3月24日のニュース
W杯予選のチケット販売数が頭打ちなのは断食の影響?
U23代表はアジアカップ前の練習試合でインドU23代表に勝利

W杯予選のチケット販売数が頭打ちなのは断食の影響?

2026年W杯アジア2次予選のD組第4節でマレーシアはオマーンをホームのブキ・ジャリル国立競技場に迎えますが、この試合のチケットの売上枚数が伸び悩んでいます。3月21日(現地時間)にオマーンのマスカットで行われた第3節でマレーシアはオマーンに0-2と敗れ、台湾を破ったキルギスとともに勝点6で並んだものの、得失差によりそれまでの首位から3位に転落しています。

そのオマーンとの対戦となる3月26日の試合のチケットですが、本日3月24日の午後にマレーシアサッカー協会(FAM)が発表した売上枚数は11,828枚となっています。なお今回の予選ではブキ・ジャリル国立競技場での開催はこれが2試合目となりますが、昨年11月に行われた初戦のキルギス戦の入場者数は17,142名でした。

同じアジア2次予選では、第3節の3月21日にジャカルタで開催されたインドネシア対ベトナム戦には57,000人を超えるサポーターが集まり、同日にシンガポールで行われたシンガポール対中国戦にも28,000人を超える観衆が押しかけています。また第4節にバンコクで行われるタイ対韓国戦は販売即売り切れとなり、第3節でタイが韓国と引き分けるとこの試合のチケット価格がネット上では10倍近く高騰しているという報道もあり、東南アジア各国のサポーターの熱気が伝わってきます。

勝てば3次予選突破も見えてくるホーム、ブキ・ジャリル国立競技場でのオマーン戦にもかかわらず、定員76,000人の2割にも満たないチケット売り上げとはどういうことか。それはおそらく午後10時という極端に遅いキックオフ時間が影響している可能性があります。3月26日の試合はが午後10時キックオフなのは、現在がイスラム教の断食月ラマダン中だからです。この断食月中は、夜明け(よく誤解されますが日の出からではありません)から日没までは食べ物はもちろん水も口にできません。この時期のマレーシアの日没は午後7時20分前後なので、そこから食事をして、体調を整えて、となると午後10時キックオフとする必要があるのかも知れません。ちなみにこのラマダン中に国内リーグがある場合は、多くの試合がやはり10時キックオフになります。

ではサポーターの視点からこれを見ると、10時キックオフなら午前0時終了として、それから帰って眠れば良いのでは、と考えますが、断食期間中のイスラム教徒は夜明け前にサフールという言わば日中分の食事をします。マレーシアのこの時期の夜明けは午前6時10分前後なので、断食中はその前に起きて食事を終えている必要があります。となると午前0時試合が終わると、帰宅後はサフールまで3、4時間程度しか寝られず、翌日はまた日没まで断食が続くので、仕事や学校に影響が出ることを心配し、その結果、スタジアムでの観戦を控えているサポーターがいるのかも知れません。

ちなみに世界最大のイスラム教徒を抱える隣国インドネシアでは、3月21日にジャカルタで開催したベトナム戦は、断食が明ける日没から2時間30分後、現地時間の午後8時30分キックオフでした。ちなみに先日、日本のU23代表と練習試合を行ったマリU23代表にもムスリムの選手がいたようですが、試合が行われた京都の日没が午後6時20分ごろで、そこから試合は午後7時20分キックオフでしたので、調整は大変だったことと思います。

話がちらかってしまいましたが、何事もギリギリにやるのがマレーシア人なので、W杯アジア3次戦進出に関わるこの重要な試合には多くのサポーターがブキ・ジャリル国立競技場に集まることを期待したいです。

U23代表はアジアカップ前の練習試合でインドU23代表に勝利

来月4月15日に開幕するAFC U23アジアカップ2024に出場するマレーシアU23代表は、3月22日にインドU23代表と練習試合を行い2-1で勝利しています。

A代表の愛称「ハリマウ・マラヤ(マレーの虎)」に対して「ハリマウ・ムダ(若虎)」のニックネームを持つU23代表は、クアラ・ルンプールのKLフットボールスタジアムで行われた試合で、T・サラヴァナン(スリ・パハンFC)が33分に先制ゴールを決めると、48分にはアリフ・ジクリ(ペラFC)のゴールでリードを広げ、インドの反撃を2ゴールを決め、インドの反撃を77分のチンガンバム・シヴァルド・シン(インド1部ベンガルールFC)に抑えて逃げ切っています。

ハリマウ・ムダはインドU23代表と3月25日にもう1試合の練習試合を行った後、U23アジアカップが開催されるカタールのドーハに入ります。現地では4月3日に中国U23代表、4月6日または7日にカタールU23代表とも練習試合を行った後、グループステージD組の初戦となるウズベキスタンU23代表(4月17日)との初戦に臨みます。

マレーシアはこのU23アジアカップ2024では、ウズベキスタンの他、ベトナム、クウェートともグループステージで対戦します。