2月21日のニュース
タイ1部リーグ第20節-ディオン・コールズ、サファウィ・ラシドは揃って先発フル出場も明暗別れる
3月の代表戦の相手は香港とトルクメニスタンに決定
開幕直前の外国籍選手の駆け込み獲得は続く

スーパーリーグ開幕まで残り1週間となった先週末は、リーグ王者ジョホール・ダルル・タジム(JDT)やスランゴールFC、クダ・ダルル・アマンFCなどのチームが今季のユニフォームを発表しています。また2月24日に迫ったトランスファーウィンドウ期間終了前に駆け込みで新戦力補強を行うチームもあります。

タイ1部リーグ第20節-ディオン・コールズ、サファウィ・ラシドは揃って先発フル出場も明暗別れる

タイ1部リーグ第20節が行われ、マレーシア代表のDFディオン・コールズ(ブリーラム・ユナイテッド)とFWサファウィ・ラシドはいずれも先発しフル出場、DFジュニオール・エルドストール(PTプラチュワプFC)はベンチ外でした。(試合のハイライト映像はタイリーグ公式サイトのYouTubeより)

タイ1部リーグ第20節
2023年2月17日@ドラゴン・ソーラー・パークスタジアム
ラーチャブリーFC 0-1 バンコク・ユナイテッドFC
2位と4位の対戦となったこの試合は、90分を過ぎても0-0と引き分け濃厚でしたが、ロスタイムにラーチャブリーFCが痛恨のPKを献上し、バンコク・ユナイテッドに勝ち越しを許しています。またこの敗戦、ラーチャブリーFCはチェンライ・ユナイテッドFCと入れ替わりで5位に交代しています。
サファウイ・ラシドは先発して、フル出場しています。

2023年2月18日@BGスタジアム
BGパトゥム・ユナイテッドFC 2-1 PTプラチュワプFC
ジュニオール・エルドストールはベンチ外でした。

2023年2月18日@チャン・アリーナ
ブリーラム・ユナイテッドFC 3-0 ポリス・テロFC
この試合も危なげない勝利を収めたブリーラム・ユナイテッドFCはリーグ再開からの5試合で4勝1分。この成績は5連勝のバンコク・ユナイテッドに次ぐ好成績です。
ディオン・コールズは先発して、フル出場しています。

タイ1部リーグ順位表(第20節終了時、上位3チームとマレーシア人選手所属チームのみ)

順位チーム勝点
1ブリーラムU20164053173652
2バンコクU2013433592643
3チョンブリー19113534181636
5ラーチャブリー2096524141033
12プラチュワップ2055102741-1420
3月の代表戦の相手は香港とトルクメニスタンに決定

今年最初のFIFA国際マッチデーカレンダー期間ととなる来月3月に、マレーシア代表は香港、そしてトルクメニスタンと対戦することが発表されました。マレーシアサッカー協会FAMの本部で開かれた記者会見の席で、キム・パンゴン代表監督自身が発表しています。

キム監督がかつて監督を務めた香港とは、昨年6月に対戦し2-0で勝利を収め、またトルクメニスタンとはやはり昨年行われたAFC選手権アジアカップ2023年大会最終予選で対戦し、こちらは3-1で勝利しています。

現在、クアラルンプールのブキ・ジャリル国立競技場はピッチの張り替えなども含む改修工事中であることから、この両試合はジョホール・ダルル・タジム(JDT)のホームスタジアムであるスルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダルプテリ)で行われることも発表されています。

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FIFAランキングではマレーシアが145位なのに対し、同146位の香港、同135位のトルクメニスタンとの対戦は、2026年FIFAワールドカップのアジア予選に向けて、少しでも多くポイントを獲得して、少しでもFIFAランキングを上げたいというFAMの目標に則したものです。アジアのFIFAランキング上位25チームに入らない場合、ワールドカップ予選へはまずプレイオフを戦わねばならず、プレイオフ出場を避毛、1回戦から出場したいマレーシア代表にとってこの上位25チーム入りが今年最大の目標の一つです。

開幕直前の外国籍選手の駆け込み獲得は続く
ヌグリスンビランFCは駆け込みでさらに外国籍選手2名を獲得へ

先日のこのブログでは、スーパーリーグで昨季4位となったヌグリスンビランFCが、9名まで登録可能な外国籍選手を3名のみで今シーズンに臨むという記事を取り上げましたが、一昨日行われた今季のチーム発表イベントで、さらに2名の外国籍選手獲得が明らかになっています。

4人目の外国籍選手は昨季までペナンFCでプレーしたFWカサグランデです。Mリーグでは通算7シーズン目となるカサグランデですが、昨季は6月18日の第10節PJシティ戦中に右頬骨を骨折。その後、手術は無事終了したものの、完治まで数ヶ月を要することから、ペナンFCとの契約はシーズン前半終了待たずに解除されています。それでもペナンFC在籍中は30試合で21ゴールを挙げるなど、スーパーリーグでの実績はある選手です。また5人目の外国籍選手はカサグランデと同じブラジル出身のMFヴィニシウス・レオネル・ダ・シルヴァ(CEオペラリオ・ヴァルゼア=グラデンセから移籍)の加入が発表されています。

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2月15日のこのブログでは、昨季からプレーする長身センターバックのエラルド・グロン(フランス)、今季新加入で東南アジアでのプレー経験が豊富な長身のストライカー、エゼシエル・エンドゥアセル(チャド、インドネシア1部バヤンガラFCから移籍)の両選手に加え、MFレヴィ・マディンダ(ガボン、ジョホール・ダルル・タジム(JDT)から期限付き移籍)が今季の外国籍選手となる記事を取り上げましたが、今回のブラジル出身2選手を獲得を報じたブリタハリアンの記事では、エゼシエル・エンドゥアセルについての記述がない一方で、外国籍選手は4名とされていることから、エゼシエル・エンドゥアセルについては、メディアで報じられたものの、実際には加入しないようで、最終的にヌグリスンビランFCの外国籍選手は4名、しかもアジア枠、東南アジア枠の外国籍選手がいないため、実際にピッチに立てるのは4名のうち3名となります。

クランタンFCの外国籍選手は元JDT選手が加わり総勢9名に

5シーズンぶりにスーパーリーグでプレーするクランタンFCは2月19日に今季のチーム発表イベントを行い、外国籍選手枠は登録上限いっぱいの9名となったを発表しています。新たに発表されたのは、昨季は同じスーパーリーグのジョホール・ダルル・タジムJDTでプレーしたDFカルリ・デ・ムルガとFWイスマヒル・アキネード(ナイジェリア、前バングラデシュ1部シェイク・ラッセルKCから移籍)の両選手です。

クランタンFCは今季、Jリーグの大分でもプレーしたチェ・ムンシク監督が就任し、これまでにいずれも韓国出身のDFキム・ミンギュ(韓国1部浦項スティーラーズFCから移籍)、DFキム・ミンギュ(韓国1部浦項スティーラーズFCから移籍)、いずれもスペイン出身のMFマリオ・アルケス(前ベトナム1部ソンラム・ゲアンFC)、DFミゲル・シフエンテス(前スペイン2部UDイビサ)に加えFWヌハ・マロング(ガンビア、インド2部ラジャスタン ユナイテッドFCから移籍)、DFクリスティアン・ロンティーニ(フィリピン、スリ・パハンFCから移籍)の6選手が新たに加入する一方で、昨季クランタンFCでプレーしたFWケルヴェンス・ベルフォール(ハイチ)、現在インドネシア1部のデワ・ユナイテッドへ期限付き移籍中のFWナタナエル・シリンゴリンゴ(インドネシア)の両選手は残留しています。

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一時はWikipediaのクラブ紹介ページに所属選手としてJリーグの甲府や仙台でプレーした道渕諒平選手の名前も書かれていましたが、期限付き移籍中のナタナエル・シリンゴリンゴを加えると外国籍枠上限となる9名を超える10名が在籍するクランタンFCでは、少なくとも今季前半はプレーすることはなさそうです。

サバFCはFCソウルで150試合以上出場のレジェンドMFを獲得

昨季はスーパーリーグ3位となり、AFCカップ出場権を獲得しているサバFCは。韓国1部FCソウルでプレーした34歳のMFコ・グアンミンの獲得を発表しています。FCソウルでは2011年から昨年まで在籍し、その間180試合以上に出場しているクラブの「レジェンド」で、ポジションは左サイドバックが本職ということです。

経験という点でサバFCにとって心強いのは、コ選手がアジアの舞台を知る選手だということ。ACLでは33試合に出場経験があるコ選手の加入は、1995年に当時のアジアカップウィナーズカップ(国内のカップ戦勝者を集めた大会。2002年廃止)でベスト16に進出して以来となるサバFCにとって大きな力となりそうです。

2月18日のニュース
サッカー協会が「ニセ」マレーシア代表の存在をFIFAとAFCに報告
PDRM FCは今季のホームスタジアムにMBPJスタジアムを使用
BRM FCがメインスポンサーを失いM3リーグ出場を辞退

サッカー協会が「ニセ」マレーシア代表の存在をFIFAとAFCに報告

英字紙ニューストレイトタイムズは、マレーシアサッカー協会FAMがニセマレーシア代表の存在をFIFAとアジアサッカー連盟AFCに報告したと報じています。 

サッカーコメンテーターのマーク・スタッフォード氏が昨年11月に自身のポッドキャストで明らかにしたところによると、米国1部メジャーリーグサッカーMLSのLAギャラクシーがマレーシア代表と親善試合を行い4-1で勝利しましたが、試合後にそのチームがマレーシア代表に成り済ました別のチームであることが発覚したということです。

FAMのハミディン会長は、近年、マレーシア代表はアメリカ合衆国へ試合のための遠征は行っておらず、誰かがマレーシア代表の名を語って試合を行ったと述べ、現在はその詳細を把握中だと説明し、またこの件はすでにFIFAとAFCにも報告済みであると述べています。. 

スタッフォード氏によると、サッカー賭博の胴元がLAギャラクシーに、AFC選手権アジアカップのための準備と称してマレーシア代表との親善試合を持ちかけ、その条件はスタジアム使用料などの経費は全てマレーシア代表持ちの上、試合報酬を支払うというものだったということです。その後は「マレーシアサッカー協会関係者」が公式に書面で試合を依頼したことで、LAギャラクシー側はこの申し出を受け入れ、実際の試合は¥LAギャラクシーが4-1で「マレーシア代表」に勝利したということです。

さらにスタッフォード氏は試合の時期を明らかにしなかったものの、この試合は八百長試合で「5ゴール以上」に賭けた八百長仕掛け人が数百万の利益を得たとしています。

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この他、2009年にマレーシア代表がFIFAの承認を得た国際Aマッチとしてジンバブエ代表とと7月12日と7月14日に試合を行い、マレーシア代表がそれぞれ4-0、1ー0で勝利しましたが、その後、ジンバブエサッカー協会はこの「ジンバブエ代表」はその名を語ったクラブチームであったと発表し、この手配をしたのが八百長仕掛け人として有名なウィルソン・ラジ・プルマルだったことを明らかになっています。また同じ2009年の9月11日に「レソト代表」と行いマレーシア代表が5-0で勝利した国際Aマッチも八百長が仕組まれていたことが明らかになっています。

また2015年にはマレーシアとガーナの両サッカー協会が知らない間にマレーシア代表タイガーナ代表の試合が開催され、この試合の開催が明るみに出ると、両協会とも試合を申し込んでも受け入れてもいないことを明らかにしています。

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このニセマレーシア代表については、昨年11月にも同じ様な記事がマレーシアの各紙で掲載されており、ニューストレイトタイムズがほぼ同じ内容の記事を再び掲載した理由は不明ですが、このブログでは昨年11月に出た記事をスルーしていたので、今回取り上げました。
 今回の記事では、マレーシア人選手が直接関わったのかどうかは不明ですが、マレーシアのサッカーの歴史を語る上で八百長の話題は、避けて通ることができない問題なのも事実です。このブログでも取り上げており、興味のある方は過去記事から「八百長」をキーワードで検索していただくと見つかると思います。
 上の記事で名が出ているウィルソン・ラジは、世界各地の試合で選手を買収する自称「世界一の八百長仕掛け人」として知られていた人物で、出身地のシンガポールだけでなく、フィンランドやハンガリーでも八百長で有罪となり実刑判決を受けています。

PDRM FCは今季のホームスタジアムにMBPJスタジアムを使用

今季3年ぶりにスーパーリーグに復帰するPDRM FCは、今季のホームスタジアムにスランゴール州プタリンジャヤのMBPJスタジアムを使用することを、スーパーリーグを運営するMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOが正式に発表しています。

PDRM FCは2020年シーズンから昨季まではクアラルンプールにあるKLフットボールスタジアムをホームとしてKLシティFCと同居していましたが、今季はMBPJスタジアムをスランゴールFCと共用することになりました。MBPJスタジアムは昨季まではスランゴールFCとPJシティFCが同居していましたが、今季から変更されたスーパーリーグの方針とクラブの方針が一致しないとして、PJシティFCがスーパーリーグ不参加を決めており、PDRM FCはこのPJシティFCの後釜に入ることとなります。

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PDRM FCがMBPJスタジアムにホームを変更するのは、MFLが今季から設けた1スタジアムにつきホームとするチームは最大2チームという規定によるものだと思われます。KLフットボールスタジアムは、KLシティFCとKLシティFCのセカンドチームが使用することから、PDRM FCが入る余地が無くなってしまった様です。なお、MBPJスタジアムをホームとするスランゴールFCのセカンドチームは、やはりリーグを撤退したUITM FCが使っていたUITMスタジアムを、PDRM FCのセカンドチームはサイバージャヤのマレーシアマルチメディア大学(MMU)の持つスタジアムをホームとすることが、各セカンドチームが出場するMFLカップの日程表で明らかになっています。

BRM FCがメインスポンサーを失いM3リーグ出場を辞退

Mリーグ3部に当たるM3リーグは3月4日に今季が開幕しますが、開幕まで1ヶ月を切ったこの時期にBRM FCが、クラブ公式Facebookで今季のリーグ出場辞退を発表しました。昨季のM3リーグではノックアウトステージの準決勝まで残ったBRM FCは、今季は優勝を目指して5日前には今季着用の新たなユニフォームを発表しましたが、それからわずか4日後の2月17日に出場辞退を表明しています。

「今回のメインスポンサーの件で迷惑を被った関係者全員に謝罪する」というクラブCEO名義による謝罪投稿とともに発表された今回のリーグ出場辞退の原因は、新ユニフォームの胸に入っていたメインスポンサーのロゴでした。ペラ州クアラ・カンサーを本拠地とするBRM FCの新ユニフォーム発表では電子タバコ会社の名前がユニフォームの胸スポンサーとして掲げられていましたが、M3リーグを運営するアマチュアフットボールリーグは電子タバコとは言え、タバコ会社であることも問題視していました。

最終的には、AFLはタバコ会社をスポンサーとすることを認めず、この結果、BRM FCは今季リーグ前にメインスポンサーを失うことになりました。開幕までおよそ2週間と迫ったこの時期に新たなスポンサー獲得は難しいと判断したBRM FCは、スポンサーなしでは今季のリーグに参戦できないとして、今季のリーグ出場を辞退しています。(下の写真は発表されたばかりのBRM FCの今季ユニフォーム。胸の黒地に金のロゴが電子タバコ会社のロゴです。)

2月17日のニュース
MFLは給料未払い問題に厳罰で対処することを再度確認
新型コロナ対策に尽力した前保健相がJDTの役員に就任
2021年のリーグ得点王の去就は未だ決まらず

MFLは給料未払い問題に厳罰で対処することを再度確認

Mリーグ1部マレーシアスーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、マレーシアサッカー協会FAMと協力して、スーパーリーグのクラブで給料未払い問題にはこれまで同様、厳罰で対処することを表明しています。

MFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは、過去数年間に渡って給料未払い問題を防ぐための厳格な規則と、問題を起こしたクラブに対する厳格な処分の結果、実際に報告された給料未払い問題の件数は2018年の200件以上から、近年では10件前後に減少したと話し、これまでの努力が功を奏していることに加え、今季のクラブライセンスが交付されなかったマラッカ・ユナイテッドFCとサラワク・ユナイテッドFCを例に挙げて、MFLとFAMがこの問題をなくすためには厳格な処分も辞さない覚悟であると説明しています。

スチュアートCEOは、「Mリーグでプレーするクラブは慎重な経営に加え、選手に対しては契約内容を遵守し、遅配のない給料支払いを行わなければならないことを理解していると確信している。選手への給料支払いが滞りなく行われているかどうかは、クラブライセンス交付の際の重要な判断基準になる」と述べて、こういった問題が再発しないことを望んでいると話しています。

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Mリーグがタイリーグに次ぐ東南アジア第2位のリーグであると、MFLがその「価値」の高さをどれほど主張しようと、毎年の様に発生する給料未払い問題によって、Mリーグがプロリーグとしては「二流」と言わざるを得ないでしょう。前述の様にマラッカ・ユナイテッドFCとサラワク・ユナイテッドFCはクラブライセンスに交付せず、国内トップリーグへの参加を認めなかったことはこれまではあり得ないことでしたが、その一方で、両クラブを運営していたサラワク州とマラッカ州のサッカー協会は未だ、給料未払い問題を解決していないにもかかわらず、新たなチームを立ち上げて3部リーグへの参加が認められています。
 3部リーグの運営はMFLではなくアマチュアフットボールリーグAFLの管轄とは言え、給料未払い問題未解決を放置している同じ人間が国内サッカーに関わることができる状況を容認している限りは、結局のところ、MFLがいう厳格な対応はいくらでも抜け道はあるということです。

新型コロナ対策に尽力した前保健相がJDTの役員に就任

前マレーシア政府保健相のカイリー・ジャマルディン氏は、所属していた政党「統一マレー国民組織」(UMNO)の党規則に違反したとして、UMNOを除名されていますが、このカイリー氏がマレーシアスーパーリーグ8連覇中のジョホール・ダルル・タジム(JDT)の役員に就任したと、英字紙スターが報じています。

父親が外交官だったカイリー氏は、シンガポールのインターナショナルスクールからオックスフォード大学の看板学部である哲学・政治・経済学部(PPE)へ進み、卒業後は英国の経済誌エコノミストなどでジャーナリストして働いた後、2008年の下院議員選挙に出馬し当選、政界に転身しました。
 自身もポロの選手として2017年の東南アジア競技大会通称シーゲームズでメダルを獲得するほどのスポーツマンでもあるカイリー氏は、2007には当時のパハン州皇太子、現在はマレーシア国王であるアブドラ国王に代わって、マレーシアサッカー協会FAMの副会長に就任したこともあります。
 2013年の総選挙で議席を守ると、当時のナジブ・ラザク首相政権下で青年スポーツ相に就任し、2013年から2018年までの大臣在籍時にはバイエルン・ミュンヘンのユースチームでコーチをしていた元マレーシア代表のリム・ティオンキム(現ペラFC監督)を2013年に招聘し、2018年にマレーシアで開催されるAFCU16アジアカップのトップ3入りを目指して青年スポーツ省とマレーシアサッカー協会が共同で設立した国家サッカー選手育成プログラム(NFDP)の責任者に就任させています。
 2018年の総選挙では再選を果たしたものの閣僚から外れましたが、2020年に再度議席を守ると、今度は科学・テクノロジー・イノベーション相に就任して中国とのワクチン供与の契約を結び、ワクチン接種計画の特任大臣に任命されると、その後は保健相に就任しました。
 2022年の総選挙ではそれまでの選挙区とは別の選挙区から出馬して落選、さらに所属するUMNOの執行部を批判したことから今年1月には除名処分を受けていました。

将来の首相候補とも言われ、与野党支持者を問わず人気の高いカイリー氏にはUMNOを除名された直後から各政党から声がかかっていましたが、同時にジョホール州皇太子でジョホール・ダルル・タジム(JDT)オーナーのトゥンク・イスマイル殿下も、ジョホール州の若者へのアドバイザーとして、またJDTも将来のクラブCEOへつながる様なポストをオファーしていました。

最終的にイスマイル殿下からのオファーを受ける形になったカイリー氏は、「一つの扉が閉まっても、別の扉が開くものだ。マレーシアNo.1のクラブに加わることができて光栄だ」と述べ、「アジアのトップクラブとなることを目指して、自身の経験を生かしてJDTを更なる高みへと押し上げたい」と自身のSNSでJDTの役員となったことを正式に表明しています。

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KJの愛称で知られるカイリー氏は、保守的な性格のUMNOの中では主流派ではなかった一方で、必要があればNGOや与党政治家などとも意見を交換を厭わない、柔軟な思考を持った政治家で、上の記事でも書いた通り将来の首相候補でもあります。14年の議員生活ながら3つの省で大臣を務めた実績もあり、最終的にはまた政界へ戻ることになるでしょうが、カイリー氏が加わることで、ピッチ内はもちろん、ピッチ外での補強も万全なJDTは、やはり国内では頭ひとつ抜けた存在と言わざるを得ません。

2021年のリーグ得点王の去就は未だ決まらず

ナイジェリア出身のFWイフェダヨ・オルセグンは、2021年にはスランゴールFCで26ゴール(22試合)を挙げてリーグ得点王になっていますが、3季在籍したスランゴールFCからマラッカ・ユナイテッドFCに移籍した昨季は、ケガなどもあり7ゴール(12試合)と成績を落としています。所属していたマラッカ・ユナイテッドFCは、2022年シーズンの給料未払い問題が未解決となっていることから、今季のリーグ参加に必要なクラブライセンスが交付されず、リーグ撤退を余儀なくされ、イフェダヨ選手は未だに今季の所属が決まっていません。

2019年のスランゴールFC加入前年の2018年にもマラッカFA(当時)でプレーしていたイフェダヨ選手は、今季Mリーグでプレーすれば「当該協会(ここではマレーシアサッカー協会FAM)管轄区域において最低5年間の居住」条件を満たすことになり、マレーシア国籍を取得すればマレーシア代表としてプレーが可能になります。

しかし、今年31歳のイフェダヨ選手は、マレーシア国籍取得には興味がないと、スポーツ専門サイトのスタジアム・アストロとのインタビューで答えています。これまでスランゴールFC復帰の噂があったイフェダヨ選手ですが、スランゴールFCは一昨日に加入が発表されたベネズエラ出身のMFヨハンドリ・オロスコを今季開幕前の「最後の加入選手」としていることから、イフェダヨ選手のスランゴールFC復帰はなくなりました。

Mリーグ通算104試合出場で87ゴールの実績は、未知数の外国籍選手を獲得するよりも遥かに確実な補強になりそうですが、昨季終了後のイフェダヨ選手はそれどころではなかった様です。「昨年末に父を亡くし、非常に困難な時を過ごさざるを得なかった。昨季終了後から、スランゴールFCを含めた多くのクラブから実際にオファーを受けたのは事実だが、その時は自分にはサッカーのことを考える余裕がなかった。」とは話したイフェダヨ選手は、マレーシア国籍を取得して代表入り云々の前に、自分のトップフォームを取り戻すことが最優先だと、スタジアム・アストロのインタビューに答えています。

2月16日のニュース
本田圭佑氏がスランゴールFCを訪問
政府がMリーグアウェイ試合のパブリックビューイング実施を検討中
各チームが来週に迫った開幕前に駆け込みチーム補強実施

本田圭佑がスランゴールFCを訪問

元日本代表の本田圭佑氏がスランゴールFCを訪問下と、マレーシア語紙のハリアンメトロが報じています。スランゴールFCの練習施設を訪れ、スランゴール州皇太子のテンク・アミル殿下とも話を交わしたということですが、この記事では選手としてでもコーチとしてでもなく、施設の見学に訪れたと説明されています。

既に自身のSNSでクアラルンプールに滞在中であることを明らかにしてた本田氏の訪問は、これまで東スポにスランゴールFC加入の噂記事が出たこともあり、一部SNSが本田氏がスランゴールFC加入か?とざわついた様ですが、残念ながら今回はハノイ、バンコクに次ぐ休暇での訪問だった様です。

スランゴール州皇太子のテンク・アミル殿下(左)に施設を案内される本田氏
政府がMリーグアウェイ試合のパブリックビューイング実施を検討中

今季のマレーシアスーパーリーグは来週2月24日に開幕しますが、マレーシア政府のコミュニケーション・デジタル省(KKD)と青年スポーツ省(KBS)がこのスーパーリーグのパブリックビューイングの開催を検討していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

「各州に大型スクリーンを設置し、サポーターが地元チームがアウェイで行う試合を見ることができれば、地元にいてもアウェイの試合の臨場感を味わいながら試合観戦ができるだろう。」と話したコミュニケーション・デジタル省のファーミ・ファジル大臣は、このパブリックビューイング実施について青年スポーツ省のハンナ・ヨー大臣と検討していると話しています。

各チームが開幕前に駆け込みチーム補強実施
スランゴールFCにはベネズエラ出身のMFヨハンドリ・オロスコが加入

スランゴールFCはクラブ公式サイトでベネズエラ出身のMFヨハンドリ・オロスコの加入を発表しています。コロンビア1部のデポルテス・トリマから加入するオロスコ選手は31歳で過去2シーズン在籍したデポルテス・トリマは2021/2022シーズンはリーグ2位となったチームですが、オロスコ選手は過去2シーズンで114試合に出場し、12ゴールと18アシストの記録を残していると、クラブ公式サイトで説明されています。

今季のスランゴールFCは、マレーシア代表トリオのFWファイサル・ハリム、MF V・ルヴェンティラン、DFクザイミ・ピーらマレーシア人選手に加え、ヨルダン代表MFヌール・アル=ラワブデ(ヨルダン1部アル・ファイサリーSCから加入)、提携関係にあるアゴラ・ライオンズ(ガーナ)から加入した20歳のFWラウフ・サリフ(ガーナ)、そしてFWエイロン・デル・ヴァイエ(コロンビア、コロンビア1部オンせ・カルダスから移籍)を新たに獲得していますが、クラブ公式サイトではオロスコ選手が7人目で最後の新戦力であると述べられています。

クランタンFCはスペイン出身DFミゲル・シフエンテスを獲得

2012年にはリーグ戦、FAカップ、マレーシアカップの国内三冠を達成したこともあるクランタンFCは、低迷期を経て今季は5年ぶりにスーパーリーグに戻ってきました。昨季は2部プレミアリーグで2位だったチームに、スペイン出身のDFミゲル・シフエンテスが加入したことがクラブ公式Facebookで告知されています。32歳のシフエンテス選手は1年契約で、スペイン2部のUDイビサを昨年9月に退団しています。

クランタンFCは大分トリニータでプレー経験がある韓国出身のチェ・ムンシク監督が今季から指揮を取りますが、これまでにいずれも韓国出身のDFキム・ミンギュ(韓国1部浦項スティーラーズFCから移籍)、FWカン・イーチャン(韓国1部江原FCから移籍)の他、DFクリスティアン・ロンティーニ(フィリピン、スリ・パハンFCから移籍)、MFマリオ・アルケス(スペイン、前ベトナム1部ソンラム・ゲアンFCから移籍)、FWヌハ・マロング(ガンビア、インド2部ラジャスタン ユナイテッドFCから移籍)、FWイスマヒル・アキネード(ナイジェリア、前バングラデシュ1部シェイク・ラッセルKCから移籍)の6選手の加入が発表されています。

PDRM FCはミャンマー代表MFチョン・ミン・ウーの加入を発表

2020年シーズン以来3年ぶりのスーパーリーグ復帰となるPDRM FCはマレーシア王立警察が母体のチームで、今季は鈴木ブルーノ選手が1年ぶりに復帰して今すが、このPDRM FCがミャンマー代表で26歳のMFチョン・ミン・ウーの加入を発表しています。ミャンマー1部リーグのヤンゴン・ユナイテッドから加入するチョン選手は昨年末の東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップでも活躍しましたが、同様に三菱電機カップにも出場し、スランゴールFCでは今季3年目を迎えたFWハイン・テット・アウン、今季からペナンFCでプレーするDFゾー・ミン・トゥンに続く、スーパーリーグでプレーする3人目のミャンマー出身の選手となりました。

スポーツ専門サイトのスタジアム・アストロの取材に対し、ハイン、ゾー両選手からスーパーリーグでのプレーを勧められたと話したチョン選手は、ミャンマー国内ではモデルとしても活動しているということですが、あくまでもサッカーをしていない時の余暇としての活動だと話し、まずはPDRM FCに貢献するために全力を尽くしたいと話しています。

1月31日のニュース
タイ1部リーグ第17節-ディオン・コールズ、サファウィ・ラシドが揃って先発もサファウィ・ラシドは負傷で途中退場
海外キャンプ2題-ドバイでキャンプ中のジョホールは相手の試合放棄で練習試合終了、クダ・ダルル・アマンFCはトルコキャンプ実施

サーバーが復活したので、今更ですが、今日のニュースをアップします。

タイ1部リーグ第17節-ディオン・コールズ、サファウィ・ラシドが揃って先発もサファウィ・ラシドは負傷で途中退場

タイ1部リーグ第17節が行われ、マレーシア代表のサファウィ・ラシドとディオン・コールズが揃って先発室状しています。(試合のハイライト映像はタイリーグ公式YouTubeより)

タイリーグ第17節
1月29日@700周年スタジアム(チェンマイ)
ラムプーン・ウォリアーFC 1-1 ラーチャブリーFC
サファウィ・ラシドは移籍後初となるリーグ戦の先発を果たしましたが、ミカ・チュヌオンシーの危険なタックルを受けて負傷し、退場しています。なおチュヌオンシー選手はこのプレーで一発レッドで退場しています。

1月29日@チャン・アリーナ(ブリーラム)
ブリーラム・ユナイテッド 2-0 チョンブリーFC
リーグ戦は2戦連続、カップ戦も含めると3戦連続で先発したディオン・コールズは78分に交代しています。

1月28日@サム・アオスタジアム(プラチュワップキーリーカーン)
プラチュワップFC 1-1 ポートFC
プラチュワップFCのジュニオール・エルドストルはベンチ入りしませんでした。

タイ1部リーグ順位表(第17節終了時、上位3チームとマレーシア人選手所属チームのみ)

順位チーム勝点
1ブリーラムU17143044133145
2バンコクU1710432791834
3チョンブリー17103431151633
4ラーチャブリー1786322111130
12プラチュワップ174582135-1417
海外キャンプ2題
ドバイでキャンプ中のジョホールは相手の試合放棄で練習試合終了

アラブ首長国連邦のドバイでキャンプ中のジョホール・ダルル・タジム(JDT)は、ブルガリア1部のPFCレフスキ・ソフィアと練習試合を行いましたが、54分に相手の試合放棄で試合が終了したと、英字紙スターが報じています。なお相手の試合放棄の原因はアルゼンチン出身のFWフェルナンド・フォレスティエリが相手にパンチを見舞った(!)ことによるものだということです。

試合後には両チームがそれぞれ声明を発表し、JDTは試合終了の理由としてPFCレフスキ・ソフィアの「スポーツマンシップの欠如」、「度を超えた『アグレッシヴさ』」そしてこの試合で主審を務めたセルビア人主審の「試合をコントロールする能力不足」を理由に挙げています。

一方、PFCレフスキ・ソフィアはJDTの選手の無礼でスポーツマンシップに欠けた行為が試合放棄の理由であるとしています。

なお試合後にはJDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が自身のSNSで、JDTに不利な判定を続けた主審が試合をコントロールできていなかったと述べるとともに、PFCレフスキ・ソフィアが試合放棄をした時点ではJDTが1-0でリードしていた点を取り上げて「アジアの小さなクラブがPFCレフスキ・ソフィアを1-0でリードしていた事実が受け入れられなかった」ことが試合放棄の最大の理由だろうとしています。

クダ・ダルル・アマンFCはトルコキャンプ実施

昨季は大不振だったクダ・ダルル・アマンFC(クダ)は、トルコでプレシーズンのキャンプを行います。

2020年、2021年と2季連続で優勝したジョホール・ダルル・タジム(JDT)に次ぐ2位となりながら、昨季はまさかの8位に転落したクダは、2019年から指揮をとっていたシンガポール出身のアイディル・シャリン(現インドネシア1部プルシカボ1973監督)に代わり、昨季までトレンガヌFCを率いていたナフジ・ザイン監督が今季から指揮を取りますが、そのクダは、トルコのアンタルヤで10日間のに渡る開幕前の最終調整を行います。

2月5日にマレーシアを出発し、2月9日にはナサフ・カルシFC(ウズベキスタン1部)、2月10日にはFCシャフチョール・カラガンダ、2月12日にはFKマクタアラル(いずれもカザフスタン1部)、そして2月14日にFCメタリスト・ハルキウ(ウクライナ1部)の各チームとの試合も行うということです。なお、これらの試合はいずれもマレーシア時間午後10時(現地時間午後5時)に行われ、全試合がペイパーヴュー方式でストリーミング配信されるということです。

これを発表したクダのモハマド・ダウド・バカル オーナーは、昨季は韓国2部の全南ドラゴンズでプレーしたブラジル出身FWジョナサン・バロテッリの獲得も合わせて発表しています。

1月11日のニュース
AFF選手権準決勝2ndレグ-タイに完敗のマレーシアは2大会ぶりの決勝進出を逃す

1月10日に行われた東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ準決勝セカンドレグで、マレーシア代表はタイ代表に0-3で敗れ、ファーストレグとの通算成績でも1-3と敗れた結果、2大会ぶりの準決勝進出を逃しています。一方、決勝進出を決めたタイ代表は、もう一つの準決勝でインドネシア代表を破って決勝進出を決めているベトナム代表と大会2連覇を賭けて対戦します。

マレーシアのキム・パンゴン監督は、1-0で勝利していたファーストレグの先発から、4名を入れ替えています。ベトナム戦でレッドカードをもらい2試合の出場停止処分を受けていたアザム・アズミがクェンティン・チェンに代わって右サイドバックに戻り、左サイドバックにはファーストレグで唯一の得点を演出したV・ルヴェンティランに代わり、スランゴールでチームメートとなるファズリ・マズランが入りました。またリー・タックとサファウィ・ラシドに代わり、それぞれムカイリ・アジマルとノー・ハキム・ハサンを起用して前回大会チャンピオンに挑みました。

試合開始直後は高い位置でのプレスをかけていたマレーシアでしたが、それも開始から10分を過ぎた頃には徐々にラインが下がり始め、その後は防戦一辺倒になる場面が続く、ファーストレグとほぼ同じ展開となりました。それでもタイFW陣が好機をことごとく逸する展開に助けられたマレーシアの集中力が切れたのは19分でした。左サイドでフリーとなったティーラトン・ブンマタンからのクロスにティーラシン・デーンダーがシャルル・ナジームとドミニク・タンに挟まれながらも頭で合わせゴール!今大会の得点王争いのトップとなる6得点目を決めたタイのエースの活躍で、ホームのタイが先制します。

ファーストレグでは1-0で勝利しているマレーシアは、このゴールで通算成績が1-1となっただけでしたが、試合開始時と比べると意気消沈したようなプレーが出始めます。チームを鼓舞しようとしたキム・パンゴン監督がタイのアレクサンダー・「マノ」・ポルキン監督とともに、この試合の主審を務めたヨルダンのアドハム・マハドメ主審からイエローカードをもらう場面もありました。これに応えるようにマレーシアは左サイドのノー・ハキム・ハサンからクロスにダレン・ロックが頭で合わせ、この試合最初のシュートは放ちますが、これはタイGKカンポン・ファントムアカックルの正面となり、ゴールを破ることはできませんた。また41分には右サイドでFKを得たマレーシアですが、ムカイリ・アジマルのキックはやはりGKカンポン・ファントムアカックルが難なくキャッチ。その後、両チームとも激しいプレーが続くもスコアは変わらず、前半は1-0とタイのリードで折り返します。

後半に入ると、マレーシアのキム監督はファーストレグで先発したリー・タック、V・ルヴェンティランを投入しますが、この交代では状況は打開できず、むしろ守備に不安のあるV・ルヴェンティランのサイドから崩される展開となりました。55分には右サイドでパスを受けたエカニット・パンヤがペナルティエリア内から出たマイナスのクロスをマレーシアDF陣が完全にフリーにしてしまったボーディン・ファラがゴールして2点目を献上、通算スコアでもついにタイにリードを許しました。さらに71分にはやはりウィーラテップポンファンに右サイドから待ち込まれ、そこからのクロスを今季からMリーグのトレンガヌでプレーするアディサク・クライソーンがシュートするもポストにはじかれますが、そのルースボールに再び詰めてゴール!決定的なタイの3点目が決まるとともに、マレーシアの決勝進出の夢はつい得ました。

9(3)対39(11)。これはマレーシア代表とタイ代表の準決勝2試合を合計したシュート数(枠内へのシュート数)です。マレーシアは枠内シュート3本で1ゴール、タイは枠内シュート11本で3ゴールなので、シュート数に対するゴール数の割合はマレーシアガタイを上回っていますが、2試合で1ゴールでは勝てるはずもありません。また大会通算では6試合で11得点7失点を記録したマレーシアですが、ベトナム、タイといった強豪相手には3試合で1得点6失点と得点力不足が露呈し、この問題の克服がAFC選手権アジアカップ2023への最大の課題となります。

準決勝敗退は残念な結果ではありましたが、見方を変えれば、ジョホール・ダルル・タジム(JDT)所属選手の大量辞退によって、今回の大会はこれまで出場機会が与えられなかった選手を起用する機会にもなりましたし、また本来ならば代表合宿に呼ばれるかどうかのボーダーの選手を招集し、実戦で試してみる機会でもあったとも言えます。具体的に言えば、ラヴェル・コービン=オングがいないことでV・ルヴェンティランが、マシュー・デイヴィーズがいないことでアザム・アズミやクェンティン・チェンは出場機会を得ることができましたし、ファイズ・ナズミやアフィク・ファザイルが不在なことからスチュアート・ウィルキンやムカイリ・アジマルにフル出場の機会が回ってきたのは事実です。またキム監督も選手をやりくりする中で、ブレンダン・ガンをセンターバックで起用するとそれがはまるなど、選手の新たな可能性も探ることができたのは、選手たちにとって自信になったはずし、JDTの選手たちが代表に戻ってきても、キム監督にとっては今後の選手招集の選択肢を増やすことができた大会となったと言えるでしょう。

また今回の大会は、連日メディアでの注目を浴びたことで、EPLは見てもマレーシア国内リーグは見ない、といったマレーシアサッカーに無関心な層にもアピールしたようで、当初はBチームと呼ばれたメンバーが必死で戦う姿勢は、多くのマレーシア人の興味や関心を集めています。これも今大会はFIFA国際マッチデー期間外であることから、「選手は機械ではないので、休息が必要だ」というど直球の正論で自チームの選手を三菱電機カップに出場させなかったJDTのオーナー、トゥンク・イスマイル殿下がいたからで、殿下にはむしろ感謝しても良いくらいです。

準決勝敗退で2020年シーズンが終了したマレーシアサッカーですが、来月2月24日は2023年シーズンが開幕し、すでに多くのクラブがプレシーズンのトレーニングを始めています。今回代表としてプレーした選手たちにはまずは休息を取り、ケガを治療してもらい、それから来季に向けて準備を始めてもらいたいです。ハリマウ・マラヤ、お疲れ様でした。

AFF選手権三菱電機カップ2022 準決勝2ndレグ
2022年1月10日@タマサード・スタジアム(パトゥムターニー、タイ)
タイ 3-0 マレーシア(通算成績 タイ 3-1 マレーシア)
⚽️タイ:ティーラシン・デーンダー(19分)、ボーディン・ファラ(55分)、アディサク・クライソーン(71分)
🟨タイ(3):エカニット・パンヤ、サーラット・ユーイェン、ウィーラテップ・ポンファン
🟨マレーシア(4):ファイサル・ハリム、ドミニク・タン、エセキエル・アグエロ、サファウィ・ラシド
MOM:アディサク・クライソーン(タイ)

試合のハイライト映像はアストロ・アリーナのYouTubeチャンネルより

1月1日のニュース
AFF選手権-第3節を終えてマレーシアはベトナム、シンガポールに次ぐ3位で最終節へ

あけましておめでとうございます。ここ数週間は仕事でバタバタしておりまして、12月17日以来、ほぼ半月ぶりの記事となります。その間に東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電気カップ2022は開幕し、マレーシアはここまで2勝1敗の成績です。マレーシアのいるB組では、一昨日12月30日に西ヶ谷隆之監督率いるシンガポールがベトナムと引き分け、両チームが2勝1分で並んだものの、得失差でベトナム1位、シンガポールが2位となっています。この結果、準決勝に進むことができる上位2チームに入るためには、マレーシアは3日後に控えるホームでのシンガポール戦での勝利が不可欠となりました。
 前々回の2018年大会では決勝でベトナムに敗れたものの準優勝したマレーシアでしたが、コロナ禍で2021年に順延された前回大会ではインドネシア、ベトナムに次ぐグループ3位となり準決勝進出を逃しています。またこれにより、大会後には当時のタン・チェンホー代表監督が辞任する事態となりました。
 前回大会の雪辱を晴らしたいマレーシアでしたが、タン前監督の辞任を受けて就任した韓国出身のキム・パンゴン監督の前に大きな問題が現れました。今季国内リーグ9連覇を果たしたジョホール・ダルル・タジムJDTの選手13名中11名が大会前の代表候補合宿参加を辞退したのです。AFF選手権はFIFAの国際マッチカレンダー期間外であるため、クラブには代表招集された選手のリリースの義務はなく、この辞退そのものは問題がありませんが、JDTの選手は代表でも中心選手であり、彼ら抜きの代表は国内でも「B代表」と揶揄されています。しかも残ったJDTの2選手のうち、サファウィ・ラシドはタイ1部のラーチャブリーFCへの期限付き移籍が発表され、もう1人のラマダン・サイフラーは最終メンバーに残れず、この結果、いつ以来かわからないJDT選手が1人もいない代表チームが誕生しています。そして、そんな代表チームが今大会初戦で対戦したのがミャンマーでした。

この試合の先発は、前述のようにJDTの選手を欠くメンバーの中、キム監督は前線にはファイサル・ハリム(スランゴール)、ダレン・ロック(サバ)、サファウィ・ラシド(タイ1部ラーチャブリーFC)、中盤はV・ルヴェンティラン、ブレンダン・ガン(いずれもスランゴール)、スチュアート・ウィルキン(サバ)、アザム・アズミ(トレンガヌ)、そしてドミニク・タン(サバ)、シャルル・ナジーム、クザイミ・ピー(いずれもスランゴール)のDF陣とGKシーハン・ハズミ(ヌグリスンビラン)を起用しました。
 国内の政治的混乱もあり2021年はシーズンが国内リーグが中止となったミャンマーは直近のFIFAランキングでは159位、一方のマレーシアは154位と試合前には楽観ムードが漂っていましたが、蓋を開けてみると、ホームのミャンマーが試合開始から積極的に攻める展開となります。しかしスランゴールでプレーするハイン・テット・アウンら攻撃陣のフィニッシュの精度の低さに助けられ、なんとか前半を0-0で折り返します。そして後半の52分には、U23代表時代からともにプレーするサファウィ・ラシドからのパスを受けたファイサル・ハリムがゴールを決め、マレーシアが先制します。しかしここからミャンマーの猛攻が始まり、試合終了間際の94分にはペナルティエリア内でシャルル・ナジームがファールを取られ、ミャンマーにPKが与えられます。
 しかしウイン・ナイン・トゥンのPKをシーハン・ハズミが素晴らしい反応を見せてこのシュートを弾き、同点を許しません。残る6分ほどを守り切ったマレーシアが開幕戦に勝利!ボールの保持率ではミャンマー57.3%に対して42.7%と劣勢だったマレーシアですが、貴重な勝点3を獲得しています。

2022年12月21日@トゥウンナ・スタジアム(ヤンゴン、ミャンマー)
ミャンマー 0-1 マレーシア
⚽️マレーシア:ファイサル・ハリム(52分)
🟨ミャンマー(6)
🟨マレーシア(2)
MOM:シーハン・ハズミ(マレーシア)

(試合の映像はアストロ・アリーナのYouTubeチャンネルより)

続く2戦目はホームに戻ってブキ・ジャリル国立競技場でのラオス戦。準決勝進出争いが得失差により決定となった場合も考えると、初戦のベトナム戦では0-6と敗れているラオス相手に、マレーシアも同様に大量点差での勝利が必要な試合でした。
 このラオス戦にキム監督は、ミャンマー戦で負傷したクザイミ・ピーを含めた大量8名を入れ替えて臨みました。この試合の先発は、ファイサル・ハリム(スランゴール)、サファウィ・ラシド(タイ1部ラーチャブリーFC)、シャミー・イスズアン(サラワク・ユナイテッド)がFW、ノー・ハキム・ハサン、ムカイリ・アジマル(いずれもスランゴール)、デヴィッド・ローリー、セルヒオ・アグエロ(いずれもスリ・パハン)がMF、そしてファズリ・マズラン、シャルル・ナジーム、クェンティン・チェンのスランゴールトリオがDF、そしてGKは192mと長身のラーディアズリ・ラハリム(トレンガヌ)という布陣でした。
 今年最後の代表戦ということもあってか、ブキ・ジャリル国立競技場には3万人近い観衆が集まりましたが、その期待に応えるようにマレーシアは、アルゼンチン出身で今年マレーシア国籍を取得したばかりのセルヒオ・アグエロが26分に代表初ゴールを挙げて先制したものの、前半はこのゴールのみの1-0で終わっています。
 しかし後半に入ると65分、68分とファイサル・ハリムが2試合連続ゴールとなる2ゴールを決めて3-0、さらに77分には途中出場の19歳、ハキミ・アジム(KLシティ)が代表初ゴールをを決め、そして87分にはやはり途中出場のスチュアート・ウィルキンが公式戦初ゴールをを決めた一方で、守備陣も相手に枠内へのシュートは一本も撃たせない攻守を見せて快勝しています。

2022年12月24日@ブキ・ジャリル国立競技場(クアラルンプール)
マレーシア 5-0 ラオス
⚽️マレーシア:セルヒオ・アグエロ(29分)、ファイサル・ハリム2(65分、68分)、ハキミ・アジム(77分)、スチュアート・ウィルキン(87分)
🟨マレーシア(2)
🟨ラオス(1)
MOM:セルヒオ・アグエロ(マレーシア)

(試合の映像はアストロ・アリーナのYouTubeチャンネルより)

開幕2連勝で迎えた第3戦はアウェイのベトナム戦です。東南アジアの代表チームで唯一、FIFAワールドカップ2022アジア最終予選に残ったこの地域で最強のチームですが、前回大会では大会MVPを獲得したチャナティップ・ソングラシン(タイ)の2ゴールに沈み、準決勝で敗退しています。しかし今大会は東南アジアの盟主として2大会ぶりの優勝を果たして、今大会後に退任が決まっているパク・ハンソ監督の花道を飾りたいところでしょう。
 またマレーシアはベトナムとの対戦成績は2014年以来1分7敗と苦手にしており、この試合ではベトナムと初対戦となるキム監督が同胞のパク監督にどのように挑むが注目されました。
 そのキム監督は。FWにファイサル・ハリム、ダレン・ロック、そして今年マレーシア国籍を取得した英国出身のリー・タックを初スタメンに起用、MFはV・ルヴェンティラン、ムカイリ・アジマル、アザム・アズミ、DFにはシャルル・ナジームとドミニク・タンに加えて、本来はMFのブレンダン・ガンを起用しています。
 試合はホームのベトナムが試合開始からマレーシアを圧倒し、29分にはグエン・ティエン・リンのゴールでベトナムが先制。その後もベトナム優位の状態で試合が進むかと思われたその直後の33分にはベトナムのグエン・バン・トアンがこの試合2名のイエローカードで早々と退場となってしまいます。数的に有利となったマレーシアは徐々にペースを掴み始め、V・ルヴェンティランやムカイリ・アジマルがシュートを放つも、枠を捉えることができず、前半は1-0とベトナムリードで終了します。
 先日のワールドカップの日本代表ではないですが、1-0ならば後半で追いつき、さらに逆転も可能かと思われましたが、62分にはベトナムDFドアン・バン・ハウの体当たりでゴールラインの外に吹っ飛ばされたアザム・アジムがドアン・バン・ハウに対して報復したとして、この試合の主審を務めた佐藤隆治主審がアザム・アジムに一発でレッドカードを出すとともに、ベトナムにPKを与える判定を出しました。しかし映像を見る限りでは、アザム・アジムを吹っ飛ばしたドアン・バン・ハウ選手のプレーがそもそもファールであり、試合はそのファールによるFKで再開が順当にも見えましたが、佐藤主審はそうは見なかったようです。このPKはクエ・ゴック・ハイが決めてベトナムのリードは2点に広がりました。
 実はこの佐藤主審が裁くマレーシア対ベトナム戦は、以前にもこのカードで同様の「疑惑の判定」が物議を醸し出したことがありました。2021年6月11日に行われたFIFAワールドカップ2022アジア2次予選がその試合で、この試合ではベトナムが27分に先制し、マレーシアが72分にPKで追いついた直後にやはり佐藤主審がベトナムにPKを与え、これを決めたぺとナムが2-1で勝利するとともに、この2次予選突破を決めています。この試合ではマレーシアのブレンダン・ガンがペナルティエリア内でグエン・バン・トアンを倒したとして、ベトナムにPKが与えられました。しかしこのプレーは映像によっては、ブレンダン・ガンはグエン・バン・トアンと接触していないようにも見えたことから、グエン・バン・トアンの「シミュレーション」ではないかとして、逆転を許すPKを与えた佐藤主審のSNSには、その後、マレーシアサッカーファンからの非難や中傷などが大量に送り付けられました。
 そういった「因縁」もあったこのカードでしたが、今回の判定に対してもマレーシアサポーターからは非難はもちろん、誹謗、中傷が佐藤主審のインスタグラムに送られ、佐藤氏が「自分の家族も投稿内容を見ているので、自制してほしい。」と呼びかける事態となりました。また佐藤氏の判定に対して、マレーシアサッカー協会FAMもAFFに正式に文書で不満を伝えています。
 とは言え、シュート数はベトナム14、マレーシア13と大差なかったものの、枠内のシュートはベトナム8に対してマレーシアは3と実力的にはやはりベトナムの方が上だったことが改めて示されたこの試合では、前半の数的有利を活かせなかったマレーシアもアザム・アジムの退場で10人となり、83分にはグエン・ホアン・ドゥックにダメ押しとなるゴールを許して敗れています。

2022年12月29日@ミーディン国立競技場(ハノイ、ベトナム)
ベトナム 3-0 マレーシア
⚽️ベトナム:グエン・ティエン・リン(29分)、クエ・ゴック・ハイ(64分PK)、グエン・ホアン・ドゥック(83分)
🟨ベトナム(1)
🟨マレーシア(2)
🟥ベトナム(1)
🟥マレーシア(1)
MOM:ダン・バン・ラム(ベトナム)

(試合の映像はアストロ・アリーナのYouTubeチャンネルより)

この後、12月30日にベトナムはシンガポールのホームで0-0で引き分けており、第3節を終えた順位は1位ベトナム(2勝1分)、2位シンガポール(2勝1分、1位と2位は得失差による)、3位マレーシア(2勝1敗)、4位ミャンマー(1分2敗)、5位ラオス(1分3敗)となっています。
 グループステージ最終節となる1月3日にはマレーシア対シンガポール、ベトナム対ミャンマーが予定されています。最終戦をホームで戦うマレーシアは準決勝進出のためにはシンガポール戦での勝利が必須ですが、ケガのクザイミ・ピーの回復は間に合うのか、ベトナム戦で退場となったアザム・アジムの代役は誰が務めるのかなど、不安要素が残るマレーシアですが、すでに2万枚を超えるチケットが売れているということで、期待が高まるホームのファンの前で起死回生の勝利を期待したいです。

最後になりますが、ボラセパマレーシアJPは2023年で5年目に入ります。今年もほぼ日でサッカーを通してマレーシアの様子を伝えていきますので、どうぞよろしくお願い致します。

12月17日のニュース(1)
Mリーグアウォーズ2022各賞の受賞者が発表-アリフ・アイマンが2年連続MVP受賞など今年もJDTの独壇場に

昨日12月15日に2022年ナショナルフットボールアウォーズの表彰式がオンラインで行われ、今季リーグ9連覇に加え、国内三冠を達成したジョホール・ダルル・タジムJDTが12部門中9部門を受賞しています。

最優秀ゴールキーパー部門
シーハン・ハズミ(ヌグリスンビラン)-初
 2018年から4年連続で受賞していたファリザル・マーリアスが最終ノミネートから外れ、誰が受賞しても初受賞となる3人の候補の中から選ばれたのはシーハン・ハズミでした。先日のこのブログにも書きましたが、代表にも初招集されるなど今年最もその活躍が印象に残った選手で、カラムラー・アル=ハフィズ(PJシティFC)、ラーディアズリ・ラハリム(トレンガヌFC)両選手を抑えて受賞しています。

最優秀ディフェンダー部門
シャールル・サアド(JDT)-3年ぶり3度目
 ここでも昨年の受賞者、マシュー・デイヴィーズが最終候補に残らなかった中、チームメートのシャールル・サアドが受賞しています。ゴールキーパー部門同様、その活躍が今年最も印象的だったクザイミ・ピー(ヌグリスンビランFC)、クラブだけでなく代表でも常連のラヴェル・コービン=オングを推させて受賞しています。ボラセパマレーシア的にはコービン・オング選手が最有力候補、シャールル選手は候補者3選手中、3番手と思っていたので、予想が大きく外れてしまいました。なお、シャールル選手はペラ在籍時の2018年と2019年にもこの賞を受賞しています。

最優秀ミッドフィルダー部門
アフィク・ファザイル(JDT)-初
 2年連続4階目の受賞を狙うバドロル・バクティアル(サバFC)、初受賞を目指すムカイリ・アジマル(スランゴールFC)を抑えて、この部門でもJDTのアフィク・ファザイルが受賞しています。昨年も最終候補3名に残りながら、バドロル・バクティアルに敗れていたので、昨年の借りを返した形になります。ここもボラセパマレーシアJPはバドロル・バクティアルの2年連続受賞、大穴でムカイリ・アジマルと予想していたので、またしも大きく外れてしまいました。ちなみに2018年からは代表招集がないアフィク・ファザイルですが、これを機に代表復帰も見えてくるでしょうか。

最優秀フォワード部門
アリフ・アイマン(JDT)-2年連続2度目
 昨年の最優秀フォワード部門と全く同じ3選手が最終候補となりましたが、昨年19歳で初受賞したアリフ・アイマンが、ダレン・ロック(PJシティ)、ファイサル・ハリム(トレンガヌ)を抑えて、2年連続受賞しています。今、マレーシアで最も注目され、最も期待されている選手でもあり、この受賞は順当で異論はありません。しかし、自身でゴールを狙うだけでなく、臨機応変にパスも出せるファイサル選手は今年一番成長した選手でもあり、ボラセパマレーシアJPは、ファイサル選手の受賞が見たかったです。

最優秀監督部門
ナフジ・ザイン(トレンガヌFC)-初
 昨年も最終ノミネートされながら、ボヤン・ホダック(KLシティFC)に敗れたナフジ・ザインが雪辱を果たしています。過去2シーズンを3位、そして4位の成績でトレンガヌFCを今季2位に引き上げた実績が評価されたようです。FAカップ準優勝、マレーシアカップではベスト4と、どの大会でも好成績を上げながたナフジ・ザインは、来季はクダの監督に就任することが決まっています。ボラセパマレーシアJPは、AFCカップ決勝にチームを導いたボヤン・ホダック推しでしたが、国内ではリーグ6位を含め、昨季のマレーシアカップ優勝ほどの結果は残せていなかったので、そこが2年連続受賞を逃した原因だったかも知れません。

最優秀外国籍選手部門
ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)-初
今季リーグ新記録となる29ゴール(22試合)を挙げ、カップ戦も合わせれば今季は何と41ゴール(30試合)、さらにACLでも6試合で6ゴールとあわや年間50ゴール達成かとも思われるほどの大活躍をしたベルグソン・ダ・シルヴァが文句なしの受賞。最終ノミネートに残ったパウロ・ジョズエ(KLシティ)、そしてチームメートのフェルナンド・フォレスティエリ(JDT)も、この成績では需要を逃しても納得でしょう。リーグ3位の13ゴールを記録したフェルナンド・フォレスティエリが今季、JDTに加入したことで、自分に集中していたマークが外れたことも、今季の大量ゴール生産に繋がっています。またキャプテンとして所属チームをAFCカップ決勝に導いたパウロ・ジョズエのリーダーシップは素晴らしかったですが、今季に関しては受賞争いの相手が悪かったとしか言いようがありません。

最優秀若手選手部門
アリフ・アイマン(JDT)-2年連続2度目
 若い選手にとって励みになるこの賞を、2年連続で同じ選手に与えるのは少々疑問が残りますが、実績だけを見れば、20歳のアリフ・アイマンは文句なしの最優秀若手選手です。最終候補に残ったアザム・アズミ(トレンガヌFC)、ムカイリ・アジマル(スランゴールFC)も良い選手ではありますが、今季のアリフ・アイマンと比べると、やはりまだまだ差はあります。それでもボラセパマレーシアJPは、この賞は同じ選手に何度も与えるべき章ではないのでは、と思ったりもします。

最優秀選手(MVP)
アリフ・アイマン(JDT)-2年連続2度目
 各賞の受賞者(ただし、最優秀外国籍選手賞受賞者は除く)から選ばれる最優秀選手には、昨年に続きアリフ・アイマンが選ばれています。これも異論のないところですが、昨年は19歳でMVP初受賞、そして20歳の今年はMVP2連覇を果たしているアリフ・アイマンを脅かす選手がいないのは、Mリーグの問題点でもあります。ちなみ過去5年間のMVP受賞者を振り返ると、2018年、2019年とやはり2年連続で受賞したFWサファウィ・ラシド(JDT)は、このアリフ・アイマンとのポジションに敗れて出場機会を減らし、来季はタイ1部ラーチャブリーFCに期限付き移籍、2017年の受賞者、MFバドロル・バクティアルはサバで活躍しているものの、2016年の受賞者、FWハズワン・バクリ(JDT、受賞時はスランゴール所属)はまだ31歳ながら、今季はわずか出場3試合となっています。

この他の各賞の受賞者は以下の通りです。

最多ゴール(1部スーパーリーグ)
ベルグソン・ダ・シルバ(JDT:29ゴール)-初

マレーシア人選手最多ゴール(1部スーパーリーグ)
ダレン・ロック(PJシティ:10ゴール)-初

最多ゴール(2部プレミアリーグ)
アブ・カマラ(クチンシティ:11ゴール)-初

マレーシア人選手最多ゴール(1部スーパーリーグ)
ダリル・シャム(JDT II:9ゴール)-初
ヌルシャミル・アブドル・ガニ(クランタン:9ゴール)-初

最優秀クラブ
ジョホール・ダルル・タジムJDT-4年連続8回目.

フェアプレー賞(最小警告数)
PJシティ-初

年間ベストゴール(サポーターの投票により決定)
ムカイリ・アジマル(スランゴール)-初

以下は、ベストゴールを受賞したムカイリ・アジマルのゴールが生まれた10月1日の第19節スランゴール対マラッカ・ユナイテッドのハイライト映像。受賞したムカイリ・アジマルのゴールは1分55秒あたりから。

年間ベストXI(サポーターの投票により決定)
監督:ナフジ・ザイン(トレンガヌ)
GK:シーハン・ハズミ(ヌグリスンビラン)
DF:アザム・アズミ(トレンガヌ)、シャールル・サアド(JDT)、シェーン・ローリー(JDT)、ラベル・コービン=オング(JDT)
MF:レアンドロ・ヴァレスケス(JDT)、アフィク・ファザイル(JDT)、マヌエル・オット(トレンガヌ)
FW:アリフ・アイマン(JDT)、ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)、ファイサル・ハリム(トレンガヌ)

11月10日のニュース
MFLのCEOはPJシティとUITMの来季リーグ撤退の噂を否定も、その可能性は「五分五分」と明かす
マレーシアカップ記念切手をポス・マレーシアが発売-クチンシティの谷川由来選手も登場
松村亮選手所属のプルシス・ソロがJDTと合同練習と練習試合開催

MFLのCEOはPJシティとUITMの来季リーグ撤退の噂を否定も、その可能性は「五分五分」と明かす

来季のMリーグ1部スーパーリーグは、今季のスーパーリーグ所属12クラブと2部プレミアリーグ所属の6クラブを統合し、新たに18クラブによるリーグとなることが発表されたのが、今年7月のことでした。その後、給料未払い問題未解決などを理由に来季の国内クラブライセンスが交付されなかったマラッカ・ユナイテッドとサラワク・ユナイテッドがリーグ参加を認められず、16クラブ編成となることが明らかになっています。

しかし、この「新スーパーリーグ」からさらにPJシティとUITMが撤退し、結局のところ1部リーグは14クラブとなるのでは、といった話がSNS上で流布され、さらに地元紙など一部メディアもこれを取り上げるなど、その噂の信憑性が高まっています。

これについて、Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは、PJシティ、UITM両クラブとの会談を持ったことを明らかにし、いずれも来季の新スーパーリーグに参加する意思表示がなされたと述べています。

マレーシアの通信社ブルナマの取材に対してスチュアートCEOは、噂に上がっている両クラブからリーグ撤退に関する連絡をもらっていないと述べていないと説明しています。その一方で両クラブの経営陣と会談を持った際に、先方から来季スーパーリーグ参加の可能性は「五分五分」であるとも伝えられていることも明らかにし、来月12月末までには最終的な回答が得られるだろうと述べています。

マレーシアカップ記念切手をポス・マレーシアが発売-クチンシティの谷川由来選手も登場

今大会で創設101周年となるマレーシアカップは、すでに準々決勝の1STレグが終了しましたが、このマレーシアカップを記念した記念切手の販売を、マレーシアの郵便局ポス・マレーシアが発表しています。なおポス・マレーシアはMリーグを運営するMFLの公式ロジスティックパートナーになっています。

クアラルンプール中央郵便局で行われた記者会見では、今季のマレーシアカップ2022に出場する16クラブがデザインされたシートも公開されおり、各クラブの切手にはチームカラーを背景にした主力選手が描かれています。例えばジョホール・ダルル・タジムJDTは今季得点王のベルグソン・ダ・シルヴァと若きエース、アリフ・アイマン、トレンガヌは今季急成長のファイサル・ハリムとマレーシアカップでゴール量産中のクパー・シャーマン、スランゴールはブレンダン・ガンとムカイリ・アジマル、そしてクチンシティを代表する選手としては谷川由来選手がシャフィジ・イクマル選手とともに描かれています。

1800セット限定で、1セットが45マレーシアリンギ(およそ1390円)となっており、購入はポス・マレーシアの公式サイト およびクアラルンプール中央郵便局で11月9日から可能になっています。また国内の主要13郵便局では11月14日より購入可能です。


松村亮選手所属のプルシス・ソロがJDTと合同練習と練習試合開催

インドネシア1部リガ1のプルシス・ソロが、Mリーグ王者ジョホール・ダルル・タジムJDTと合同練習を行なっています。

JDTが招待する形で行われる今回の合同練習では、中部ジャワの都市スラカルタを本拠地とするプルシス・ソロが11月9日から18日までの予定で、JDTの本拠地があるジョホール州に滞在し、今週末の11月12日にはJDTとの練習試合も行うということです。

なお今回の合同練習にはプルシス・ソロからは松村亮選手を含む26名の選手と、今月6日に就任が発表されたばかりのレオナルド・メディナ監督以下コーチ陣が参加します。

またプルシス・ソロは、ジョコ・ウィドド大統領の三男で実業家のカエサン・パンガレプ氏がクラブのCEOを務めていますが、その経営陣は今回、クラブの運営や施設、アカデミーなどJDTの事業を見学する予定だということです。

10月1日に起こったいわゆる「カンジュンハンの悲劇」により、現在も中断されているインドネシアリーグは、再開の目処が立っていません。そんな中でも今回の合同練習の誘いは、メディナ新監督が過去3年間、JDTでコーチを務めていたことと無縁ではないでしょう。

11月9日のニュース
FAMが年末から来年にかけての各年代チームの活動予定を発表
来季カップ戦でVARの試験的導入とプロ審判採用をFAMが発表
女子代表はヨルダンから監督を招聘
フットサルリーグは外国籍選手枠1増と新たなカップ戦創設を発表

FAMが年末から来年にかけての各年代チームの活動予定を発表

マレーシアサッカー協会FAMは11月7日に定例理事会を開催し、各年代チームの今年年末から来年の活動予定を発表しています。

U16/17代表
オスメラ・オマロ監督率いるU16代表は、先月10月に行われたAFC U17アジアカップ2023年大会予選でアラブ首長国連邦やインドネシアを破り、予選B組1位で本戦出場を決めています。2018年大会依頼5年ぶり6回目の出場となる来年5月の本戦を前に、FAMは大会開催地となるカタールのドーハで来年2月からおよそ1ヶ月の事前合宿を計画しており、現在、カタールサッカー協会と詳細を調整中ということです。

U23代表
2023年には、東南アジアサッカー連盟AFFU23選手権(日程未定)と東南アジア競技大会通称シーゲームズ(カンボジア、5月5日から17日)、AFC U23アジアカップ2024年大会予選(開催地未定、9月4日から12日)が予定されています。

A代表
年末に東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022が控えるA代表は、大会前に国際新全試合2試合を予定しています。

国際親善試合
12月9日(金)マレーシア対カンボジア@ブキ・ジャリル国立競技場(午後9時キックオフ)
12月14日(水)マレーシア対モルジブ@KLフットボールスタジアム(午後9時キックオフ)
*これらの試合の入場料は大人30マレーシアリンギ(およそ930円)、子ども(11歳以下)5リンギとなることも発表されています。

東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022
グループステージ
12月21日(水)ミャンマー対マレーシア(詳細未定)
12月24日(土)マレーシア対ラオス@ブキ・ジャリル国立競技場(午後9時キックオフ) 
12月27日(火)ベトナム対マレーシア(詳細未定) 
2023年1月3日(火)マレーシア対シンガポール@ブキ・ジャリル国立競技場(午後9時キックオフ)
*グループステージの入場料はメインスタンド100マレーシアリンギ(およそ3090円)から子ども(11歳以下)10リンギとなることも発表されています。
準決勝(ホームの試合)
2023年1月7日(土)(グループステージ2位で進出の場合)@ブキ・ジャリル国立競技場
2023年1月9日(月)(グループステージ1位で進出の場合)@ブキ・ジャリル国立競技場
*準決勝の入場料はメインスタンド120マレーシアリンギ(およそ3790円)から子ども(11歳以下)10リンギとなることも発表されています。
決勝(ホームの試合)
2023年1月13日(金)(グループステージ1位で進出の場合、会場未定)
2023年1月16日(月)(グループステージ2位で進出の場合、会場未定)
*決勝の入場料は現時点で未定です。

女子代表はヨルダンから監督を招聘

マレーシアサッカー協会FAMは、11月7日に行われた定例理事会で女子代表の監督にソリーン・アル=ゾウビ氏が就任することを発表しています。ソリーン氏は2014年からヨルダンサッカー協会の女子部門のトップを務めている他、アシスタントTD(テクニカルディレクター)も務めています。なおソリーン氏との契約は来月12月からということです。

女子U16/17代表
2024年にはインドネシアでAFC U17女子アジアカップが開催されますが、来年4月にはタイでこの大会の予選が開催されます。予選A組に入った女子U16/17代表は、4月26日に北マリアナ諸島、同28日にインドネシア、同30日にタイとの対戦が決まっています。

女子U19/20代表
2024年にウズベキスタンで開催されるAFC U20女子アジアカップの予選ではG組となっているマレーシアは来年3月にカンボジアで開催される予選に出場します。日程は3月8日にパキスタン、同10日にカンボジア、そして同12日にミャンマーとの試合が組まれています。

フットサルリーグは外国籍選手枠1増と新たなカップ戦創設を発表

マレーシアンプレミアフットボールリーグ男女
マレーシアサッカー協会FAMが運営するマレーシアンプレミアフットサルリーグMPFLの2023年シーズンは2月に開幕しますが、来季から外国籍選手枠が1つ増えることが発表されています。2月から7月にかけて行われる来季のMPFL男子では、従来の無条件の外国籍選手枠1名に加えて、アジア枠1名が追加されるということです。また5月に開幕する来季のMPFL女子も新たに無条件の外国籍選手枠1名が採用されることも併せて発表になっています。

また新たにマレーシアフットサルカップが創設されています。MPFL終了後に開催されるこのマレーシアフットサルカップは、MPFLの上位8チームが参加して行われるカップ戦です。

来季カップ戦でVARの試験的導入とプロ審判採用をFAMが発表

マレーシアサッカー協会FAMは、11月7日に開かれた理事会で、ビデオアシスタントレフリーVARの導入について、来季のFAカップとマレーシアカップでの試験的導入の予定があることを明らかにしています。

FAMのS・シヴァサンドラム審判委員会委員長は、現在、VARのシステムを提供するホークアイ社とメディアプロ社の2社と協議中であることを明かしています。シヴァサンドラム委員長は、国内でのVARの導入については最大の障壁となるのがその費用面であり、年間300試合でVARを採用すると想定した場合の費用は400から500万リンギ(およそ1億2400万から1億5500万円)がかかるとし、さらに「この費用は企業へ支払う金額であり、機器の設置や移動、担当審判の手当、インターネット環境の整備などは含まれておらず、実際にはこれ以上の費用がかかる。」とも述べています。また、VAR担当審判を養成コースに派遣するなど6ヶ月から8ヶ月の準備期間が必要となることも説明したシヴァサンドラム委員長は、FIFAやAFCの協力を得ながら、来季のカップ戦の準決勝や決勝戦での試験運用を目指したいとしています。

この他、ここ数年のFAM理事会での議題となりながら実現していない審判の「プロ化」については、来年、2名のプロ審判が誕生する予定であることも明らかにしています。審判のプロ化については、FAMは2年前にプロ審判候補6名を選出し、今年2022年には6名から8名のプロ審判がMリーグで笛を吹く計画を立てていましたが、コロナ禍により頓挫しており、その後は何も議論が行われていませんでした。