10月27日のニュース:ワン・クザインのU22代表招集に暗雲、マラッカUのザイナル監督が留任

ワン・クザインのシーゲームズ参加に暗雲
 アメリカのプロサッカーリーグMLSのスポーティング・カンザスシティに所属する21歳のMFワン・クザイン・ワン・カマルはアメリカ生まれながらマレーシア人の両親を持ち、来月11月25日からフィリピンで開催される東南アジア競技大会、通称シーゲームズに参加するマレーシアU22代表へ招集される可能性が取り沙汰されています。
 しかしそのワン・クザイン選手はマレーシアのパスポートを持っているものの、既に有効期限切れになっているようで、新たなパスポート取得のためには直ちにマレーシアに戻る必要があるとマレー語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 マレーシアU22代表としてプレーするための手続きには2週間ほどかかるようで、シーゲームズ参加登録に間に合わせるためにも、11月初旬のMLS終了後、速やかな帰国を望んでいることをマレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は表明していますが、パスポート取得から代表参加までの期間が短ければ、チーム自体が混乱する懸念もあり、このままではワン・クザイン選手の招集自体が見送られる可能性があります。

マラッカUのザイナル監督が留任
 マラッカ・ユナイテッドを統括するマラッカ州サッカー協会MUSAは、今季2019年に続いて来季2020年もザイナル・アビディン・ハサン監督がチームの指揮を取ることを発表しました。
 スポーツ専門サイトフォックススポーツによると、MUSAのアドリー・ザハリ会長はマレーシアフットボールリーグMFLで昨季の7位から今季は6位と順位を上げたこと、またマレーシアカップ でも準々決勝に進出したことを評価した結果の続投要請であったことを明かしています。
 今季のマラッカ・ユナイテッドは開幕の5試合で3勝1分1敗と好スタートを切ったものの、ケガ人の続出や下位チーム相手の取りこぼしなどで同じ勝点33の5位のペラTBGを勝数で上回りながら、得失差で6位となっています。
 マラッカ州知事でもあるザハリ会長は、より上位に進出すつための新たな戦力の獲得もザイナル監督に一任するとしています。
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 マラッカ・ユナイテッドは、リーグ戦中から給料未払いが何度か取り沙汰されましたが、マレーシアカップ準々決勝直前に主将のシュコル・アダンが数ヶ月の給料未払いを告発して試合出場を拒否、チームも準々決勝第1戦と第2戦通算でパハンFAに6-1で敗れています。
 また来季のMFL参加に必要なクラブライセンスも条件付きでの交付となっていることから、MUSAにどれだけの強化資金があるのかは不明で、ザイナル監督が望むような補強ができるのかどうかも定かではありません。 

マレーシアカップ準決勝第2戦の結果まとめ

10月26日(土)にマレーシアカップ準決勝第2戦の2試合が行われました。カードはスランゴールFA(マレーシアフットボールリーグMFL今季3位)対ジョホール・ダルル・タクジムJDT(同1位)、パハンFA(同2位)対クダFA(同4位)でしたが、それぞれJDTとクダFAが勝ち抜け、11月2日の決勝に駒を進めています。

スランゴールFA3-0JDT(第1戦と第2戦の合計はスランゴールFA1-5JDT)
得点者:JDT-サファウィ・ラシド3(25分、46分、51分)
 準決勝第1戦に2ー1と勝利したものの、エースのジオゴを欠き、第2戦に不安を残したJDTでしたが、そんな不安を払拭したのは復帰したジオゴではなく、時世代のエースとされながら代表では結果が出ず苦しむ、サファウィ・ラシドでした。
 スランゴールのDFをかわして先制ゴールを決めると、2点目は前に出ていたGKの頭の上を越える左足からの美しいループシュート、そしてGKの足の間を抜いて決めた3点目でスランゴールFAを粉砕し、2014年(準優勝)、2017 年(優勝)に続く3度目のマレーシアカップ 決勝進出を果たしています。

パハンFA5-5クダFA(第1戦と第2戦の合計はパハンFA8-8クダFA)
得点者:パハンFA-ディクソン・ヌワカエメ2(33分、120分)、ラザラス・カイムビ2(71分、76分)、エラルド・グロン(114分)、クダFA-フェルナンド・ロドリゲス2(9分、118分)、ジョナサン・ボウマン(56分)、バドロル・バクティアル(86分)、レノン・アルヴェス(93分)
 第1戦と第2戦の合計が8-8という壮絶な試合は、アウェイゴールルールにより、クダFAがパハンFAを振り切って、決勝進出を決めています。
 両チームとも積極的にゴールを狙って始まった試合でしたが、第1戦ではクダFA相手に3点のアウェイゴールを挙げていたパハンFAは、試合前の段階ではクダFAに対して心理的に優位に立っていたはずでした。試合はスペイン出身FWフェルナンド・ロドリゲスのゴールでクダFAが先制しましたが、パハンFAはすかさずエースのFWディクソン・ヌワカエメのゴールで追いつきます。
 後半に入ると、ジョナサン・ボウマンのゴールで再びクダFAがリードを奪いましたが、ラザラス・カイムビが71分に同点の、そして76分に逆転のゴールを決めて3-2とリードした時点で、勝負あったかに思えた試合は、85分にクダFAのキャプテンバドロル・バクティアルが同点ゴールを決め、この時点で両チームにアウェイゴールのアドバンテージがなくなりました。
 3-3のまま試合は延長戦に入ります。延長前半にはレノン・アルヴェスのゴールで再びクダFAがリードし、今度はクダFAにアウェイゴールのアドバンテージとなりました。すかさずパハンFAもヌワカエメ選手が得たPKをエラルド・グロンが決めて同点としますが、クダFAのロドリゲス選手がこの日2点目となるゴールを118分に決めて再度リードを奪いました。その後120分には、ヌワカエメ選手が同点ゴールを決めるも、試合はそこで終了しクダFAが決勝へ進出しました。
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 JDTとクダFAの対戦は2017年のマレーシアカップ決勝と同じ顔合わせとなりました。シャーアラムスタジアムで行われた決勝は、アイディル・ザフアンとゴンザロ・カブレラのゴールでJDTがクダFAを2-0で下し、初タイトルを獲得しています。