3月21日のニュース
JDTオーナーが複数のMリーグクラブに資金援助を行った経験を暴露
リザル・ガザリの「代表招集拒否」の背景をFAMが明らかに
ブキジャリル国立競技場のピッチの張り替えをいつやるか?今でしょ!-JDTオーナー

JDTオーナーが複数のMリーグクラブに資金援助を行った経験を暴露

Mリーグ1部スーパーリーグのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下は良くも悪くもマレーシアのサッカーに絶大な影響力を持つ人物ですが、今回はなんと、これまでに給料未払い問題を抱えるMリーグのクラブに少なくとも5度の資金援助を行ったことを明らかにしています。

マレーシア語紙ブリタハリアンによると、その中にはマレーシアカップ最多優勝を誇る古豪で同じスーパーリーグのスランゴールFCに2度、ペナンFCとスリ・パハンFCに1度、2部プレミアリーグのクランタンFCに1度行った支援も含まれているということです。

現在、給料未払い問題を抱える2部プレミアリーグのペラFCの経営陣から相談を受け、金額は明かさなかったものの、資金援助を行なったことを認めたイスマイル殿下は、メディアの質問に対して今回の資金援助が初めてではないことを明らかにした上で、上記のクラブへの支援をこれまで行なったと話しています。今季2部プレミアリーグに降格したペラFCは、主力選手ほぼ全員が未払い給料を理由に退団しており、今季はU21やU19チームの選手を文字通りかき集めてチームを作っていますが、このチームのコーチや選手たちは昨年2021年8月から7ヶ月間の給料が未払いとなっているとされ、その総額は既に170万リンギ(およそ4830万円)に上るとされています。

マレーシアプロサッカー選手会PFAMの支援者でもあるイスマイル殿下は、これまでこれらの資金援助については公にしなかったため、ほとんど知られていないと話し、疑わしければそれぞれのクラブのオーナーに問い合わせればその事実がわかると話しています。

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個人的にはかなりショッキングなニュースで、イスマイル殿下の発言は爆弾発言では、と思いましたが、マレーシアメディアはイスマイル殿下の発言を淡々と報じているだけです。1クラブのオーナーが同じリーグの他クラブに資金援助を行ったという事実は、いわゆる「利害衝突」とならないのか、という疑問が残りますが、そういった意見は少なくともニュースメディアでは見当たりません。自分の給料を支払ってくれたのがJDTオーナーであることを知った選手が、JDTとの対戦する場合に果たして忖度なしで試合に臨めるのか、また未払い給料で苦しむ選手にとってはありがたい支援であっても、そのような外部の資金に頼らなければクラブを運営できない経営陣の責任は問われないのか、など様々疑問が残りますが、慢性的な未払い給料問題を抱えるマレーシア国内リーグも、またそれを報じるメディアも、問題を解決するという近視眼的な発想のみで、利害衝突について懸念する感覚は麻痺してしまっているのかもしれません。

リザル・ガザリの「代表招集拒否」の背景をFAMが明らかに

3月14日から行われている代表合宿に招集されながら、無断で合宿に参加していないことから代表招集を「拒否」したとして、処分対象となる可能性が取り上げられていたリザル・ガザリ(サバFC)についてはこのブログでも取り上げました。このリザル選手の「代表収集拒否」について、マレーシアサッカー協会FAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長は、リザル選手本人からの説明を受けたことをマレーシアの通信社ブルナマの取材に対して明らかにしています。

リザル選手からは近しい親類が病に臥せっており、それが理由で代表合宿に参加できないという説明を受けたと述べたサイフディン事務局長は、3月23日からシンガポールで始まる、マレーシア、シンガポール、フィリピンの3カ国対抗戦に出場する代表チームへの合流の可能性は低いことも明らかにしています。なお代表は3月21日に合宿を切り上げ、翌22日にシンガポール入りする予定です。

しかし代表合宿参加辞退の連絡が遅れた件についてサイフディン事務局長は、キム・パンゴン監督の判断を仰ぐとして、処分の有無などは現時点では決定していないと述べています。当初、代表招集拒否とされていたリザル選手についてサイフディン事務局長は、本日3月21日のFIFA国際マッチデー期間までに代表合宿に合流しない場合には、Mリーグ出場停止や罰金などの処分がリザル選手に課される可能性について言及していました。

ブキジャリル国立競技場のピッチ張り替えをいるやるか?今でしょ!-JDTオーナー(ちょっと古かったかな)

ブキジャリル国立競技場はマレーシア代表の本拠地ですが、その芝の張り替えの費用を肩代わりしたJDTオーナーのイスマイル殿下は、競技場視察後の記者会見での質問に答えたのが上のセリフです。

ブキジャリル国立競技場のピッチを当地ではカウグラスと呼ばれる草から、JDTの本拠地スルタン・イブラヒムスタジアムのピッチと同じ高麗芝の一種であるゼオン・ゾイシアに張り替えることで、代表チームのプレースタイルが展開が速い現代のサッカーにマッチする役に立つだろうと話したイスマイル殿下は、質の良いピッチは質の良いサッカーに直結するとして、国内の他のクラブも同様にゼオン・ゾイシアに張り替えることを望んでおり、その先駆けとしてブキジャリル国立競技場の張り替えに資金援助を行うことにしたと述べています。

「国内のカウグラスのピッチでプレーすることに慣れてしまっている(JDT以外の)代表選手は、国外の良いピッチでプレーする際にぎこちなさが見られる。もしMリーグの全てのクラブのピッチが同じようにゼオン・ゾイシアになれば、選手がどのクラブから集まってもその「ぎこちなさ」が解消されるだろう。」と話したイスマイル殿下は、120万リンギから140万リンギ(およそ3410万円から3980万円)が必要とされる芝の張り替えに加えて、必要であれば更なる資金提供も行う用意があることも明かしています。

なお、およそ4ヶ月を要するとされる芝の張り替え作業は、既にブキジャリル国立競技場で複数のイベント開催が決定していることから、来年2023年の1月から始まるということです。

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今回の芝の張り替えのための資金提供の理由として、ブキジャリル国立競技場で開催された昨季のマレーシアカップ決勝でJDTがKLシティに敗れたことも理由の一つかと記者会見の席で問われたイスマイル殿下は、カウグラスのピッチを持つ他のスタジアムでの試合にJDTが全て勝利し、JDTが昨季敗れたのはホームでのトレンガヌFC戦とマレーシアカップ決勝のみであるとして、そのような指摘は当たらないと答えています。