7月16日のニュース:JDTのソーシャルメディアのフォロワー数は360万人、代表監督は8月のリーグ再開を希望、U19監督は新戦力にも期待

JDTのソーシャルメディアのフォロワー数は360万人
 Mリーグ1部ジョホール・ダルル・タジムJDTは公式Facebook上で、主要ソーシャルメディア上でのフォロワー数がMリーグで最多であることと発表しています。
 この発表によれば、JDTの公式Facebookページはおよそ250万人のフォロワーが、公式インスタグラムはおよそ90万人のフォロワーが、そして公式ツイッターはおよそ21万7000人のフォロワーがおり、合計でおよそ360万人のフォロワーがいるとしています。
 一方他のMリーグクラブについては、クダFAがおよそ90万2000人、スランゴールFCが50万5000人、そしてペラTBGが18万人のフォロワーを抱え、JDTに続いているとしています。
 またJDTのフォロワー数はマレーシア国内だけでなく、東南アジアでもトップクラスだとしており、インドネシアのプルシブ・バンドンの1490万人、プルシジャ・ジャカルタの660万人には劣るものの、タイのムアントン・ユナイテッドの260万人、ブリーラム・ユナイテッドの210万人やフィリピンのセレス・ネグロスFCの6万5000人、シンガポールのライオン・シティ・セーラーズFC(旧ホーム・ユナイテッドFC)の2万6000人より多くのフォロワーを持っているとしています。
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 ソースがないのでJDT以外のクラブのフォロワー数については、非公式なデータの可能性もありますが、それでも人口がおよそ2億6800万人のインドネシア、およそ1億70万人のフィリピン、6980万人のタイなどに比べ、人口がおよそ3200万人しかいないマレーシアのクラブながらこのフォロワー数の獲得は立派です。
 斯く言う私自身もJDTのソーシャルメディアのフォロワーの一人なのですが、JDTのソーシャルメディアが気に入っている点は、ページがマレーシア語と英語の2つの言語で書かれていることです。英語でも情報が得られるということでマレーシア国外にも一定数のフォロワーがいる可能性もあります。
(下はJDTの公式Facebookぺーじより)

代表監督は8月のリーグ再開を希望
 マレーシア政府はサッカーなど身体接触を含む競技の試合実施を8月15日から解禁とすることを発表していますが、国内リーグMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは、慎重な姿勢から当初の予定通り9月1日からのリーグ再開の可能性をほのめかしています。
 これに対してマレーシア代表のタン・チェンホー監督は、リーグ再開を必要以上に遅らせることは、10月からのW杯予選を控えるフル代表にとっては好ましくないと述べていると、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 再開日程についてMFLからはまだ公式な発表はないものの、多くのクラブが予定通り9月1日のリーグ再開を望んでいる一方で、リーグ再開が早まることで、収入が得られる時期も早まることから8月15日の再開を望んでいるクラブもあると、ニューストレイトタイムズは報じています。
 MFLやMリーグ各クラブの思惑とは別に、代表のタン監督はFIFAカレンダーで規定されている10月5日から13日の間で代表強化合宿を予定していることから、リーグ再開が早まれば3月半ば以降、実戦から遠ざかっている選手たちが自信や試合勘などを取り戻すことに使える時間が増え、それが代表チームにとっても好影響となると話しています。その一方で9月1日からの再開となれば各クラブは4週間で7試合から8試合を消化する日程となり、選手が疲労などからケガをする可能性が高くなることを心配しているとも述べています。
 この他にタン監督は、特に9月1日にリーグ再開となった場合、W杯予選前の実践は10月2日に予定されているバーレーン戦のみとし、Mリーグのクラブとの練習試合などは検討していないとしています。

U19監督は

U 19監督は新戦力にも期待
 10月に開催予定のアジアサッカー連盟AFC U19選手権は、開催地となるウズベキスタンで新型コロナウィルス感染者数が増加したことから、全国的なロックダウンが8月1日まで行われることが発表になっています。これが長引くことがあれば、U19選手権の開催も危ぶまれますが、このU19選手権に出場するマレーシアU19代表はそんな状況を気にせず、現在、強化合宿を開催中です。
 U19代表監督でオーストラリア出身のブラッド・マロニー監督は、7月6日から始まっている今回の合宿に初参加となるアダム・ナズミ・ザムリとザクリー・ライフ・ガジー・ヨーの両選手に注目していると、ニューストレイトタイムズの取材に答えています。
 初参加ながらコーチ陣の目に止まったというアダム選手はタイのプーケットにあるインターナショナルスクールに併設し、ブラジルのクルゼイロECが運営するアカデミー出身、またザクリー選手はイギリス中部レスターシャー州にあるブルックカレッジに併設するアカデミーの出身で、マレーシア国内のクラブ出身者や国家サッカー選手養成プロジェクトNFDP出身者が大半を占めるU19代表候補の中では異色の存在です。
 マロニー監督は、国外から参加の二人は既にチームに溶け込んでおり、その高い技術やサッカー選手としての質の高さは他の選手との良い意味での競争心を生み出していると話し、これにアメリカから参加し、今日7月16日には2週間の隔離が終わって練習参加が可能となるワン・クズリ・ワン・アーマド・カマルが加わることで、U19代表候補は最終選考へ向けてより高いレベルで競争できると話しています。

7月15日のニュース:Mリーグ4クラブのみが民営化手続き完了、MFLは身体接触を含む練習許可に練習試合許可は含まれていないことを警告、FAM会長-2030年までにアジアトップ5入りを目指す計画は順調に進行中

Mリーグ4クラブのみが民営化手続き完了
 マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、現時点で国内リーグMリーグのクラブの内、4クラブが民営化の手続きを完了していることを公表しています。マレーシアの通信社ブルナマによると、スチュアート事務局長は具体的なクラブ名は公表しなかったものの、Mリーグの4クラブが民営化手続きを終えており、このほかに12クラブが手続きを進めている最中と言うことですが、残る6クラブはFAMが定めた今年9月30日の期限を前に民営化手続きに着手すらしていないと言うことです。
 サッカークラブの「民営化」と言う表現に違和感があるかも知れませんが、Mリーグの多くのクラブは、マレーシア国内の各州サッカー協会(州FA)によって運営されているいわば公営クラブで、このブログでもクラブ名をクダFA、ケランタンFAといったように州名プラスFAという表記を使っているのもこれが理由です。
 Mリーグクラブの民営化については、アジアサッカー連盟も関心を示しているとされ、来季2021年シーズン開幕までに民営化が完了しないクラブには様々な障害が生じる可能性があるということで、FAMも民営化を奨励しています。
 「州FA所属のクラブが民営化する際にはいくつかの段階を踏む必要があり、2020年は新たにクラブ(FC)を新設する段階とFAMは位置付けている。FC新設後は、州FAからFCへの運営権の移行を含む次の段階に進むことになる。」と話すスチュアート事務局長は、今年は新型コロナウィルスの影響や、連邦政府内の政変に伴う州政府内の政権交代などによって、民営化の進行が遅れていることには理解を示し、FAMは各州FAを支援する用意があるとしています。
 この民営化は、州政府に選手の給料を含めた大半の運営資金を依存する多くのクラブの運営方法を改めるとともに、その経営健全化へと舵を切る切り札と目されています。
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 多くの州で、州首相が州FA会長を兼任する状況は、その会長職が単なる名誉職となっているだけでなく、今年のように政変で会長が交代を強いられるなど、本来なら長期的展望を持って運営されるべき各州FAが政治家に翻弄されているのが現状です。
 また現在の形態は、公金が投入されることをいいことに、経営手腕がない名ばかりの役員が高額で選手と契約し、その挙句に給料未払い問題を起こしていることとも無関係ではありません。この民営化が実現すれば、プロクラブを名乗りながら、選手への給料を支払えないFAが淘汰されていく可能性もあり、Mリーグが名実ともにプロリーグへとなる日も近づくのではないかと思います。

MFLは身体接触を含む練習許可に練習試合許可は含まれていないことを警告
 いよいよ本日7月15日よりMリーグ各クラブは身体接触を含む通常練習が可能になりますが、Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグは、身体接触を含めた練習の許可には練習試合実施の許可は含まれていないことを明言しています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、身体接触を含めた練習の解禁は練習試合の実施も可能になるわけではないとし、MFLは各クラブが標準作業手順SOPを遵守した上で練習を続けることを求めているとマレー語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 「MFLはどのクラブにも練習試合実施許可を出していないが、これは身体接触を含めた第二段階練習解禁後も選手やスタッフなどの安全と健康を考慮した上で、SOPが遵守されるかどうかを確認することを優先しているからである。これが確認された後には、時期を見計らった上で練習試合の実施を許可する予定である。」と話すガニCEOは、リーグ再開時期について問われると、各クラブが使用するスタジアムの消毒や除染、さらに施設の修理などを行って、再開後に問題が発生しないよう十分な準備の時間を確保できるようにした上で、再開時期を決定したいと話しています。

FAM会長-2030年までにアジアトップ5入りを目指す計画は順調に進行中
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上に、7月14日に就任から3年目となるハミディン・モハマド・アミン会長の2年間の実績報告などを掲載しています。
 Mリーグ1部ジョホール・ダルル・タジムJDTのオーナーでもあるジョホール皇太子トゥンク・イスマイル殿下辞任の後を受けて2018年7月に就任したハミディン会長は、スランゴール州サッカー協会FASの事務局長の経験もある元銀行家で、それまで政治家や王族が歴任してきたFAMの会長職についた初めての「民間人」です。
 会長就任後には2023年のAFC選手権アジアカップ出場、2016年までにFIFAランキング100位内、そして2030年までにアジアのトップ5入りとFIFAランキング70位以内などの目標を打ち出しましたが、当時はその目標は高すぎるという声が大半でした。
 しかし代表チームは2023年AFC選手権の予選を兼ねるFIFAW杯アジア二次予選ではベトナムに次ぐ2位につけており、FAMの公式サイトでは、ハミディン会長が提唱する2030年までのアジアトップ5入りを目指す指針F:30は順調に進行中であるとしています。
 またサッカー振興の礎となるコーチの養成のためのマレーシアコーチ憲章では、AFCプロコーチ養成コースの開催、プロ審判憲章ではプロ審判候補者の絞り込みが行われており、こちらも順調に進行中であるとFAM公式サイトでは伝えられています。
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 ハミディン会長は、かつてはマレーシアよりも弱かった日本が今ではアジアでもトップクラスの代表チームを擁することから、同じアジア人として日本から学びたいという発言を何度も繰り返しており、実際に日本サッカー協会JFAとの積極的な関係構築や、プロコーチ養成コースの一環としてJリーグのセレッゾ大阪や大宮アルディージャへの派遣、また昨年は国内カップ戦FAカップの決勝戦を日本から主審と副審を読んで開催するなど、日本に追いつき、追い越せという姿勢が見て取れます。