6月15日のニュース:今季に限りMリーグは選手が3クラブでの登録が可能に、クダFAはさらに退団希望者が続く可能性も、スランゴールFCは6月22日より練習を再開

今季に限りMリーグは選手が3クラブでの登録が可能に
 マレーシアサッカー協会FAMは国際サッカー連盟FIFAによる臨時の規則変更に伴い、今季に限り、選手がシーズン中に異なる3つのクラブでの出場を認めると発表しています。
 FIFAは各国リーグの中断や早期終了に伴う世界的なサッカー選手の失業問題に取り組むため、今回の暫定的な規則変更を行うとしています。
 この規則変更により、各国のサッカー協会FAは今季終了前に従来のトランスファーウィンドウ移籍期間に加え、新たな移籍期間を設けることが可能になっています。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、規則変更がFIFAの理事会で承認されれば、各国FAはそれに従う義務が発生することを認めた上で、6月9日に発表になったこの暫定的な規則変更案をまずは検討し、必要な修正を行いたいと話しています。
 なおマレーシアの今季2度目のトランスファーウィンドウは5月15日から6月11日となっていました。
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 東南アジアではミャンマーが既に今季2度目のトランスファーウィンドウを7月1日から7月25日に変更しています。なお、最新のトランスファーウィンドウ日程はこちらから確認できます。

クダFAはさらに退団希望者が続く可能性も
 Mリーグ1部のクダFAに所属する選手が5月29日付で契約解除を申し入れた話は、先日のこのブログでも取り上げましたが、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、この選手の契約解除依頼を発端に、今後、さらにクダFAからの退団を希望する選手が出る可能性があることを報じています。
 クダFAを運営するクダ州サッカー協会KFAは選手に対して2月分は一部のみ、3月分以降は全く給料を払っていない状況が続いていることが明らかになっています。
 5月29日に退団を申し出た選手は、退団が承認される前に解決しなければならない問題があるということで、未だ名前を明かしていませんが、KFAが承認すれば名前を明かすとしています。またこの選手は契約解除を希望する理由として、未払い給料問題のみが原因ではないとして、クダFAのサポーターに対して悲観をしないで欲しいと求めているということです。

スランゴールFCは6月22日より練習を再開
 Mリーグ1部のスランゴールFCは、Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLが求める標準作業手順SOPに従って、6月22日から練習を再開することを発表しています。
 スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会FASのジョハン・カマル・ハミドン事務局長は、来週にも選手、監督およびコーチが新型コロナウィルスに感染していないかどうかの検査を受けた上で、練習を再開するとニューストレイトタイムズに語っています。
 ハミドン事務局長は、MFLのSOPに従って、スランゴール州シャーアラムにある練習場をマレーシア政府の通商産業省に登録したことも明かし、スランゴールFCは6月22日から、BチームでMリーグ2部に所属するスランゴール2はその翌週から練習を開始するとしています。

6月14日のニュース:FAMはサッカー活動再開の指針を発表、ルクマンはロンドン拠点の代理人会社と契約、JDTオーナーは嫉妬の噂を一蹴、JDTは今季の年間パス購入者に来季の年間パスを無料で進呈

FAMはサッカー活動再開の指針を発表
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で、「サッカーに戻ろう」と題したサッカー活動再開のための指針を公表しています。
 この指針はマレーシア国内にあるFAM傘下のサッカーアカデミーを対象にしたもので、現在発令中の経済復興のための活動制限令RMCO下でのマレーシア政府による標準作業手順SOPに基づいたものとなっています。
 この指針では、アカデミーの練習に参加できるのは選手と指導者およびアカデミーの関係者だけとなっており、選手は水分補給用のボトルを各自が用意し、持ち主がわかるように名前を書くこと、練習中に唾を吐かないこと、汚い手で顔を触らないこと、練習後はすぐに手を洗うことなどが求められています。
 また保護者は選手の送迎以外では練習グラウンドに近づかないこと、また練習中もグラウンド近辺で待機する場合には、原則として車の中からは出ないことが求められています。万が一、保護者が車の外で出る場合でもグラウンドからは3m以内には近づかないこと、また保護者同士は1mから3m程度のいわゆるソーシャル・ディスタンス「社会的距離」を維持すること、またトイレなどを除いて選手が使用する施設を使用しないことなども指針に含まれています。
 指導者に対しては、練習に参加する選手および保護者のアカデミーの選手の年齢や人数、そして練習で使用するピッチの広さに応じて練習中の選手間の距離を決める他、年齢ごとに練習時間を変えること、また練習施設の殺菌や消毒体制の管理が求められています。
 興味がある方のために、FAMによる指針のリンクを以下に貼っておきます。
1)「サッカーに戻ろう」の指針
2)練習に参加する生徒および保護者の情報記録用紙
3)練習グラウンドとその周辺に掲示する標識原本
4)選手および保護者への情報発信用インフォグラフィック
下は「サッカーに戻ろう」プログラムの指針を伝えるFAMの告知

ルクマンはロンドン拠点の代理人会社と契約
 ベルギー1部リーグのKVコルトレイクと5年契約を交わした18歳のルクマン・ハキム・シャムスディンがロンドンを拠点とする代理人会社のEL-EFスポーツ社と代理人契約を交わしたことを、マレー語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 ブリタハリアンによれば、EL-EFスポーツ社が公式インスタグラム上でルクマン選手との契約を発表し「ルクマン選手と一緒に仕事ができること、そしてルクマン選手がプロとしてのキャリアを始めるにあたり、完璧な環境を提供できることを楽しみにしている。」と言うメッセージとともに、複数の写真も掲載しているということです。
 ブリタハリアンは、ルクマン選手はKVコルトレイク以外にもヨーロッパの複数のクラブからも関心を集めているとして、今回の代理人会社との契約により、今後はヨーロッパの選手市場でより良い条件でプレーする機会を得られるようになるだろうとしています。
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 選手の移籍情報などでは、私はドイツのTransfermarkt(トランスファーマルクト)というサイトをよく見るのですが、それによると上の記事に出てくるEL-EFスポーツ社の契約選手は現在、ルクマン選手しかいません。今後のマレーシアを背負って立つかもしれない選手が、そんな怪しい代理人会社と契約して本当に大丈夫なのか、と心配になります。

JDTオーナーは嫉妬の噂を一蹴
 ルクマン選手関連の記事をもう一つ。ルクマン選手がベルギーへ出発することが決まった直後に、Mリーグ1部で6連覇中のジョホール・ダルル・タジムJDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が、ルクマン選手の移籍は単純に選手としての力量によるものではなく、それ以外の力が働いた結果であるとソーシャルメディアでコメントしましたが、これに対してJDTがルクマン選手の獲得に失敗したことによる嫉妬ではないかという意見がネット上に見られるようになりました。
 ブリタハリアン電子版は、こう言った一部のサッカーファンの声に対してイスマイル殿下は、自分はやるべきことがあり嫉妬などしている時間はないとして、嫉妬をしているのではないかと問うファンにはノーと答えた上で、自分のコメントを最後まで読むようにとインスタグラム上で答えていると報じています。
 ちなみにイスマイル殿下のコメントの最後は「成功することを祈っている」「詐欺師に騙されないように気を付けろ」というものでした。
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 ルクマン選手が移籍するKVコルトレイクはマレーシア人富豪のヴィンセント・タン氏が所有するクラブで、タン氏はマレーシア政府とも近いと言われています。ルクマン選手の移籍に何か力が働いたというイスマイル殿下の意見は荒唐無稽なものではないように思えます。また上の記事でも書きましたが、ルクマン選手との契約を結んだロンドンを拠点とする代理人会社の契約選手がルクマン選手だけというのも、イスマイル殿下の「詐欺師に騙されないように気を付けろ」と関連がありそうな気がしなくもありません。

JDTは今季の年間パス購入者に来季の年間パスを無料で進呈
 イスマイル殿下がオーナーのJDTは公式Facebook上で、今季2020年シーズンの年間パス購入者に対して、来季2021年シーズンの年間パスが自動的に付与されると発表しています。
 サポーターの支援に感謝するためとしている告知では、今回の特典の恩恵を受けるサポーターには年間パスを購入した場合に提供されるユニフォームは来季は自動的には提供されないということですが、その代わりに10%の割引価格で来季ユニフォームの購入が可能になるということです。
(下はJDTの公式Facebookで発表された来季の年間パス進呈の告知)