7月4日のニュース:FAカップの審判はマレーシア人を採用か、トレンガヌFCの新外国人選手問題

FAカップの審判はマレーシア人を採用か
ペラTBGとクダFAが対戦するマレーシア FAカップ決勝について、外国人の主審が担当するのではと言う噂が出ていましたが、この試合を主催するマレーシアフットボールリーグMFLのホームページ上で、MFLのモハマド・シャズリ・シャイク・モハマドCOO(最高執行責任者)が決勝の主審はマレーシア人となると発表しています。
 FAカップの主審が外国人になるのではないか、という噂が出ていた背景には、マレーシアのもう一つのカップ戦*マレーシアカップの2018年決勝を担当したマレーシア人審判の判定が物議を醸し出し、決勝で対戦したトレンガヌFCとペラTBG両チームの監督、選手、サポーターそしてマレーシアサッカー協会の当時の会長トゥンク・イスマイルジョホール州皇太子までから試合をコントロールできなかったとして非難されると言う一件があります。
 しかしその一方で、マレーシアサッカー協会FAMのモハマド・ダリ・ワヒド審判委員長が、FAカップ決勝のマレーシア人主審採用の件は最終決定ではない、と発言しており、外国人主審採用の可能性がなくなったわけではありません。
*マレーシアカップは、天皇杯と同じ1921年から開催されているマレーシアはもとより、アジアでも由緒あるカップ戦。回数で言えば日本軍政による当時の英領マラヤ占領時の1942年から1947年の間のみ中断されただけなので、天皇杯よりも回数を重ねています。

トレンガヌFCの新外国人選手問題
トレンガヌFCは、5月29日に終了した今年2回目のトランスファーウィンドウ期間に、モンテネグロ出身のDFイゴール・ゾンジッチに替えて期限付き移籍で獲得したブラジル人DFルイス・グスタフォ・カミロの国際移籍証明書ITCが発行されなかったとして、特別措置として既にITCを保持している選手の入団許可をMFLに対して求めている、とトレンガヌFCを運営するトレンガヌ州サッカー協会PBNTのホームページで発表しています。
 PBNTのホームページによると、ルイス選手が所属しているフェロヴィアリアFC(ブラジル)との間で期限付き移籍交渉は合意できていたものの、ITC発手続きに必要な書類の不備によって、「30秒」締め切りに遅れてしまいITCが取得できなかったとしています。
 このわざわざ書かれた「30秒」と言う表現に対して、マレーシア人らしい言い訳だなと思わず苦笑してしまいました。「1秒でも30秒でも期限切れは期限切れ」と考える日本人からすれば、「マレーシアなら30秒は遅れのうちに入らないから、世界もそれを認めてくれてもいいのに」といったような考えを持つ人には遭遇することは珍しくないので、わざわざホームページ上に書いて共感を求めたのでしょう。
 なおPBNTのホームページでは、今年2回目のトランスファーウィンドウ期間中にカンボジア出身のDFチエリー・チャンタ・ビンも他の選手と入れ替えることを計画したものの、チャンタ・ビン選手の代わりに獲得予定だったタイ出身のサンサーン・リムワッタナ(タイ1部リーグポートFC、現在はアユタヤ・ユナイテッドに移籍)については、当初合意していた移籍金を上回る金額をポートFC側が要求したため破談になったことも合わせて書かれています。
 またゾンジッチ選手退団により外国人枠が一つ空いたトレンガヌFCは、MFL2部に所属するBチームのトレンガヌFC IIからコートジボアール出身のMFデルチ・マルセルを昇格させて、急場をしのいでいましたが、このマルセル選手は第17節のペラTBG戦で退場になっています。

7月1日から3日のニュース:FAカップの決勝はクダFA対ペラTBG、オーストラリアとインドネシアもWC共催を検討、U19代表監督交代は吉と出るか凶と出るか。

FAカップの決勝はクダFA対ペラTBG
6月29日(土)と6月30日(日)の両日に行われたマレーシア FAカップ準決勝の第2戦は以下の結果となりました。(左側のチームがホーム、カッコ内は第1戦と第2戦の通算成績)
ペラTBG3-0パハンFA(4-3)
得点者:ペラTBG-ブレンダン・ガン(35分)、パルティバン・ジャネセカラン(42分)、ファイサル・ロスリ(44分OG)
 ホームゲームとなった6月22日の第1戦を3-1と勝利したパハンFAは、この準決勝第2戦に備え、6月25日に行われたマレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグのスランゴールFA戦には主力の一部を休ませる布陣で臨みました。(結果はスランゴールFAに2-5で惨敗)そこまで準備周到に用意したドラー・サレー監督でしたが、その策略は功を奏さず、FAカップ連覇もかかっていたパハンFAは準決勝敗退となりました。
フェルダ・ユナイテッド3-2クダFA(3-3)
得点者:フェルダ・ユナイテッド-チアゴ・ジュニオール(65分)、チャントゥル・スピア(72分)、ハディン・アズマン(90分)、クダFA-フェナンド・ロドリゲズ(26分PK)、ファルハン・ロスラン(38分)
 スーパーリーグでは最下位のフェルダ・ユナイテッドですが、チームの愛称「ファイターズ」の名に恥じない奮闘を見せ、第1戦と第2戦の通算成績を3-3としたものの、アウェイゴールルールでクダFAが勝ち抜けました。
 フェルダ・ユナイテッドの渡邉将基選手はスタメンでフル出場、池田圭選手は途中出場となっています。
 この結果、7月27日にクアラ・ルンプールのブキ・ジャリルスタジアムで行われるマレーシアFAカップの決勝は、2004年以来3度目の優勝を目指すペラTBGと、2年ぶり5度目の優勝を目指すクダFAの対戦となりました。

オーストラリアとインドネシアもWC共催を検討
6月23日に閉幕した東南アジア諸国連合ASEANの首脳会談サミットの際に、タイのプラユット・チャンオチャ首相が国際サッカー連盟FIFAワールドカップの2034年大会の立候補をアセアン各国と合同で行うことを表明しましたが、そのASEANにも加盟しているインドネシアが隣国オーストラリアと2034年ワールドカップ共催を検討しているとAFP通信が伝えています。
 記事の中でインドネシアサッカー協会のスポークスマンは、当初はタイとの共催を模索したものの話がまとまらなかったため、オーストラリアとの共催を検討したとし、既に両サッカー協会は具体的な話し合いを始めているし、また両サッカー協会は2021年のFIFA U20ワールドカップの共催も検討しているとしています。アセアンによる共催の検討が発表されたわずか数日後のこの発表について、オーストラリアサッカー協会からはコメントが取れていないようですが、インドネシアサッカー協会はアセアン10カ国による共催とオーストラリアとの共催を天秤にかけているのでしょうか。
 アセアン10カ国による共催については、マレーシアサッカー協会FAMのダト・ハミディン・モハマド・アミン会長も実現が難しいとし、現実的には3から4カ国による共催案がより現実的ではないかと述べています。

U19代表監督交代は吉と出るか凶と出るか
英字紙ニューストレイトタイムズの電子版が、FAMがボジャン・ホダックU19代表監督との契約の更新を行わなかったことを懸念する記事を掲載しています。
 昨年2018年のアセアンサッカー連盟AFFU19選手権で初優勝、さらにアジアサッカー連盟AFCU19選手権本戦に12年ぶりの出場を果たすなど、FAMが求めた結果を全て残してきたホダック元監督の契約更新が行われなかった理由は謎のままですが、歯に衣着せぬ言動でFAMと衝突することも度々あったことから、その辺りが理由ではないかとしています。
 後任にはオーストラリア出身のブラッド・マロニーU23代表コーチが監督代行に指名されています。マロニー監督代行はU23代表のコーチとしてオン・キムスイU23代表監督を支えながら、U19代表の監督代行を務めることになっています。U19代表は8月5日から18日までベトナムで行われるAFF U19選手権には連覇がかかり、11月5日から18日までカンボジアで行われるAFCU19選手権予選が控えている一方、U23代表は12月にフィリピンで行われる東南アジア競技大会(オリンピックの東南アジア版)に参加します。これらの大会で好成績を残せない場合、ホダック監督を「解任」したFAMに対するファンの信頼が失われる可能性があります。

MFL第18節の結果まとめ

マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグは6月25日(火)と26日(水)に開催された今節第18節を含め、残りは5節。2位のパハンFAに勝点差13をつけて首位を快走するジョホール・ダルル・タクジムJDTの優勝は時間の問題で、むしろ注目されるのは2部プレミアリーグへの降格をめぐる激しい争いです。
 また開幕当初の12チームからプルリスFAが出場停止になり、11チームとなった2部プレミアリーグの昇格争いは、1部スーパーリーグに所属するJDTとトレンガヌFCのフィーダークラブ(Bチーム)であるJDT IIとトレンガヌFC IIに昇格権がないため、この2チームの順位次第では、リーグ3位や4位のチームでも1部昇格のチャンスはあります。

MFL1部スーパーリーグ

フェルダ・ユナイテッド2-3ペラTBG
得点者:フェルダ・ユナイテッド-ハディン・アズマン(81分)、池田圭(83分)、ペラTBG-ロナウド(22分)、パルティバン・ジャネセカラン(34分)、カレッカ(53分)
 この試合の敗戦でフェルダ・ユナイテッドは最下位のままですが、試合数はともに勝点14の10位のKLFA、11位のPKNP FCより1試合少なく、またこの両チームとの直接対決も残しているだけに、MFL1部スーパーリーグ残留の可能性も残っています。
 一方のペラTBGはこの試合でリーグ戦3連勝。今週末のマレーシア FAカップ準決勝のパハンFA戦に向けて勢いがついたのではないでしょうか。
 今シーズン4つ目のゴールを決めた池田圭選手、渡邉将基選手はともにフェルダ・ユナイテッドのスタメンでフル出場しています。

PKNP FC2-2PKNS FC
得点者:PKNP FC-ハフィズ・ラマダン(49分)、ジャンカルロ(76分)、PKNS FC-スレンドラン・ラヴィンドラン(35分)、クパ・シャーマン(84pK)
 ともに州開発公社を母体とするクラブの対戦は、降格圏にいる11位のPKNP FCが貴重な勝ち点を積み上げています。
 一方のPKNP FCはこの試合を含めた5試合で1勝1分3敗と、スランゴールFAの二軍化案が出て以降は精彩がありません。

スランゴールFA5-2パハンFA
得点者:スランゴールFA-カイリル・ムヒミーン(31分)、イフェダヨ・オルセグン3(37分、44分、87分)、エンドリック(46分)、パハンFA-コギレスワン・ラジ(68分)、モハマドゥ・スマレ(77分)
 今週末のマレーシア FAカップ、ペラTBG戦に向けて主力を温存したメンバーで臨んだパハンFAでしたが、前半で0-3となるなど結果は惨敗。計算上は残っていたリーグ優勝の可能性が消滅しただけでなく、リーグ2位の座も危うくなってきました。

トレンガヌFC3-1クアラ・ルンプール(KL)FA
得点者:トレンガヌFC-リー・タック(37分PK)、ムハマド・ファウジ(76分)、マリク・マット・アリフ(83分)、KLFA-ダルコ・マルコヴィッチ(41分)

クダFA3-2プタリン・ジャヤ(PJ)シティ
得点者:クダFA-バドロル・バクティアル(15分)、ファルハン・ロスラン(49分)、フェルナンド・ロドリゲズ(76分)、PJシティFC-ワシントン・ブランダオ(60分)、ガニシュ・グナセガラン(66分)

マラッカ・ユナイテッド1-2ジョホール・ダルル・タクジムJDT
得点者:シュコール・アドナン(84分)、JDT-ナジム・ファイズ(7分)、ジオゴ(27分)
 この第18節でパハンFAが敗れ、JDTが勝利したことで、勝点46のJDTに追いつくことができるチームがなくなり、JDTの6シーズン連続優勝が決まっています。JDTの選手、スタッフの皆さんおめでとうございます。
 第5節でスーパーリーグ首位に立ったJDTは、第7節でパハンFAに首位の座を明け渡すも第8節からは一度も首位から陥落することなく優勝を決めています。また、JDTはこの優勝で、今シーズンに続き、2020年シーズンのアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACL本戦への出場資格を獲得しています。

MFL2部プレミアリーグ

スタンゴール・ユナイテッド2-3PDRM FC
得点者:スランゴール・ユナイテッド-ファン・シンヨン2(8分、61分)、PDRM FC-ウチェ・アグバ2(2分、56分)、エズリ・シャフィジィ(24分)

JDT II2-0UITM FC
得点者:ラマダン・サイフラー(47分)、モハマド・ガダー(58分)

サバFA4-1サラワクFA
得点者:サバFA-ロドリュブ・パウノヴィッチ3(11分、63分、84分)、アギナルド・ポリカルポ(39分)、サラワクFA-ボビー・ゴンザレス(60分)

UKM FC2-4トレンガヌFC II
得点者:UKM FC-マテオ・ロスカム(44分)、ミカエル・イジェジ(84分)、トレンガヌFC II-鈴木ブルーノ3(11分、18分、23分)、タキュディン・ロスラム(58分)
 ハットトリックを決めたトレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手は、スタメンでフル出場しています。

ペナンFA2-1ヌグリ・スンビランFA
得点者:ペナンFA-ジュリアン・ボッタロ(29分)、アル・ハフィズ・ハルン(37分)、ヌグリ・スンビランFA-アルミール(20分PK)
 ヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手はスタメンでフル出場しています。

6月24日から30日のニュース:スランゴールFAの二軍化案にPKNS FCの監督や選手が反論、マレーシアサッカー界のレジェンドがMFLの外国人偏重に警鐘、クダFAは「第二のアキヤ」を出さないよう有望な若手に長期契約を提示

スランゴールFAの二軍化案にPKNS FCの監督や選手が反論
スランゴールサッカー協会のアミルディン・シャリ会長が、同じスランゴール州のシャー・アラムスタジアムをホームとし、州政府から運営資金援助受けているスランゴールFAチームとPKNS FCを統合し、PKNS FCをスランゴールFAの二軍(こちらではフィーダークラブ(feeder club)と呼んでいます)とする可能性があることを発言して以来、PKNS FC関係者からは多くの反論が出ていると当時のメディアが伝えています。
 マレー語紙ブリタ・ハリアンの電子版では、自身もPKNS FCの選手であったラヤゴパル・クリシュナサミPKNS FC監督は、PKNS FCは1967年発足の伝統のあるクラブであり、モクタル・ダハリ(マレーシアサッカー協会FAMのアカデミーが彼の名にちなんでモクタル・ダハリ・アカデミーとされるほどのマレーシアサッカー界のレジェンド)、サントク・シン、ソー・チンアン(いずれも、アジア予選を突破しながらソヴィエト連邦のアフガニスタン侵攻に抗議する形で辞退したモスクワオリンピックに出場する予定だったマレーシア代表のメンバー)など、1970年代から80年代にかけてのマレーシアサッカー黄金期の主力選手を輩出したクラブであり、現在もマレーシアフットボールリーグMFLでは成功しているクラブの一つであると述べ、それ以上は選手の気持ちを考えるとコメントできないとしています。
 また先日行われた国際サッカー連盟FIFAワールドカップアジア一次予選の代表メンバーでもあるDFアクラム・マイナンは、現在MFL1部スーパーリーグ9位のPKNS FCがスランゴールFAの二軍となれば、今シーズンの順位に関係なくMFL2部プレミアリーグ降格となることから、もしそうなれば自分自身の今後について移籍を含めた検討の必要があるとし、同じくDFシャローム・アブドル・カラムも2軍となればチームの輝かしい歴史も忘れられてしまうだけでなく、近い将来リーグのトップ3を狙える有望な若手を含む選手や整った練習環境などが失われてしまうのは残念だとしています。
 PKNS FCの二軍化はあくまでも選択肢の一つであるとアミルディン・シャリ会長は言っていますが、予断を許さない状況であることは間違いありません。

マレーシアサッカー界のレジェンドがMFLの外国人偏重に警鐘
上の記事でも取り上げたマレーシアサッカー界のレジェンドの一人であるサントク・シン氏が、現在のMFLは外国人選手を偏重しすぎで、マレーシア人選手の育成の妨げになっていると発言したと、当地の英字紙ニューストレイトタイムズの電子版が伝えています。
 各クラブが好成績を収めるために重要なポジションに外国人選手を採用し、コーチも彼らに依存することで、FW、MF、DFとどのポジションでもマレーシア人選手が育たず、ひいては「マレーシアサッカーの発展」と言うより大きな目標が達成できない原因となっていると述べています。
 前述したようにモスクワオリンピックの出場資格を獲得し、アジア競技大会でもメダルを獲得した当時のマレーシア代表を知るシン氏には、非常に歯がゆいマレーシアサッカーの現状でしょうが、しかしこの問題は、MFLはそもそも自国人選手育成の場なのか、それとも高いレベルのサッカーを提供する「娯楽」なのか、というどの国内リーグも抱える問題もあります。
 MFLの外国人枠はいわゆる3+1(国籍に関係なく外国人3名プラスアジアサッカー連盟AFC加盟国出身の外国人1名)にアセアンサッカー連盟AFF加盟国出身外国人1名の合計4名が試合に出場可能ですが、お隣タイは3+1にさらに3名のAFF枠を加えています。またJリーグは上記の3+1から、今年は外国人選手の登録選手数を無制限とする一方で、試合に出場できるのは5人まで、さらにJリーグと提携しているタイ、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、シンガポール、インドネシア、マレーシア、カタールの国籍を有する選手に関しては、日本人選手と同様の扱いとしています。提携国出身の選手は外国人枠の対象から除外されるので、ルール上は日本人が一人も出場しない先発メンバーを組むことも可能です。
 外国人選手依存の問題自体はマレーシアのプロサッカーリーグでは新しいものではありません。過去10年ほどを振り返って見ると以下の通りです。また<>内にはその年の国際サッカー連盟FIFAランキングも合わせて載せてみますので、外国人選手枠数とランキングの相関関係をみていただければと思います。
2009年:外国人選手枠0名 <同160位>
2010年:外国人選手枠0名 <同144位>
2011年:外国人選手枠0名 <同148位>
2012年:外国人選手枠2名 <同158位>
2013年:外国人選手枠3名 <同154位>
2014年:外国人選手枠4名、ただしフィールド上は3名まで。 <同154位>
2015年:外国人選手枠4名(AFC枠1名を含む) <同170位>
2016年:外国人選手枠4名(AFC枠1名を含む) <同161位>
2017年:外国人選手枠4名(AFC枠1名を含む) <同174位>
2018年:外国人選手枠5名(AFC枠1名、AFF枠1名を含む) <同167位>
2019年:外国人選手枠5名(AFC枠1名、AFF枠1名を含む) <同159位*>
*2019年は6月時点でのランキング

クダFAは「第二のアキヤ」とならないよう有望な若手に長期契約を提示
クダFAはFWファヤッド・ズルキフリ・アミン(20)とMFファズルル・ダネル・ニザム(21)の2選手の契約期限をを現在の2021年までから2023年まで延長し、さらに契約解除違約金条項(バイアウト条項)をそれぞれの契約に加え、その金額を500万リンギ(約1億3000万円)としたと、英字紙スターの電子版が伝えています。
 ファズルル選手はクダFAのキャプテン、バドロル・バクティアルと組んで中盤のレギュラーとして活躍し、ファヤッド選手はスーパーサブとしてスーパーリーグの試合でもゴールを決めています。
 タイトルにも書いた「第二のアキヤ」とは、現在MFL1部スーパーリーグのジョホール・ダルル・タクジムJDTでもプレーするマレーシア 代表MFアキヤ・ラシド(20)が昨シーズン末に21万リンギ(約550万円)の契約解除違約金を払ってクダFAからJDTへ移籍した一件を指します。この移籍に不満を持ったクダFAはマレーシアサッカー協会FAMにその可否判断を委託しましたが、FAMはJDTがクダFAに育成費用7万5000リンギ(約200万円)を払うことを条件に、この移籍を認めました。そこで「第二のアキヤ」とならぬよう、有望な若手に対して今回のような長期契約を提示したのだろうと、スターの記事は結んでいます。

6月23日のニュース:マレーシアFAカップ準決勝の結果まとめ、アセアンが合同で2034年ワールドカップ開催立候補を検討

マレーシアFAカップ準決勝の結果まとめ
今週末はマレーシアフットボールリーグMFLは試合がありません。そこで6月22日(土)に行われたマレーシアFAカップ準決勝第1戦の結果をおしらせします。対戦カードの左側がホームチームです。なお準決勝第2戦は6月29日(土)に予定されています。

クダFA1-0フェルダ・ユナイテッド
得点者:クダFA-フェルナンド・ロドリゲス(70分PK)
 MFL3位のクダFAと最下位フェルダ・ユナイテッドの対戦は、ゴール前に上がったコーナーキックに反応したフェルダ・ユナイテッドのGKノラジアン・ラザリとクダFAの長身DFレナン・アルヴェスが交錯して得たPKをフェルナンド・ロドリゲズが決めた1点を守り切ったクダFAが先勝しました。

パハンFA2−0ペラTBG
得点者:パハンFA-エロルド・グロン2(12分、90分)、ムハマドゥ・スマレ(39分)、ペラTBG-パルティバラン・ジャナセカラン(54分)
 パハンFAの2点目は、右からのクロスを胸で受けたムハマドゥ・スマレが、それを倒れこみながらボレーでシュートした技ありのゴールでしたが、圧巻だったのはパハンFAの3点目。アディショナルタイムに入り、ハーフライン手前、自陣ハーフからエロルド・グロンの蹴った高い弾道のキックに対して、前に出ていたペラTBGのGKハフィズル・ハキムが慌てて下がりながらパンチングするも、ボールはそのままゴールへ吸い込まれるスーパーゴールとなり、パハンFAが先勝しました。

アセアンが合同で2034年ワールドカップ開催立候補を検討
タイのバンコクで本日開幕したアセアン(ASEAN、Association of Southeast Asian Nations東南アジア諸国連合)のサミット。その席でタイのプラユット・チャンオチャ首相が国際サッカー連盟FIFAワールドカップの2034年大会の立候補をアセアン各国と合同で行うことを表明し、このサミットに参加中のマレーシアのマハティール・マハティール首相もこの共催案を支持する発言をしたことを、マレーシアの英字紙ザ・スターの電子版が伝えています。
 地域内に人口およそ6億4千万人を抱えるアセアンは、タイの他、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、ベトナム、ブルネイの10カ国で構成される地域協力機構で、サッカーは間違いなくこの地域のナンバー1スポーツですが、まだワールドカップ本戦に出場した国はありません。
 アセアン内の国が単独でワールドカップを開催することは現実的でないとするマハティール首相は、域内の各国が協力して招致することで実現の可能性は上がるのではないかと話しています。

6月21日のニュース:MFL2部プレミアリーグ移籍情報まとめ

昨日アップしたマレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグの移籍情報に続いて、今回はMFL2部プレミアリーグの移籍情報です。なお、各チームの順位は第17節終了時点のものです。

1位:サバFA(9勝4分2敗)
<新入団>
MFアフメット・アタエフ(トルクメニスタン、ペルセラ・ラモンガン(インドネシア)より移籍)
FWアギナルド・メンデス(アンゴラ、ポリテニカ・ヤシ(ルーマニア)より移籍)
<退団>
FWルイス・ジュニオール(ブラジル)
FWルカ・ミルノヴィッチ(期限付き移籍終了でマラッカ・ユナイテッドへ復帰)

2位:ジョホール・ダルル・タクジムJDT II(8勝6分2敗)
<新入団>
MFニコラス・フェルナンデス(アルゼンチン、ジョホール・ダルル・タジムJDT II)
DFフィルダウス・アブドル・ジャバ(JDT III)
<退団>
MFルーカス・オンティヴェロ(アルゼンチン)
DFハリズ・カマルディン(JDT IIIへ移籍)

3位:UITM FC8勝4分4敗)
<新入団>
FWマイコン・カリジューリ(ブラジル、シャン・ユナイテッド(ミャンマー)より移籍)
MFパク・ヨンジュン(韓国、清州FC(韓国)より移籍)
MFアフリジン・イスライロフ(キルギス、FKアンディジャン(ウズベキスタン)より移籍)
MFアディブ・ロスリ (UiTM FC)
DFザイルル・フィトリ・イシャク (D’ArワンダラーズFC(M3リーグ)より移籍)
<退団>
FWロベルト・メンディ(セネガル)
FWアディ・サイド(ブルネイ)
MFアフリジン・イスライロフ(キルギス-トランスファーウィンドウ期間中に契約解除)
MFズルキフリ・ザカリア
MFメガット・アーマド・ザクワン・メガット・アーマド・アジズディン

4位:トレンガヌFC II
新入団、退団ともなし

5位:ヌグリ・スンビランFA(6勝4分5敗)
<新入団>
FWイゴール・ルイズ(ブラジル、シーサケートFC(タイ)より移籍)
<退団>
FWトーマス・コロマ(シエラレオネ)

6位:ペナンFA(5勝5分6敗)
<新入団>
FWカサグランデ(ブラジル、マラッカ・ユナイテッドから期限付き移籍)
FWセルジオ・アグエロ(アルゼンチン、スランゴール・ユナイテッドから移籍)
GKモハメド・ザミール・スラマット(バトゥ・ドゥアFC(M3)から移籍)
FWワン・モハマド・シュクリ・ワン・アーマド(マラッカ・ユナイテッドから移籍)
MFヨゲス・ムニアンディ(プタリン・ジャヤ・シティFCより移籍)
MFモハマド・シュクル・サイディン(プルリスFA)
MFアミルル・シャザニ・ロスラン(サイム・ダービーFC)
<退団>
MFスチュアート・ジェームス・ウィルソン・ウォーク(スコットランド、PDRM FCに移籍)
FWンドゥムバ・マケチェ(ザンビア、サウス・メルボルンFC(オーストラリア)へ移籍)
MFセバスチャン・チュリエル(ハイチ)
GKムハマド・シャミン・オスマン
FWモハマド・ラムジ・オスマン
DFハスルル・チェ・ハリム
DFアシュラフ・ロジャニ
DFカイルル・ロスマディ

7位:PDRM FC(5勝3分7敗)
<新入団>
MFスチュアート・ジェームス・ウィルソン・ウォーク(スコットランド、ペナンFAから移籍)
ウチェ・アグバ(ナイジェリア、アル・リファーSC(バーレーン)より移籍)
GKブライアン・シー・ティアンキート(バンコクFC(タイ)より移籍)
MFゴピナタン・ラマチャンドラ(マラッカ・ユナイテッドより移籍)
DFファリド・ラムリ(KLFAより移籍)
<退団>
MFアンドレジーニョ(ブラジル)
DFシャズワン・アジザン
MFモハマド・シャヒド・ザイドン

8位:スランゴール・ユナイテッド(5勝3分7敗)
<新入団>
MFダンコ・コバチェビッチ(モンテネグロ、FKイスクラ・ダニヴグラード(モンテネグロ)より移籍)
FWファン・シンヨン(韓国、 清州FC(韓国)より移籍)
FWノーシャルル・アブドル・ガニ(マラッカ・ユナイテッドより期限付き移籍
GKダミエン・リム・チェンカイ(ケランタンFAより移籍)
<退団>
FWセルジオ・アグエロ(アルゼンチン、ペナンFAへ移籍)
FWエスラム・モハメッド・ザキ(エジプト)
MFノーハフィズアン・ジャイラニ
GKシャズワン・ユソフ

9位:UKM FC(4勝4分8敗)
<新入団>
DFアリフ・ジャマルディン(UKM FCユース)
ハシフ・ノーハイザン(UKM FCユース)
アイノール・ハキム・ヤティム(UKM FCユース)
<退団>
FWアシャラフ・マット・プシュニ(KLFA U21へ期限付き移籍)
ハフィザテゥラ・ラジム(KLFA U19へ期限付き移籍)
FWトゥアン・アーマド・ムクリス・トゥアン・ノー・マルズキ(トレンガヌFC IV(M4)へ期限付き移籍)

10位:ケランタンFA(2勝8分6敗)
<新入団>
FWリマム・セイディ(フランス、バトゥ・ドゥアFC(M3)より移籍)
<退団>
MFフラビオ・ベック・ジュニオール(ブラジル、バヤンガラFC(インドネシア)へ移籍)
MFデヴィッド・ロウリー(ケダFAへ移籍)
FWラウル・タラゴナ(ウルグアイ、CAレンティスタス(ウルグアイ)へ移籍)
GKムハマド・ノー・アミン・マット・ガニ
FWアフィク・サラウディン
GKダミエン・リム・チェンカイ(スランゴール・ユナイテッドへ移籍)

11位:サラワクFA(24分9敗)
<新入団>
MFロドリゴ・アモリム(ブラジル、CA セラド(ブラジル)より移籍)
サラワクFAの練習に参加していた岩崎陽平選手は、残念ながら契約に至らなかったようです。
<退団>
FWムアメル・サリバシッチ(ボスニア・ヘルツェゴヴィナ)

6月20日のニュース:MFL1部スーパーリーグ移籍情報まとめ

MFL1部移籍情報まとめ
遅ればせながら5月29日に終了した今年2回目のトランスファーウィンドウ期間中に入団および退団した選手について、マレーシアフットボールリーグMFLのホームページに掲載されたリストを参考に1部プレミアリーグの移籍情報をまとめました。順位は第15節終了時点、*印はまだ移籍が完了していない選手です。

1位:ジョホール・ダルル・タクジムJDT(12勝3分0敗)
新入団、退団ともなし
2位に勝点で13点差をつけて首位を独走するJDTは、マレーシア人選手、外国人選手とも不動のメンバーで残り7試合を戦います。シーズン中に補強する必要なし!という自信が伝わってきます。

2位:パハンFA(7勝5分2敗)
<新入団>
FWラザラス・カイムビ(ナミビア、2018年にはケランタンFAでプレー)
<退団>
FWゼ・エドゥアルド(ブラジル)

3位:ケダFA(6勝4分5敗)
<新入団>
MFデヴィッド・ロウリー(ケランタンFAより移籍)
*MFエドガー・ベルンハルト(キルギス、GKSティヒ(ポーランド)より移籍)
<退団>
MFアンマー・アルムバラキ(イラク)

4位:マラッカ・ユナイテッド(6勝4分5敗)
<新入団>
DFドミニク・バリチ(クロアチア、NKドゥゴポリェ(クロアチア)より移籍)
FWデイヴィ・クロード・アンガン(コートジボアール、モスタFC(マルタ)より移籍)
FWルカ・ミルノヴィッチ(セルビア、サバFA期限付き移籍から復帰)
GKアーマド・ソレヒン・ママト(クアラ・ルンプールFAより移籍)
FWモハマド・ファイザル・アブ・バカル(ヌグリ・スンビランFAより移籍)
<退団>
MFダルコ・マルコヴィッチ(モンテネグロ、クアラ・ルンプールFAへ期限付き移籍)
FWカサグランデ(ブラジル、ペナンFAへ期限付き移籍)
MFリリドン・クラシニキ(コソヴォ)
FWノーシャミル・アブドル・ガニ(スランゴール・ユナイテッドへ期限付き移籍)
MFゴピナタン・ラマチャンドラン(PDRM FCへ期限付き移籍)
FWワン・モハマド・シュクリ・ワン・アーマド(ペナンFAへ期限付き移籍)
GKシャフィズラ・アブドル・ワハブ

5位:スランゴールFA(5勝7分3敗)
<新入団
FWイフェダヨ・オルセグン(ナイジェリア、アル・リファーSC(バーレーン)より移籍)
<退団
FWルフィノ・セゴヴィア(スペイン)

6位:トレンガヌFC(5勝5分5敗)
<新入団
*DFルイス・グスタヴォ(ブラジル、アソシアソン・フェロヴィアリア・ジ・エスポルテス(ブラジル)より移籍)
FWナビル・アーマド・ラトピ(アルティメイトFC(MFL3部)より移籍)
<退団
DFイゴール・ゾンジッチ(モンテネグロ)

7位:PKNS FC(5勝4分6敗)
<新入団
*FWキティポン・プルエムジャイ(タイ、リセクロスタIL(ノルウェイ)より移籍)
<退団
FWシャフィク・シャハルディン(クアラ・ルンプールFAへ移籍)
FWチャン・ワタナカ(カンボジア、ボーウング・ケット・アンコール(カンボジア)へ移籍)

8位:ペラTBG(3勝9分3敗)
<新入団
DFフセイン・エル・ドール(レバノン、チャーチル・ブラザーズFC(インド)から移籍)
FWロナルド(ブラジル、ECキンゼ・デ・ノヴェンブロ(ブラジル)より移籍)
FWカレッカ(ブラジル、アトレチコ・アクレアーノ(ブラジル)より移籍)
<退団>
FWワンダー・ルイス(ブラジル、ベカメックス・ビンズオンFC(ベトナム)へ移籍)
FWジルマール・ホセ・ダ・シルバ(ブラジル)
DFザカリー・アンダーソン(オーストラリア)
DFシャズワン・ザイポル・バハリ(PKNP FCへ期限付き移籍)
DFナジルル・アフィフ・イブラヒム(PKNP FCへ期限付き移籍)

9位:プタリン・ジャヤ・シティFC(5勝2分8敗)
<新入団>
FWワシントン・ブランドン(ブラジル、ヴェンシュセルFF(デンマーク)より移籍)
FWペドロ・エンリケ・オリヴェリア(東ティモール、サムットサーコーンFC(タイ)より移籍)
DFモハマド・ナスリク・バハロム(プルリスFAより移籍)
<退団>
DFジョシュア・ジェイク・ブラン・グロムメン(フィリピン)
FWペドロ・エンリケ(東ティモール)
MFムニアンティ・ヨゲス(ペナンFAへ移籍)

10位:クアラ・ルンプール(KL)FA(4勝2分9敗)
<新入団>
MFダルコ・マルコヴィッチ(モンテネグロ、マラッカ・ユナイテッドから期限付き移籍)
DFノ・ヘンセク(韓国、釜山アイパーク(韓国)より移籍)
DFラフィ・アジザン・マリアペン (プチョン・フェルザFC(MFL3部)より移籍)
FWシャフィク・シャハルディン (PKNS FC)
<退団>
DF苅部隆太郎
FWシルヴァーノ・コンヴァリアス(オランダ、アレマ・クロノスFC(インドネシア)へ移籍)

11位:PKNP FC(3勝3分9敗)
新入団
DFペドロ・ヴィクトル(ブラジル、ECノルエステ(ブラジル)より移籍)
FWラモン・ダ・シルバ・コスタ(ブラジル、CAジュヴェントス(ブラジル)より移籍)
DFシャズワン・ザイポル・バハリ(ペラTBGより期限付き移籍)
DFナジルル・アフィフ・イブラヒム(ペラTBGより期限付き移籍)
MFハフィズ・アーマド・カマルディン(ペラU19)
MFアイディル・アズアン (マラッカ・ユナイテッド U19-マレーシアU19代表)
退団>
DFシヨブシュ・アスロロフ(タジキスタン)
MFトマス・アビー(ガーナ)

12位:フェルダ・ユナイテッド(1勝6分7敗)
<新入団>
FWカイルル・アムリ・カマル(シンガポール、タンピネス・ローヴァーズ(シンガポール)より移籍)
<退団>
FWチアゴ・キリーノ・ダ・シウヴァ(ブラジル)

MFL第17節の結果まとめ

6月16日の第16節終了から数日で開催された6月18日(火)と19日(水)のマレーシアフットボールリーグMFL第17節の結果です。

MFL1部スーパーリーグ

ペラTBG3-1トレンガヌFC
得点者:ペラTBG-シャルル・サアド(34分)、ロナウド2(69分、77分)、チエリー・チャンタ・ビン(88分)
 好調のペラTBG攻撃陣相手に、DFデルチ・マーセルが27分に2枚目のイエローをもらって退場となるなど、トレンガヌFCにとっては厳しい試合展開でした。この試合の結果、ペラTBGがトレンガヌFCに代わって6位に浮上し、トレンガヌFCは7位に降下しています。

プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC1−0フェルダ・ユナイテッド
得点者:PJシティFC-サフィ・サリー(45分)
 フェルダ・ユナイテッドの渡邉将基選手は前節はベンチ入りしなかったものの、この試合ではスタメンでフル出場、また池田圭選手は前節同様、途中から出場しています。

PKNS FC2-3クダFA
得点者:PKNS FC-クパ・シャーマン2(53分PK、66分)、クダFA-バドロル・バクティアル(10分)、ファヤッド・ズルキフリ(71分)、リザル・ガザリ(90分)
 PKNS FCは、一時はリーグ4位と前半戦の快進撃を支えた守備陣が、この試合も含めた直近の5試合で12失点と崩壊しています。
 リーグ3位のクダFAは、残り5試合を全勝し、首位JDTが全敗しても現在のJDTの勝点には追いつかないため、優勝争いから脱落です。

パハンFA2-0PKNP FC
得点者:パハンFA-ラザラス・カイムビ(21分)、ディクソン・ヌワカエメ(31分)
 前節まで5試合連続無得点だったパハンFAは、両外国人FWがゴールを決めています。しかし、リーグ2位のパハンFAは試合数が1試合少ないものの、首位JDTとの勝点差は13のままです。

ジョホール・ダルル・タクジムJDT3-2スランゴールFA
得点者:JDT-ゴンザロ・カブレラ(10分)、レアンドロ・ヴァレズケス(12分)、サファウィ・ラシド(61分)、スランゴールFA-カイリル・ムヒミン(41分)、サンドロ・ダ・シルヴァ(89分)
 開始から12分で2点先取されたスランゴールFAは、前半終了間際にカイリル・ムヒミンの素晴らしいFKで1点差と迫りましたが、JDTが逃げ切り、スランゴールFAも優勝争いから脱落しました。
 この試合の勝利でJDTのMFL6連覇(!)はほぼ決まりでしょう。その余裕からか、国際サッカー連盟FIFAワールドカップ2022年大会アジア予選に出場したマレーシア代表のメンバーでもあったDFドミニク・タンを、タイ1部のトラートFCに期限付き移籍させています。

クアラ・ルンプール(KL)FA0−1マラッカ・ユナイテッド
得点者:マラッカ・ユナイテッド-パトリック・ライヒェルト(44分)
 ここ数試合、接戦を制することができないでいるKLFAは、この試合も1点差負け。今節第17節を終了して、36失点はリーグ最多です。
 マラッカ・ユナイテッドは、次節はホームに首位JDTを迎えます。最後までシーズンを緊迫したものにするためにも、この試合では是非、勝ってもらいたいです。

MFL2部プレミアリーグ

ケランタンFA1-1JDT II
得点者:ケランタンFA-アズワン・アリピン(57分)、JDT II-モハマド・ガダー(7分PK)

ヌグリ・スンビランFA3-0スランゴール・ユナイテッド
得点者:ヌグリ・スンビランFA-中武駿介(14分)、アルミール(71分)、イゴール・ルイズ(85分)
 今シーズン3点目のゴールを挙げたヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手は、スタメンでフル出場しています。

サラワクFA1-3UKM FC
得点者:サラワクFA-アリフ・ハサン(14分)、UKM FC-ミラド・ザニドプール(14分)、ワン・ファイズ2(53分、89分)

PDRM FC1-2サバFA
得点者:PDRM FC-リ・チャンフン(76分)、サバFA-ロドリュウブ・パウノヴィッチ(76分)、アルト・リナス(82分)

UITM FC3-3ペナンFA
得点者:UITM FC-ザルコ・コラチ2(12分PK、59分)、アメル・アザハ(45分)、ペナンFA-カサグランデ3(34分。47分、90分)

MFL第16節の結果まとめ

マレーシアフットボールリーグMFLは6月15日(土)と16日(日)の両日に第16節が行われました。以下結果です。(左側がホームチーム)

MFL1部プレミアリーグ

PKNP FC1−1ジョホール・ダルル・タクジムJDT
得点者:PKNP FC-ラモン・コスタ(15分)、JDT-ジオゴ(5分)
 リーグ首位JDTが11位PKNP FCのホームでまさかの引き分け。PKNP FCは5月末のトランスファーウィンドウ期間中に加入したブラジル人FWラモン・コスタのゴールで追いつくと、そのままJDTを抑えて貴重な勝点1を獲得しました。
 一方、6月11日に行われた国際サッカー連盟FIFAワールドカップ2022年大会アジア一次予選で東ティモール代表と対戦し勝利したマレーシア代表23名中、JDTからは9名が選出されており、代表組は少々お疲れだったのかもしれません。しかし、この引き分けのおかげで、2位以下のチームにはJDTとの差を詰めるチャンス到来だったのですが…。

クダFA0-0パハンFA
得点者:なし
 この試合前までに首位JDTとの勝点差が10あったリーグ2位のパハンFA。JDTが降格圏のPKNP FCと引き分けたこの機会を活かしたかったところですが、結果はリーグ3位のクダFAと引き分けて、勝ち点差を詰めることができませんでした。
 得点力不足に苦しむパハンFAは、FWディクソン・ヌワカエメが4月28日のMFL第11節JDT戦以来の出場となりましたが、この試合ではゴールを決めることができず、チームも5試合連続無得点となりました。

フェルダ・ユナイテッド5−4PKNS FC
得点者:フェルダ・ユナイテッド-チアゴ・ジュニオール(4分)、ハディ・アズマン(45分)、ファイズ・マズラン(48分)、カイルル・アムリ2(52分、56分)、PKNS FC-クパ・シャーマン(15分)、タミルラン・コズバエフ(60分)、 ジャフリ・フィルダウス・チュウ(72分)、ロドニー・セルヴィン(82分)
 リーグ最下位に低迷するフェルダ・ユナイテッドが貴重な勝点3を獲得。なおフェルダ・ユナイテッドの池田圭選手は途中出場、渡邉将基選手はベンチ外でした。
 スランゴールFAのBチーム化が噂されているPKNS FCは、開幕当初の勢いが衰えてきていますが、もしこのBチーム化が決定すれば、今シーズンの成績に関わらずMFL2部プレミアリーグへ降格となります。ここで補足的な説明をすると、スランゴールFAはスランゴール州サッカー協会(スランゴール州FA)によるクラブチームであるのに対し、PKNS FCはスランゴール州政府の機関であるスランゴール州開発公社が母体のクラブチームです。この2つのクラブはいずれもマレーシア国内で最大の人口と経済規模を持つスランゴール州の州政府からそれぞれ経済的な支援を受けています。この2つのクラブを統合することで、恐らく主体となるであろうスランゴールFAをJDTのような金満クラブと対等に戦うだけの資金を確保し、同時にMFL2部でようという算段です。スーパーリーグのJDTとトレンガヌFCはそれぞれのBチームが、プレミアリーグにJDT IIとトレンガヌFC IIとして在籍していますので、スランゴールFAもこれに習う形になる可能性があります。

プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC0-1ペラTBG
得点者:ペラTBG-ロナウド(19分)
 ペラTBGが逃げ切り。PJシティFCは主将のDFスブラマニアム・ソーリャパラドが65分,68分と立て続けに2枚のイエローカードをもらって退場となり、数的不利な状況では反撃できませんでした。

スランゴールFA2−1クアラ・ルンプール(KL)FA
得点者:スランゴールFA-イフェダヨ・オルセグン(37分)、サンドロ・ダ・シルヴァ(90分PK)、KLFA-ギリェルメ・デ・パウラ(59分PK)
 クアラ・ルンプールとそれを囲む形のスランゴール州を本拠とするチーム同士の対戦は、この辺りがクラン川に沿った渓谷であることからクランバレーダービーと呼ばれていますが、そのダービー戦も引き分けかと思われた90分過ぎに、途中出場のMFショーン・セルヴァラジがペナルティエリア内で倒されてPKを獲得、この日のマンオブザマッチ的な活躍をしたサンドロ・ダ・シルヴアがこのPKを確実に決め、スランゴールFAが土壇場でKLFAに勝利しました。
 KLFAは、FWギリェルメ・デ・パウラが、元シンガポール代表で現役時代はKLFAでもプレーしたファンディ・アーマドの持つクラブ記録の67得点へあと2つとせまるゴールを決めましたが、第14節のプタリン・ジャヤ・シティFCに続き、またも90分を過ぎてから決勝ゴールを奪われての敗戦となりました。

マラッカ・ユナイテッド3-3トレンガヌFC
得点者:マラッカ・ユナイテッド-デイヴィ・クロード・アンガン2(17分,49分)、ルカ・ミルノヴィッチ(31分)、トレンガヌFC-サンジャル・シャアフメドフ3(41分、73分、82分)
 ウズベキスタン出身のMFサンジャル・シャアフメドフのハットトリックで引き分けたトレンガヌFCは、最近6試合で3試合目の引き分け。
 一方のマラッカ・ユナイテッドは、入団後2試合目となったFWデイヴィ・クロード・アンガンの2ゴール、5試合で5ゴール目を決めたFWルカ・ミルノヴィッチの活躍もありましたが、やはりこちらも最近6試合で3試合目の引き分けでした。

MFL2部プレミアリーグ

JDT II5-0トレンガヌFC II
得点者:JDT II- ニコラス・フェルナンデス3(14分、18分、89分)、ラマドハン・サイフラー(50分)、サアルヴィンドラン・デヴァンドラン(73分)
 MFL1部スーパーリーグのBチーム同士の対戦となったこのカードは、MFニコラス・フェルナンデズのハットトリックなどでJDT IIが圧勝しています。
 トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手は、スタメンでフル出場しています。

ケランタンFA0-0UITM FC
得点者:なし
 3位UITM FCと11位ケランタンFAの試合は、両チーム無得点の引き分けでした。
 第14節でプレミアリーグ首位に立ったUITM FCは、その後は1分1敗という成績で、3位まで順位を下げています。

スランゴール・ユナイテッド1-3ペナンFA
得点者:スランゴール・ユナイテッド-ハディ・ヤハヤ(90分)、ペナンFA-ジュリアン・ボッタロ(50分)、カサグランデ(60分)、セルジオ・アグエロ(89分)
 トランスファーウィンドウ期間中に、セルジオ・アグエロ(スランゴール・ユナイテッドから移籍)、カサグランデ(マラッカ・ユナイテッドから期限付き移籍)と二人のFWを獲得して以来、2勝1分と好調のペナンFAは、この試合も新戦力二人が活躍して4試合負けなしとなりました。

サバFA1-0ヌグリ・スンビランFA
得点者:サバFA-アルト・リナス(66分)
 ともに1部スーパーリーグへの昇格を目指す3位のサバFAと5位ヌグリ・スンビランFAの試合は、5試合負けなしのサバFAがこの試合も勝利し、消化試合がヌグリ・スンビランFAよりも1試合少ないものの、勝点で5点差をつけてリードしています。
 ヌグリ・スンビランFAの中武俊介選手はスタメンでフル出場しています。

UKM FC2-3PDRM FC
得点者:UKM FC-アスナン・アーマド(14分)、マテオ・ロスカム(74分)、PDRM FC-ファウザン・ファウジ(8分)、アルグジム・レゾヴィッチ(49分)、リ・チャンフン(77分PK)

6月13日のニュース:JapaFunCup出場の2選手が日本へ出発、トレンガヌFCの新外国人はMFL今節の試合に間に合わず

JapaFunCup出場の2選手が日本へ出発
日本サッカー協会JFAが国際交流基金アジアセンターと共に2014年より進めてきた東南アジア各国とのサッカー交流事業の成果発表の場として、6月22日(土曜日)に福島県のJヴィレッジで開催するU18東南アジア選抜チーム「ASIAN ELEVEN」対U18東北選抜の国際親善試合「JapaFunCup(ジャパファンカップ)」に出場するマレーシアU18代表のアリ・イムラン・スカリとハリス・ハイカル・アダム・アフカルの両選手が、クアラ・ルンプール国際空港(KLIA)から日本へ出発したことが、マレーシアサッカー協会FAMのホームページで告知されています。
 パハン州ガンバンにあるモクタ・ダハリアカデミーの国立フットボール育成プログラム出身でともに17歳のアリ・イルマン選手とハリス・ハイカル選手は6月13日から23日まで福島県に滞在し、東南アジア11カ国から集まった選手たちともに『ASIAN ELEVEN」プログラムに参加し、最終日の国際親善試合に備えます。
 搭乗前の会見では、「マレーシア人選手が高いレベルでもプレーできることを証明したい」と意気込んでいたDFのアリ・イルマン選手は、他の参加者と1週間の練習期間の中で連携を高めたいとしています。また「他の国の18歳の選手たちとスタメン争いをしなければならないが、年齢差は気にならない」と語るMFのハリス・ハイカル選手はできるだけ多くのサッカー技術や知識を学んで、ピッチ上では全力を尽くしたいと述べています。
 彼らをKLIAで見送ったFAMのダト・スリ・スバハン・ビン・カマル副会長は、東南アジアの選手が日本の選手相手に才能や能力を示す機会となるこのようなプログラムが今後も続くことを、FAMと国立フットボール養成プログラムが期待していると話しています。(写真はアリ・イルマン選手(左)とハリス・ハイカル選手。FAMのFacebookより)

トレンガヌFCの新外国人は今節の試合に間に合わず
マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグのトレンガヌFCの新戦力、ブラジル出身のDFルイス・グスタヴォ・カミロのチーム合流が遅れていると、マレー語紙コスモの電子版が伝えています。
 本来なら先週中にチームに合流する予定だったルイス選手ですが、国際移籍証明書の発給が遅れており、今週末から再開するMFLの第16節、マラッカ・ユナイテッド戦には間に合わないことが決まっていますが、第17節のペラTBG戦にも間に合わない可能性があるとしています。
 第15節を終えて、5勝5分5敗という成績のトレンガヌFCは、今年二度目のトランスファーウィンドウ期間中に、セルビア人のDFイゴール・ゾンジッチとの契約を解除し、代わりこのルイス選手を獲得しました。スーパーリーグ12クラブ中、失点数23はリーグ10位のクアラ・ルンプール(KL)FA(33点)、12位のフェルダ・ユナイテッド(30点)、11位のPKNP FC(28点)に続く悪い成績ですが、すぐに改善とはいかないようです。