11月26日にマレーシアカップ準決勝第2戦の2試合が行われ、JDT(Mリーグ1部今季1位)が退場者を出しながらもトレンガヌFC(同4位)を3-0で一蹴し準決勝2試合通算のスコアを4-1として決勝進出をきめた一方、KLシティFC(同6位)対マラッカ・ユナイテッド(同8位)戦は90分を終えて1-1、さらに前後半合わせて30分の延長戦でも決着がつかず、PK戦へとも連れ込み、KLシティFCが5-3でマラッカ・ユナイテッドFCを振り切って、最後は日付が今日になっていた準決勝第2戦に勝利しています。この結果、11月30日にクアラルンプールのブキジャリル国立競技場で行われるマレーシアカップ100周年大会の決勝戦は、大会2連覇を目指すJDTと前回優勝した1989年以来32年ぶりの決勝進出となったKLシティFCの対戦となりました。
(試合の映像はMFLの公式YouTubeチャンネルよりお借りしています。)
マレーシアカップ準決勝第2戦
マラッカ・ユナイテッドFC 1-1 KLシティFC(通算スコア2-2、PK3-5)
2021年11月26日@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
得点者:KL-J・パルティバン(9分)、シャミン・ヤハヤ(65分)
停電により試合開始が1時間遅れて午後10時キックオフとなるなど波乱の予感が漂った試合は双方が総力戦で臨む中、パウロ・ジョズエのコーナーキックからのクリアボールを蹴ったアクラム・マヒナンのボールがゴール前に転がり、これをJ・パルティバンが振り向きざまにシュート。角度が変わったボールにマラッカ・ユナイテッドGKのカイルル・チェ・ファミが反応できずそのままゴールとなりKLシティFCが9分に先制し、そのまま前半は1-0で折り返します。
後半に入るとマラッカ・ユナイテッドFCは65分にソニー・ノルデのコーナーキックからゴール前でアクマル・ザヒルが頭で流したボールをシャミン・ヤハヤが押し込んで同点とすると、その後は90分で決着がつかず、この試合は今大会初の延長戦に入りました。しかし延長前半、後半とも両チームがゴールを挙げることができず、120分で決着がつかなかった試合はPK戦に入りました。
KLシティFCの先行で始まったPK戦は、1人目のキッカーに立った主将のパウロ・ジョズエからロメル・モラレス、インドラ・プトラ・マハユディン、ハディン・アズマンそしてジャンカルロ・ガリフォッコと5人全員がPKを決めたKLシティに対し、、マラッカ・ユナイテッドはアドリアーノ、マヌエル・オットと2人がいずれもPKを決めた後の3人目となったジョヴァンニ・ゴメスのシュートがゴールポストを叩いてい失敗となり、クラブ史上初のマレーシアカップ決勝進出はなりませんでした。
マレーシアカップ準決勝第1戦
JDT 3-0 トレンガヌFC(通算スコア4-1)
2021年11月26日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダルプテリ)
得点者:JDT-ベルグソン・ダ・シルヴァ2(6分、15分)、ゴンザロ・カブレラ(11分)
JDTのホームで行われたこの試合は、準決勝第1試合で負傷した主将カルリ・デ・ムルガ不在の影響もあり、試合開始直後から意思の疎通が取れていないトレンガヌFC守備陣の隙をついて7分にはエースのベルグソン・ダ・シルヴァがミドルシュートを決めて先制すると、11分にはゴンザロ・カブレラ、そして15分には再びベルグソン・ダ・シルヴァがゴールを決めるなど、試合開始からわずか15分でJDTが3-0として、勝負あったかと思われた試合でしたが、16分にはオフザボールの場面でJDTのサフィク・ラヒムがトレンガヌFCのファイサル・ハリムに頭突きを食らわせて1発レッドで退場となります。
準決勝2試合の通算スコアが4-1となった試合展開にも関わらず元代表主将が起こした愚行はトレンガヌFCに有利に働くかと思われましたが、そこからのJDTは…いやぁ強かった。というかトレンガヌFCは好機にシュートが枠を捉えられず、またパスの精度も低くボールが繋がらない、繋がってもすぐにボールを奪われるなど、相手が10人という数的有利すら活かすことができず全くの完敗でした。10人全員が全力でボールに激しく寄せてくるJDTに対して、トレンガヌFCは緩慢な動きでパスのコースをことごとく潰され、最後はチャンスさえもほとんど作り出すことができず、個々の選手の技術や体力、さらにチーム力とすべての面でこの試合ではトレンガヌFCはJDTに完敗、審判の助けを借りずにで2019年に続く2連覇(2020年は新型コロナの影響でマレーシアカップは中止)、そして今季2冠を目指して決勝進出を決めています。