11月15日のニュース:MFL2部と3部の入れ替え戦は11月23日実施、フェルダUは渡邉将基、池田圭両選手と契約せず、セレッソ大阪が在馬日系企業をパートナーに決定

MFL2部と3部の入れ替え戦は11月23日実施
 マレーシアフットボールリーグMFLのホームページでは、MFL2部プレミアリーグ11位のサラワクFAとMFL3部M3リーグ2位クチンFAの入れ替え戦が11月23日午後8時15分開始となることを発表しています。
 またサラワクFA、クチンFAとも、ホームとして同じサラワク州立スタジアムを使用していることから、MFL理事会の投票によりホームチームを決定するとしている他、試合に出場する外国籍選手に関しては、リーグの規定ではプレミアリーグは4名、M3リーグは2名の外国籍選手枠があることから、この入れ替え戦ではフィールド上にいられるのは2名までとしています。
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 クチンFAの本拠地クチンはサラワク州の州都で、この入れ替え戦は、例えて言えば東京都代表チームと港区代表チームが入れ替え戦を行うような図式になっており、サラワクFAとしては負けられない試合です。しかしクチンFAには鈴木裕太選手が在籍しており、個人的にはクチンFAに昇格を勝ち取ってもらい、鈴木選手をプレミアリーグの試合で見てみたいです。

フェルダUは渡邉将基、池田圭両選手と契約せず
 英字紙スター電子版は、MFL1部のフェルダ・ユナイテッドがニザム・ジャミル監督と新たに2年契約を結んだことを伝えています。今季2019年のフェルダ・ユナイテッドは、MFL最終節での勝利により10位となり、2部降格を免れるというクルシーズンを送りました。
 しかし来季2020年は今季よりクラブ運営資金が縮小され、連邦土地開発公団下の入植農家出身者をプロサッカー選手として育成しすることなどを目的とした若手主体のクラブに生まれ変わることから、さらに厳しいシーズンとなりそうだとスター電子版は報じています。
 またクラブの方針変更により、今季は代表でも数試合プレーしたMFハディン・アズマン主将、今季30試合に出場した正GKノラズラン・ラザリ、MFクリスティ・ジャイエシレン、 DFアリフ・ファジラー・アブ・バカルら主力選手に加え、外国籍選手の渡邉将基、池田圭両選手やFWチアゴ・アウグスト、MFジョシネイ・シャド(いずれもブラジル)とも新たに契約を更新しないことを発表しており、来季は代表にも招集されているダニアル・アミエルやアンワル・イブラヒム、ザハリル・アズリなどが主力となるだろうとしています。これについてニザム監督はチームの平均年齢を下げるためとしていますが、年齢以上に予算縮小による影響によるものでしょう。
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 フェルダ・ユナイテッドを統括する連邦土地開発公団FELDA(フェルダ)は、換金作物を栽培する小規模農家を組織するために設立されたマレーシア政府機関の一つで、パーム農園(プランテーション)運営フェルダ・グローバル・ベンチャーズ・ホールディングス社や、パーム油生産を行う政府系企業フェルダホールディング社やを傘下に持っています。
 世界のおよそ85%をマレーシアとインドネシアが生産するパーム油はマレーシアを代表する輸出農作物で、マーガリンやチョコレートなどの食料品・シャンプーなど日用品の原材料・発電用燃料などに幅広く使われていますが、健康への悪影響が指摘されているほか、パーム油農園の開拓が森林破壊の元凶だとの批判が根強いことから、主要な買い手である欧州連合(EU)がパーム油の輸入を2030年までに禁止する方針を決めており、その影響がフェルダ・ユナイテッドの運営予算縮小につながっている可能性はあります。

セレッソ大阪が在馬日系企業をパートナーに決定
 セレッソ大阪のホームページでは、在マレーシアの日系企業であるヤクルト・マレーシア社がアセアンアクティブパートナーシップに決定したことを告知しています。
 また、このニュースに合わせて、C大阪が来季のスプリングトレーニングを行いたい意向を表明しているとマレーシアの通信社ベルナマが報じています。マレーシアの国家スポーツ協会(ISN、日本の日本スポーツ協会にあたります)のアーマド・ファエザル・モハマド・ラムリCEOによると、C大阪では「モリシ」の愛称で知られた森島寛晃代表取締役社長がISNのスポーツ科学施設や隣接するブキ・ジャリル国立競技場など周辺のスポーツ施設に対して好印象を持った様子であったそうです。
 最終的な決定は森島代表取締役がクラブに持ち帰ってから行われるとしていますが、従来はタイで春季キャンプを行っているC大阪に対して、上記のアセアンアクティブパートナーとなったヤクルト・マレーシア社がマレーシアでのキャンプを強く働きかけているということです。
 C大阪の森島代表取締役とヤクルト・マレーシア社の浜田社長の訪問を受けたアーマド・ファエザルCEOは、マレーシアでC大阪が春季キャンプを開催することがあれば、それを見ることは我々にとって貴重な機会となると述べています。

11月14日のニュース(2):マレーシアはタイに逆転勝ち!

 FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ予選グループGで、マレーシア代表はタイ代表に2-1と逆転勝利し、次戦以降に希望が繋がる貴重な勝利を挙げています。
 0-1と敗れた前節のベトナム戦のメンバーから2名を入れ替えたタン・チェンホー監督でしたが、その2名が起用に応えて活躍しました。GKカイルルアズハン・カリドは好セーブでタイの攻撃を1点に抑え、DFシャミ・サファリとMFシャマー・クティ・アッバは豊富な運動量でタイ守備陣を撹乱しました。
(以下はこの試合のマレーシア代表のスターティングXI)

 試合は動きが重いマレーシアに対してタイが積極的に攻める展開となり、開始から7分でチャナティップ・ソングラシンのゴールでタイが先制します。
 この試合に負ければワールドカップどころかアジアカップ出場も遠のくマレーシアは、この1点を取られたことで徐々にエンジンがかかり始め、26分には左サイドを上がったラヴェル・コービン=オングからのボールをシャマー・クティ・アッバがゴール前へのブレンダン・ガンへクロス。これをブレンダン・ガンが決め、マレーシアが同点に追いつきます。
 そして56分にはサファウィ・ラシドからのパスを受けたブレンダン・ガンがタイDFラインの裏へ浮き球でパスし、これをムハマドゥ・スマレがボレーシュート。タイのGKシワラック・テースーンヌーンが触れるもボールはゴール内へ飛び込み、マレーシアが逆転します。
 ホームのブキ・ジャリル国立競技場ではタイに負けたことのないマレーシアは、この後、全員が最後まで走り続け、身体を投げ出して守り切り、貴重な勝利を挙げています。
 なおこの日、ホームでアラブ首長国連邦UAEを1−0で破ったベトナムが勝点10で首位、勝点7のままのタイが2位、UAEとマレーシアはともに2勝2敗の勝点6ですが得失差でUAEが3位、マレーシアが4位、この日試合のなかったインドネシアは勝点0の5位となっています。
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 1ゴール1アシストと活躍したブレンダン・ガン(ペラTBG)は、いわゆるボックストゥボックスプレイヤーの評価通り、攻撃に守備に活躍し、マンオブザマッチなのは誰の目にも明らかでしょう。またタジキスタン戦では、今一つポジショニングがはっきりしなかったシャマー・クティ・アッバが攻撃的MFとして豊富な運動量で守備を引きつけ、その結果、シャフィク・アーマドが動くスペースを作ることができるようになった今回の布陣は、次戦11月19日のインドネシア戦でも見てみたい布陣です。(写真はマンオブザマッチとなったブレンダン・ガン)