2月25日のニュース
KLシティFC-給料未払いは4ヶ月ではなく2ヶ月分
MFL-KLシティとクダには給料未払い問題解決方法を今週末までに提示を求める

マレーシアU23代表FWルクマン・ハキムが加入したY.S.C.C.横浜がいよいよ本日、今季開幕戦を迎えましたが、ルクマン選手は残念ながらベンチ外でした。マレーシアU23代表は3月18日から26日までのFIFAマッチカレンダー期間にインドU23代表との試合が予定されており、その前の合宿期間も考えると、ルクマン選手が出場できそうなのは今日の試合以降では、3月3日のFC大阪戦、そして3月9日の松本山雅FC辺りまでになりそうです。今季10ゴールを目標に挙げているルクマン選手ですが、U23代表合流前に是非、爪痕を残して欲しいですが、果たしてどうなるでしょうか。

KLシティFC-給料未払いは4ヶ月ではなく2ヶ月分

2ヶ月でも4ヶ月でも未払いなのは変わらないのになぁ。

このブログでも何度か取り上げているKLシティFCの監督、コーチ、選手への給料未払伊がこれまで報道されている4ヶ月分ではなく、10月と11月の2ヶ月分だと、クラブの運営に関わるクアラルンプールサッカー協会(KLFA)が説明していると、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。。

給料未払い問題が最初に報じられた昨年末から何の説明も行ってこなかったKLシティFCですが、先週、クラブ公式SNSなどを使って記者会見が行われることが告知されました。2月23日に開かれた会見にはKLFAのカリド・サマド会長、KLシティFCのスランリー・バーナードCEOらが出席、そしての席上では未払いになっている給料は10月と11月の2ヶ月分であると説明されています。

カリドKLFA会長は給料未払い問題の原因について、自身がクアラルンプールを統括する連邦直轄地大臣を務めていた2019年には、最大スポンサーのクアラルンプール市役所(DBKL)はクラブの運営資金として年間1000万リンギ(現在のレートで3億1500万円)を計上していたが、2020年以降は半額の500万リンギとなり現在も変わらないままだと述べています。

今季に関してはDBKLからの500万リンギなどを含め800万リンギまでは集められたものの、200万リンギが不足しており、それが給料未払いの原因となっていると説明しています。またこの他、従来は11月で終わるシーズンが、スーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)の意向で12月までずれ込んだこともあり、契約期間外となった12月に試合があったことから、この間の給料については、選手たちと協議する予定であるとしています。

さらに今季のスーパーリーグが5月開幕となったことで、従来なら契約期間となっている1月と2月は選手と契約を結ばなかったためにその分の給料が発生しなかったことも、未払い給料が2ヶ月分にとどまっている理由であるとしています。

またかリドKLFA会長は、KLシティFCの育成クラブとして運営してきたM3リーグのKLローヴァーズFCを売却することも検討中であることも明らかにしています。いずれもKLFAが運営に関わっているKLシティFCとKLローヴァーズが同じリーグでプレーすることはMFLの規定に抵触することがその理由であることに加え、その売却益をKLシティFCの給料未払い問題解決に振り分けたい意向もあるようです。

また英字紙スターによると、昨年クラブの民営化を進めるために株式の過半数を購入してオーナーとなることを表明していたリナイグループは、結局、全株式の10%を購入しただけだったことで、当初予定していた資金調達の失敗、さらには民営化の失敗につながったとも伝えており、KLシティFCは現在も新たなオーナーを探している最中だということです。

さらに現在の給料未払い問題は解決するまでに3月いっぱいはかかると予想されるとして、KLシティFCのスタンリー・バーナードCEOは、今季の新チームの契約選手発表は4月20日に、またプレシーズンの練習開始も同時期になるだろうと話しています。既にプレシーズンのトレーニングを始めているクラブがある中で、リーグ開幕まで1ヶ月を切っている4月20日からの練習開始は、今季のKLシティFCが厳しいシーズンを送ることを暗示しています。

MFL-KLシティとクダには給料未払い問題解決方法を今週末までに提示を求める

マレーシア1部リーグのスーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)は、独立期間である第一審機関(FIB)が給料未払い問題が未解決となっているKLシティFCとクダ・ダルル・アマンFC(クダFC)に対し、来週末を期限として問題解決方法などを書面で提出することを求める方針を決定したことを明らかにしています。なお、MFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは、KLシティFCは未払い給与の支払いの道筋に関する書類を既に提出したが、クダFCからの書類の提出は未だないと述べています。

上の記事でも取り上げた通り、クアラルンプールサッカー協会(KLFA)のカリド・サマド会長は、KLシティの選手とコーチは昨季の10月と11月分の2か月分の給与が支払われていないことを明らかにしています。またケダFCは選手たちに昨季の4か月分の給料を支払っていないと報じられています。

これを報じたマレーシアの通信社ブルナマは、MFLは期限までに書類が提出されず問題が解決されない場合、勝点剥奪などの懲罰的措置だけでなく、今季のスーパーリーグに出場するための国内ライセンスを剥奪する可能性もあるとしています。

また同じ記事内で、MFLのスチュアートCEOは、特別昇格の候補となっているM3リーグのクラブに対して、来週中にFIBが各クラブの関係者と面接する予定があることも明らかにしています。昨季リーグ最下位となったクランタンFCは、給料未払い問題を理由に今季のスーパーリーグ出場に必要となる国内クラブライセンスが発給されず、現在スーパーリーグは13チーム編成となっているため、MFLは既に11月に昇格書類を提出しながら、やはり国内クラブライセンスが発給されなかったM3リーグのクラブを対象に「特別昇格」という特例での昇格を認める方針を明らかにしています。

2月24日のニュース
スリ・パハンはウクライナ出身FWを獲得
元U23代表キャプテンもスリ・パハン加入-DF陣主力は全員元ジョホール
代表NO. 2GKはペナンへ加入か
U23代表-アジアカップ前に日本との対戦も

5月10日に2024/25シーズンが開幕するマレーシアスーパーリーグは、今月3日から4月26日までが今年1回目のトランスファーウィンドウ期間となっています。既にプレシーズンのトレーニングを始めているクラブもあり、移籍情報も徐々に出始めています。特に今週は、昨季5位に終わったスリ・パハンFCが積極的な補強をおこなっています。

スリ・パハンはウクライナ出身FWを獲得

昨季は前半戦を快調に飛ばしながらも、後半戦で失速して5位となったスリ・パハンFCは、ウクライナ出身のストライカー、ミコラ・アハポフの加入を発表しています。トルコやカザフスタンのリーグでプレー経験がある30歳のアハポフ選手は、昨季はカザフスタン2部のFCアクジャイクでリーグ戦では28試合に出場し、24ゴール9アシストという成績を収めています。

昨季のスリ・パハンFCは13勝6分7敗で5位に終わり、得点44はリーグ6位、失点33は4位タイという成績で、マレーシアカップはベスト8、FAカップはベスト16止まりという成績でした。

スリ・パハンは昨季12ゴールをあげているFWクパー・シャーマン(リベリア)や10ゴールを挙げているDFステファノ・ブルンド(アルゼンチン)の他、FWラファエル・シルヴァ(ブラジル)、MFクヴォンディク・ルジエフ(ウズベキスタン)の4選手が昨季から残留しており、アハポフ選手が5番目の外国籍選手となります。なおこの他、給料未払い問題が解決してないクダ・ダルル・アマンFCからMFマヌエル・イダルゴ(アルゼンチン)の加入なども噂されており、スリ・パハンFCは、今季のスーパーリーグの注目クラブの一つとなりそうです。

元U23代表キャプテンもスリ・パハン加入-DF陣主力は全員元ジョホール

また、スリ・パハンはアダム・ノー・アズリンの加入を発表しています。2017年にスランゴールからジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)に移籍したアダム選手は、ジョホールとの契約が満了していました。マレーシアで開かれた2017年の東南アジア競技大会通称シーゲームズや2018年のAFC U23選手権(現AFC U23アジアカップ)などではマレーシアU22/23代表のキャプテンも務めるなど、将来が有望視されていましたが、近年はジョホールのトップチームでは出番がありませんでした。

JDTではMFやFWを務めながら、代表チームでは主にセンターバックでプレーすることが多かったアダム選手ですが、スリ・パハンFCのファンデイ・アフマド監督は、やはり元JDTで20233年からスリ・パハンFCでプレーするファドリ・シャスとともセンターバックとして起用することが予想されます。また興味深いのは、昨季やはりJDTから移籍したシャズワン・アンディックとアズリフ・ナスルハクがそれぞれ左右のサイドバックを務め、GKをJDTから期限付き移籍中のGKイズハム・タルミジが務めることになれば、DF陣全員が元JDTという布陣になる可能性もあります。昨季のチームからは11名が去ったスリ・パハンFCですが、この元JDT組を中心に大きく顔ぶれが変わりそうです。

代表NO. 2GKはペナンへ加入か

スランゴールFCでは、いずれも代表経験があるカイルルアズハン・カリド、サミュエル・サマーヴィル両GKがいたことからトップチームでの出場機会を与えられなかったシーク・イズハン・ナズレルは、昨季はスランゴールFCからヌグリスンビランFCへ期限付き移籍して27試合に出場し、6度のクリーンシートを記録するなど安定したプレーぶりを見せました。その結果、来月22歳になるシーク選手はU23代表を飛び越えてアジアカップ2023ではA代表に招集されています。

1年間の期限付き移籍期間が終わったシーク選手ですが、マレーシア語紙のブリタハリアンは、シーク選手が今季もスランゴールFCから期限付き移籍し、他のクラブでプレーするようだと報じています。その移籍先として最有力とされるのはペナンFC、既にスランゴールFC、ペナンFC、シーク選手の3者の間で合意意間近だということです。

スランゴールFCは、今月に入り給料未払い問題を抱えるKLシティFCからU23代表GKのアズミン・アル=アミンも獲得しており、シーク選手のスランゴールFC復帰の可能性は低いとされていましたが、代表の正GK争いに割って入るために、ビッグネームのスランゴールFCで他のGKと競走するのではなく、ペナンで正GKとしてできるだけ多くの試合に出場する機会を選んだということです。

U23代表-アジアカップ前に日本との対戦も

マレーシアサッカー協会(FAM)のハミディン・アミン会長は、4月15日に開幕するAFC U23アジアカップの前に日本戦を含めた6試合の練習試合を行う予定があることを明らかにしています。

マレーシア語紙ブリタハリアンによると、来月3月18日から26日のFIFA国際マッチカレンダー期間に国内でインドとの対戦が確定しており、。U23アジアカップが開催されるカタール入り前にさらに2試合を組む予定だとしています。カタール入り後は、カタール、日本と両代表との2試合を予定しているということです。

AFC U23アジアカップでは、マレーシアはグループステージではD組に入り、ウズベキスタン、ベトナム、クウェートと同組になっています。またFAMは今年のパリオリンピックの予選を兼ねる今回のU23アジアカップでは、ベスト8入りを目標として設けています。

2月22日のニュース
インドネシアでプレーする代表DFエルドストールはジョホール復帰か
トレンガヌ監督-ラーディアズリは期限付き移籍して試合出場時間を増やすべき
スーパーリーグ14番目のチームはKLローヴァーズが濃厚か
クランタンFCはM3リーグへの参加を申請

昨日のこのブログでもコロンビア出身の帰化選手ロメル・モラレスのジョホール・ダルル・タジムFC移籍を取り上げました。ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)は新たな選手が加入するたびにプロモーション映像を公式SNSに投稿しますが、モラレス選手紹介の映像の中では、テーブルについているモラレス選手がシェフの作った料理に手をつけないまま、ゴミ箱に捨ててしまうシーンが含まれています。一見すると、そもそもなぜこのシーンが含まれているのかが分かりにくいのですが、シェフが料理したのが赤と黄色のパプリカだったことに気づいた国内サッカーファンはざわついています。それは、赤と黄色はスランゴール州の旗の色であり、そのスランゴール州を本拠地とするスランゴールFCは「メラー・クニン」(メラー、クニンはそれぞれマレーシア語で「赤」と「黄色」の意味)とも呼ばれることがあるからです。これまた昨日のこのブログでも取り上げましたが、JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下は、スランゴールFCが今季のACL2に出場できるのはJDTがこれまでに稼いだAFCクラブコンペティションランキングのポイントのおかげだと述べるなど、その対抗心は尋常ではないことから、多くのサッカーファンがJDTがスランゴールを当て擦る意図があるものだと思っているようです。

インドネシアでプレーする代表DFエルドストールはジョホール復帰か

アジアカップ2023にも出場したマレーシア代表DFジュニオール・エルドストールがジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)の練習に参加しているとマレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。

プレシーズンのトレーニングが始まっているJDTは、クラブ公式SNSに毎日の練習の様子を投稿していますが、その投稿の中にエルドストール選手の姿があったということです。32歳のエルドストール選手は、昨年7月から12月までインドネシア1部のデワ・ユナイテッドへ期限付き移籍し、今年1月からは完全移籍でデワ・ユナイテッドへ加入していたはずですが、インドネシア1部はリーグ戦真っ最中にもかかわらず、JDTのトレーニングに参加している理由は不明です。

アジアカップ2023では1試合先発出場、1試合ベンチスタートだったレガシー帰化選手のエルドストール選手は、代表選手としては既にピークを過ぎているという批判もあったものの、190cmを超える体格は貴重な戦力としてチームに貢献しました。。デワ・ユナイテッドに完全移籍する際には、オランダ出身で、アヤックスのユースチームやヘント(ベルギー1部)、ガラタサライ(トルコ1部)やSCヘーレンフェーン(オランダ1部)でも監督経験があるヤン・オルデ・リーケンク監督をその理由に挙げていましたが、

トレンガヌ監督-ラーディアズリは期限付き移籍して試合出場時間を増やすべき

23歳のGKラーディアズリ・ラハリムは、192cmの長身を生かし、将来が嘱望されたGKでした。トレンガヌFCで正GKに定着しかけていた2021年3月には当時のタン・チェンホー監督が19歳のラーディアズリ選手をA代表候補合宿に招集しましたが、合宿中に膝前十字靭帯(ACL)を痛めて手術を受け、このシーズンを棒に振っています。リハビリを終えて復帰した翌年の2022年3月に就任したばかりのキム・パンゴン監督に再び招集されましたが、この時は新型コロナで辞退と不運が続きました。同年12月には再度代表入りし、東南アジアサッカー連盟AFF選手権ではラオス戦で先発出場を果たしています。

しかし昨季5月には東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場するU23代表に選ばれながら、右手を骨折してU23代表を辞退し、所属するトレンガヌでもは昨季就任したトミスラフ・シュタインブリュックナー監督のもとで、チームメートのGKスハイミ・フシンとのポジション争いに敗れ、スハイミ選手は初の代表に招集される一方で、ラーディアズリ選手がはわずか4試合の出場にとどまっています。

そんなラーディアズリ選手に対してシュタインブリュックナー監督は、トレンガヌで控えGKに甘んじるのではなく、他のクラブへ移籍して出場時間を増やして欲しいと望んでいると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

期限付き移籍については、既にモハマド・サブリ・アバスCEOともラーディアズリ選手本人とも話し合いを行なったことを明らかにしたシュタインブリュックナー監督は、将来のNo. 1キーパーになるためにも毎試合出場できるような環境に身を置く必要があることから、移籍が本人にとって最善の選択肢になると説明しています。

またこの他、ジョホール・ダルル・タジムFCから期限付き移籍したサファウィ・ラシドとアキヤ・ラシドの両FWや、KLシティFCか加入したMFアクラム・マヒナンらにより、チームのメンバーはほぼそろったと述べたシュタインブリュックナー監督は、さらに今後発表されるいずれもMFのクロアチア出身の選手と東南アジア(アセアン)の選手が最後のピースでチームが完成するとも話しています。

スーパーリーグ14番目のチームはKLローヴァーズが濃厚か

英字紙ニューストレイトタイムズはスーパーリーグ14番目のチームとして、昨季3部のM3リーグで準優勝したKLローヴァーズFCが昇格する可能性が濃厚だと報じています。この記事では、クアラ・ルンプールサッカー協会(KLFA)のサイド・ヤジド・オマル会長の談話を紹介しており、それによると、既にスーパーリーグにはKLシティFCがある中で、クアラ・ルンプールに本拠地を持つクラブが2つとなっても共存は可能だと話しています。

またこのブログでも何度か取り上げているKLシティFCの給料未払い問題についてサイド・ヤジドKLFA会長は、クアラ・ルンプール市のカマルザマン・マット・サレー市長とクアラ・ルンプール市役所が未払いとなっている給料を支払うための資金確保を支援する予定であるとも述べています。「(KLシティ FCの)給料未払い問題はまもなく解決するだろう。KLシティ FCは、今季はカップ戦(FAカップとマレーシアカップ)のどちらかで優勝することを目指して欲しい。」と述べています。

一方、KLローヴァーズ FCについてサイド・ヤジドKLFA会長は、スーパーリーグ参入が決まれば、リーグで戦えるだけのチームを編成できるとも話しています。「KLローヴァーズ FCの目的は選手の育成にあり、原則として若い選手を長期契約で獲得して試合時間を積ませる予定だが、マレーシア人選手や外国籍選手、さらに監督、コーチについても最終候補は決まっている。また練習場やホームスタジアムなども決まっており、クラブの年間予算として600万リンギ(およそ1億9000万円)も用意されている」とも述べています。

昨季のM3リーグはイミグレセン(入国管理局)FCが優勝しましたが、このブログでも以前取り上げた通り、今季のスーパーリーグ参入には消極的であることから、KLローヴァーズが第1候補となった可能性があります。なお後述する昨季のスーパーリーグ最下位のクランタンFCが給料未払い問題未解決のため、今季の国内クラブライセンスを発給されず、スーパーリーグ参加ができなくなったため、リーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)がクランタンFCに代わるクラブをM3リーグから緊急昇格させる可能性があることを明らかにしています。

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別の報道では、KLローヴァーズFCは、外国籍選手にはインドネシアU23の選手やブルネイ代表の選手を、マレーシア人選手には昨季までU23リーグのMFLカップに出場していたMSN-FAMプロジェクトの選手を獲得候補にあげていることも報じられています。

クランタンFCはM3リーグへの参加を申請

3部リーグのM3リーグを運営するアマチュアフットボールリーグ(AFL)はクランタンFCのリーグ参加申請を受理したことを発表しています。AFLのモハマド・ライミ・ファクリCOO(最高執行責任者)は1月7日にクランタンFCより、スポンサーの名称により「MBSB銀行チャンピオンシップ」とも呼ばれるM3リーグへの申請が提出されており、AFLは現在、提出された書類を審査中であるとしています。

モハマド・ライミCOOは「AFLは今季のM3リーグに参加する14クラブの選定中であり、クランタンFCはその14チームに現時点では含まれていない。現在、候補に上がっている14クラブの中からM3リーグへの参加を辞退するクラブが出た場合には、そこにクランタンFCが入る可能性もある。」と述べて、クランタンFCのM3リーグ参加の可能性を否定しませんでした。

またモハマド・ライミCOOは、今季のM3リーグは5月3日とスーパーリーグ開幕より1週間早く開幕予定であることも明らかにしています。

2月21日のニュース
ジョホールが帰化選手ロメル・モラレスの加入を発表
モラレス前所属のKLシティは昨季の給料3ヶ月分が未払い
4ヶ月分の給料未払い問題を抱えるクダFCをクダ州政府は支援せず
スランゴールFCがACL2に出場できるのはジョホールのおかげ-ジョホールオーナー

ニュースというには古いですが、2月18日にマレーシア代表DFディオン・コールズがタイ1部ブリーラム・ユナイテッド移籍以来初となるゴールを決めています。27歳のコールズ選手はサラワク州クチン生まれながら、父親が出身のベルギーで育ち、ベルギーU19、U21といった年代別代表でもプレー経験がありますが、母親の母国マレーシアで代表入りすることを選びました。マレーシア代表チーム内でその数が増えている、両親や祖父母がマレーシアにルーツを持つレガシー帰化選手としては、マレーシア国内リーグでのプレー経験がない唯一の選手でクラブ・ブルッヘ(ベルギー1部)やミッティランFC(デンマーク1部)などを経て、昨年からブリーラム・ユナイテッドでプレーしており、個人的には日本や韓国など東アジアのクラブでのプレーを見てみたい選手です。

ジョホールが帰化選手ロメル・モラレスの加入を発表

噂が出た時点でこうなることはわかってたけど…。マレーシアスーパーリーグ10連覇中のジョホール・ダルル・タジムFCは、クラブ公式SNSでコロンビア出身でマレーシア代表でもプレーするFWロメル・モラレスの加入を発表しています。

26歳のモラレス選手は、PKNS FC、マラッカ・ユナイテッドFC(いずれも既に解散)を経て、2021年からKLシティFCでプレーし、先年12月に5年間のマレーシアリーグ在籍を経てマレーシア国籍を取得すると、先月行われたアジアカップ2023では即代表入りしています。そしてグループステージ3試合全てに出場し、特に最終戦の韓国戦ではロスタイムに劇的な同点弾となる代表初ゴールを決める活躍を見せています。なお、ジョホールでの背番号は、トレンガヌFCに期限付き移籍したアキヤ・ラシドが昨年までつけていた19をつけるようです。

モラレス前所属のKLシティは昨季の給料3ヶ月分が未払い

一方モラレス選手が昨季所属したKLシティは、昨季の給料が未払いの状態が続いています。マレーシア語紙ハリアンメトロは、「言わばクラブが我々選手から借金をしている立場にもかかわらず、毎月毎月選手側から尋ねない限り、クラブからは給料未払いについて説明がない。自らの権利を行使しているにもかかわらず、まるでこちらが物乞いをしているかのように思えてしまい、不満しかない。」という匿名の選手の談話を紹介しています。

今季の開幕が5月とはいえ、昨年12月に終了した昨季の給料が未払いというのは異常な事態ですが、先月、メディアで給料未払いが4ヶ月に及ぶことが報じられた直後には、昨年9月分の給料が支払われたが、残りの3ヶ月分に関しては未払いのままで、その後はクラブ側からは何の連絡もないということです。また、この選手によると、U23チームの選手もトップチーム同様、給料未払いが続いているということです。

「果たせない約束はせず(KLシティFCの)スタンリー・バーナードCEOにはこの状況に目を向けて欲しい」と述べたこの選手によると、この給料未払い問題についてはマレーシアプロサッカー選手会(PFAM)にも報告済みだということですが、それによって何かがクラブが動いたということはないようです。

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KLシティFCは、昨季終盤に給料未払い問題未解決を理由にフィリピン代表GKケヴィン・メンドーザが前KLシティFC監督が指揮するインドネシア1部のプルシブ・バンドンへ移籍、またコートジボアール出身のFWチェチェ・キプレはクラブが就労ビザを取らず、観光ビザでプレーしていたことを暴露して退団しています。このような状況下で、ジョホールから誘われたモラレス選手を引き止める方法はなかったでしょう。

給料未払い問題を抱えるクダFCをクダ州政府は支援せず

マレーシアスーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)からは、KLシティFCとともに未払い給料問題の解決を求められているクダ・ダルル・アマンFC(クダFC)ですが、本拠地を持つクダ州政府のムハマド・サヌシ州首相は、この給料未払い問題について州政府は支援を行わないことを言明したと、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。これまでにクダFCは昨季の給料4ヶ月分が未払いになっていることが報じられています。

クダ州サッカー協会の会長も兼任するサヌシ州首相は、州政府は選手の給料を補填する予選を割り当てておらず、運営が民営化されたクダFCの給料は、クラブオーナーが責任を持って支払うべきだと述べています。

「クダFCの給料を私が支払っていないという非難があるが、クダFCはクダ州政府ともクダ州サッカー協会とも無関係の民営化されたクラブであり、運営に関する問題はクラブの経営陣がその責任を負うものである。」と述べたサヌシ州首相は、経営陣にはこの問題にを迅速に解決して欲しいとは思うが、実際は困難なのでクダFCは今季のスーパーリーグ参加資格を失うだろうとも述べています。

さらにサヌシ州首相はこの給料未払い問題が解決しない理由として、クダ州サッカー協会内での汚職にマレーシア不正防止委員会(MACC)の捜査が入ったことが原因と述べ、この捜査によりクダ州サッカー協会と無関係のクダFCを投資家やスポンサーが敬遠した結果だとする一方で、選手の給料などを含めた国内クラブの運営費用が高騰しているとも述べています。「一部のクラブによって運営費用が高騰しているが、その他のクラブはそれに対応できず、その結果としてこのような(給料未払い)問題が複数のクラブで発生している。」

クダFCのオーナー、ダウド・バカル氏は昨年10月からクラブのキャッシュフローに問題があったことを認めており、今月1日には過去4年間CEOを務めたカマル・イドリス・アリ氏がまるで泥舟から逃げ出すように辞任しています。

スランゴールFCがACL2に出場できるのはジョホールのおかげ-ジョホールオーナー

「赤い巨人」の愛称を持つスランゴールFCは、前身のスランゴールFAが1936年に創設されたマレーシアリーグの古豪です。1921年に第1回大会が開催されたマレーシアカップ(第1回同時はマラヤカップ)では、優勝回数33回と2位シンガポール(かつてシンガポールはマレーシアリーグでプレーしていました)の24回、3位ペラの8回に大きく差をつけています。国内では最大の人口を抱えるスランゴール州を本拠地とするスランゴールFCですが、近年はタイトル争いに絡むことも少なく、最後にマレーシアカップを獲得したのは2015年、そしてリーグ優勝は2010年が最後です。

この凋落した「赤い巨人」に代わった台頭したのがジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)です。昨季までリーグ10連覇、しかも2季連続となるリーグ、マレーシアカップ、FAカップの国内三冠達成、さらに国外でも東南アジアのクラブ初となる2015年のAFCカップ優勝、2022年のマレーシアのクラブ初となるAFCノックアウトステージ進出と、近年の活躍は目を見張ります。

近年のJDTの台頭はそのオーナーで、ジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下の強烈なリーダーシップと豊富な資金によるものであることは明らかですが、これだけの結果を残しても、イスマイル殿下は国内サッカーは未だにスランゴールFCを中心に回っている、という不満をお持ちのようで、ことあるごとにスランゴールFCというクラブを「口撃」することも少なくありません。そんなイスマイル殿下が今度は「近年全くJDTに歯が立たないにもかかわらずスランゴールFCが今季から発足するACL2に出場できるのは『DTのおかげである』」とSNSに投稿されています。

「ホームで4連勝、アウェイでも4連勝、ホームで2連勝で通算成績は10勝0敗。JDTがスランゴールに最後に敗れたのは、(2018年に退陣した元スランゴール州サッカー協会会長の)スバハン・カマル氏の時代である。その後、良からぬ連中にスランゴール州サッカー協会が乗っ取られて以来、スランゴール州政府から毎年4600万リンギ(およそ14億4000万円)の資金提供を受けているにもかかわらず、JDTは過去8年間にわたってスランゴールには一度も敗れたことはない。」と挑発的なコメントを投稿されています。

さらにイスマイル殿下は「JDTがこれまでAFCカップやACLに出場して稼いだAFCクラブコンペティションランキングのポイントのおかげで、今季のACL 2に出場できるにもかかわらず、それをクラブの実力で勝ち取ったものだと妄想し、現実を受け入れていない。」と糾弾した上で、最後に「(スバハン氏以降の)全てのスランゴール州サッカー協会の会長に、つまらない歴史を作ったことを『おめでとう』と伝えたい。」と皮肉混じりの投稿で締めくくっています。

2月20日のニュース
フットサルリーグのMPFLが開幕-覇者パハンレンジャーズは引き分け発進・ジョホールはゴンバックTOTに大勝・外国籍選手不在のトレンガヌはKLシティを粉砕・復権を目指すスランゴールは黒星発進
ペラが今季ユニフォームを発表・新外国籍選手の加入も発表

フットサルリーグのMPFLが開幕-覇者パハンレンジャーズは引き分け発進

2月17日にマレーシアプレミアフットボールリーグ(MPFL)の2024年シーズンが開幕し、17日と18日の両日に第1節の4試合が行われ、昨季のリーグとカップの二冠を制したパハン・レンジャーズFCは引き分け、2位のジョホール・ダルル・タジムFCは大勝しています。

昨季は14チームを2つのグループに分けて行われ、リーグ戦終了後に各グループの上位4チームが準々決勝に進む方式で開催されましたが、MPFLと名称が変更されて4シーズン目となった今季は1部リーグと2部リーグの編成となり、1部は10チームの参加が予定されていたものの、最終的には8チームによるホームアンドアウェイ方式のリーグ戦となっています。なお2部リーグは7チームが参加し、5月に開幕する予定であることがマレーシアサッカー協会(FAM)から発表されています。

17日にスランゴール州シャー・アラムで開催された開幕戦では、昨季の覇者パハン・レンジャーズFCが地元のシャー・アラムシティFCに6-6で引き分けています。試合開始からわずか5分でフェリペ・デ・ソウザとムハマド・アミルル・カイルディンのゴールで2-0とリードしながらも、そこからシャー・アラムシティFCに2度のリードを許す展開となり、あわや開幕戦黒星スタートにもなりかねない試合でしたが、ハリス・ナイムのハットトリックなどで引き分けに持ち込んでいます。試合後にジェラール・カサス監督は「選手たちは初戦での勝利を目指して全力を尽くしたが、期待通りの結果を得ることができず、運も味方してくれなかった」と語り、さらに「引き分けという結果について選手たちを責めるつもりはない。今回は勝点を分け合うことになったが。おそらく次の試合は勝利できるだろう」と楽観的なコメントを残しています。

フットサルリーグのMPFLが開幕-ジョホールはゴンバックTOTに大勝発進

サッカーでは今季11連覇を狙うジョホール・ダルル・タジムFCですが、フットサルでも昨季は参戦初年度ながらパハン・レンジャーズFCに惜しくも敗れて2位となったジョホール。昨季同様、他チームの主力を引き抜いてチーム強化を図ったチームは、今季開幕戦でチーム名をゴンバックTOTユナイテッド(昨季まではスランゴールTOTユナイテッド)を6-1で破って白星スタートを切っています。

ジョホールは18分にアズリ・ラーマンのゴールで先制すると、その後は代表でもプレーするサード・サニがハットトリックを決めた他、リズワン・バクリの2ゴールなどでゴンバックTOTユナイテッドの反撃をリドワン・ザイナルの1ゴールに抑えて鑑賞しています。ゴンバックTOTユナイテッドは、36分にキャプテンのファイサル・サハルディンが2枚目のイエローで退場となるなど、終始劣勢の試合となりました。

フットサルリーグのMPFLが開幕-外国籍選手不在のトレンガヌはKLシティを粉砕、復権を目指すスランゴールは黒星発進

今季のMPFLは各クラブに外国籍選手2名の登録が認められています。そんな中でマレーシア人選手のみでチームを編成している唯一のチームがトレンガヌですが、そのトレンガヌが、オム・ジヨン(韓国)、フサイン・カデミ(アフガニスタン)を擁するKLシティに6-1で勝利しています。

2019年に現在のMPFLの形式となってからリーグ優勝を果たしているのはわずか2チームで、パハン・レンジャーズFCと並んで優勝経験を持つのがスランゴールFC(前スランゴールMAC)です。2019年、2022年と連覇(2020年と2021年は新型コロナのためリーグは休止)しているスランゴールFCは、昨季の3位から覇権奪還をかけて今季に望んでいますが、開幕戦では終始サバFAを追う展開となり、スランゴールのエース、シャヒル・イクバル・カーンが不発だった一方で、サバFAの新外国籍選手フィリペ・ライチに2ゴールを許すなど2-3で敗れています。

ペラが今季ユニフォームを発表、新外国籍選手の加入も発表

昨季は6勝4分16敗でリーグ11位に終わったペラFCが、リーグの先頭を切って今季のホーム用ユニフォームを発表しています。国内ブランドのチーター社製のユニフォームは、チームカラーの黄色と黒色の組み合わせのデザインで、胸中央にはペラ州の旗が、胸左側にはクラブのロゴが配置されています。価格は選手仕様が159リンギ(およそ5000円)、レプリカ(ファン仕様)は39リンギ(およそ1230円)ということです。(下はホームユニフォーム発表会当日のペラFCの選手。中央はこの日、新加入が発表されたキルギスU23代表のアディレト・カヌベコフ)

またペラFCは年間パスの価格も発表していますが、ブラックが1250リンギ、ゴールドが300リンギ、シルバーが189リンギ(それぞれおよそ3万9000円、9400円、6000円)でいずれのパスもペラFCのホームマッチの観戦が可能(プレミアムとゴールドはメインスタンド、シルバーはバックスタンドでの観戦)になっている他、プレミアムは観戦ごとに駐車場と軽食が提供されるということです。

ペラFCのホームユニフォーム発表が行われたペラ州イポーのイポー市広場では、同時にキルギスU23代表FWアディレト・カヌベコフのキルギス1部FKネフチ・コチコルアタからの加入も発表されています。21歳のカヌベコフ選手は昨年開催された中国、杭州市でのアジア大会にはキルギスU23代表として4試合に出場し、うち3試合ではキャプテンも務めています。


2月19日のニュース
MFL-「紳士協定」には関与せず
スーパーリーグ14番目のチーム候補にプルリス・ユナイテッドが浮上
MFLはプルリス・ユナイテッドへの「招待」を否定
昨季M3リーグ優勝のイミグレセンFCのTDは今季のスーパーリーグ参入は時期尚早と述べる
元代表FWが給料未払い問題解決のためジョホールオーナーに助力を求める

先週末に国内フットサルリーグのマレーシアプレミアフットサルリーグ(MPFL)が開幕しています。詳細は明日のこのブログで取り上げますが、昨季優勝のパハン・レンジャーズFCがシャー・アラムシティFCと引き分ける波乱のスタートとなっています。

MFL-「紳士協定」には関与せず

ジョホール・ダルル・タジムFCからトレンガヌFCへ期限付き移籍したサファウィ・ラシドとアキヤ・ラシド両選手について、移籍条項の中に両チームが直接対戦する際には試合に出場しないという「紳士協定」が含まれていることが明らかになりましたが、リーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)は、この「紳士協定」については両チーム間の取り決めであり、MFLは一切、関与していないとしています。

マレーシア語紙ブリタハリアンの取材に対してMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは、「(元の所属クラブとの試合には出場しないという)『紳士協定』はあくまでも期限付き移籍先のクラブと元の所属のクラブ間での取り決めに基づくものであり、MFLによって設けられた規則ではない。」と答えています。

この紳士協定が明らかになった際には、FIFAによる規定に今回の紳士協定のような選手の出場を規制するような条項が含まれていないことから、その有効性に疑問の声が上がっていました。

同じ記事では、期限付き移籍中の選手が元所属のクラブとの試合に出場できない条項を設けているリーグの例として、英国1部プレミアリーグが挙げられています。またスペインでも多くのクラブが同様の条項を契約に含めていると報じられています。

その一方でドイツリーグにはこのような条項はないことを報じるこの記事では、バイエルン・ミュンヘンからバイヤー・レヴァークーゼンに期限付き移籍しているクロアチア代表DFヨシプ・スタニシッチが、今月11日のバイエルン戦に出場し、さらにゴールを挙げた例を紹介しています。

スーパーリーグ14番目のチーム候補にプルリス・ユナイテッドが浮上

給料未払い問題未解決を理由に、昨季14位のクランタンFCには1部スーパーリーグ出場のための国内クラブライセンスが発給されませんでした。そこでスーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)は急遽、今季3部リーグのM3リーグに出場したクラブの中で、今季のスーパーリーグに出場を希望する場合には、国内クラブライセンス申請を行うように求めています。(2部プレミアリーグは、昨季の1部と2部の合併により、一時的に休止中)

M3リーグのクラブは、実は既に昨年11月にスーパーリーグ昇格のための申請を行っていますが、このときにはクラブライセンスを発給する独立組織の第一審機関(FIB)は全てのクラブによる申請を不合格とし、今季昇格するクラブはないと発表していました。しかしクランタンFCが出場できなくなったスーパーリーグは13チーム編成となってしまうため、MFLはM3クラブに対して再申請可能であることを伝えていました。

そんな中、意外なクラブのスーパーリーグ入りの可能性が浮上していると、マレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。その意外なクラブとは昨季のM3リーグ8位のプルリス・ユナイテッドFCです。優勝したイミグレセン(入国管理局)FCから勝点差23、リーグ成績は9勝5分10敗と負け越したプルリス・ユナイテッドFCがMFLから今季のスーパーリーグ出場の「招待」を受け取ったと報じているブリタハリアンは、マレーシア最北のプルリス州に本拠地を持つクラブがスーパーリーグにないことから、地域性を踏まえてての「招待」であること、さらに複数の「有名企業」がスポンサーを名乗り出ていることも報じています。

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プルリス州サッカー協会(PFA)が運営していたクラブチームのプルリスFAは、2019年に3部から2部プレミアリーグに昇格、これに合わせてマレーシア人選手や日本人の渡邉将基選手ら外国籍選手と契約しました。しかし19年シーズン開幕直後から給料未払い問題が明るみに出た結果、マレーシアサッカー協会(FAM)だけでなく国際サッカー連盟(FIFA)からも2年間のリーグ出場停止処分を受け、開幕から3試合でチームは解散に追い込まれています。その後、マレーシア13州の中で唯一、マレーシアリーグに参加するクラブがない州となっていましたが、昨季はこのプルリス・ユナイテッドFCがM3リーグに参加していました。

MFLはプルリス・ユナイテッドへの「招待」を否定

上のようなニュースが出た後に、今度はスポーツ専門サイトのスタジアム・アストロがマレーシアンフットボールリーグ(MFL)のスチュアート・ラマリンガムCEOが、プルリス・ユナイテッドがMFLによって今季のスーパーリーグに「招待」された、という報道を否定したと伝えています。

スチュアートCEOは、プルリス・ユナイテッドFCだけでなくどのM3リーグのクラブも今季のスーパーリーグ参加を招待されておらず、第一審機関(FIB)がリーグ参加申請の提出書類の内容を精査した上で、スーパーリーグ参加クラブが決定すると説明しています。さらに現時点ではスーパーリーグ参加申請書類の提出がまだ終わっていないプルリス・ユナイテッドFCに対して、昨季のM3リーグの上位3チームであるイミグレセン(入国管理局)FC、KLローヴァーズFC、そしてハリニ・スランゴールFTの3クラブは既に申請書類を提出済みであることも明らかにしています。

昨季M3リーグ優勝のイミグレセンFCのTDは今季のスーパーリーグ参入は時期尚早と述べる

この前の記事でも取り上げたように、今季スーパーリーグ参入の候補の一つとなっているのが昨季のM3リーグで優勝を果たしたイミグレセン(入国管理局)FCです。しかしこのイミグレセンFCでテクニカル・ディレクター(TD)と務める、元マレーシア代表監督のザイナル・アビディン・ハサンTDは、チームは今季のスーパーリーグ参入には時期総称だと述べています。

これまでにペナンFCやマラッカ・ユナイテッドFC(現在は解散)の監督としてスーパーリーグでも指揮を取った経験を持つザイナル・アビディンTDは、スポーツ専門番組のナディ・アリーナのインタビューに答え、現在のチームがスーパーリーグに参入するレベルに達していないと述べて、 今季のスーパーリーグ参入の意思を否定しています。「現在のチームの実力を精査した結果、スーパーリーグでプレーするには明らかに準備が足りていない。」と語ったザイナル・アビディンTDは、今季のM3リーグに向けてチームのレベルアップを図りたいと述べています。

元代表FWが給料未払い問題解決のためジョホールオーナーに助力を求める

マット・ヨーの愛称で知られる元代表FWノーシャルル・イドラン・タラハが、2022年シーズン(!)の未払い給料問題解決のために、マレーシアプロサッカー選手会(PFAM)の支援者でもあるジョホール・ダルル・タジムFCのオーナーで、ジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下に助けを求めたと、マレーシア語紙ハリアン・メトロが報じています。

ジョホールでもプレー経験があるノーシャルル選手は2022年シーズンに当時のマラッカ・ユナイテッドFCでプレーしていましたが、その当時の給料6ヶ月分が現在も未払いになっていると訴え、自身が代表でプレーしていた際のマレーシアサッカー協会(FAM)会長でもあったイスマイル殿下に助けを乞うたとみられています。

なお給料未払い問題が未解決のマラッカ・ユナイテッドFCは昨季2023年シーズンの国内クラブライセンスが発給されず、その後、チームは解散しています。マラッカ・ユナイテッドFCの運営に関与していたマラッカ州サッカー協会は、新たにマラッカFCというクラブを作り、今季は3部リーグに当たるM3リーグに参加しています。新規クラブが下部リーグを飛び越えていきなり3部リーグに参入することには批判も出ましたが、M3リーグを運営するアマチュアフットボールリーグ(AFL)は、マラッカ州を拠点とするクラブの参入は同州のサッカーの発展にとって必要だと、異論を押し切って参入を認めていました。

2月16日のニュース
最新FIFAランキング発表-マレーシアは順位を2つ下げて132位に
今季のフットサルリーグは1部8チームで今週末開幕

昨日のこのブログでも取り上げた元オランダU19代表のセンターバック、マシュー・ステーンフォールデンが1年契約で加入することをトレンガヌFCが正式に発表しています。背番号4をつけることになったステーンフォールデン選手の加入で、トレンガヌFCは退団したウズベキスタン出身のDFサルドール・クルマトフ(ウズベキスタン1部ソグディアナ・ジザフに移籍)の後任が決まりました。また入団発表の席上では、やはり退団したMFハビブ・ハルーンに代わる新加入選手がヨーロッパ出身であることも明らかにされており、今後の発表が待たれます。

最新FIFAランキング発表-マレーシアは順位を2つ下げて132位に

最新のFIFAランキングが発表され、アジアカップ2023開幕前は130位につけていたマレーシアは、132位と順位を2つ下げています。グループステージ最終戦で韓国との死闘で引き分けたマレーシアですが、同組のヨルダンには0-4、バーレーンには0-1と敗れ、結局1分2敗でアジアカップ2023を終えたマレーシアにとっては、順当なランキングとも言えます。

東南アジアの他国を見ると、アジアカップ2023出場国はその結果が大きく反映されています。タイはベスト16でウズベキスタンに惜敗したものの、順位を113位から101位と大きく上げ、6年ぶりに東南アジアNo. 1に返り咲いています。一方、パク・ハンソ(朴恒緒)前監督時代から東南アジアを席巻してきたベトナムは、今大会ではグループステージで3連敗したこともあり、ランキングは94位から105位となっています。この結果、東南アジアにはFIFAランキング100位以内の国がなくなってしまいました。またベトナムと同組ながらベトナムを破りベスト16に残ったインドネシアは150位から142位に上昇しています。

この他、東南アジアサッカー連盟所属のアジアカップ2023に出場しなかった国の来信ランキングは、フィリピン134位、シンガポール156位、ミャンマー162位、カンボジア179位、ラオス189位、ブルネイ194位、東ティモール200位となっています。

今季のフットサルリーグは今週末開幕

マレーシアスーパーリーグは5月の開幕が発表されていますが、国内フットサルのトップリーグ、マレーシアプレミアフットサルリーグ(MPFL)2024は、今週末の2月17日に開幕します。

今季5シーズン目となるMPFLは、昨季の14チーム編成から、今季から1部8チームと2部に分かれています。また一部は集中開催となった昨季から、今季はホームアンドアウェイ方式となることも発表されており、またリーグ戦後にはマレーシアフットサルカップ(MFC)の開催され、昨季より白熱した試合が多くなることが期待されています。なお今季のMPFL1部でプレーするのは以下のチームです。

今季のリーグは、昨季の優勝チーム、パハン・レンジャーズFC、新規参入初年度で2位となったジョホール・ダルル・タジムに、代表選手を擁するスランゴールFC(前スランゴールMAC FC)が絡む展開が予想されます。

そんな中でパット・スリウィジット新監督が就任したサバFAはトップ5入りを目指していると、スポーツ専門サイトのスタジアム・アストロが報じています。タイ代表監督として2022年には東南アジア競技大会通称シーゲームズで金メダル、また東南アジサッカー連盟AFF選手権でも優勝と実績のあるパット・スリウィジット監督は、昨季は日本代表の平田ネト・アントニオ・マサノリ選手も一時在籍したスランゴールTOTユナイテッドFC(今季からゴンバックTOTユナイテッドFC)の監督を務め、MPFLは今季2季目となります。昨季のサバFAはグループリーグでは4位隣、準々決勝に進出したものの、ジョホールに1stレグと2ndレグの通算成績0-21で敗れています。

また名称が変わったゴンバックTOTユナイテッドFCは、開幕戦でジョホールと対戦しますが、準優勝したジョホールに昨季のグループリーグで唯一の黒星をつけた実績もあります。しかし、対戦するジョホールには、昨季ゴンバックではキャプテンを務めた元代表選手のヤジド・カマルズアンや、やはりゴンバックの得点王だったブラジル出身のエリオ・ネトらが移籍している一方で、ゴンバックの主力は今季は新たに加入した若い選手となります。それでもクスマイニ・ノー・ルスリ監督はトップ5入りを目指したいと話しています。


2月15日のニュース
ジョホールがリーグ11連覇を目指して始動
トレンガヌは元オランダU19代表DFを獲得か
マレーシア人審判が26年W杯の主審候補に選出
協会はさらにルーツ帰化選手招集を検討か

ジョホールがリーグ11連覇を目指して始動

マレーシアスーパーリーグ10連覇中のジョホール・ダルル・タジムFCは、2季ぶりに監督に復帰したエクター・ビドリオ監督の下、今季に向けての練習を2月14日に開始したとスポーツ専門サイトのスタジアム・アストロが報じています

練習初日にチームに合流したのはベルクソン・ダ・シウバ、フェルナンド・フォレスティエリ、ヘベルチ・フェルナンデスらFW陣の他、新加入のFWニコラオ・ドゥミトル・カルドーソ(タイ1部ブリーラム・ユナイテッドから移籍)とMFムリロ・エンリケ(前韓国1部水原FC)も練習に参加しています。

マレーシア人選手ではDFフェロス・バハルディン、MFホン・ワン、MFナズミ・ファイズ、MFサフィク・ラヒムらの姿もチームの練習場となっているパダン・セリ・ゲラムも見られたということです。

なお父君のスルタン・イブラヒムが1月31日付でマレーシア国王に就任し、ジョホール州を不在にするため皇太子から摂政となったチームオーナーのトゥンク・イスマイル殿下は、今季のプレーシーズンツアーを、過去数年行ってきたアラブ首長国連邦のドバイではなく、スペインとポルトガルで行うことを明らかにしています。

トレンガヌは元オランダU19代表DFを獲得か

昨季はスーパーリーグ6位のトレンガヌFCは先日、ジョホール・ダルル・タジムFCから、いずれもマレーシア代表としてアジアカップ2023に出場したFWサファウィ・らシドとFWアキヤ・ラシドが期限付きで移籍したことを発表しています。さらにその直後には、昨季はクランタン・ユナイテッドで10ゴール(25試合)を挙げているナイジェリア出身FWイスマヒール・アキナデの加入も発表しています

そのトレンガヌに、今度は元オランダU19代表のDFが加入しそうだと、マレーシア語紙のブリタ・ハリアンが報じています。この記事によるとこの選手は31歳のマシュー・ステーンフォールデンで、ウズベキスタン・スーパーリーグのパフタコール・タシケントFCの2023年シーズンまでの4連覇に貢献した選手だということです。ステーンフォールデンはフェイエノールトの下部組織で育った長身のセンターバックで、オランダU19代表でのプレー経験もあります。

今季のトレンガヌは外国籍選手6名体制(リーグの規定は最大9名まで登録可能)で臨む方針を明らかにしており、11ゴールを挙げて昨季のチーム得点王となったFWイヴァン・マムット(クロアチア)、MFヌリーロ・トゥクタシノフ(ウズベキスタン)、DFアルグジム・レゾヴィッチ(モンテネグロ)の残留組と、前述のアキナデ選手の4名は既に確定しており、ステーンフォールデン選手が加入すると5人目の外国籍選手となります。

なおレゾヴィッチ選手は既にマレーシアで5シーズン以上プレーしていることから昨年、代表入りを目指してマレーシア国籍取得の申請を行なっており、今期中にマレーシア国籍を取得できれば、チームの外国籍選手枠が一つ空く可能性もあります。

マレーシア人審判が26年W杯の主審候補に選出

マレーシアサッカー協会(FAM)は、マレーシアスーパーリーグで審判を務めるナズミ・ナサルディン氏が2026年FIFAワールドカップ主審候補の1人となったと発表しています。

ナズミ氏は2010年からスーパーリーグの審判を務めており、昨年9月にはACLのブリーラム・ユナイテッド(タイ)対浙江FC(中国)の試合でVARが導入された試合で初めて主審を務めたマレーシア人審判となった他、モハマド・ザイル・ハリル・タンとモフド・アリフ・シャミル・アブド・ラシド両審判とともにACLの6試合で審判を務めています。さらに、ナズミ氏は2023年のサウジアラビアリーグのいくつかの試合の審判にも招待された。

またFAMは「国際サッカー連盟(FIFA)とアジアサッカー連盟(AFC)が定めた要件に従って、AFCとFIFAの最高峰の試合に任命されるすべての審判はVARライセンスを取得する必要がある」ことから、国内審判にもVAR審判ライセンスを取得する取り組みを開始しているということです。なおナズミ氏は2023年8月にマレーシア初のFIFA認定VAR審判員となっています。

協会はさらにルーツ帰化選手招集を検討か

英字紙ニューストレイトタイムズは、マレーシアサッカー連盟(FAM)は代表チーム強化のために、両親や祖父母がマレーシア人でありながら国外生まれ育ったマレーシアにルーツを持つ帰化選手(ルーツ帰化選手)を招集する予定があると報じています。

FAMのノー・アズマン・ラーマン事務総長は、FAMは他国リーグでプレーするルーツ帰化選手の候補を注意深く監視していると述べる一方で、これらの選手は代表入りするために、まずマレーシアのパスポートを取得する必要があることから、新たな帰化選手を獲得するかどうかはキム・パンゴン代表監督と、フアン・ガリド代表コーチ兼U23とU20代表監督の要望次第であると話しています。

ヌール・アズマン事務局長によると、FAMは評価のためにガリド氏に3~4名のルーツ帰化選手候補を提案しているということです。なお先日、カタールで開催されたアジアカップ2023に出場したマレーシア代表はルーツ帰化選手10名を含む13名の帰化選手を擁していました。

この記事によると、マレーシアにルーツがある選手として、いずれもオランダ1部ヘラクレス・アルメロのMFセム・シェルパーマン(21歳)とFWディエゴ・ファン・オールショット(18歳)、英国3部ウィガン・アスレティックのMFクリストファー・ジョン・バーナード・ゼー(20歳)の名前が上がっており、この3名はいずれも祖母がマレーシア出身ということです。

他には、マンチェスター・ユナイテッドU21のストライカー、イーサン・ウィートリー(21歳)、マンチェスター・シティU15のMFダニエル・バティ、英国2部バーミンガムシティのMFアルフィー・ジェイムズ・チャン(18歳)や、オランダ1部PSVアイントホーフェンのFWジェイソン・ファン・ダイフェン(18歳)、その弟で同U18に所属するロビン・ファン・ダイフェン(17歳)の名前も上がっています。

2月14日のニュース
AFCカップ2023/24東南アジア地区準決勝-最後の大会でサバFCはマッカーサーFCに敗れる
AFCカップ2023/24東南アジア地区準決勝-日本人3選手を擁するプノンペン・クラウンFCも同じく豪クラブに苦杯

マレーシアは週末は中国正月で連休でしたが、先週半ばから体調を崩してしまい、外でなる爆竹やライオンダンスのお囃子を聴きながら、家で静かに過ごす「寝正月」になってしまいました。その間、国外ではアジア杯の決勝、国内ではノーア・レインのスランゴール加入や邦本宜裕選手のジョホール退団と中国2部遼寧鉄人移籍、サファウィ・ラシドとアキヤ・ラシドのジョホールからトレンガヌへの期限付き移籍、などニュースは色々とありましたが、今となってはニュースと呼ぶには鮮度が下がってしまいましたので、この辺りはスルーして、最新のニュースをお伝えします。

AFCカップ2023/24東南アジア地区プレーオフ-最後の大会でサバFCはマッカーサーFCに敗れる

ACLに次ぐAFC主催大会のAFCカップは、来季からはACL2と名称が変更されることが決まっており、AFCカップとしては今季が最後の大会となります。このAFCカップは、2015年にジョホール・ダルル・タジムFCが東南アジア勢としては初めて優勝し、2022年にはKLシティFCが準優勝するなど、マレーシア勢にとっては縁起の良い大会でもあります。今季マレーシアからは2チームが出場していますが、トレンガヌFCはグループステージは無敗ながら敗退した一方で、サバFCはグループステージを1位抜けして東南アジア地区準決勝に進んでいます。

昨季のマレーシアリーグが終わったのが12月半ば、そして今季の開幕は5月ということもあり、現在は国内は完全にオフシーズン。さらに給料未払い問題が噂されているサバにとっては難しい状況下ながら、準決勝はオーストラリアのマッカーサーFCと相手のホームで対戦しました。

両チームの先発XIは以下の通り、サバは元代表GKカイルル・ファーミ、そしてアジアカップに出場したマレーシア代表から戻ったDFドミニク・タン、MFスチュアート・ウィルキン、MFダニエル・ティン、 FWダレン・ロックの代表組4名に、6名の外国籍選手が加わった布陣でした。しかしアジアカップ直前にインドネシア代表落ちしながらも、チームに合流していたサディル・ラムダニが試合直前のケガでベンチ外となったことはサバにとっては痛手でした。


ほぼ2ヶ月ぶりの試合で立ち上がりから明らかに動きが悪いサバFCに対して、リーグ戦真っ最中、しかもこの試合までリーグ戦7試合負けなしと好調のマッカーサーFCが運動量でも大きく上回りますが、それでもサバFCがなんとか耐え凌ぎます。しかし40分、右サイドに抜け出したジェド・ドルーがゴール前のウリセス・ダヴィラにパス。ダヴィラ選手は背後にいたパク・テスを交わしながら反転してシュートを放つとこれがポストに当たりながらもゴールイン。メキシコ出身の大ヴィラ選手のゴールでマッカーサーFCが先制します。

前半を1-0とリードして終えたマッカーサーFCは後半開始直後に、今度はドルー選手が自陣からドリブルで一気にサバのペナルティエリアまで持ち込むと、追い縋るダニエル・ティンをかわしてゴールを決めてリードを広げます。一方のサバFCもティン選手やラモン・マチャド、さらにはジャフリ・フィルダウス・チュウがミドルシュートでゴールを狙うなどの好機を作りますが、得点には至りません。逆に80分には19歳ながらオーストラリアU23代表でもプレーするブラジル生まれのベルナルド・オリヴェイラが巧みなドリブルで中央から切り込みサバDFを集めると、スペースが空いた右サイドから走り込んできたドルー選手へパス。これを難なく決めて3-0としたマッカーサーFCが快勝、日程面での言い訳はできませんがフィジカル面では準備不足が見えたサバFCのAFCカップ挑戦はここで終了しています。

2024年2月13日@キャンベルタウン・スタジアム(ニューサウスウェールズ州ウメア)
観衆:
マッカーサーFC 3−0 サバFC
⚽️マッカーサー:ウリセス・ダヴィラ(40分)、ジェド・ドルー2(46分、80分)
🟨マッカーサー(2):トミスラフ・ウスコク、ヤニ・ニコラウ
🟨サバ(3):ラモン・マチャド、コ・グゥンミン(高光民)、ジャフリ・フィルダウス・チュウ

この試合のハイライト映像。スタジアム・アストロの公式YouTubeチャンネルより
AFCカップ2023/24東南アジア地区プレーオフ-日本人3選手を擁するプノンペン・クラウンも同じ豪クラブに苦杯

東南アジア地区準決勝のもう一試合は、マッカーサーFCと同じAリーグのセントラル・コースト・マリナーズFCが、小川雄大、清水慎太郎、大瀬貴己の3選手を擁するプノンペン・クラウンFC(カンボジア)と対戦し、セントラル・コースト・マリナーズFCがライアン・エドモンソンのハットトリックを含め4-0でプノンペン・クラウンを破っています。この結果、いずれもAリーグのマッカーサーFCとセントラル・コースト・マリナーズFCが東南アジア代表の座をかけて地区決勝で対戦します。

2月7日のニュース
次の帰化選手候補は元オランダU20代表
給料未払い問題-KLシティCEOは今季開幕前までの問題解決を目指す
給料未払い問題-4ヶ月分未払いのクダ選手は窮状をメディアに訴えるも解決の糸口はなし
スーパーリーグの14番目のクラブを目指してM3リーグの3チームが参加申請を再提出

今朝のアジアカップ2023準決勝では、ヨルダンが韓国を2-0で下して決勝進出を決めています。グループスタージで対戦した際は土壇場で落ち着かれて引き分けとなったものの、2試合連続2ゴールを挙げ、対戦成績を1勝1分としてしています。なおこのヨルダン代表では、マレーシアリーグでプレーする選手や元選手の合計4名がプレーしており、マレーシア国内ではこのまま一気に優勝してくれれば、グループリーグでこのヨルダンに0-3で敗れているマレーシアのサポーターも溜飲が下がる思いとなるでしょう。

次の帰化選手候補は元オランダU20代表?

アジアカップ2023に出場したマレーシア代表は帰化選手が半数以上を占め、3-3と引き分けた韓国戦でもブラジル出身のパウロ・ジョズエからのパスをコロンビア出身のロメル・モラレスが決める場面がありました。今では代表に欠かせない幾何選手については、英字紙ニューストレイトタイムズは次の帰化選手候補について報じています。

オーストリア1部のSKラピード・ウィーンから現在はオランダ1部のPECズヴォレに期限付き移籍中のFWフレディ・ドライフは母親がマレーシアの血を引くことから帰化選手となれる資格があり、マレーシアサッカー協会(FAM)も注目しているということです。

オランダ生まれで現在25歳のドライフ選手はオランダ1部AZアルクマールのユース出身で、オランダU17、18、U20代表などでもプレー経験がある選手です。しかもポジションはマレーシア代表が喉から手が出るほど必要なセンターフォワードです。2019年にAZアルクマールのトップチームに昇格後は226試合に出場し112ゴールを挙げており、190cmの高身長ながらスピードもありAMFなどを務めることもできる選手だということです。

ただしマレーシアサッカー協会は、過去の失敗から協会主導で行う帰化選手支援プロジェクトを凍結しており、ドライフ選手が帰化するためには国内クラブがドライ府選手を獲得した上で、独自に帰化を支援する必要がありますが、しかしそんなことができそうなクラブは多くなく、5月の今季開幕に向けて既に新加入選手が次々と発表になっていますので、ドライフ選手にその気があるとしても帰化はすぐに実現することはなさそうです。

給料未払い問題-KLシティCEOは今季開幕前までの問題解決を目指す

KLシティFCの選手らに対して昨季の給料が未だ支払われていない問題について、クラブのスタンリー・バーナードCEOは、今季2024/25シーズンが開幕する5月10日までには、未払いの給料全てを支払う予定であると、スポーツ専門サイトのスタジアム・アストロとのインタビューで答えています。

選手たちに対して数ヶ月分の給料が未払いとなっていることはスタンリーCEOも認めており、マレーシアプロサッカー選手会(PFAM)もクラブに対して早急に問題を解決することを促す手紙を送っているということです。

スタンリーCEOは、リーグ開幕が5月ということもあり、チームとしての正式な活動は開始していないと話す一方で、開幕前に未払い給料を支払うために新たなスポンサーを探したいと話すにとどまっています。

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マレーシアリーグNo. 1と呼ばれたフィリピン代表GKケヴィン・メンドーザが給料未払いを理由に去り、U23代表の正GKをライバルのセランゴールFCに売っても解決しない給料未払い問題。後述するリーグチーム数を偶数にする数合わせでしかない3部チームの昇格を行うくらいなら、昨季の給料が支払えていないクラブは3部降格(2部プレミアリーグは昨季の1部スーパーリーグとの合併を行なったため、現在は中止)することをリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)は考えても良さそうです。またこんな状況にも関わらず今季のクラブライセンスを交付した第一審機関(FIB)の審査能力に疑問が残ります。。

給料未払い問題-4ヶ月分未払いのクダ選手は窮状をメディアに訴えるも解決の糸口はなし

マレーシア語紙ブリタハリアンは、給料未払いが4ヶ月分にも及んでいるクダ・ダルル・アマンFCの選手たちの窮状を報じています。

経営陣からは速やかに解決すると言われているものの、具体的な支払いの時期については一切知らされていないとと話す選手には失望と不満が溜まっているようです。「銀行からはローン返済を迫る電話が頻繁にかかってくるため落ち着かない毎日を過ごし、ローンや生活費は貯金を切り崩しているのが現状だ。」という選手のコメントも掲載しています。

またこの記事の中ではトップチームだけでなくU23チームの選手も給料が支払われておらず、今後どうなるかも知らされていないということです。「クラブからはトップチームとプレジデントカップ(U21)チームについての説明は行われているが、U23については何も説明がない。しかし自分たちも同じように給料が未払いとなっていることを知って欲しい。」という選手の談話を紹介しています。

この記事によると未払い給料問題解決の資金調達の目処は立っていないということで、状況がさらに悪化する可能性があるということです。

スーパーリーグの14番目のクラブを目指してM3リーグの3チームが参加申請を再提出

給料未払い問題が未解決を理由に、昨季は最下位14位だったクランタンFCには今季のクラブライセンスが交付されませんでした。これにより今季のスーパーリーグは13チーム編成となってしまうことから、スーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)は、昨年末に行われたスーパーリーグ加盟審査で不合格となった3部リーグのM3リーグから急遽、1クラブを選んでスーパーリーグに昇格させる方針を発表しています。

昨年のM3リーグは、リーグ戦17連勝など最終節前まで勝点53を挙げて首位を守ってきたKLローヴァーズが最終節で引き分ける一方で、勝点51で2位だったイミグレセン(入国管理局)FCが最終節で勝利し勝点3をあげて逆転で優勝するドラマチックな展開でした。

スーパーリーグ昇格候補は、この2チームと勝点51で3位となったハリニ・スランゴールの3チームが既に再審査に必要な書類を、クラブライセンスの交付を第一審機関(FIB)に提出済みであることから、この中から選ばれることが濃厚なようです。

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3部リーグで戦う規模で資金を調達してきたクラブがトップリーグに昇格すれば、外国籍選手の獲得などでより多額の資金が必要になるはずです。昨年11月にMFLはM3リーグのクラブからの申請に対していずれも昇格条件を満たしていないと発表しており、そこからわずか3ヶ月でクラブの状況が改善されているとも思えず、もしこのまま14番目のクラブが選ばれれば、それはスーパーリーグ参加への条件が緩和された以外に考えられません。上記のクダやKLシティなど資金繰りに苦しむクラブがいる中、さらにその可能性を持つチームを新たにM3リーグから、しかも「裏口入学」させるメリットがあるとは思えませんが、MFLの最終判断はどうなるのでしょうか。