6月24日のニュース
タイリーグの三冠覇者ブリーラム・ユナイテッドがヌグリスンビランと対戦
マレーシアのFIFAランキングが147位に-140位代は8年ぶり
スランゴールはマラッカ退団のソニー・ノルデを獲得せず
イラクやウェールズと争奪戦のジャアミ・クレシがFAM訪問

今日からAFCカップのグループステージが開幕し、クアラルンプールが開催地となているH組のKLシティFCはボジャン・ホダック監督がかつて指揮を取ったPSMマカッサルと、またインドネシアのバリ島で開催されるG組のクダはバリ・ユナイテッドとそれぞれ対戦します。

タイリーグの三冠覇者ブリーラム・ユナイテッドがヌグリスンビランと対戦

Mリーグ1部スーパーリーグで3位と好調のヌグリスンビランが、2021/22シーズンのタイリーグ1部でリーグ戦と2つのカップでいずれも優勝しているブリーラム・ユナイテッドと対戦することが発表されています。

アセアンチャリティーシールド2022と銘打たれたこの試合は、7月16日にタイ南部のマレーシア国境に近いパタニ県にあるタイ3部リーグ、パタニFCのホームとなっているレインボースタジアムで開催される予定ということです。

タイ王者と昨季2部プレミアリーグで優勝し、今季1部スーパーリーグに昇格したばかりのヌグリスンビランが対戦する理由などは不明です。また秋冬制に以降したタイリーグはこの時期がプレシーズン期間ですが、Mリーグはリーグ戦の最中です。ただし7月のヌグリスンビランの日程を見ると7月3日の第12節サバ戦の次の試合は第13節のトレンガヌ戦は7月27日となっており、移動も含めて7月16日の試合に支障はなさそうです。

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マレーシアの国境に近いパタニ県は1909年の英泰条約(バンコク条約)でタイの領土と確定しましたが、この時、マレーシアに割譲されたクダ、プルリス、クランタン、トレンガヌとは隣り合った地域で、現在でもマレー系住民(=イスラム教徒)が多いことから、マレー文化が浸透しています。そのため「深南部」と呼ばれることの地域は、仏教国タイからの分離独立を目指す一部のイスラム過激派武装総指揮によるテロなどが起こり、それに対して政府が報復する図式から宗教的対立と見る向きもあります。

マレーシアのFIFAランキングが147位に-140位代は8年ぶり

最新となる今年6月のFIFAランキングが発表され、男子は147位、女子は85位となっています。男子は前回3月の発表から7ランク、女子は3ランク上昇しています。男子のランキングが140位代となるのは2014年に141位となって以来、およそ8年ぶりです。ただし、この141位はいわば「瞬間最大風速」で、年間ランキングが140位代となるのは2011年が最後です。

なおマレーシア男子の147位は145位の香港、146位のレソトと148位のクウェート、149位のボツワナに挟まれています。またAFCアジアサッカー連盟内では25位、東南アジアではベトナム(97位)、タイ(111位)、フィリピン(134位)に続く4位となっています。

その他の東南アジア諸国は、インドネシアが155位、ミャンマーが158位、シンガポール159位、カンボジアが174位、ラオスが183位、ブルネイ190位、そして東ティモールが199位となっています。

一方女子はマレーシアの85位に対して、ベトナム32位、タイ43位、ミャンマー48位、フィリピン53位、ラオス83位、インドネシア95位、シンガポール132位となっており、ブルネイと東ティモールの記録はFIFAの公式サイトには掲載されていません。

スランゴールはマラッカ退団のソニー・ノルデを獲得せず

一昨日のこのブログでも取り上げましたが、先週末に行われたMリーグ1部スーパーリーグ第10節を最後にマラッカ・ユナイテッドを退団したソニー・ノルデは、移籍先が決まっていませんが、同じスーパーリーグのスランゴールはノルデ選手獲得の意思がないことを表明していると、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。

昨季マラッカ・ユナイテッドの指揮を取ったザイナル・アビディン・ハサン監督が今季もを指揮を取ることを条件に契約を延長したノルデ選手は、契約書にサインした後の今季開幕直前になって、突如ザイナル監督の交代が発表になったことから経営陣への不信感を募らせていたと話し、先月から今月にかけて開いているトランスファーウィンドウ中にマラッカ・ユナイテッドとの契約を解除して退団しています。

このノルデ選手には、昨季終了後にもクダやサラワク・ユナイテッドなど接触したとされており、今回のトランスファーウィンドウでもスランゴール移籍が噂されていました。

スタジアムアストロの取材に対し、スランゴールのミヒャエル・ファイヒテンバイナー監督は、ノルデ選手が良い選手であることは認めるものの、既に所属しているを外国籍選手に満足しており、新たな外国籍選手獲得の必要はないと話し、今回のトランスファーウィンドウでノルデ選手の獲得に否定的な回答をしています。なおスランゴールは6月19日のスーパーリーグ第10節で、サラワク・ユナイテッドを7-0で破ったこともあり、ここでの選手入れ替えは不要という判断に至ったと思われます。

イラクやウェールズと争奪戦のジャアミ・クレシがFAM訪問

このブログでも何度か取り上げている英国1部プレミアリーグのブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC U18でプレーするFWジャアミ・クレシは、英国生まれながらもマレーシア人の母親を持つことから、将来のマレーシア代表入りが期待されることからこのブログでも何度か取り上げています。そのクレシュ選手がマレーシアサッカー協会FAM本部を訪れて、その際の写真を自身のインスタグラムに投稿したことから、マレーシア国籍取得の期待が俄然、高まっています。

ロンドン生まれのクレシュ選手は、イラクとウェールズの血を引く父親とマレーシア人の母親を持つことから、出生地のイングランドに加え、イラク、ウェールズ、マレーシアの各代表でのプレー資格がありますが、FAMだけでなく、イラクやウェールズのサッカー協会からも代表入りを打診されています。

これまでには自身のソーシャルメディア上でイラクのサッカーファンに代表入りをほのめかしたこともあるクレシュ選手ですが、FAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長との会談後にスタジアムアストロの取材に答え、「今回の会談は貴重な機会だったが、今後も英国でプレーするつもりである。マレーシア代表のアジアカップ予選は観戦し、(キム・パンゴン)新監督のもとでチームのレベルが上がった印象がある。」と述べています。またサイフディン事務局長も、クレシュ選手が将来の代表入りに近づいたといった話もしており、近々何かしらの動きがあるかもしれません。

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マレーシア人の父母あるいは祖父母を持つ海外生まれの選手を帰化させる動きは近年、顕著で先日のアジアカップ2023年大会最終予選でも6名が、マレーシア人とは血縁関係がない帰化選手と区別して「レガシー」帰化選手と呼ばれる海外出身の選手でした。