マレーシアスーパーリーグ26/27第1節試合結果とハイライト映像(2)・新生スターシティはサバに逆転負け<br>・試合延期を求めたKLシティのインフル感染に疑惑

今日8月25日は預言者ムハンマドの誕生日で、マレーシアでは国民の祝日です。その前日、8月24日にはマレーシアスーパーリーグ2026/27の第1節の残り1試合のサバ対スターシティの試合が行われました。

2024/25シーズンまで3季連続で3位と安定した力を見せていたサバは、2025/26シーズンはなんとまさかの9位転落。シーズン中にチーム得点王のアユディン・ムヤギッチとマレーシア代表MFスチュアート・ウィルキンがいずれもジョホールへ移籍するなど、チームが分解した感があります。そんなクラブに昨シーズン途中で就任したのがスペイン出身のフアン・トーレス監督。2022年からマレーシアU19やU23代表、またA代表のコーチなども歴任し、マレーシアサッカーを熟知しているトーレス監督はチームを10位で引き受けると、最後の10試合を3勝3分4敗で終えています。

一方のスターシティは、昨シーズンはイミグレセンとしてクラブ史上初の1部スーパーリーグ昇格を果たしています。マレーシア内務省入国管理局(イミグレーション)を母体として発足したこのクラブは、いわゆるホームタウンがありません。下部リーグ時代に使用していたスタジアムはスーパーリーグの基準を満たしていなかったことから、昨季はペナン州立スタジアムをホームにしてスタートしました。しかしこちらも照明施設がリーグ基準を満たしておらず、半島部では午後10時キックオフとなるイスラム教の断食月ラマダン中は、マレーシア最北端のプルリス州のスタジアムでの試合開催を余儀なくされました。そこで今季はプルリス州のトゥンク・サイド・プトラ・スタジアムをホームスタジアムとし、クラブの名称もスターシティに変更して新たなホームタウンとするため地域密着を図っています。

そしてその目玉の一つが5シーズンぶりにマレーシアリーグに復帰するメフメト・ドゥラコビッチ監督です。オーストラリア出身のドゥラコビッチ監督は、スランゴールの選手として1995年からのマレーシアカップ3連覇を経験した他、スランゴールの監督しては2015年にリーグ2位とマレーシアカップ優勝、またペラの監督としては2018年にやはりリーグ2位とマレーシアカップ優勝と実績は十分です。

その一方で、昨シーズンのチーム得点王ウィルマー・ホルダン(11ゴール)がインド1部ムンバイシティへ、同2位のエドゥアルド・ソーサ(10ゴール)はライバルのスランゴールへ、そして同3位のファイヤド・ズルキフリ(4ゴール)もライバルのサバへと移籍しています。

そんなスターシティに加わったのがブラジル出身のマレーシア代表MFエンドリッキ・ドス・サントスです。スランゴールやペナン、ジョホールで5シーズン以上プレーしたことでマレーシア国籍を取得した帰化選手のエンドリッキ選手は昨シーズンはホーチミン市公安でプレー、16試合出場で2ゴール4アシストという成績です。

また同じブラジル出身のFWラモン・マチャド(アゼルバイジャン1部アラズ・ナヒチェヴァンPFKから加入)と、CBラファエル・ヴィトール(ブラジル3部アマゾナスから加入)もマレーシアリーグに復帰です。

2シーズンぶりのマレーシアリーグ復帰となる35歳のマチャド選手は、2シーズン在籍したサバでは、通算28試合で18ゴール4アシストの記録を残しています。また昨シーズンまで在籍したアラズ・ナヒチェヴァンでは55試合で10ゴール8アシストを記録しています。

ヴィトール選手は2024/25シーズンまで4シーズンにわたりペナンでプレーし、出場100試合20ゴール6アシストと守備に加えて、192cmの長身を活かしたセットプレーではゴールを決めるCBです。

スターシティはこの両選手に加えて、ベトナム1部ベトテルから加入するFWペドロ・エンリケ、ブラジル4部カンピネンセ・クルーベから加入するMFペドロ・サントス・フィーリョ、そして8月24日にベトナム4部ECサン・ジョゼからの加入が発表されたFWドゥグラス・オリベイラの3選手が加入しています。この他、シンガポール代表MFズルファーミ・アリフィン、フィリピン代表CBノア・レデルもアセアン枠で加入しています。

マレーシア内務省入国管理局(イミグレーション)を母体として発足したクラブということもあってか、ユニフォーム発表イベントにはマレーシア内務省のサイフディン・ナスチオン・イスマイル大臣も挨拶し、リーグ中位を目標した昇格初年度が6位だったことから、今シーズンはさらにトップ3入りを目指すようチームにハッパをかけています。


個人的に今シーズン最も気になるチームなので、長々と紹介を書きましたが、昨日の試合は、スターシティについては新チームの連携の悪さが目につきました。特に逆転を許した場面、さらに追加点を決められた場面はいずれも、サバの攻撃からボールを奪い、クリアする、あるいはピッチの外に出して試合を止めることができていたなら…と思わずにはいられない試合でした。個人的には正直、勝ってもおかしくない展開だと思っていましたが、一転して大量失点となってしまいました。

またチームの司令塔となるエンドリッキは、先日のアセアン選手権「ヒュンダイカップ」で痛めたハムストリングの状態が回復せず、この試合はベンチ外でした。スターシティの次節は王者ジョホール、そしてヌグリスンビランと強敵相手のアウェイマッチが続きますが、それまでにドゥラコビッチ監督はチームを立て直すことはできるのでしょうか。

スーパーリーグ2026/27 第1節
2026年8月24日@リカス・スタジアム(サバ州コタキナバル)
サバ 3-1 スターシティ
⚽️サバ:デイン・インガム(11分)、ダレン・ロック(55分)、パク・ジュンビン(86分)
⚽️スターシティ:ラファエル・ヴィトール(29分)
MOM:パク・ジュンビ(サバ)

この試合のハイライト映像。マレーシアンフットボールリーグの公式YouTubeチャンネルより

2026/27 マレーシアスーパーリーグ順位表(第1節終了)


試合延期を求めたKLシティのインフル感染に疑惑

今節予定されていながら延期となったヌグリスンビラン対クアラルンプールシティ(KLシティ)についての議論が止まりません。

KLシティはリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLに対し、チームの半数以上に当たる15名がインフルエンザに感染したことから、試合の延期を申し入れ、MFLもこれを了承しました。

しかしこの延期理由に疑惑が持ち上がっています。MFLが延期を発表したのはキックオフまで3時間を切った午後2時過ぎでした。マッチコーディネーションミーティング(試合前に、主催者・両チームの代表者・審判員らが集まって最終的な確認と調整を行う公式の会議でメンバー表提出なども行われる)では、KLシティはこの試合のベンチ入りメンバーを明らかにしていましたが、メンバー表にはわずか12名しか記載されておらず、しかもその内の2名はケガが伝えられていました。つまり実際にプレーできるのは10名だったことから、KLシティが意図的に延期を画策したのではという疑惑です。

KLシティ側は医療機関発行の書類をMFLに提出しましたが、マレーシアではChit(あるいはMedical Chit)と呼ばれる病欠証明を金を払えば簡単に出す医者がいることは世間一般にもよく知られているので、その書類の信憑性も疑わしいとされています。

KLシティは明日8月26日にクチンシティとホームでの対戦が予定されています。この試合はクチンシティがACL2に出場するため、グループステージ第3節(10月27日)と第4節(11月3日)が、10月30日から11月1日にかけてのスーパーリーグ第6節と重なるため、日程を前倒しで開催されるものです。しかしながらわずか4日前にインフルエンザ感染でで試合を延期したチームが果たして明日の試合を行えるのか。この記事の執筆時点では、日程変更などの発表はありません。