11月14日のニュース:パハン州政府はマレーシアカップの州内開催を拒否していた、パハンFAの「ミッキー」は退団へ、フィンク前神戸監督は候補者リストになし-スランゴール州FA、スランゴールFC新監督はフィンク元神戸監督ではなく元浦和ナイチェルAC

パハン州政府はマレーシアカップの州内開催を拒否していた
 1回戦が終了してベスト8が出揃っていたマレーシアカップは、マレーシア政府の国家安全保障委員会から延期勧告を受けた結果、延期ではなく中止となったことは先日のこのブログでも取り上げました。
 主催者のマレーシアフットボールリーグMFLは、新型コロナウィルスの感染が比較的少なく、条件付き活動制限令CMCOが施行されていないパハン州やケランタン州で試合を開催する案を国家安全保障委員会に提出して延期勧告の取り消しを求めていましたが、国家安全保障委員会がマレーシアカップの続行を認めていたとしても、パハン州首相は同州内での試合開催を拒否していたと、マレーシア語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 パハン州のワン・ロスディ・ワン・イスマイル州首相は、MFLから出されていた同州内での試合許可申請について、パハン州安全保障委員会などの助言に基づき却下していたことを明かしています。パハン州政府は同州が比較的感染者が少ない「グリーンゾーン」であったものの、新型コロナウィルス感染を広げないための努力は必要であり、サッカーの試合開催はその努力を妨げるものであるとして、MFLに理解を求めたということです。

パハンFAの「ミッキー」は退団へ
 Mリーグ1部で今季は8位に終わったパハンFAのFWモハマド・ファイザル・アブドル・ハリムの退団が決定したようです。
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロは、パハンFAを運営するパハン州サッカー協会(パハン州FA)から来季の契約オファーがなかったとして、既にMリーグの他のクラブと契約したファイザル・ハリム選手が契約していると報じています。
 22歳のファイザル・ハリム選手は2016年シーズンからパハンFAでプレーし、通算で55試合に出場し、6ゴールを決めている他、今季は初めてフル代表にも招集されています。
 今季終了間近にペナンFAなど複数のクラブからオファーを受けたということですが、来季プレーするクラブ名については現時点では明かすことを拒んだということです。またパハン州FAには今年8月には来季の契約について話をしたものの、返事を受け取ったのは、既に他のクラブと来季の契約を済ませた後だったということで、もっと早くオファーを受けいればパハンFAに残留しただろうと話しています。
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 ペナン州出身のファイザル・ハリム選手は、複数のオファーがあった中から、来季1部に昇格するペナンFAと契約した可能性が高いとされています。

フィンク前神戸監督は候補者リストになし-スランゴール州FA
 昨日のこのブログでは、来季のスランゴールFCの新監督に前ヴィッセル神戸監督トルステン・フィンク氏が有力という話を取り上げましたが、スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会(スランゴール州FA)はこの報道を否定し、フィンク氏の名前は来季の監督候補者リストには含まれていないとしています。
 マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版はスランゴール州FAのカマル・ハミドン事務局長がネット上の噂を否定し、フィンク氏は候補者になったことすらないと述べているとしています。その一方でハミドン事務局長は「我々は既に来季の新監督候補者を数名に絞り込んでおり、近いうちに正式に発表できるだろう。」とも話しています。

スランゴールFC新監督はフィンク元神戸監督ではなく元浦和ナイチェルAC
 来季のスランゴールFCがフィンク元神戸監督でない、という報道が出た後、今度はサッカー専門サイトGoal. comマレーシア版が、来季のスランゴールFC監督に2009年から2010年までJリーグ浦和でアシスタントコーチを務めた、フィンク紙と同じドイツ出身でしかも同じ52歳のカルステン・ナイチェル氏に決定したと報じています。
 その根拠として、サッカー移籍専門サイトのTransfermarktのナイチェル氏のプロフィールぺージには所属先がFAスランゴール、ポジションが監督、契約開始が2020年12月1日からと記載されていることを挙げています。
 「伝統のあるアジアのクラブにかつての栄光を取り戻す機会を与えられたことを嬉しく思う。時として人はなんでも知っていると思いがちだが、スランゴールFCで新たな文化や新たなサッカーの見方を知る機会を得ることで、自分の視野を広げたい。」とTransfermarktで述べているナイチェル氏は、同じドイツ出身のカーステン・ヌレ氏とマルコ・グリム氏をコーチとして招聘するとしています。
 またハリアンメトロは、このナイチェル氏はマレーシアへの渡航者全員に義務付けられている14日間の隔離期間を既に終了し、マレーシアカップ1回戦のスランゴールFCとマラッカ・ユナイテッド戦も観戦し、契約期間は2年間であると報じています。

11月13日のニュース:マレーシアカップの中止が決定-AFCカップ出場権はTFCへ、スランゴールFCの新監督に前ヴィッセル神戸監督が就任か、JDTから移籍のジオゴはタイ1部リーグの最高給取りに

マレーシアカップの中止が決定-AFCカップ出場権はトレンガヌFCへ
 マレーシアカップを主催するマレーシアフットボールリーグMFLは、公式Facebookで今季のマレーシアカップ中止を発表しています。
 MFLは国内のスポーツを監督する青年スポーツ省を通じて、国家安全保障委員会NSCが発表した大会延期の再検討を求めていましたが、これが受け入れられなかったことから、中止を決定したとしています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、今回の中止決定はMFLは選手を含めた関係者全員の健康と安全を優先するNSCの決定を尊重した結果であると話す一方で、大会が延長された場合、選手の契約期間が11月末までであることから、契約延長によって様々な問題が生じる可能性があるとも中止決定の理由に挙げています。
 またマレーシアカップ優勝チームに与えられる予定であった来季2021年シーズンのAFCカップ出場権は、今回のマレーシアカップ中止の決定により今季Mリーグ3位のトレンガヌFCに与えられることも臨時役員会で決定されたしています。

スランゴールFCの新監督に前ヴィッセル神戸監督が就任か
 Mリーグ1部で5位となったスランゴールFCはリーグ戦中にサティアナタン・バスカラン監督を解任し、残りの試合はマイケル・ファイヒテンバイナーTD(テクニカルダイレクター)が代行監督を務めましたが、既に新監督が決まっているようです。
 その新監督とは今季、Jリーグのヴィッセル神戸で指揮をとりながら、家庭の事情を理由に9月に辞任していたトルステン・フィンク氏だとスポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 スタジアムアストロによれば、ドイツ出身のフィンク監督は既にマレーシア国内におり、渡航者全員に義務付けられている入国後2週間の隔離期間を過ごして最中であるとも報じています。
 昨年2019年にヴィッセル神戸の監督に就任したフィンク氏は同年の天皇杯、今年2月の富士ゼロックススーパーカップで優勝するなどの実績を残していました。
 なおフィンク氏が率いていたヴィッセル神戸は、今季のアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグでMリーグ覇者のジョホール・ダルル・タジムJDTと同じG組に入り、監督在任中だった今年2月12日のグループステージ開幕戦ではJDTを5-1と一蹴しています。
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 Mリーグ7連覇の覇者JDTとの今季の対戦では1-6と惨敗し、昨年までの過去5シーズンでもリーグ戦では10試合で1勝4分5敗とJDTには劣勢のスランゴールFCですが、フィンク監督が新監督に就任することになれば、スランゴールFC対JDTは俄然注目のカードとなります。
 Mリーグ1部では9勝2分0敗と今季無敗だったJDTが2020年に喫した唯一の黒星がACLのヴィッセル神戸戦だったことを考えると、JDTによる一強多弱状況を打破したいかつての王者スランゴールFCが探していたのは、まさに「JDTを破った経験のある監督」だったということかも知れません。

JDTから移籍のジオゴはタイ1部リーグの最高給取りに
 サッカー専門サイトのヴォケットFCは、Mリーグ1部チャンピオンのJDTからタイ1部リーグのBGパトゥム・ユナイテッドに移籍するジオゴがタイ1部リーグで最高の年棒が払われる選手となる可能性を報じています。
 ヴォケットFCはタイ国内メディアのサイアムスポーツの記事を引用し、JDTでプレーしていた際に支払われていた給料金額が高かったことから、BGパトゥム・ユナイテッドもそれに見合った金額を用意した結果、対1部リーグの最高級取りとなりそうだとしています。
 ジオゴ選手のBGパトゥム・ユナイテッドでの月給は330万バーツ(およそ1150万円)ということですが、このジオゴ選手の他のBGパトゥム・ユナイテッドの選手の給料は、チーム内2位のヴィクトル・カルドゾは月給100万バーツ(およそ348万円)、3位の清水エスパルスから移籍するとされているティーラシン・デーンダーは月給72万5000バーツ(およそ252万円)となっていますが、このチームでプレーするマレーシア代表のノーシャルル・イドラ・タラハは、チームの給料ランキングではトップ8に入っていないということです。