11月9日のニュース
FAMが年末から来年にかけての各年代チームの活動予定を発表
来季カップ戦でVARの試験的導入とプロ審判採用をFAMが発表
女子代表はヨルダンから監督を招聘
フットサルリーグは外国籍選手枠1増と新たなカップ戦創設を発表

FAMが年末から来年にかけての各年代チームの活動予定を発表

マレーシアサッカー協会FAMは11月7日に定例理事会を開催し、各年代チームの今年年末から来年の活動予定を発表しています。

U16/17代表
オスメラ・オマロ監督率いるU16代表は、先月10月に行われたAFC U17アジアカップ2023年大会予選でアラブ首長国連邦やインドネシアを破り、予選B組1位で本戦出場を決めています。2018年大会依頼5年ぶり6回目の出場となる来年5月の本戦を前に、FAMは大会開催地となるカタールのドーハで来年2月からおよそ1ヶ月の事前合宿を計画しており、現在、カタールサッカー協会と詳細を調整中ということです。

U23代表
2023年には、東南アジアサッカー連盟AFFU23選手権(日程未定)と東南アジア競技大会通称シーゲームズ(カンボジア、5月5日から17日)、AFC U23アジアカップ2024年大会予選(開催地未定、9月4日から12日)が予定されています。

A代表
年末に東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022が控えるA代表は、大会前に国際新全試合2試合を予定しています。

国際親善試合
12月9日(金)マレーシア対カンボジア@ブキ・ジャリル国立競技場(午後9時キックオフ)
12月14日(水)マレーシア対モルジブ@KLフットボールスタジアム(午後9時キックオフ)
*これらの試合の入場料は大人30マレーシアリンギ(およそ930円)、子ども(11歳以下)5リンギとなることも発表されています。

東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022
グループステージ
12月21日(水)ミャンマー対マレーシア(詳細未定)
12月24日(土)マレーシア対ラオス@ブキ・ジャリル国立競技場(午後9時キックオフ) 
12月27日(火)ベトナム対マレーシア(詳細未定) 
2023年1月3日(火)マレーシア対シンガポール@ブキ・ジャリル国立競技場(午後9時キックオフ)
*グループステージの入場料はメインスタンド100マレーシアリンギ(およそ3090円)から子ども(11歳以下)10リンギとなることも発表されています。
準決勝(ホームの試合)
2023年1月7日(土)(グループステージ2位で進出の場合)@ブキ・ジャリル国立競技場
2023年1月9日(月)(グループステージ1位で進出の場合)@ブキ・ジャリル国立競技場
*準決勝の入場料はメインスタンド120マレーシアリンギ(およそ3790円)から子ども(11歳以下)10リンギとなることも発表されています。
決勝(ホームの試合)
2023年1月13日(金)(グループステージ1位で進出の場合、会場未定)
2023年1月16日(月)(グループステージ2位で進出の場合、会場未定)
*決勝の入場料は現時点で未定です。

女子代表はヨルダンから監督を招聘

マレーシアサッカー協会FAMは、11月7日に行われた定例理事会で女子代表の監督にソリーン・アル=ゾウビ氏が就任することを発表しています。ソリーン氏は2014年からヨルダンサッカー協会の女子部門のトップを務めている他、アシスタントTD(テクニカルディレクター)も務めています。なおソリーン氏との契約は来月12月からということです。

女子U16/17代表
2024年にはインドネシアでAFC U17女子アジアカップが開催されますが、来年4月にはタイでこの大会の予選が開催されます。予選A組に入った女子U16/17代表は、4月26日に北マリアナ諸島、同28日にインドネシア、同30日にタイとの対戦が決まっています。

女子U19/20代表
2024年にウズベキスタンで開催されるAFC U20女子アジアカップの予選ではG組となっているマレーシアは来年3月にカンボジアで開催される予選に出場します。日程は3月8日にパキスタン、同10日にカンボジア、そして同12日にミャンマーとの試合が組まれています。

フットサルリーグは外国籍選手枠1増と新たなカップ戦創設を発表

マレーシアンプレミアフットボールリーグ男女
マレーシアサッカー協会FAMが運営するマレーシアンプレミアフットサルリーグMPFLの2023年シーズンは2月に開幕しますが、来季から外国籍選手枠が1つ増えることが発表されています。2月から7月にかけて行われる来季のMPFL男子では、従来の無条件の外国籍選手枠1名に加えて、アジア枠1名が追加されるということです。また5月に開幕する来季のMPFL女子も新たに無条件の外国籍選手枠1名が採用されることも併せて発表になっています。

また新たにマレーシアフットサルカップが創設されています。MPFL終了後に開催されるこのマレーシアフットサルカップは、MPFLの上位8チームが参加して行われるカップ戦です。

来季カップ戦でVARの試験的導入とプロ審判採用をFAMが発表

マレーシアサッカー協会FAMは、11月7日に開かれた理事会で、ビデオアシスタントレフリーVARの導入について、来季のFAカップとマレーシアカップでの試験的導入の予定があることを明らかにしています。

FAMのS・シヴァサンドラム審判委員会委員長は、現在、VARのシステムを提供するホークアイ社とメディアプロ社の2社と協議中であることを明かしています。シヴァサンドラム委員長は、国内でのVARの導入については最大の障壁となるのがその費用面であり、年間300試合でVARを採用すると想定した場合の費用は400から500万リンギ(およそ1億2400万から1億5500万円)がかかるとし、さらに「この費用は企業へ支払う金額であり、機器の設置や移動、担当審判の手当、インターネット環境の整備などは含まれておらず、実際にはこれ以上の費用がかかる。」とも述べています。また、VAR担当審判を養成コースに派遣するなど6ヶ月から8ヶ月の準備期間が必要となることも説明したシヴァサンドラム委員長は、FIFAやAFCの協力を得ながら、来季のカップ戦の準決勝や決勝戦での試験運用を目指したいとしています。

この他、ここ数年のFAM理事会での議題となりながら実現していない審判の「プロ化」については、来年、2名のプロ審判が誕生する予定であることも明らかにしています。審判のプロ化については、FAMは2年前にプロ審判候補6名を選出し、今年2022年には6名から8名のプロ審判がMリーグで笛を吹く計画を立てていましたが、コロナ禍により頓挫しており、その後は何も議論が行われていませんでした。

11月8日のニュース
今季のナショナルフットボールアウォーズ候補選手をMFLが発表

昨日11月7日には、今季のJリーグアウォーズ(年間表彰式)が開催され、横浜FマリノスのDF岩田智輝選手が、DFとしては田中マルクス闘莉王(当時浦和)以来16年ぶりの年間MVP(最優秀選手賞)を受賞していますが、こちらマレーシアでもナショナルフットボールアウォーズの各部門とその候補選手が発表になっています。なお、ナショナルフットボールアウォーズの表彰式はマレーシアカップ終了後の12月にオンラインで開催されます。

今季のナショナルフットボールアウォードの各部門とその候補選手をMFLが発表

Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、2022年ナショナルフットボールアウォード(通称ABK22)の各部門とその候補選手を公式サイトで発表しています。

受賞対象となるのは以下の16部門です。(カッコ内は既に受賞決定している選手)
1部スーパーリーグ得点王
(ベルグソン・ダ・シルヴァ-JDT:29ゴール)
1部スーパーリーグ得点王-マレーシア人選手対象
(ダレン・ロック-PJシティ:10ゴール)
2部プレミアリーグ得点王
(アブ・カマラ-クチンシティ:11ゴール)
2部プレミアリーグ得点王-マレーシア人選手対象
(ヌルシャミル・アブドル・ガニ-クランタン:9ゴール)
最優秀ゴールキーパー賞
最優秀ディフェンダー賞
最優秀ミッドフィルダー賞
最優秀フォワード賞
最優秀監督賞
最優秀若手選手賞
最優秀外国籍選手賞
最優秀チーム賞
フェアプレー賞
ファン投票によるベストXI
ファン投票によるベストゴール(今季から採用の新部門)
リーグ最優秀選手賞

また、各ポジションの最優秀選手賞候補は、今季スーパーリーグとプレミアリーグに出場した全667選手が、試合出場時間などを元にまず386名まで絞り込まれ、さらにそこからABK22選考委員会が各ポジションごとに10名を選出しています。なおこのABK22選出委員会は、今季スーパーリーグとプレミアリーグでプレーした22チームの監督と各チームのチームマネージャー、そして22名のメディア関係者で構成されています。

最優秀ゴールキーパー賞候補
シーハン・ハズミ(ヌグリスンビラン)
ファリザル・マーリアス(JDT)
フィクリ・チェ・ソー(クランタン・ユナイテッド)
イズハム・タミジ(JDT II)
カラムラー・アル=ハフィズ(PJシティ)
カイルル・ファーミ(サバ)
ニック・アミン・アフマド(クランタン)
ラーディアズリ・ラハリム(トレンガヌ)
サミュエル・サマヴィル(スランゴール)
スハイミ・フシン(トレンガヌ)


最優秀ディフェンダー賞候補
クザイミ・ピー(ヌグリスンビラン)
アザム・アズミ(トレンガヌ)
ドミニク・タン(サバ)
イルファン・ザカリア(KLシティ)
カマル・アジジ(KLシティ)
ラヴェル・コービン=オング(JDT)
マシュー・デイヴィーズ(JDT)
ナスルラー・ハニフ(ヌグリスンビラン)
シャールル・ニザム(トレンガヌ)
シャールル・サアド(JDT)


最優秀ミッドフィルダー賞候補
アクラム・マヒナン(KLシティ)
アフィク・ファザイル(JDT)
バドロル・バクティアル(サバ)
ブレンダン・ガン(スランゴール)
デヴィッド・ローリー(スリ・パハン)
ムカイリ・アジマル(スランゴール)
ナチョ・インサ(JDT)
ノー・アザム・アジー(スリ・パハン)
ライアン・ランバート(KLシティ)
ザフリ・ヤハヤ(KLシティ)


最優秀フォワード賞候補
アリフ・アイマン(JDT)
ダレン・ロック(PJシティ)
ファイサル・ハリム(トレンガヌ)
J・パルティバン(KLシティ)
ノル・ハキム・ハサン(スランゴール)
ヌル・シャミ・イスズアン・アミン(サラワク・ユナイテッド)
ヌルシャミル・アブドル・ガニ(クランタン)
S・クマーラン(PJシティ)
シャフィク・アフマド(JDT)
ワン・ファズリ・ワン・ガザリ(トレンガヌII)


最優秀若手選手
アリフ・アイマン(JDT)
アイサル・ハディ・シャプリ(JDT II)
アザム・アズミ(トレンガヌ)
ダリル・シャム(JDT II)
ハキミ・アジム・ロスリ(KLシティ)
ムカイリ・アジマル(スランゴール)
ラーディアズリ・ラハリム(トレンガヌ)
ルヴェンティラン(PJシティ)
シャヒル・バシャー(スランゴール)
T・サラヴァナン(ペナン)


最優秀監督
バドルル・アフザン・ラザリ(トレンガヌII)
ボヤン・ホダック(KLシティ)
ドラー・サレー(スリ・パハン)
オン・キムスイ(サバ)
エクトル・ビダリオ(JDT)
K・デヴァン(ヌグリスンビラン)
マリアノ・エチェヴェリア(JDT II)
ナフジ・ザイン(トレンガヌ)
P・マニアム(PJシティ)
リザル・ザムベリ・ヤハヤ(クランタン)

最優秀外国籍選手
ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)
カイオン(スランゴール)
フェルナンド・フォレスティエリ(JDT)
グスタヴォ(ヌグリスンビラン)
エロルド・グロン(ヌグリスンビラン)
ケヴィン・レイ・メンドーザ(KLシティ)
マヌエル・イダルゴ(スリ・パハン)
パク・タエス(サバ)
パウロ・ジョズエ(KLシティ)
チェチェ・キプレ(トレンガヌ)

なお最優秀チームはMFLの技術委員会が、フェアプレー賞はマレーシアサッカー協会FAMが選出する他、いずれもファン投票によるベストXIとベストゴールへの投票は来週から可能となるということです。またリーグ最優秀選手は、最優秀ゴールキーパー、最優秀ディフェンダー、最優秀ミッドフィルダー、最優秀フォワードに選ばれた4選手の中から、マレーシア代表のキム・パンゴン監督によって選出されるということです。

マレーシアカップ2022
準々決勝1STレグ結果とハイライト映像

TMマレーシアカップ2022の準々決勝4試合のファーストレグが11月5日と6日に行われています。行われた4試合は、いずれも今季リーグ戦での成績上位チームが勝利する順当な結果ととなりましたが、4試合中3試合でレッドカードが出されるなど、今季最後のタイトルを目指す各チームの試合は激しさを増してきています。なお準々決勝セカンドレグは11月11日と12日に予定されています。
*試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより

マレーシアカップ2022準々決勝 1STレグ
2022年11月5日@サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
クチンシティ 0-1 サバ
⚽️サバ:バドロル・バクティアル(69分)
🟨クチンシティ(1):アダム・シリーン
🟨サバ(2):リザル・ガザリ、イルファン・ファザイル
MOM:ダミアン・チェン(サバ)
 いずれも東マレーシア(ボルネオ島)に本拠地を持つ両チームの「ボルネオダービー」となったこのカードは、1回戦でMリーグ1部スーパーリーグ12位のペナンを破って準々決勝に進出した2部プレミアリーグ3位のクチンシティが、スーパーリーグ3位のサバをホームに迎えて対戦しました。クラブ史上初となるマレーシアカップ準々決勝進出を祝い、この試合を主催するクチンシティは、この試合が入場無料となることを事前に発表し、公式発表では今季最多の2万154人の観衆がサラワク州立スタジアムに集まりました。
 試合はホームのクチンシティが前半を優勢に進めるものの、マレーシアカップでは先発で起用されているサバのGKダミエン・チェンが相手のセットプレーからのシュートを好セーブし、またクチンシティのGKシャイフル・ワジジも加賀山泰毅選手のロングシュートを止めるなど、前半は0-0で終了しました。後半に入っても両GKの頑張りでしまった試合になりましたが、69分にサバが決勝点を挙げます。クチンシティGKのシャイフル・ワジジがサバのファルハン・ロスランのシュートを反応よく防いだものの、そこに詰めていたキャプテンのバドロル・バクティアルがそのこぼれ球をゴール!サバがついにクチンシティのゴールをこじ開けました。その後クチンシティも反撃しますが、この試合のMOMにも選ばれたダミエン・チェンがサバゴールに立ちはだかり、この1点を守り切って勝利しています。
 クチンシティの谷川由来選手、サバの加賀山泰毅選手はいずれも先発して、フル出場しています。

マレーシアカップ2022準々決勝 1STレグ
2022年11月5日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(クランタン州コタ・バル)
クランタン 0-3 JDT
⚽️JDT:ベルグソン・ダ・シルヴァ(29分)、シャフィク・アフマド(37分)、レアンドロ・ヴァレスケス(74分)
🟨クランタン(3):アリプ・アミルディン、ジャスミル・メハト、イクワン・ヤゼク
🟨JDT(0):アフィク・ファザイル、レアンドロ・バレスケス、シャールル・サアド、ナサニエル・シオ
🟥クランタン(1):ジャスミル・メハト(試合終了後)
🟥JDT(1):アフィク・ファザイル(🟨x2)
MOM:ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)
 互いに特徴的なオーナーの両チームの対戦は、今季スーパーリーグ9連覇を達成したジョホール・ダルル・タジムJDTが、エースのベルグソン・ダ・シルヴァのゴールなどで、プレミアリーグ2位のクランタンに快勝しています。
 マレーシアでも有数のサッカーどころでもあるクランタンは、10年前の2012年にはスーパーリーグ、FAカップ、マレーシアカップの三冠も達成する強豪チームを擁していましたが、2013年のFAカップ優勝を最後にタイトルから遠ざかっています。当時チームを運営していたクランタン州サッカー協会KAFAのミスマネージメントもあり、2019年からは2部プレミアリーグでプレーしています。そんなクラブを実業家のノリザム・トゥキマン氏が2020年9月に買収し、そこからかつての栄華を目指して復活の道を進んできているクランタンが、今季既に二冠を獲得し、このマレーシアカップ優勝で三冠達成をもくろむJDTと対戦しました。
 試合は代表GKファリザル・マーリアスらをベンチスタートさせる余裕を見せたJDTの一方的な試合となり、後半76分にはJDTのアフィク・ファザイルがこの試合2枚目のイエローで退場となるものの、試合の大勢には影響がなく、ホームのクランタンが無得点で敗れています。
 クランタンの原健太選手は先発して、前半終了後に交代しています。

マレーシアカップ2022準々決勝 1STレグ
2022年11月6日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴール 2-0 ヌグリスンビラン
⚽️スランゴール:カイオン(56分PK)、アリフ・ハイカル(90+1分)
🟨スランゴール(1):カイオン
🟨ヌグリスンビラン(1):ハリズ・カマルディン
🟥ヌグリスンビラン(1):エロルド・グロン
MOM:シーハン・ハズミ(ヌグリスンビラン)
 スーパーリーグ5位のスランゴールが、同4位のヌグリスンビランをホームに迎えた試合は、スランゴールが好機に次ぐ好機を得ながらも、攻撃陣の精度の低さやヌグリスンビランGKのシーハン・ハズミのスーパーセーブもあり、前半は0-0で終わります。
 後半に入っても、好機を得るものの、それを活かせないスランゴールにとっては、嫌な流れのまま進んだ試合は56分に動きました。ヌグリスンビランのペナルティエリアでエロルド・グロンがシャルル・ナジームを倒してPKを与えてしまいます。(実際にはボールに行っているクリーンなタックルにも見えますが)、しかもこの判定に執拗に抗議を続けるグロン選手に対して主審がレッドカードを示し、ヌグリスンビランは10人になってしまいます。
 数的有利を生かしたスランゴールは終了間際にアリフ・アイカルが数少ないDFをかわしてダメ押しのゴールを決めて勝利し、タン・チェンホー監督就任以来の無敗記録を7に伸ばしています。

マレーシアカップ2022準々決勝 1STレグ
2022年11月6日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
KLシティ 0-1 トレンガヌ
⚽️トレンガヌ:クパー・シャーマン(15分)
🟨KLシティ(3):パウロ・ジョズエ、デクラン・ランバート、アリフ・シャキリン
🟨トレンガヌ(4):クパー・シャーマン、アディブ・ザイヌディン、ハビブ・ハルーン、シャミルザ・ユソフ
🟥トレンガヌ(1):スハイミ・フシン
MOM:シャミルザ・ユソフ(トレンガヌ)
 スーパーリーグ2位のトレンガヌを同5位のKLシティがホームに迎えた試合は、1回戦2試合で5ゴールを挙げたトレンガヌのクパー・シャーマンがゴールを決め、トレンガヌが1-0で勝利しています。
 AFCカップで他のクラブよりも試合数が多いKLシティは、この試合でも疲労蓄積が心配されましたが、前年の覇者として臨むマレーシアカップでは、そのモチベーションは切れておらず、試合開始からパウロ・ジョズエがトレンガヌゴールに迫るなど、試合を優位に運びます。しかし、好調のクパー・シャーマンが、相手ゴール前の混戦からそのこぼれ球を押し込んで、トレンガヌが開始15分でリードを奪います。
 試合はそのまま、一進一退の攻防を繰り返しながら進み、問題の62分を迎えます。自陣からパウロ・ジョズエのロングボールに反応したKLシティのロメル・モラレスが抜け出そうとしたところを、トレンガヌのGKスハイミ・フシンがペナルティエリアのすぐ外で倒し、スハイミ選手は一発レッドで退場、KLシティはFKを得ます。しかし、スハイミ選手に代わって入ったGKシャミルザ・ユソフがパウロ・ジョズエのこのFKを止めると、さらにゴール前に詰めていたロメル・モラレスのシュートも再び止める大活躍で失点を防ぎます。今季トップチーム初出場となったチームの第3GKが勝負どころで大仕事を成し遂げたトレンガヌが準決勝に一歩近づいています。

マレーシアカップ2022
1回戦結果とハイライト映像(2)

今季のマレーシアのフットボールシーズンのフィナーレとなるマレーシアカップ1回戦の残り4カードで勝者が決まり、ベスト8出場チームが出揃いました。Mリーグ1部スーパーリーグの上位11チーム(ただしリーグ10位のマラッカ・ユナイテッドは給料未払い問題が解決していないことから出場権が剥奪され、12位のペナンが繰り上がり出場)と2部プレミアリーグの上位5チーム(ただし、スーパーリーグ所属クラブのセカンドチームは除く)の合計16チームが出場するこの大会の優勝チームには来季のAFCカップ出場権が与えられます。

マレーシアのサッカーファンの間ではリーグ戦以上に盛り上がるのがこのマレーシアカップ。その歴史は1921年まで遡ります。かつての宗主国である英国の海軍艦船HMSマラヤから寄贈を受けたカップ「マラヤカップ」の争奪戦として始まったこの大会は、各州代表チームによる対抗戦で行われた、いわばサッカーの「甲子園」。マレーシア成立に合わせ、大会名はマレーシアカップに代わったものの、州対抗戦の伝統は現代にも引き継がれており、自分の出身地の代表チームを応援するサポーターの熱狂の度合いは、決勝戦では8万5000名を超える観客を集めることからもわかるでしょう。

太平洋戦争による戦果の影響のため中断期間があるものの、昨年の大会が創設100周年起点大会、今年の大会が通算96回大会と、先日のヴァンフォーレ甲府の優勝が記憶に新しい天皇杯サッカーと並ぶ、アジアで最古のカップ戦がこのマレーシアカップです。

マレーシアカップ2022 1回戦
ファーストレグ
2022年10月26日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(クランタン州コタ・バル)
クランタン・ユナイテッド 0-2 スランゴール
⚽️スランゴール:カイオン2(37分、63分)
🟨クランタン(1):ニック・アズリ・アリアス
🟨スランゴール(0)
MOM:カイオン(スランゴール)
セカンドレグ
2022年11月1日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴール 1-0 クランタン・ユナイテッド(通算スコア:スランゴール 3-0 クランタン・ユナイテッド)
⚽️スランゴール:ニック・アキフ(90+1分OG)
🟨スランゴール(1):アレクサンダー・アギャルクワ
🟨クランタン(0)
MOM:フィクリ・チェ・ソー(クランタン・ユナイテッド)
 Mリーグ1部スーパーリーグ5位のスランゴールと2部プレミアリーグ5位のクランタン・ユナイテッドが対戦。シーズン途中でのタン・チェンホー前代表監督が就任以来、スーパーリーグを4戦無敗で終えたスランゴールは、マレーシアカップ1回戦でもホーム、アウェイとも勝利で、チームの無敗記録を6に伸ばしています。
 一方、セカンドレグは惜しくもOGで敗れたクランタン・ユナイテッドですが、守備に安定感があるわけではないスランゴール相手に無得点と、来季のスーパーリーグ入りに向けては、攻撃陣の補強が急務となりそうです。
 スランゴールはベスト8でヌグリスンビランと対戦します。
 クランタン・ユナイテッドの深井修平選手は、ファーストレグ、セカンドレグとも先発して、フル出場し、セカンドレグではキャプテンマークをつけての出場でした。また本山雅志選手は両試合もベンチ入りしませんでした。

マレーシアカップ2022 1回戦
ファーストレグ
2022年10月26日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロー・スター)
クダ 1-2 ヌグリスンビラン
⚽️クダ:ファイヤド・ズルキフリ(7分)
⚽️ヌグリスンビラン:チェ・ラシド(42分)、マテウス・アウヴェス(67分)
🟨クダ(1):サンワット・デーミット
🟨ヌグリスンビラン(2):アナス・ラーマット、ザムリ・ピン・ラムリ
MOM:ヤーセル・ピント(ヌグリスンビラン)
セカンドレグ
2022年11月1日@トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
ヌグリスンビラン 0-0 クダ(通算スコア:ヌグリスンビラン 2-1 クダ)
🟨ヌグリスンビラン(1):チェ・ラシド
🟨クダ(2):ヒシャムディン・アフマド、フィクリ・ズルキフリ
🟥クダ(1):シャールル・サムスディン(チームコーディネーター)
MOM:エロルド・グロン(ヌグリスンビラン)
 スーパーリーグ4位のヌグリスンビランと同8位のクダが対戦。クダはこのマレーシアカップの前に今年いっぱいの契約が残っていたシンガポール出身のアイディル・シャリン監督との契約を解除しています。契約解除は健康上の問題と家族の問題によるものとはされていますが、監督就任4年目となったアイディル監督にとっては、一昨年、昨年といずれもJDTに次ぐ2位となりながら、今季開幕前に主力選手の半数近くが移籍し、その代わりに獲得した選手が機能せず、苦しいシーズンでした。そのクダは、アイディル前監督に代わり、ヴィクター・アンドラグ コーチを監督代行に指名しましたが、指導者が代わっても今季を象徴するような得点力不足と不安定な守備は代わらず、1回戦で敗退しています。
 ヌグリスンビランは、リーグ戦では1勝1分けと相性の良いクダを相手にしながら、シーズン終盤に調子を落としていた相手に対してファーストレグは1点差勝利、セカンドレグは引き分けと突き放すことができませんでした。ベスト8新種を決めたとはいえ、そこで待ち受けるのは6戦無敗のスランゴール。スランゴール戦ではエース、グスタボが復調するかどうかが鍵になりそうです。

マレーシアカップ2022 1回戦
ファーストレグ
2022年10月27日@KLフットボールスタジアム(クアラ・ルンプール)
PDRM 0-3 KLシティ
⚽️KLシティ:ロメル・モラレス(45+2分、79分)、パウロ・ジョズエ(67分)
🟨PDRM(0)
🟨KLシティ(3):ライアン・ランバート、カマル・アジジ、ケニー・パッラジ
MOM:ジャンカルロ・ガリフオコ(KLシティ)
セカンドレグ
2022年11月1日@KLフットボールスタジアム(クアラ・ルンプール)
KLシティ 1-0 PDRM(通算スコア:KLシティ 4-0 PDRM)
⚽️KLシティ:ザフリ・ヤハヤ(89分)
🟨KLシティ(1):ケニー・パッラジ
🟨PDRM(2):アミルル・ヤアコブ、アミル・サイフル
MOM:ザフリ・ヤハヤ(KLシティ)
 スーパーリーグ6位のKLシティとプレミアリーグ6位のPDRMが対戦。いずれもKLフットボールスタジアムを本拠地とするチームの対戦となり、ファーストレグではKLシティが、セカンドレグではPDRMがアウェイユニフォームを着用して対戦しました。結果は順当にKLシティが2試合連続完封勝ち。2年連続優勝を目指すKLシティが好発進しています。

マレーシアカップ2022 1回戦
ファーストレグ
2022年10月27日@ダルル・マクモルスタジアム(パハン州クアンタン)
スリ・パハン 1-5 トレンガヌ
⚽️パハン:スティーヴン・ロドリゲス(43分)
⚽️トレンガヌ:クパー・シャーマン3(1分、52分、90+1分)、ニック・シャリフ・ハセフィー(3分)、ファイサル・ハリム(50分)
🟨パハン(1):エセキエル・アグエロ
🟨トレンガヌ(1):マヌエル・オット
MOM:クパー・シャーマン(トレンガヌ)
セカンドレグ
2022年11月1日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
トレンガヌ 4-2スリ・パハン(通算スコア:トレンガヌ 9-3 スリ・パハン)
⚽️トレンガヌ:クパー・シャーマン2(2分、45分)、ファイサル・ハリム(29分)、アザム・アズミ(35分)
⚽️パハン:リー・タック(71分)、スティーヴン・ロドリゲス(84分)
🟨トレンガヌ(2):アザム・アズミ、アリフ・ファジラー
🟨パハン(2):エセキエル・アグエロ、ケヴィン・イングレッソ
🟥トレンガヌ(1):シャールル・ニザム
MOM:クパー・シャーマン(トレンガヌ)
 スーパーリーグ2位のトレンガヌと同7位のスリ・パハンの対戦はいずれもマレー半島東海岸に面した州を本拠地とする両チームの「東海岸ダービー」として白熱した試合が期待されましたが、これがまさかの「クパー・シャーマン祭り」となりました。トレンガヌのクパー・シャーマンは2試合で5ゴール、しかもファーストレグでは開始1分、セカンドレグでも開始2分でゴールをを挙げるなど、1人でスリ・パハンを粉砕しています。
 Mリーグで5年間プレーし、マレーシア国籍を取得したリー・タック(英獄)とエセキエル・アグエロ(アルゼンチン)がマレーシアカップから出場可能となったスリ・パハンは、このマレーシアカップではベンチ入り20名中、外国籍選手5名、帰化選手5名と国外出身者が半数を占めるロースターで臨んだものの、通算スコア3-9で大敗しています。孤軍奮闘したマヌエル・イダルゴからは、マレーシア人選手が自信を持ってプレーできていないとと指摘されるなど、外国籍選手や帰化選手だけが奮起してもどうにもならない現実を突きつけられた格好となりました。

11月3日のニュース
MFLはマラッカとサラワクのクラブライセンス不交付への不服申し立てを却下-来季のスーパーリーグは16クラブでの開催が決定
今月末にジョホールがボルシア・ドルトムントと7年ぶりの親善試合開催
スーパーモクカップ閉幕-U13はブリーラム・ユナイテッドが3年越しの2連覇達成

MFLはマラッカとサラワクのクラブライセンス不交付への不服申し立てを却下-来季のスーパーリーグは16クラブでの開催が決定

Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグは、今季1部スーパーリーグで8位のマラッカ・ユナイテッドと同11位のサラワク・ユナイテッドから出されていた国内クラブライセンス不交付に対する不服申し立てが却下されたことを、公式サイトで発表しています。これにより、来季から新たに再編成される1部スーパーリーグは16クラブで編成されることが確定しました。

国内クラブライセンス交付を請け負う第一審期間FIBは、マラッカ・ユナイテッドは未払い給料が完済されたことを証明する書類に不備があるとして、またサラワク・ユナイテッドはかつて在籍した外国籍選手が未払いとなっている給料についてFIFAの紛争解決室DRCの下した裁定が解決されていないとして、申請の出ていた18クラブ中、16クラブにクラブライセンスのは交付したものの、この2クラブについては交付を行いませんでした。

先月10月12日にクラブライセンス不交付となった両クラブに対し、MFLは1週間の不服申し立て期間を設けており、今回の発表はその期間終了後に開催されたMFLのクラブライセンス不服申し立て委員会が両クラブの不服申し立てを却下したと、スチュアート・ラマリンガムCEOは説明していますが、具体的には不交付の理由となった書類不備に対して、今回の不服申し立てでどのような書類が提出されたかどうかについては秘匿が条件であるため、公開はできないとも話しています。またMFLは今回の不服申し立て却下という決定を両クラブに通達したものの、現時点では公式の返事は受け取っていないということです。

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今季のMリーグ1部スーパーリーグ(12クラブ)」と2部プレミアリーグ6クラブを統合した「新スーパーリーグ」が来季から発足することが決まっており、これにより当面はプレミアリーグは開催されず、新スーパーリーグの下はアマチュアフットボールリーグAFLが運営するセミプロリーグのM3リーグとなります。来季の国内クラブライセンスが交付されなかったマラッカとサラワクは新スーパーリーグには参加できないものの、M3リーグへ参加の可能性が残されています。

今月末にジョホールがボルシア・ドルトムントと7年ぶりの親善試合開催

今季のスーパーリーグとFAカップに優勝し、既に二冠を獲得しているジョホール・ダルル・タジムJDTは、クラブ公式Facebookでボルシア・ドルトムントとの国際親善試合を今月11月28日に本拠地のスルタン・イブラヒムスタジアムで開催することを発表しています。

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ボルシア・ドルトムントは、2015年7月9日にもJDTと国際親善試合を行なっています。この2日前の7月7日には等々力陸上競技場で川崎フロンターレを0-6で破っているドルトムントは、JDTがかつて本拠地として使用していたタン・スリ・ダト・ハジ・ハッサン・ユヌススタジアムで行われた試合でも、6-1とJDTに圧勝しています。この試合では、当時ドルトムントに所属していた香川真司選手がチーム4点目となるゴールを74分に挙げている他、当時セレッソ大阪から期限付き移籍していた丸岡満選手も途中出場し、香川選手のゴールをアシストしています。(以下は2015年のJDT対ドルトムントのハイライト映像。ブンデスリーガの公式YouTubeチャンネルより)

ボルシア・ドルトムントは、FIFAワールドカップ2022年大会によるリーグ中断期間を利用して「BVBアジアツアー2022」と銘打ったアジア遠征を開催し、JDT戦はこのツアーの一環です。ドルトムントのクラブ公式サイトによると、11月24日にシンガポールでライオンシティーセイラーズと対戦し、11月30日にはベトナムのハノイでベトナム代表と対戦します。またドルトムントは当初、インドネシアでの国際親善試合も予定していましたが、先月10月1日に125名以上の死者が出た東ジャワ州カンジュルハンスタジアムでの事故「カンジュルハンの悲劇」により、十分な安全対策が決まるまでサッカーの試合が開催できないため、その代わりとして組まれたのが、今回のJDT戦です。

スーパーモクカップ閉幕-U13はブリーラム・ユナイテッドが3年越しの2連覇達成

ユース国際招待大会のスーパーモクカップ2022年大会は10月30日にU12、U13、U14の各年代の決勝戦が行われ、優勝チームが決定しました。2019年以来3年ぶりの開催となった今大会は、前回に続きマレーシアのパハン州ガンバンにあるモクタル・ダハリアカデミーAMDのユースフットボールセンターを開場して開催されました。

U12は、マレーシアサッカー協会FAMと、マレーシア政府のスポーツ青年省傘下の国家スポーツ評議会が共同で運営する国家サッカー選手育成プログラムNFDP参加選手から選ばれたNFDPのBチームがNFDPのCチームを決勝で破り優勝、3位にはNFDPのAチームが入っています。また4位以下はて、キム・ヨンフンアカデミー(韓国)、ライオンシティーセイラーズ(シンガポール)と続きます。なおU12の各試合の詳細はこちらから。

U13は、前回2019年の第5回大会でもこのカテゴリーで優勝しているブリーラム・ユナイテッド(タイ)がAMDのチーム、AMDパンサーズU13を1-0で破って3年越しの大会2連覇を達成しています。また3位にはPVFフットボールアカデミー(ベトナム)、以下、アシアナサッカースクール(インドネシア)、NFDP、華城FC U13(韓国)、AMDクーガーズU13、イブラヒム・フィクリ校(マレーシア)と続いています。U13の各試合の詳細はこちらから。

またヨーロッパ勢同士による決勝となったU14は、NKオシエク(クロアチア)がパリ・サンジェルマン(フランス)を2-1で破って大会初優勝を遂げています。また3位にはAMDパンサーズU14を4-1で破ったセレッソ大阪が入り、敗れたAMDパンサーズU14が4位、以下、ファジアーノ岡山、AMDクーガーズU14、チョンブリーFC(タイ)。MFKルジョムベロク(スロバキア)、華城FC U14(韓国)、RFヤング・チャンプス(インド)となっています。U14の各試合の詳細はこちらから。


TMマレーシアカップ2022
1回戦結果とハイライト映像(1)

今季のマレーシアのフットボールシーズンのフィナーレとなるTMマレーシアカップが開幕し、1回戦の4カードで勝者が決まっています。Mリーグ1部スーパーリーグの上位11チーム(ただしリーグ10位のマラッカ・ユナイテッドは給料未払い問題が解決していないことから出場権が剥奪され、12位のペナンが繰り上がり出場)と2部プレミアリーグの上位5チーム(ただし、スーパーリーグ所属クラブのセカンドチームは除く)の合計16チームが出場するこの大会の優勝チームには来季のAFCカップ出場権が与えられます。注目は何と言ってもジョホール・ダルル・タジムJDTがクラブ史上初となる三冠を達成するのかどうか。圧倒的な強さで9連覇を達成したスーパーリーグ、そして6年ぶりの優勝を果たしたFAカップに続き、昨季は優勝候補筆頭ながら決勝でKLシティに敗れたJDTが、3季ぶりにマレーシアカップ優勝を果たすかどうかが最大の関心です。

またTMマレーシアカップ優勝チームには来季のAFCカップ出場権が与えられますが、スーパーリーグ王者として既にACLに出場することが決まっているJDTが優勝すれば、スーパーリーグ3位のサバが繰り上げ出場となることも決まっています。
*試合のハイライト映像はいずれもMFLの公式YouTubeチャンネルより

TMマレーシアカップ2022 1回戦
ファーストレグ
2022年10月26日@シティスタジアム(ペナン州ジョージタウン)
ペナン 2-2 クチンシティ
⚽️ペナン:ルーカス・シルヴァ2(38分、77分)
⚽️クチンシティ:アリフ・ハサン(45分)、アブ・カマラ(73分)
🟨ペナン(1):ファイズ・マズラン
🟨クチンシティ(3):アミル・アムリ・サレー、チェ・アリフ・チェ・カマルディン、アリフ・ハサン
MOM:ルーカス・シルヴァ(ペナン)
セカンドレグ
2022年10月31日@サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
クチンシティ 2-1 ペナン(通算スコア:クチンシティ 4-3 ペナン)
⚽️クチンシティ:アリフ・ハサン(72分)、ワン・ファイズ・スライマン(118分)
⚽️ペナン:ルーカス・シルヴァ(22分)
🟨クチンシティ(3):ラフィザン・ラザリ、ズルアズラン・イブラヒム、アミル・アムリ・サレー
🟨ペナン(4):ジェフリ・フィルダウス・チュウ、ルーカス・シルヴァ、T・サラヴァナン、アリフ・アル=ラシド
MOM:谷川由来(クチンシティ)
 2部プレミアリーグ3位のクチンシティと1部スーパーリーグ12位のペナンが対戦。ファストレグでは、今季プレミアリーグの得点王アブ・カマラのゴールでクチンシティがリードを奪うも、ペナンはエースのルーカス・シルヴァがこの試合2ゴール目を挙げて追いつき引き分けています。
 セカンドレグは、クチンシティはアリフ・ハサン、ペナンはルーカス・シルヴァがいずれも2戦連続のゴールを挙げて1-1としましたが、その後、90分では決着がつかず延長戦に入りました。延長戦も後半に入り、残り時間が5分を切り、いよいよPK戦突入かと思われましたが、ゴール前の混戦からクチンシティに待望の決勝ゴール!残り時間を守り切ってクチンシティがベスト8進出を決めると共に、来季の1部スーパーリーグでも十分通用するチームであることを証明した試合でした。
 ペナンはリーグ最下位でマレーシアカップも1回戦敗退と今季は散々な成績でした。1年前のリーグ3位からは大きく成績を落とし、改めてトマス・トルチャ前監督の解任の代償が大きかったシーズンでした。
 クチンシティの谷川由来選手は、ファストレグ、セカンドレグともに先発してフル出場し、セカンドレグではMOMにも選ばれています。

TMマレーシアカップ2022 1回戦
ファーストレグ
2022年10月26日@UITMスタジアム(スランゴール州シャー・アラム)
UITM 1-2 サバ
⚽️UITM:ジョージ・アトラム(90+1分)
⚽️サバ:バドロル・バクティアル(44分)、マクシアス・ムサ(70分)
🟨UITM(2):アフザル・アクバル、ファレズ・アイマン
🟨サバ(1):ラウィルソン・バトゥイル
MOM:バドロル・バクティアル(サバ)
セカンドレグ
2022年10月31日@リカススタジアム(サバ州コタ・キナバル)
サバ 1-1 UITM(通算スコア:サバ 3-2 UITM)
⚽️サバ;ファルハン・ロスラン(66分PK)
⚽️UITM:ファレズ・アイマン・マルズキ(90+2分)
🟨サバ(1):ラウィルソン・バトゥイル
🟨UITM(1):アフザル・アクバル
MOM:レンディ・リニン(UITM)
 2部プレミアリーグ7位のUITMと1位スーパーリーグ3位のサバが対戦。ファーストレグでは点差以上に安定した試合運びで勝利したサバでしたが、セカンドレグはそうはいきませんでした。豪雨により試合開始が1時間近く遅れ、しかもピッチは水が浮く最悪のコンディションの中、昨季までサバに在籍していたUITMのGKレンディ・リニンの再三の好手もあり、ホームのサバはゴールを挙げることができません。そんな中、UITMのアフザル・アクバルが66分に自陣ペナルティエリア内で痛恨のハンド。これで得たPKをファルハン・ロスランが決めて、サバが試合の主導権を握ります。しかしここからUITMも猛反撃に転じますが、90+2分にファレズ・アイマン・バトゥイルのゴールで1点を返すのみとなり、通算スコア3-2でサバが辛くもベスト8進出を決めています。なお、サバはベスト8で同じ東マレーシア(ボルネオ島)に本拠地を持つクチンシティとの「ボルネオダービー」を戦うことにもなりました。
 サバの加賀山泰毅選手は、ファストレグでは先発して、66分に交代、セカンドレグでは先発して75分に交代しています。なお次戦のボルネオダービーはクチンシティの谷川由来選手とサバの加賀山選手との日本人選手対決にもなりました。

TMマレーシアカップ2022 1回戦
ファーストレグ
2022年10月26日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティ 0-4 JDT
⚽️JDT:シャールル・サアド(5分)、サファウィ・ラシド(39分)、アキヤ・ラシド(70分)、フェルナンド・フォレスティエリ(80分)
🟨PJシティ(0)
🟨JDT(0)
MOM:シャールル・サアド(JDT)
セカンドレグ
2022年10月31日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
JDT 2-0 PJシティ(通算スコア:JDT 6-0 PJシティ)
⚽️JDT:ベルグソン・ダ・シルヴァ(4分)、フェルナンド・フォレスティエリ(73分)
🟨JDT(3)ダリル・シャム、フェロズ・バハルディン、シャールル・サアド
🟨PJシティ(1):D・クガン
MOM:ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)
 1部スーパーリーグ9位と同1位の対戦。ファストレグの10日ほど前にPJシティのP・ラジェスが交通事故で亡くなり、この試合はラジェス選手の追悼試合として行われましたが、リーグ王者はそこは容赦なし。今季スーパーリーグ得点王のベルグソン・ダ・シルヴァはベンチ外、ツートップのもう1人、フェルナンド・フォレスティエリもベンチスタートながら、開始5分でCKからシャールル・サアドのヘッディングゴールで先制すると、39分には両外国籍選手欠場で先発の機会が回ってきたサファウィ・ラシドが技ありのゴールを決めて前半を2-0とします。後半に入っても、いずれも途中出場のアキヤ・ラシドとフォレスティエリ選手のゴールでJDTが4-0と快勝しています。
 セカンドレグでは、GKファリザル・マーリアス、両サイドバックのマシュー・デイヴィーズ、ラヴェル・コービン=オングを外し、2部プレミアリーグ、マレーシア人得点王のダリル・シャムが先発し、新加入のジョルディ・アマトがひっそりと国内デビューを果たすなど、ローテーションでこの試合に臨んだJDTでしたが、やはり開始4分でベルグソンのゴールで先制したJDTが、フェルナンド・フォレスティエリの2戦連発ゴールで2-0と快勝。通算スコア6-0でベスト8へ順当に進出しています。

TMマレーシアカップ2022 1回戦
ファーストレグ
2022年10月26日@サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
サラワク・ユナイテッド 0-1 クランタン
⚽️クランタン:原健太(82分)
🟨サラワク(1):ボリス・コック
🟨クランタン(2):アリプ・アミルディン、イクワン・ヤゼク
MOM:ニック・アミン・アフマド(クランタン)
セカンドレグ
2022年10月31日@スルタン・モハマド4世スタジアム(クランタン州コタ・バル)
クランタン 1-1 サラワク・ユナイテッド(通算スコア:クランタン 2-1 サラワク・ユナイテッド)
⚽️クランタン:ヌルシャミル・アブドル・ガニ(13分) 
⚽️サラワク:ラジャ・イムラン(31分)
🟨クランタン(3):ニック・アミン・アフマド、ジャスミル・メハット、ラティフ・スライミ
🟨サラワク(3):S・ヴィーノッド、ボリス・コック、S・チャントゥル
MOM:ラジャ・イムラ(サラワク・ユナイテッド)
 2部プレミアリーグ2位のクランタンと1部スーパーリーグ11位のサラワク・ユナイテッドが対戦。ファストレグを原健太選手の今季初ゴールで勝利したクランタンが、セカンドレグでは1-1と引き分け、通算スコア2-1としてベスト8へ進出しています。
 クランタンの原健太選手は、ファストレグでは58分に交代出場し、1ゴールを挙げて、試合終了までプレーしています。セカンドレクでは72分から出場し、試合収容までプレーしています。

10月26日のニュース
ベルギーでプレーするルクマン・ハキムが今季リーグ戦初出場
ユースの国際招待大会スーパーモクカップ開幕
MリーグではVAR導入の予定は当面なし

ベルギーでプレーするルクマン・ハキムが今季リーグ戦初出場

ベルギーリーグの第14節が10月22日から24日にかけて行われ、マレーシア代表でもプレーする20歳のルクマン・ハキムが所属するKVコルトレイクは10月22日にホームのKVCウエステルロー対戦し、ルクマン選手がこの試合で今季リーグ戦初出場を果たしています。この試合はベンチスタートとなったルクマン選手は、88分にウルグアイ出身のFWフェリペ・アベナッティと交代出場し、試合終了までプレーしています。

試合は26分にハビブ・ゲイがレッドカードで退場し10人となったKVコルトレイクに対して、48分にニコラス・マドセン、83分にネネ・ドルジュレスがそれぞれゴールを挙げ、KVCウエステルローが2-0で勝利しています。なお、この日の敗戦で3勝2分9敗となったKVコルトレイクは、第14節を終えて18チーム中17位となっています。

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2018年のAFC U16選手権(現U17アジアカップ)の得点王となるなど、マレーシアの希望の星と期待されたルクマン選手は、2019年9月にマレーシア人富豪のヴィンセント・タン氏が所有するKVコルトレイクと6年契約を結び、2020年の10月24日にアンデルレヒト戦でベルギーリーグデビューを果たしたものの、それ以降はトップチームでの出場はなく、この日のKVCウエステルロー戦が移籍後2試合目の出場でした。来季から改編されるMリーグ1部スーパーリーグに合わせて、国内クラブへの移籍の噂なども出ていましたが、この試合出場で今季もベルギーに残りそうな気配です。

ユースの国際招待大会スーパーモクカップ開幕

ユース国際招待大会のスーパーモクカップ2022年大会が、マレーシアのパハン州ガンバンにあるモクタル・ダハリアカデミーAMDのユースフットボールセンターで10月25日に開幕しています。U12、U13、U14の3つのカテゴリーで開催される今大会は今回が第6回大会、2019年以来3年ぶりの開催で、世界各地から集まった17チームが熱戦の火蓋を切っています。今大会は10月25日から27日までは一回戦総当たりのグループステージが行われ、休養日の28日を挟んで、29 日と30日に決勝ラウンドが行われます。

マレーシアサッカー協会FAMと、マレーシア政府のスポーツ青年省傘下の国家スポーツ評議会が共同で運営する国家サッカー選手育成プログラムNFDPと、その中核をなすエリートアカデミーのAMDがそれぞれチームを編成して参加する他、パリ・サンジェルマン(フランス)、NKオシエク(クロアチア)、MFKルジョムベロク(スロバキア)らのヨーロッパ勢や、セレッソ大阪、ファジアーノ岡山(いずれも日本)、キム・ヨンフンアカデミー、華城FC(いずれも韓国)、RFヤング・チャンプス(インド)のアジア勢、そしてアショップフットボールアカデミー、アシアナサッカースクール(いずれもインドネシア)、ライオンシティー・セイラーズ(シンガポール)、ブリーラム・ユナイテッドFC、チョンブリーFC(いずれもタイ)、PVFフットボールアカデミー(ベトナム)ら東南アジア勢、そしてマレーシア国内からはトレンガヌ州のイブラヒム・フィクリ校(マレーシア)も参加します。

初めてクアラルンプール以外で開催された前回2019年大会では、U14はAMD、U12はNFDPとマレーシアのチームが優勝しましたが、U13はブリーラム・ユナイテッドU13がAMDを破って優勝し、マレーシア勢のタイトル総なめを阻止しています。ブリーラム・ユナイテッドU13は今大会にも出場しており、3年越しの連覇を狙います。

MリーグではVAR導入の予定は当面なし

Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、Mリーグ1部スーパーリーグでのVAR(Video Assistant Referee「ビデオ・アシスタント・レフェリー」)運用について、その導入前に徹底的な検討を行う必要があるとし、当面の導入の可能性を否定していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

10月22日にブキ・ジャリル国立競技場で開催されたAFCカップ決勝、KLシティFC対アル・シーブクラブ戦で、マレーシア国内の試合では初めて導入されたVARですが、スーパーリーグでのVAR導入については様々な問題があると、MFLのスチュアート・ラマリンガムCEOが説明しています。

「スーパーリーグへのVAR導入には時間がかかることを理解して欲しい。VARを担当する審判員の養成だけでなく、スーパーリーグの試合が開催される全てのスタジアムの環境整備や機材設置なども必要になるが、スーパーリーグで使用されるスタジアムの大半はクラブの所有ではなく、公共施設であり、VAR導入に必要な改修が直ちに行えない可能性がある。特定のスタジアムにだけVARを導入することは公正を欠くことになる。」と説明し、VARの当面の導入の可能性を否定しています。

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そもそもですが、VARは国際サッカー評議会(IFAB:サッカーの競技規則を唯一、制定・改定できる組織)の承認を受けた組織、スタジアム、審判員でなければ使用できません。今回のAFCカップ決勝も、当初はKLシティの本拠地であるKLフットボールスタジアムでの開催となっていましたが、AFCがVAR導入を決めると、KLフットボールスタジアムの照明がVAR導入に必要な1800ルクスに達していないことが判明し、試合会場がブキ・ジャリル国立競技場へと変更となった経緯があります。

カップ戦などの試行錯誤を経て2021/2022シーズンからVARを導入したタイリーグ、2023年シーズンからのVAR導入が検討されているシンガポールリーグと、近隣諸国のリーグではVARの導入が進んでいます。そうでなくとも審判への信用が低いマレーシアこそVARの導入は優先事項だと思いますが、スチュアートCEOの発言を聞く限りではまだまだ先の話になりそうです。


KLシティの冒険が終わる
AFCカップ決勝
KLシティ0-3アル・シーブ

AFCカップ2022年大会決勝が10月22日にマレーシアのクアラルンプールで開催され、オマーンのアル・シーブクラブがMリーグ1部スーパーリーグのKLシティFCを3-0で破り優勝しています。オマーンのクラブとしてはAFCカップ初優勝となりました。

FIFAランキングでは75位のオマーンで、2021/22シーズンには国内リーグ、国内カップ戦、そしてスーパーカップの三冠を獲得したアル・シーブと、同146位のマレーシアでリーグ戦ではなくマレーシアカップ優勝で出場権を獲得したKLシティの対戦となったこの試合は、主力に6名のオマーン代表選手を擁するアル・シーブに対し、KLシティの代表選手はデクラン・ランバートとザフリ・ヤハヤ(マレーシア)、ケヴィン・メンドーザ(フィリピン)の3名と、試合前の下馬評は、アル・シーブ有利でした。

また、2004年から開催されているAFCカップは、過去17回の大会の歴史を見ても中東のチームが15回優勝している大会です。中東のチーム以外では2011年のナサフ・カルシFC(ウズベキスタン)と2015年のMリーグのジョホール・ダルル・タジムJDTの2チームしか優勝しておらず、KLシティは東南アジアのクラブとしてJDTに続く2チーム目の優勝を目指しました。

またこの試合で注目されたのは、KLシティの外国籍選手の顔ぶれでした。Mリーグの外国籍選手枠はいわゆる3+1+1(無条件の外国籍3名、アジア枠1名、東南アジア枠1名)となっていますが、AFCカップの外国籍枠は3+1(無条件の外国籍3名、アジア枠1名)で、KLシティのボヤン・ホダック監督は、グループステージから地区プレーオフ準決勝までは、FWロメル・モラレス(コロンビア)、FWジョーダン・ミンター(ガーナ)、MFパウロ・ジョズエ(ブラジル)、DFジャンカルロ・ガリフオコ(オーストラリア)の4名を起用しましたが、地区プレーオフ決勝のPFCソグディアナ(ウズベキスタン)との試合では、FWジョーダン・ミンターに代わってGKケヴィン・メンドーザ(フィリピン)を起用しました。準決勝では、このメンドーザ選手が試合中にスーパーセーブを連発、さらに延長戦を経てPK戦に持ち込まれたこの試合では、相手のPKを止めて、チームを勝利に導いています。このため、この決勝戦ではモラレス、ジョズエ、ガリフオコの3選手に加えて、攻撃を重視しジョーダン・ミンターを起用するのか、守備を重視しケヴィン・メンドーザを起用するのかが注目されましたが、ホダック監督は、ケヴィン・メンドーザを起用しています。

この試合はボラセパマレーシアJPも観戦に出かけました。クアラルンプールがあるマレーシア東海岸は雨季に入っており、この日の天気予報も夕方から雨となっていたにも関わらず、試合前にはピッチに水が撒かれるの見て「えっ!」と思いましたが、田んぼのようなピッチでもリーグ戦を行うMリーグのKLシティに有利に、早く短いパス回しを得意とする中東のチームには不利になるようにかと邪推しましたが、その辺りの真相は不明です。

そしていよいよキックオフ。案の定、キックオフ前から激しく雨が降り始めており、ボールが転がりにくいピッチで試合が始まります。慣れないピッチに戸惑うアル・シーブに対して、KLシティはキックオフから一気に相手陣内へ攻め込み、外れてしまったものの開始から1分で早くもパウロ・ジョズエがシュートを放つなど、2万7000人を超える観衆の大半となるKLシティサポーターの期待が高まります。

さらに18分には左サイドのJ・パルティバンからのクロスをパウロ・ジョズエがスルー、これをザフリ・ヤハヤがシュートしますが、アル・シーブのGKアフマド・アル=ラワヒがこのシュートを足で止め、KLシティは先制ゴールを挙げられません。

逆に徐々にピッチに慣れてきたアル・シーブは、22分にCKを得ます。ニアポストに選手が集まる中、右サイドからアリ・アル=ブサイディが蹴ったこのCKは、飛び出したケヴィン・メンドーザの指先を掠めて、誰もいないファーポスト側に直接ゴールインし、アル・シーブが先制します。

これに対しKLシティは34分、再びザフリ・ヤハヤがシュートを放つも、アル・シーブのGKアフマド・アル=ラワヒの正面となり、GKがこれをキャッチします。逆にその直後の37分には、左サイドからのクロスにアブドルアジズ・アル=ムクバリが頭で合わせてゴール!。アル・シーブはリードを2点に拡げます。

この辺りで既に「判断のスピード」、「パスを出すスピード」といった両チームの「スピード」の差が明らかになっていました。Mリーグでは一般的にDFが相手選手に速いプレスをかけることが少なく、攻撃側がパスを受けてから周りを見る時間が十分にありますが、この試合ではアル・シーブの選手の速い寄せに対してKLシティの選手が焦ってとりあえず蹴り出すという場面が何度も見られました。これはACLでJDTが浦和と対戦した時も顕著でしたが、この辺りはMリーグのクラブがアジアの舞台で戦う際の課題になりそうです。

試合に話を戻すと、このまま前半を2-0で折り返しましたが、試合開始直後を除くとKLシティは小劇の決め手を描き、FWジョーダン・ミンターではなくGKケヴィン・メンドーザを選んだことの影響が感じられる前半でした。

後半に入り、点差を詰めたいKLシティに対し。69分にアル・シーブはDFラインの裏へのパスに抜け出したオマーン代表FWムフセン・アリ=アルガッサニが、KLのDFをかわして3点目のゴール。KLシティは72分にペナルティエリアの外で得たFKにロメル・モラレスが頭で合わせるもアル・シーブのGKアフマド・アル=ラワが再び好セーブで防ぎ、KLシティはゴールを破れません。試合はこのまま進み、アル・シーブが3-0のスコア以上に完勝でオマーンのクラブとしてAFCカップ初優勝を飾っています。

試合後の記者会見でKLシティのボヤン・ホダック監督は、この試合のGKケヴィン・メンドーザが触れられずに直接ゴールとなった1点目のコーナーキックがこの試合の分岐点となったと述べています。「試合を通して、相手は決定機が2度しかなかったにもかかわらず、1点目となったGKのミスでこちらは3失点してしまった。アル・シーブのようなアジアのトップクラスのチームは、こう言ったミスを見逃してくれることは決してない。」と述べましています。また、外国籍選手枠でFWジョーダン・ミンターを起用し、GKにはケヴィン・メンドーザの代わりにマレーシア人のアズリ・アブドル・ガニを起用しなかったことを後悔していないかどうかを問われると、ホダック監督は準決勝でのPK戦セーブなどのおかげでチームは決勝に進出できたことから、MリーグのNo. 1GKであるケヴィン・メンドーザは決勝でプレーするのは至極当然なことであり、と答えています。

なお優勝したアル・シーブは優勝賞金として150万米ドル(およそ2億2300万’円)、準優勝のKLシティは75万米ドル(およそ1億1200万円)を獲得しています。またアル・シーブは、来季のACLグループステージの出場権も合わせて獲得しています。

AFCカップ2022決勝
2022年10月22日@ブキ・ジャリル国立競技場(クアラルンプール)
KLシティ(マレーシア) 0-3 アル・シーブ(オマーン
⚽️アル・シーブ:アリ・アル=ブサイディ(22分)、アブドルアジズ・アル=ムクバリ(37分)、ムフセン・アリ=アルガッサニ(69分)
🟨KLシティ(3):アクラム・マヒナン、ジャンカルロ・ガリフオコ、アンワル・イブラヒム
🟨アル・シーブ(3):モハメド・アル=ハブシ、アフメド・アル=シヤビ、モハメド・アル=ムサラミ

(以下はこの試合のスタッツ、先発XIとハイライト映像。スタッツと先発XIはAFCのTwitterから、またハイライト映像はアストロアリーナのYouTubeチャンネルから)


10月21日のニュース
MFLがスーパーリーグの今季ペストXIを発表

MFLがスーパーリーグの今季ペストXIを発表

Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、元代表選手でMFL公式サイトにも寄稿するシャーロム・カリム氏が選んだ、1部スーパーリーグの今季ベストXIを公式サイトで発表しています。そこでマレーシアで最も好まれる4-3-3に合わせてシャーロム氏の選んだ11名に、ボラセパマレーシアJPの勝手なコメントを書き添えました。

GKシーハン・ハズミ(ヌグリスンビラン)

昨季所属したPJシティではカラムラ・アル=ハフィズの台頭によって出場機会が減り、押し出される形でヌグリスンビランに移籍したシーハン選手。しかしこの移籍が大正解でした。出場機会が増えたことでキム・パンゴン代表監督の目にも止まり、今年初めてA代表に招集されると6月のAFCアジアカップ2023最終予選や9月のキングズカップ(タイ)では、それまでの代表正GKファリザル・マーリアス(JDT)に代わって、代表ゴールを守りました。ここまでの活躍を見るとリーグベストGKという良rも今季のマレーシア人のベストGKと言えるでしょう。
 ちなみに今季のスーパーリーグで全22試合に出場したGKはこのシーハン・ハズミ、カイルル・ファーミ(サバ)、ケヴィン・メンドーザ(KLシティ)の3名ですが、クリーンシートはシーハン・ハズミとケヴィン・メンドーザが7、カイルル・ファーミが5となっています。ボラセパマレーシアJP的にはケヴィン・メンドーザが今季No.1ですが、マレーシア人選手に限ればシーハン選手が間違いなく現在のNo. 1のGKです。

DFラヴェル・コービン=オング(ジョホール・ダルル・タジムJDT)

左サイドバックを務めるラヴェル・コービン=オングは、今季はこれまで以上い安定したプレーをMリーグだけでなくACLや代表戦でも見せ、クラブにも代表にも欠かせない選手となりました。これまでは攻撃への意識が行きすぎて、たびたびオーバーラップした裏側を相手に取られる場面などもありましたが、今季はそういったことがほとんどなく、安心して見ていられるプレーぶりでした。JDTのリーグ9連覇達成に欠かせなかったコービン=オン選手の貢献度が高いことは、ACLなどでチームがローテーションを行う中、今季のスーパーリーグで全試合に先発したチーム唯一の選手であることからも分かります。

DFクザイミ・ピー(ヌグリスンビラン)

GKシーハン・ハズミ同様、ヌグリスンビランへの移籍が転機となったのがこのクザイミ・ピーです。昨季プレーしたUITMが1部で最下位となり2部に降格すると、それを入れ替わる形で昇格したヌグリスンビランへ移籍。そこからはシーハン選手同様、そのプレーぶりがキム代表監督の目に留まって、今年3月のシンガポールサッカー協会FAS主催の3カ国対抗戦で6年ぶりに代表に招集されました。4バックの左センターバックとしてポジションを勝ち取ると、6月のアジアカップ2023最終予選や9月のキングズカップでも主力として活躍しています。1部昇格初年度のヌグリスンビランは今季の失点がリーグ3位タイの26失点でしたが、DF陣の要にこのクザイミ選手がいたことが大きいでしょう。また攻撃の起点にもなれるDFでもあり、代表戦でも低く早いクロスでアシストを記録しています。

DFパぺ・ディアキテ(トレンガヌ)

東南アジアリーグの外国籍選手に多い長身のセンターバックですが。パぺ・ディアキテもそんな選手の1人。今季ベトナムのサイゴンFCから加入した、194cmとリーグ2位の長身を生かし、昨季のトレンガヌに欠けていた頼れるセンターバックとして、22試合中19試合に先発しています。ディアキテ選手は常に冷静なプレーでDF陣のリーダーを務め、チームが今季リーグ2位の失点20(22試合)となった原動力の1人です。

DFマシュー・デイヴィーズ(ジョホール・ダルル・タジムJDT)

昨季末にヘルニアの手術を受け、今季の出場が危ぶまれていましたが、結局17試合に出場したマシュー・デイヴィーズ。JDTだけでなく、代表の右サイドバックとしてチームになくてはならない存在になっています。クラブと代表のいずれでもチームメイトのラベル・コービン=オング同様。積極的なオーバーラップから精度の高いクロスを上げる能力もあり、攻守のバランスが取れた選手です。

MFパク・タエスー(サバ)

本来のセンターバックあるいは守備的MFから今季途中に攻撃的MF的に起用されると、FW陣を押しのけてチーム最多の8ゴールを挙げています。もともとFKの上手い選手でしたが、過去2シーズンで3ゴールしか挙げていないパク選手のコンバートは大成功だったと言えるでしょう。
 最新のニュースでは、今季終了後に契約が切れる33歳のパク選手に対して、サバが契約を2年延長するオファーを行い、パク選手もこれに同意し、既に契約書にサインしたことが報じられています。2019年からサバでプレーするパク選手は、今回の契約で2024年までサバでプレーすることが決まっています。

MFレアンドロ・ヴァレスケス(JDT)

JDTのセカンドチーム、JDT II時代も合わせると今季が在籍5季目となるレアンドロ・ヴェラスケスはMリーグでもトップクラスの攻撃的MF。FKも良いし、シュート力もあり、33歳という年齢を全く感じさせないエネルギッシュな選手です。あえて今季の残念な点を挙げるとすれば、ACLグループステージの累積警告により、Jリーグ浦和とのノックアウトステージに出場できなかったことでしょう。ヴァレスケス選手がいたら、エクトル・ビダリオ監督もDFジョルディ・アマトのMF起用といった奇策を講じる必要もな句、浦和に冷や汗くらいは欠かせられたのではないかと悔やまれます。

MFペトラス・シテムビ(トレンガヌ)

トレンガヌにとっては欠かすことのできない選手ではありますが、今季のMリーグベストXIに入る選手かと言われれば、ボラセパマレーシア的にはこの人選に異論ありです。攻撃的MFとしては、少々物足りなく、前述のパク、ヴァレスケス両選手と比べると、正直なところ、少々見劣りする印象です。さらにこのポジションにはパウロ・ジョズエ(KLシティ)、マヌエル・イダルゴ(スリ・パハン)らもおり、やはりベストXIには該当しないのではないでしょうか。

FWベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)

今季19試合に出場し、2位のカイオン(スランゴール)に14ゴール差をつけ、リーグ新記録となる29ゴールを挙げたベルグソン・ダ・シルヴァ。ちなみのこの29得点は、8位のPJシティの今季チーム総得点22を上回っている他、マラッカ、サラワク、ペナンといった下位チームの今季チーム総得点をも上回っています。
 その強烈な左足から昨季も23ゴールを挙げながら、26ゴールを挙げたイフェダヨ・オルセグン(当時スランゴール、現マラッカ)にリーグ得点王の座を譲りましたが、今季はおるせ軍選手の作ったリーグ最多得点記録を更新して、得点王となりました。
 韓国のサッカーに詳しい方からは、韓国リーグでは成功しなかったと伺いましたが、フィジカルの強さよりも、スピードとポジション取りの巧みさでゴールを量産するタイプのベルグソン選手はMリーグの水に合っているのかもしれません。

FWアリフ・アイマン(JDT)

昨季はMリーグ史上最年少の19歳でリーグMVPを獲得したアリフ・アイマンも、今季を通じて着実に成長した右ウイング選手です。スピードに乗ったドリブルを武器に、右サイドを駆け上がってのクロスを前述のベルグソン選手が決める「ホットライン」は今季もJDTに多くのゴールをもたらしています。ボラセパマレーシアJP的には、もっと自分でゴールを狙ってもらいたい思いますが、そこはチーム内での役割もあるのかもしれません。また、今年20歳という年齢もあり、Mリーグでのプレーに満足せず、マレーシアを飛び出し、より厳しい環境でプレーしてもらいたい選手でもあります。

FWファイサル・ハリム(トレンガヌ)

絶対的なレギュラーに定着したことで、今季最も成長し選手と言えるファイサル・ハリム。158cmと小柄なことから愛称は「ミッキー」の左ウイングは、一度ピッチに立てば、スピードに加えて巧みなドリブル突破からクロスも上げられれば、自身でも積極的にシュートを打つ選手でもあります。今季の6ゴールも、もっと自己中になり、自身でシュートを打つ選択をしていればもっと増えていたはずです。来季はスランゴール移籍の噂もありますが、どこでプレーするにせよ、来季は2桁ゴールを狙って欲しい選手です。

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今回の11名は終了したばかりのスーパーリーグ上位4チームのみから選ばれており、チームの好成績に貢献した選手という意図があるかもしれません。そう言ったものを払拭してボラセパマレーシアJPが選ぶとすれば、DFはパぺ・ディアキテの代わりにジャンカルロ・ガリフオコ(KLシティ)、MFはペトラス・シテムビの代わりには、前述したパウロ・ジョズエ(KLシティ)やマヌエル・イダルゴ(スリ・パハン)、パク・タエスーの代わりにはブレンダン・ガン(スランゴール)あたりが選ばれても良いのではないかと思います。

10月19日のニュース
AFCがFIFAと共同でマレーシアにスタジアムを建設
AFCカップ決勝-KLシティサポーターからはキックオフ時間変更を求める声が上がる

AFCがFIFAと共同でマレーシアにスタジアムを建設

アジアサッカー連盟AFCは、マレーシアのプトラジャヤにサッカー専用スタジアムとなるAFCスタジアムを建設すること公式サイト上で発表しています。

15.43エーカー(東京ドームおよそ1.3個分)の敷地に建てられるスタジアムは1万人収容の観客席や地下駐車場を持ち、また同じ敷地内にはAFCの事務局も入るということです。なお、このスタジアムの建設はFIFAがその資金を支援し、マレーシアサッカー協会FAMとマレーシア政府もこの建設を資金以外の面から支援するということです。

FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長も出席したAFCの執行委員会で発表されたこの計画について、AFCのシャイフ・サルマーン会長は、「これまで技術向上や審判育成のためのコースやワークショップ、セミナーはAFCハウスがその活動の中心だったが、この新たなAFCスタジアムが完成すれば、より多くの活動が行えると期待している」と述べ、今回のスタジアム建設を支援するFIFAとマレーシア政府に感謝の意を表しています。

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このスタジアムが建設されるマレーシアの連邦直轄地プトラジャヤは、各省庁やその関連政府機関が集まる行政の中心地です。現在、AFCの本部であるAFCハウスがあるクアラルンプールからは30kmほど離れており、そこに住んでいるのは政府関係機関の職員とその家族が大半となっている場所です。もともとは何もなかった土地を切り開いて作った人工都市なので、土地は余っているのでしょうし、国外から来る場合にはクアラルンプール国際空港も近く便利なのだと思います。ただこのスタジアムで、マレーシアの標準キックオフ時間の午後9時開始の試合があったら、よほどのことがない限り、見に行く気力はないなぁ。

AFCスタジアムの完成予想シミュレーションなども見られる元記事はこちらです。

AFCカップ決勝-KLシティサポーターからはキックオフ時間変更を求める声が上がる

今週土曜日の10月22日には、マレーシアのクアラ・ルンプールにあるブキ・ジャリル国立競技場で今季のAFCカップ決勝が開催され、Mリーグ1部スーパーリーグのKLシティがオマーンのアル・シーブクラブと対戦します。

2015年のジョホール・ダルル・タジムJDT以来、東南アジアのクラブとしては2チーム目の優勝を狙うKLシティですが、そのサポーターからキックオフ時間の変更を求める声が上がっていると、サッカー専門サイトの ヴォケットFCが伝えています。

10月22日の決勝は、午後7時期キックオフと発表されていますが、実はこの時間、マレーシアの国境でもあるイスラム教の日没後の礼拝時間に近く、国内サッカーファンの大半はイスラム教徒であることから、キックオフ時間の変更を求める声が上がっています。

イスラム教では1日5回の礼拝が義務付けられていますが、その中に日没後の礼拝Maghrib「マグリブ」があります。礼拝の時間は時期や地域によって微妙に変わりますが、ちなみにこの記事を書いている10月19日のクアラ・ルンプールのマグリブの時間は午後7時1分(1日の礼拝時間は、マレーシアで毎日、新聞に掲載されています)

礼拝の時間とあまりに近いキックオフ時間はムスリム(イスラム教徒の別称)の配慮が足りないとして、KLシティのサポーターは、クラブとマレーシアサッカー協会FAMに対し、AFCにキックオフ時間の再考を促すよう求めています。

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実際にSNS上でもこういった投稿は散見され、KLシティのクラブ公式Facebook上でも、8時、いや7時30分で良いのでキックオフ時間を変更して欲しい、といった投稿が複数見られます。

今回の決勝は、VARを導入することを決めたAFCが、VARを使用するには照明の明るさが足りないことを理由に、試合会場をKLシティのホームのKLフットボールスタジアムからブキ・ジャリル国立競技場へと変更しています。従来のホームで試合ができなくなったことで、KLシティサポーターからは不満が出ていたところに今回のキックオフ時間の件が重なり、不満がさらに増幅している印象です。決勝まで後3日ですが、AFCがこれを無視するのか、サポーターの声を聞くのか。なお、決勝のチケットは既に一昨日から販売が始まっています。