12月1日のニュース:KLシティFCが32年ぶりにマレーシアカップ優勝、KLシティFCは来季AFCカップ出場権も獲得

KLシティFCが32年ぶりにマレーシアカップ優勝

 今季の国内サッカーの最終戦となるマレーシアカップの決勝が11月30日にクアラルンプールのブキジャリル国立競技場で開催され、KLシティFCがJDTを破り前身のクアラルンプールFAが1989年に優勝して以来32年ぶりの優勝を飾っています。
 前日の記者会見でJDTのベンヤミン・モラ監督がKLシティFCを「喰らいに行く」と宣言した通り、試合開始から猛攻を続けるJDTに対し、フィリピン代表に復帰したGKケヴィン・メンドーザの度重なるファインセーブなどでKLシティFCはこれを凌ぎます。しかし、果たしてこれがあと45分続けられるのか、と不安を残して始まった後半でしたが、後半に入るとKLシティFCは徐々にJDTサイドでのプレー時間が増え始め、アンダードックのKLシティFCが何度もあった好機に得点を奪えなかった王者JDTにプレッシャーをかけ始めます。
 そんな中、66分に左サイドのJ・パルティバンからのクロスにファーサイドのザフリ・ヤハヤが飛び込み、KLシティFCが欲しかった先制ゴールを挙げてリードします。ここ両チームの動きが活発になる中、74分にはライアン・ランバートからのパスをペナルティエリア内で受けた主将のパウロ・ジョズエが振り向きざまにシュートを決め、KLシティFCは2-0とさらにリードを広げます。
 ギアが上がったJDTはナチョ・インサらが得意の汚いプレーも見せながらゴールを狙いますが、この日一番のヒーロー、GKメンドーザが文字通りゴール前に仁王立ちして失点を許さず、最後は今季引退を発表しているシュコル・アダンを投入する余裕を見せたKLシティFCがこのまま2-0で勝利し、2部昇格からの32年ぶりマレーシアカップ優勝というシンデレラストーリーを達成して、100周年記念大会となった今季のマレーシアカップに花を添えるとともに今季のマレーシア国内サッカーシーズンのフィナーレを飾りました。
 スタッツを見れば、JDTのシュート数14(オンターゲット9)に対してKLシティFCのシュート数は5(オンターゲット2)、コーナーキックはJDTの6に対してKLシティFCは2、ボールポゼッションもJDTの60%に対してKLシティFCは40%と、数字的には明らかに優勢だったJDTでしたが、試合後のインタビューでボジャン・ホダック監督が話したように、DF陣だけでなく、FWの選手も含めた全員守備、そして全員攻撃で勝ち取った優勝でした。

2021年11月20日@ブキジャリル国立競技場(クアラルンプール)
KLシティFC 2-0 JDT
得点者:KL-アムリ・ヤハヤ(66分)、パウロ・ジョズエ(74分)
最優秀選手:アムリ・ヤハヤ
(下のダイジェスト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより)

KLシティFCは来季AFCカップ出場権も獲得

 今季のマレーシアカップで優勝を果たしたKLシティFCは、来季2022年のAFCカップ出場権も獲得しています。
 今季開幕前にマレーシアカップを運営するMFLは、Mリーグ1部スーパーリーグ優勝チームにはACLの出場権を、マレーシアカップとマレーシアFAカップそれぞれの優勝チームにはAFCカップ出場権が与えられるとしていましたが、新型コロナの影響によりマレーシアFAカップは昨季に続き中止となり、これによりAFCカップ出場枠はMリーグ2位のチームに与えられることになりました。またMリーグ優勝チームがマレーシアカップでも優勝した場合には、Mリーグ3位にAFCカップ出場権が授与されることも発表になっていましたが、KLシティFCがJDTを破ったため、KLシティFCはマレーシアカップ優勝チームとして、来季のAFCカップ出場を決めています、