強くてもスタジアムが埋まらないJDT
先週末から始まったマレーシアカップの開幕戦をホームのラーキンスタジアムで戦ったジョホール・ダルル・タクジムJDTですが、UITM FCとの試合の観衆はわずか5,860人でした。これについて主将のハリス・ハロンがJDTのFacebookにメッセージを寄せ、ファンにスタジアムに足を運んで応援して欲しい、と訴えています。
メッセージの中でハリス選手は、2014年にJDTに移籍して以来、どこへ行ってもJDTの話題で持ちきりだったが、昨日の試合(8月3日のUITM FC戦)は、自分もチームメートも観衆が少なく悲しかったと述べています。リーグ戦6連覇を果たしたことでこれまで以上の声援をもらえるかと思ったがそうでなかったことが残念で、ファンの支持がなければチームは全力で試合に臨むことが難しいとも語っています。
ハリス選手のポストには、900近く書き込みがあり、その中には「今年はAFCチャンピオンズリーグの試合も含めて試合が多すぎるのでファンも観戦する試合を選ぶ必要があり、マレーシアサッカーリーグMFL2部のUITM FCとの試合では多くのファンが観戦をパスしたのでは」などというコメントとともに、現在のベンジャミン・モラ監督のサッカーは魅力的でないとするコメントが目立ちます。(下はJDTのFacebookに掲載されたハリス・ハルンのポスト)
ペナンFAはスポーツ訴訟専門の弁護士に依頼してCSAへ仲裁申し立て
今シーズン、マレーシアフットボールリーグMFL2部で3位となり、1部スーパーリーグ自動昇格の権利を得たペナンFAは、FIFAの裁定により勝点6を剥奪(はくだつ)され、その結果、順位が6位となり昇格権を失いました。ペナンFAチームを統括するペナン州サッカー協会FAPは、このFIFAの裁定に対してスポーツ仲裁裁判所CSAに仲裁申し立てを行うとして、そのためにスポーツ訴訟専門のブルガリア人弁護士ヴェッセル・ディミトロフ氏を指名したと、マレーシアの通信社ブルナマ電子版が伝えています。なお、FIFAによる裁定についてはこちらを参照して下さい。
FAPのアマル・アブドラ会長は、ブルナマの取材に対して、来週にも必要書類をCASに提出できるよう、ディミトロフ弁護士と協議中であるとしています。また、仲裁申し立て費用が4万7000リンギ(約120万円)となる一方で、PFAの尊厳に関わる問題であるとし、CASによる精査と公平な判決を求めたいと述べています。FAPに資金援助を行っているペナン州政府のチョウ・コンヨウ州知事は、ペナンFAチームの今シーズン成績に満足しており、FAPによる仲裁申し立てを支持していると述べています。さらにFAPの新経営陣は、全経営陣の負の遺産を引き継ぎながら現場まで改善させていることを高く評価し、例え申し立てがFAPの望む結果にならずとも、今後もペナン州のために全力でプレーして欲しいと述べています。
選手会が未払い給料問題が解決していないことを改めて発表
マレーシアプロサッカー選手会(PFAM)のイズハン・イスマイルCEOは、現時点でおよそ640万リンギ(約1億6300万円)の給料が未払いになっており、この金額も氷山の一角であるとブルナマ電子版の取材に答えています。イズハムCEOは、この状況はマレーシア国内のプロチームの運営が失敗していることを示しているとし、この状況が続けばマレーシアサッカー協会FAMが想定する「2030年までにマレーシアをアジアにおけるサッカーの上位5カ国入りする」ためのF:30プロジェクトや、MFLがアジアトップリーグとなるためのNEX 50プロジェクトの達成も難しくなるとしています。
イズハンCEOは、この状況は将来、プロサッカー選手を目指す子どもたちの夢をくじくものだとして、責任転嫁を繰り返すことで問題解決を避けようとする各チームの姿勢を非難しています。具体的には、マレーシアフットボールリーグMFLから先月7月に支給された助成金がありながら何も行動を起こしていなチームとして具体的にマラッカ・ユナイテッド、ケランタンFA、ヌグリ・スンビランFA、パハンFAを、分割して未払い給料をしキュすると約束したもののそれが実行されていないチームとしてマレーシア国軍ATM(3部のM3所属)、PDRM FC、フェルダ・ユナイテッドを、そして現在は解散してしまったものの未払い給料があるチームとしてプルリスFA、トレンガヌ・シティFC、ハネランFA、クアンタンFA、マルセラ・ユナイテッドの名を挙げています。
州のサッカー協会(州FA)が統括するチームに対しては、州政府が行動を起こすべきだとする一方で、解散してしまったチームからの未払い給料がある選手はいつその給料が支払われるかが全くわからない状況であるとも述べています。