タイ1部第10節-タンが今季初出場しエルドストールは今季初ゴール
2021/2022年シーズンのタイ1部リーグ第10節が10月30日と31日に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCはチェンライ・ユナイテッドに勝利し7位から5位に浮上、DFドミニク・タンが所属するポリス・テロFCもポートFCを破って11位から10位とこちらも順位を上げています。
タイ1部リーグ第10節
2021年10月30日@ブンヤジンダースタジアム
ポリス・テロFC 3-3 レオ・チェンライ・ユナイテッド
3位のチェンライ・ユナイテッドをホームに迎えた11位のポリス・テロFCがティーラテープ・ウィノータイの先制ゴールでリードを奪ったこの試合は、一度は同点に追いつかれたものの、ティーラテープ・ウィノータイがこの試合2点目のゴールを決めるなどしてポリス・テロFCが勝利しています。
マレーシア代表のDFドミニク・タンは第10節にして84分に今季の初出場を果たしています。
(試合のハイライト映像はタイリーグ公式Youtubeチャンネルより)
2021年10月31日@PATスタジアム
ポートFC 1-2 チョンブリーFC
チョンブリーFCのDFジュニオール・エルドストールは今季初ゴールを48に決めています。なおエルドストール選手は先発してフル出場しています。
(試合のハイライト映像はチョンブリーFCの公式Youtubeチャンネルより)
タイ1部リーグ順位表(第10節終了)
順位 | チーム | 試合 | 勝 | 分 | 負 | 得失差 | 勝点 |
1 | ブリーラム・ユナイテッド | 9 | 8 | 1 | 1 | 14 | 25 |
2 | バンコク・ユナイテッド | 9 | 6 | 2 | 2 | 5 | 20 |
3 | BGパトゥム・ユナイテッド | 9 | 6 | 1 | 2 | 4 | 19 |
5 | チョンブリーFC | 10 | 4 | 3 | 3 | 7 | 15 |
10 | ポリス・テロFC | 10 | 3 | 3 | 4 | 1 | 12 |
クダ州政府州サッカー協会の2億7500万円超の所得税滞納の帳消しを交渉
クダ州政府は日本の国税庁にあたる内国歳入庁に対し、1000万リンギ(およそ2億7500万円)に上るクダ州サッカー協会による所得税滞納金の帳消しを交渉する予定だとマレーシアの通信社ブルナマが報じています。
今年9月23日のクダ州議会で、クダ州サッカー協会が2014年から2019年3月までの期間で滞納している所得税が1000万リンギ超に上ることが明らかになったことを受け、クダ州のムハマド・サヌシ・モハマド・ノー州首相は州政府の財務担当大臣が内国歳入庁、クダ州サッカー協会、クダ・ダルル・アマンFCとの間での会合の席を設けたことを明かしています。「我々は内国歳入庁に対してこの滞納金を帳消しにするように依頼している。サッカーは州政府に利益をもたらすビジネスではないが、州政府はこれまではサッカーが国民的スポーツであることを考慮して、クダ州サッカー協会が運営するクラブへの資金提供を行なってきた。しかし、本来これは全面的にクラブのスポンサーによって賄われるべきものである。」と述べたモハマド・サヌシ州首相は、クダ州政府傘下のクダ州サッカー協会が抱えるこの1000万リンギ超の滞納金が帳消しになれば、その分を州民の福利厚生や開発に充当することできるとして、内国歳入庁に帳消しにすることを求めると話しています。
モハマド・サヌシ州首相は、クダ・ダルル・アマンFCの来季2022年のクラブライセンス取得のためにこの滞納金問題についてこれ以前にも内国際入庁と話し合いを行なったことも明らかにしています。
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この記事を読んで疑問に思うのは、マレーシアサッカー協会FAMやMリーグを運営するMFLが行ってきた毎年のクラブライセンス交付のための審査の精度です。クダ・ダルル・アマンFCは申請審査をパスして来季のクラブライセンスが交付されていますが、給料未払い問題により条件付きでの交付となったマラッカ・ユナイテッドFCやサラワク・ユナイテッドFCとは違い、特に何か条件付きの交付ということではありません。言い換えれば、この所得税滞納に関してはクラブライセンス交付を担当したMFL(審査はMFLの独立組織である第一審機関FIBが担当)からはなんのお咎めもなしということです。
FAMやMFLはこれまでも内国歳入庁への滞納金などがあればクラブライセンスは交付されないと繰り返してきましたが、この記事を読む限り滞納は2014年からと長期間に渡っています。この間、この滞納の事実をFAMやMFLが見抜けなかったのか、あるいはクダ州サッカー協会が提出した審査書類に偽装があったのか、はたまた所詮はFAMと州協会の関係が「ずぶずぶ」で審査は単に形骸化したものなのか。いずれにしてもクダ州政府とクダ州サッカー協会だけの責任とは言えないように思えます。Mリーグ全てのクラブに対し、州政府の資金を使って運営する州協会(FA)運営型からスポンサーの資金で運営されるプロクラブ(FC)運営型(=民営化)への移行を求めているFAMとMFLですが、旗振り役の両者の目が節穴では、Mリーグクラブの完全民営化の実現はまだ先の話となりそうです。
ペラ州首相-州政府は2部降格のペラFCに対して身の丈にあった支援を行う
ペラ州のサアラニ・モハマド州首相は、来季2部に降格するペラFCについて州政府として支援は行うとしながらも、従来のような多額の支援は行わず、運営に関してもペラFCを実質的に運営するペラ州サッカー協会主導で行うことを求めると述べています。
マレーシア語紙ハリアンメトロは、サアラニ・モハマド州首相の「ペラFCはペラ州サッカー協会がその株式の100%を持つオーナーであり、その運営にはペラ州サッカー協会が責任を負うべきである。州政府としてはできる範囲での支援は行なっていくが、今年だけで既に500万リンギ(およそ1億3700万円)の支援を行なっている。1部復帰へ向けてどのようなチーム編成とするかはペラ州サッカー協会が考えるべきである。」という発言を紹介し、ペラ州政府は支援を継続することを表明する一方で、無尽蔵な支援は行わないと釘を刺したと報じています。
ペラFCは今季途中に、給料未払い問題が発覚し、今季の開幕戦の先発XIの内8名が退団する異常事態となりました。その際にその批判の矛先がペラ州政府にも向けられた際には、サアラニ・モハマド州首相は1ヶ月あたりの運営費用が200万リンギ(およそ5500万円)かかるペラFCだけに州政府のスポーツ関連予算を振り分けるわけにはいかないと述べており、今季1部で11位となり2部降格となったことでペラ州政府が支援を打ち切るのではないかという声が上がっていました。
現在はマレーシアカップ参戦中のペラFCですが、このマレーシアカップ中にも4名の外国籍選手との契約を解除しており、またカップ終了後には主力選手が放出されることが予想されています。さらにペラFCのセカンドチームで今季はMリーグ2部でプレーしたペラFC IIは運営資金不足から今季いっぱいで解散される可能性が取り沙汰されており、そうなれば主力が抜けたペラFCにペラFC IIの若手選手が合流して来季のチームが編成されることになりそうです。
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上のクダ州サッカー協会に続き、ペラ州サッカー協会も州政府の公金に依存する体質からの脱却ができてないことが顕著なことを表す記事です。前身となるチームから数えると今年2021年がクラブ創設100周年だったペラFCですが、そんな記念の年にクラブ史上初となる2部降格となったのは、民営化を進めて次の新たな100年に向けての一歩を踏み出せという暗示なのかも知れません。