU23代表先発メンバー
1. ハジック・ナジル (GK)、3. ドミニク・タン、14. シャマー・クティ・アバ、8. シャルル・ニザム・ロス・ハスニ、20. シャミ・サファリ、16. ダニエル・アミエル・ノーヒシャム、21. ニック・アキフ・シャヒラン・ニック・マット、13. R・ダニエル、10.サファウイ・ラシド (キャプテン)、9. ハディ・ファイヤッド、19. アキヤ・ラシド
フィリピンU23代表先発メンバー
1. マイケル・アソン (GK)、 6. ジェローム・マルザン、 7. ディミトリ・ライオネル・リンボ (キャプテン)、10. ディラン・デ・ブリュカー、 12. ジョゼ・ミゲル・クラリーノ、13. レイ・シャンチアゴ、Ray 15. ローレンス・ローレン・バグイオ、17. カイル・マグダット、19. ダニエル・サアヴェドラ、21. ウィリアム・グリアソン、22. ジョーダン・ジャーヴィス

3月13日のニュース:JDTのACL2試合目は慶南FCとホームで引き分け、スランゴールFAの監督が外国人偏重報道に苦言

JDTのACL2試合目は慶南FCとホームで引き分け
アジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLは、JDTがホームに慶南FCを迎えて第2節が行われ、ACL初出場のJDTが同じくACL初出場となる慶南FCと1-1で引き分け、ACLで初の勝点1を獲得しました。
 ACL初のホームでの試合となったJDTは前半から積極的に攻めますが、慶南GKのリ・バムスーの好守もあり、両チーム無得点で前半を折り返します。試合が動いたのは52分、MFリ・ヨンジェのコーナーキックをDFクァク・テフィがJDT守備陣のマークを外しヘディングでゴール!しかし、JDTも63分にゴールエリア内で慶南DFソン・ジュフンが犯したハンドで得たPKをジオゴが決めて同点に追いつきます。そこから怒涛の攻撃を続けますが、サファウイ・ラシドがGKと1対1のチャンスで止められたり、シュートが何度もゴールポストに阻まれるなど好機を生かせず、こちらの新聞でもfrustrating「欲求不満の」と形容詞が付くほど惜しい引き分けで終わりました。
 またこの試合は、当初スタメンが発表されていたJDTの不動の守護神で、マレーシダ代表でもゴールを守るファリザル・マーリアスが試合前のウォーミングアップ中にケガをし、今シーズンのマレーシアフットボールリーグMFLでも出場経験のない控えGKのイザム・タルミジと急遽交代するハプニングもありましたが、そんなアクシデントを感じさせない堂々としたプレーも印象的でした。
 総シュート数を比べてもJDTの21本に対して慶南FCは6本(うちゴール枠内へはそれぞれ7本と2本)と、昨年のKリーグ2位のチームに対して一歩も引かないどころか、堂々とした戦いぶりで、今後、ホームで行われる山東魯能戦(4月24日)や鹿島アントラーズ戦(5月8日)では、勝点3を獲得できるのでは、と期待を持たせてくれるような試合でした。

JDT Southern Tigers のFacebookより

スランゴールFAの監督が外国人偏重報道に苦言
MFL第6節にKLFAを破って今シーズン初勝利をあげたスランゴールFA。このKLFA戦の前に、B・サティナタン監督がメディアの外国人監督偏重に苦言を呈していたと、当地のマレーシア語紙ウトゥサン・マレーシアのオンライン版が伝えています。
 「今日(3月10日のKLFFA戦)の試合で、スランゴールFAが負ければ、前JDT監督のマリオ・ゴメスと交代か、と報道するだろうが、その老人がインドネシアでどうなったか、メディアはチェックしているのか」(筆者注−60歳のサティナタン監督より2歳年上のマリオ・ゴメス前JDT監督は、2018年にインドネシアリーグ1部リガ1のプルシブ・バンドンと2年契約を結びましたが、1年目が4位に終わったことで契約途中で解雇されています。)
 「なぜマレーシア人監督でなく外国人監督と交代するような報道ばかりするのか。」「悪口を言うわけではないが、なぜマリオ・ゴメスや(現マレーシアU19代表監督の)ボジャン・ホダック、(前クダFA監督の)ラモン・マルコテの話ばかりなのか。」
 そして最後には「JDT以外では、スランゴールFAとペラTBGでタイトルを取った(現ペラTB監督の)メメット・デュラコヴィッチだけではないか」と話すなど、自信の首が危ういプレッシャ−からか、外国人監督偏重報道に対する不満をぶちまけたようです。

3月12日のニュース:ユスリ監督がKLFAの監督を辞任、JDTのACL第2戦はホームで慶南FC戦

ユスリ監督がKLFAの監督を辞任
マレーシアフットボールリーグMFLで唯一勝ち星がなく、開幕から泥沼の5連敗で最下位に沈む1部スーパーリーグ所属のKLFAのユスリ・チェ・ラー監督が辞任しました。今シーズン苅部隆太郎選手が加わったKLFAはMFL第6節を終えて得点4、失点13と攻守ともに精彩を欠いています。
 昨シーズンはケランタンFAの監督を務め、今シーズンKLFAの監督に就任したユスリ監督は、これまでも外国人選手の獲得や出場選手決定に自分の意志が反映されていないことを明言しており、過去2シーズンのKLFAのリーグ戦だけで40ゴール、カップ戦も合わせれば55ゴールをあげているFWギリェルメ・デ・パウラが開幕戦以降、ケガからの回復を遅れを理由にベンチ入りしていないのも、ユスリ監督との確執があるといった噂もあります。実際に辞任会見でも、ユスリ監督は外国人選手との関係について言及しています。
 今シーズンのMFL監督交代第1号となったユスリ監督は、クラブを運営するKLサッカー協会や一部サポーターからの圧力ではなく、あくまでも自らの意思で辞任すると述べており、KLFAのノクマン・ムスタファ事務局長は、ユスリ前監督の後任としてチョン・イーファットアシスタントコーチを暫定監督に任命し、次のトランスファーウインドウが開く5月2日から29日の期間中に新たな選手の獲得を行うとしています。なおMFLはFIFAカレンダー期間中のエアマリンカップ開催のため、2週間試合がありませんので、KLFAはこの期間中を利用して、まずは選手のモラルも含めた立て直しが急務でしょう。

Terima Kasih「ありがとう」とユスリ監督に謝辞を伝えるKLFAのフェイスブック

JDTのACL第2戦はホームで慶南FC戦
アジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLデビュー戦で鹿島アントラーズに惜敗したJDTは、今日、ホームに韓国の慶南FCを迎えてACL第2戦を戦います。
 試合前の記者会見でJDTのベンジャミン・モラ監督は、鹿島戦の様にプレーできれば、ホームのファンの前で良い試合を見せられるだろうとしながらも、2月2日に行われた開幕戦、ペラTBGとのサンバンシーカップでケガをして以来、スーパーリーグに出場していないナチョ・インサが今日の試合に出場できるよう、本人、医療チームと話し合いを続けているとも述べています。欧州サッカー連盟UEFAチャンピオンズリーグ出場経験もあり、昨シーズンもレギュラーとして活躍したインサ選手が戻ることで、攻撃陣に比べると不安の残る守備陣が締まることも期待できます。
 一方の慶南FCのキム・ジョンブ監督は、2017年にはUITM FCで、2018年にはトレンガヌFCとケランタンFAでプレーした経験のあるFWド・ドンヒュンから、JDTの情報は得ていると記者会見で話すなど自信を見せています。(写真は左からJDTのベンジャミン・モラ監督、慶南FCのキム監督、両チームのキャプテンと監督)

3月5日のニュース(2):JDTのACLデビュー戦は鹿島に敗戦

JDTのACLデビュー戦は鹿島に敗戦
本日、カシマスタジアムで行われたアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLでACLデビューとなったジョホール・ダルル・タクジムJDTは、鹿島アントラーズに2−1と破れました
 開始早々の3分、マレーシア代表のGKでもあるファリザル・マーリアスがゴールエリア内にも見えた微妙なところで鹿島のFW金森健志を倒してしまうミスもPKとならず命拾いをしたJDTでしたが、同じファリザル選手が14分にはゴールエリア内で手痛いミスを犯してしまいます。鹿島のFW山口一真のシュートを防いだところまでは良かったのですが、そのこぼれ球に詰めていたMFセルジーニョを倒してPKを与えてしまいます。倒されたセルジーニョ選手が自らPKを蹴るも、ファリザル選手がこれを止めてピンチを凌ぎました。このプレー以降、JDTの選手に自信が出てきたのか動きが徐々に良くなり始めました。このまま前半を0−0で折り返せるかと思った43分、左サイドからMF平戸太貴が蹴ったクロスがそのまま誰に触れることもなく直接ゴールインして鹿島が先制しました。
 後半に入ると、俄然動きの良くなった鹿島は56分には、JDTのDFラヴェル・コービン=オングの不用意なパスを奪ったセルジーニョ選手がゴールエリアの外から美しいロングシュートを決めて鹿島が2−0とリードを広げました。ファリザル選手が何もできない、文字通りトップコーナーに突き刺さる素晴らしいシュートでした。
 JDTは79分に19歳のMFアクヤ・ラシッドを投入すると、早速、このアクヤ選手が右サイドでPKを獲得。MFナズミ・ファイズのPKをJDTキャプテンのMFハリス・ハルンがゴール前へ、これを胸でトラップしたFWジオゴがシュートを決めて、JDTがACL初得点!しかし最後はアクヤ選手のシュートがゴールを外れ、試合終了。中継では気温9℃と言っていましたが、現在、熱波に見舞われているマレーシアは気温が40℃近くあり、気温差30℃での試合も言わばACLの洗礼と言えるでしょうか。なおJリーグのマッチレポートはこちら、AFCのマッチレポート(英語)はこちらです。
 ACLデビュー戦としては、JDTは健闘しましたが、MFLでは許されるミスが致命的になるのがACLであることを実感できた試合だったのではないでしょうか。JDTは1週間後の3月12日に慶南FCをホームに迎えて、ACL第2戦を戦います。(写真はすべてJDTのFacebookより。JDTオーナーのジョホール州皇太子、TMJことトゥンク・イスマイル殿下は自家用機で日本へ行ったようですね。)
<3月6日追記と訂正>
報道によると、下の写真にあるトゥンク・イスマイル殿下の自家用機が向かった先は、ACL観戦ではなく、JDTとユベントスとの提携についての会談が行われるイタリアだったようです。今年が最後という噂もあったTMJでしたが、今後もマレーシアサッカー発展のために尽力していただけそうです。

3月5日のニュース(1):JDTは鹿島と本日対戦!

JDTは鹿島と本日対戦!
ジョホール・ダルル・タクジムJDTは、本日3月5日午後6時(マレーシア時間)より、カシマスタジアムでのAFCチャンピオンズリーグACL鹿島アントラーズ戦に臨みます。マレーシアのクラブとしては初となるACL本戦出場を果たしたJDTは、マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグを5連覇中で、マレーシアではNo. 1のクラブです。
 JDTが属するグループDには、昨シーズンのACLチャンピオン鹿島の他に国内リーグ3位の山東魯能(中国)、Kリーグ2位の慶南FC(韓国)がいる厳しいグループですが、昨シーズンのタイ1部リーグの得点王ジオゴをブリーラム・ユナイテッドから獲得するなど、このACLに向けて攻撃陣の補強はできているJDT。その一方で国内リーグでは開幕からの5試合で4勝1分0敗と好調なものの、完封勝ちは1度と守備陣には不安が残ります。特に3月1日に行われたMFL第5節のスランゴールFA戦では今シーズンここまでフル出場してきたDFモハマド・アズリフ・ナスルルハクとDFマウリシオがケガのため途中交代しており、彼らの回復状況が気になります。
 なお試合前の記者会見の映像をJDTがFacebookにアップしています。インタビューに答えているのはJDTのキャプテンでシンガポール代表のハリス・ハルン(写真下右)とメキシコ人コーチのベンジャミン・モラ(写真下左)です。

3月4日のニュース:JDTはACL鹿島戦に向け日本へ出発、不振のスランゴールFAには監督交代の噂

JDTはACL鹿島戦に向け日本へ出発
明日3月5日の午後6時(マレーシア時間)に行われるアセアンサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACL、鹿島アントラーズ戦に向けて、JDTが日本へ向かいました。(JDTのFacebookに掲載された移動の様子はこちら
 現在のマレーシアフットボールリーグMFLでは1部スーパーリーグを5連覇中で、2015年にはAFCカップ優勝経験もある、マレーシアでダントツの力を持つJDTが昨年のアジア王者とどのような試合をしてくれるのか楽しみです。

鹿島アントラーズ戦を告知するJDTのFacebook

不振のスランゴールFAには監督交代の噂
第5節を終わって0勝3分2敗、勝点3の8位に低迷する名門スランゴールFA。スランゴールFA(クラブ)を運営するスランゴール州サッカー連盟は、B・サティアナタン監督を支持し、続投を明言していますが、ソーシャルメディア上では、早くもサティアナタン監督が更迭された後の後任探しが始まっています。かつてはケランタンFAとJDTでリーグ戦優勝の経験もあるボジャン・ホダックもその候補の一人ですが、2017年からマレーシアU19代表を指揮するホダック監督のもと、2018年にはアセアンサッカー連盟AFFのU19選手権で優勝するなど、マレーシアサッカー協会FAMが手放しそうになく、またホダック監督自身も現在の職務を途中で投げ出すつもりはないとしています。また2015年、2016年とJDTをスーパーリーグ連覇に導きながら、当時のFAM会長だったTMJことトゥンク・イスマイル殿下の逆鱗に触れ、決まっていたマレーシア代表監督の職を解かれたマリオ・ゴメス元JDT監督、2018年のシーズンでクダFAを率いたラモン・マルコテ元クダFA監督の名前が上がっています。