マレーシア人祖母を持つイーサン・ウィートリーがマンUのトップチームの練習に参加
英字紙ニューストレイツタイムズは、英国1部プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドU18でプレーするFWイーサン・ウィートリーがトップチームの練習に参加していると報じています。ウィートリー選手は祖母がスランゴール州出身で、マレーシア代表でもプレーする資格を持つ選手です。
この記事によると昨季のU18プレミアリーグでは5ゴール(出場6試合)を決めるなど将来が有望視されているウィートリー選手は、エリック・テン・ハフ監督の目に留まり、今回の練習参加がきまったということです。なお、今年18歳になったばかりのウィートリー選手はマンUのトップチームでの試合出場はまだありません。
マンチェスター南東のストックポートで生まれ育ったウィートリー選手ですが、祖母の影響もあり、幼い頃には家族とともにクアラ・ルンプールへ旅行をしたことが何度もあると話しているようです。
年代別オランダ代表の経験があるフェルディ・ドゥルイフはマレーシア代表入りへ向けて帰化申請準備
また同じニューストレイツタイムズは、オランダU17、U18、U20の各代表でプレー経験があるフェルディ・ドゥルイフがマレーシア代表入りを希望していると報じています。
前述のウィートリー選手同様、祖母がマレーシア生まれというドゥルイフ選手は190cmのストライカーで、オーストリア1部SKラピード・ウィーンから今季はオランダ1部PECズヴォレへ期限付きで移籍しています。今季は出場15試合(先発11試合)で5ゴール2アシストを記録していますが、今年の1月以降は膝のケガにより14試合で出場がありません。
26歳のドゥルイフ選手はマレーシア代表でプレーすることを熱望していると述べていますが、現在は祖母がマレーシア生まれであることを証明するための書類を用意している最中だということです。
*****
3月のW杯予選でオマーンに2連敗したマレーシアも、このハイブリッド帰化選手が10名含まれていましたが、国外組はタイ1部でプレーするDFディオン・コールズだけでした。ヨーロッパなどレベルの高いリーグでプレーしているハイブリッド帰化選手がいるわけではないマレーシアがW杯予選でオマーンに2連敗したのとは対照的に、好成績を収めているのがインドネシアです。
自国にルーツを持つハイブリッド帰化選手の大量加入により、これまで2勝しかしていなかったアジアカップでは初のベスト16入りインドネシア。先月の2026年W杯アジア2次予選の対ベトナム2連戦では、スペインの年代別代表の経験があるDFジョルディ・アマト(ジョホール・ダルル・タジムFC)やオランダU20代表経験を持つ20歳のDFジャスティン・ハブナー(セレッソ大阪)など9名のハイブリッド帰化選手を招集してベトナムに連勝しています。
今回のW杯予選ではアマト、ハブナー両選手の他、MFジェイ・イツェス(イタリア2部ヴェネツィアFC)、DFネイサン・チョエ・ア・オン(オランダ1部SCヘーレンフェーン)、DFサンディ・ウォルシュ(ベルギー1部KVメヘレン)、MFイヴァル・ジェナー(オランダ1部ユトレヒトU21)、MFトム・ハイェ(オランダ1部SCヘーレンフェーン)、FWラファエル・ストライク(オランダ2部ADOデン・ハーグ)、FWラグナル・オラトマンゴエン(オランダ1部フォルトゥナ・シッタート)といったハイブリッド帰化選手を揃えたインドネシアですが、この他にもアジアカップ2023ベスト16のオーストラリア戦に先発してフル出場した198cmのCBエルカン・バゴット(英国3部ブリストル・ローヴァーズFC)もおり、こういったハイブリッド帰化選手の加入によりインドネシアは直近のFIFAランキングでも8位上がって134位となり、順位を6つ下げて138位となったマレーシアに代わって東南アジア3位となっています。
かつてはセリエAのインテルやメジャーリーグサッカー(MSL)のD. C. ユナイテッドのオーナーでもあったインドネシア人実業家エリック・トヒル氏が2023年にインドネシアサッカー協会(PSSI)会長に就任したことで、インドネシアのかつての宗主国オランダを中心にヨーロッパへ移住したインドネシア人の血を引くハイブリッド帰化選手獲得が加速しています。またインドネシアが二重国籍を認めていないこともあり、若い選手や下部リーグでプレーする選手に接触して帰化を勧める戦略も功を奏していると言えそうです。
W杯2次予選最終戦までブキ・ジャリル国立競技場で開催のコンサートに制限
マレーシア代表のホーム、ブキ・ジャリル国立競技場を運営するマレーシア・スタジアム社(PSM社)は、2026年W杯アジア2次予選最終戦となる台湾戦が開催される6月11日までは、ピッチ上にコンサート用施設の建設を行わないことを発表しています。
この措置は台湾戦に向けてピッチの状態を最善にすることが目的であると発表したPSM社は、5月25日にブキ・ジャリル国立競技場で予定されているインド人音楽家ハリス・ジャヤラジのコンサートについてはフィールドエリアは使用せず、トラックエリアで開催されるとしています。
また4月27日に予定されているマンチェスター・ユナイテッドFCとリヴァプールFCのレジェンドが対戦するただのOB戦「バトルオブザレッズ」は、予定通り行われるものの、それ以外の興行は何も行われないということです。
*****
昨年のマレーシアカップ決勝、そして今年のW杯予選と注目を集める試合で酷い状態のピッチしか用意できなかったPSM社はその維持管理能力が批判され続けており、これ以上の批判を避けるための措置と言えそうです。とは言え、以前もこのブログでも取り上げましたが、同様のコンサートを開催しながら素晴らしいピッチを維持できているタイのラジャマンガラ競技場もあり、年に数試合しか行われない代表戦のために何もイベントが開けない国利競技場となるのであれば、それはそれで運営に問題があると言わざるを得ません。
域内最大のECプラットフォームのショッピーが東南アジアクラブ選手権の冠スポンサーに
2005年開催されていなかった東南アジアクラブ選手権が、シンガポールに本社を持つ東南アジア最大の電子商取引(EC)プラットフォームである「ショッピー」が電子商取引(EC)プラットフォームである「ショッピー」が冠スポンサーとなり「ショッピーカップ」として開催されることが、東南アジアサッカー連盟(AFF)の公式サイトで発表されています。
2005年の第2回大会でタンピネス・ローヴァーズFC(シンガポール)が優勝して以来、2022年、そして昨年2023年と開催の話が出たものの立ち消えになっていたこの大会ですが、AFFの公式サイトによるとこのショッピーカップについて、東南アジア初の公式クラブ選手権としていることから、過去2回の大会は無かったことになっているようです…。
AFFの公式サイトによると、ショッピーカップにはベトナム、タイ、インドネシア、マレーシアからは各2クラブが、シンガポールとフィリピンからは1クラブがそれぞれが出場、またミャンマー、カンボジア、ラオス、ブルネイ各国の代表クラブは残る2つの出場枠をプレーオフで争います。そしてこの2クラブを含めた全12クラブが7月17日から始まるグループステージでは2つのグループに分かれて1回戦総当たりを行い、各グループの上位2チームがそれぞれ準決勝に進みます。なお準決勝と決勝はいずれもホームアンドアウェイ方式で行われということです。なおグループステージの組み合わせ抽選は、来月5月に予定されています。
なおマレーシアからは昨季マレーシアカップ準優勝のトレンガヌFCとFAカップ準優勝のKLシティFCが出場することをマレーシアンフットボールリーグ(MFL)が既に発表しています。(マレーシアカップ、FAカップとも昨季のリーグチャンピオン、ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)が優勝していますが、JDTはACLエリートに出場するため、この大会には出場しません。)
*****
私も日頃からお世話になっているShopee(ショッピー)は、マレーシアやシンガポールでは、競合するラザダ(Lazada)などを抑えて人気No.1のECプラットフォームです。タイやインドネシアでもTVCMなどを見たことがあるので、おそらく同様の知名度だと思います。この大会が近づくにつれて、各国を代表するクラブのユニフォームなどをまとめて販売する特設サイトなどができるといいなぁ。