スランゴールFCが若手5選手と長期契約締結
スランゴールFCは今季主力としてプレーした若手5選手との長期契約を結んだことをクラブ公式サイトで発表しています。今回長期契約を交わしたのは、AFC U23アジアカップ2022年大会予選に出場し本戦出場権を獲得したU22代表で主将を務め、来月12月のスズキカップに出場するA代表にも招集されているMFムカイリ・アジマル(20)、同じくU22代表の招集されながらケガで辞退となったアフロヘアーがトレードマークのDFシャルル・ナジーム(22)、昨季はMリーグ2部プレミアリーグでマレーシア人選手最多の7ゴールを挙げ、今季は1部スーパーリーグとマレーシアカップでやはりマレーシア人選手としてはチーム最多の6ゴールを挙げているFWダニアル・アスリ(21)、今季は24試合に出場し、かつてはJリーグでプレーすることが夢だと語ったこともあるMFアリフ・ハイカル(21)、そして来月12月開催されるスズキカップに出場するミャンマー代表に招集されているFWハイン・テット・アウン(20)の5名です。
スランゴールFCはこれら若手選手の他、このブログでも取り上げたガン治療中のMFブレンダン・ガン(33)、代表GKのカイルルアズハン・カリド(32)、U22代表で今季は期限付き移籍していたペナンFCから復帰予定のDFクェンティン・チェン(22)の他、MFノー・ハキム・ハサン(30)、DFアシュマウイ・ヤキン(27)らと次々に契約を更新したことを発表しています。
ナイチェル前スランゴールFC監督はコーチに降格
スランゴールFCは今季クラブのテクニカルダイレクターを務めたミヒャエル・ファイテンバイナー氏の来季監督就任を発表しましたが、今季開幕前に就任しながらチームがリーグ5位に終わり更迭されたカルステン・ナイチェル前監督と2年契約を結んでいたことからその去就に注目が集まっていました。
そんな中、クラブ公式サイトでナイチェル前監督のトップチームアシスタントヘッドコーチ(?)就任が発表されました。マレーシアカップ準々決勝敗退から48時間後に更迭が発表されたナイチェル氏ですが、クラブ公式サイトでは「来季はナイチェル氏にはスランゴールFCのプレースタイルと哲学を浸透させるために、今季の経験を生かしたトップチームへの指導、そしてファイテンバイナー監督の支援を求めたい。」と淡々と述べられています。
またスランゴールFCは前フェルダ・ユナイテッドFC(2019年に解散)監督で、スランゴールFCの前身、スランゴールFAでのプレー経験もあるニザム・ジャミル氏の来季のトップチームアシスタントヘッドコーチ(?)就任も発表されています。スランゴール州出身で、スランゴールFAでトップチームデビューを果たしたニザム氏はそこから2004年までプレーし、その後はPKNS FCなどでもプレー経験があります。
JDT選手の蛮行を見逃した審判に批判が集中-JDTオーナーは審判の質を批判しVAR導入を提案も問題はそこなのかな?
11月22日に行われたマレーシアカップ2021準決勝第1試合のトレンガヌFC対JDT戦では、JDT選手がトレンガヌFCの選手に対して度を超えたラフプレーを繰り返し、しかもそれに対して主審がイエローカードすら出さなかったことから、この試合で主審を務めたモハマド・ヤシン氏に対する非難が集まっています。
この試合で映像で確認できるだけでもJDTのシェーン・ローリーが自陣ペナルティエリア内で倒れたトレンガヌFCのジョーダン・ミンターを突き飛ばし、さらにそれを止めに入ったトレンガヌFCのGKスハイミ・フシンを投げ倒し、またJDTのナチョ・インサはトレンガヌFCのエンク・ヌル・シャキルに対してブロックやショルダーチャージというよりは明らかにエルボーをかまして倒していますが、いずれも主審の目の前で起こったにもかかわらず、両選手には注意が与えられただけだったことからトレンガヌFCの選手がもう抗議するも聞き入れられませんでした。
これらの判定にたいしてトレンガヌFCサポーターからは、JDTのオーナーがジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下であることから、その威光を恐れてカードが出せなかったのではといった批判まで飛び出す事態になっています。
その一方でJDTオーナーのイスマイル殿下も、この日の試合については自チーム選手の行為には触れなかったものの、この試合の審判の質が低かったことを指摘した上で、VARの導入を提案しています。
「マレーシア人の審判の質が低いのはこの試合(トレンガヌFC対JDT)だけではない。Mリーグの多くの試合でも同様で、それも毎年繰り返されている。マレーシアサッカー協会FAMは何かしらの行動を起こすべきだ。」と自身のTwitterに投稿し、VAR導入を検討すべきと提言しています。
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国内リーグやカップ戦における審判の問題はこれまで何度も取り上げられながら、解消されずにきたマレーシアサッカーの長年の問題点の一つです。FAMは審判のプロ化に向けた計画を発表したものの中断?頓挫?しているのが現状です。選手も監督、コーチ、さらにサポーターも審判に対して敬意を払わず信用もしていない中、前年2018年のマレーシアカップ決勝ではやはり判定に多くに批判が集まったことから、日本人の岡部拓人主審と八木あかね、野村修両副審が2019年のFAカップ決勝で審判を務めたこともあります。
ただしこの審判の問題は、その質だけでなく、上の記事でトレンガヌFCサポーターが指摘しているような「見えざる手」の影響も否定できません。マレーシアサッカー協会FAMが審判を外部からのあらゆる干渉から守る覚悟、そして選手による不正行為を厳格に罰する覚悟を持っているか否かにかかっていますが、その覚悟は…まだ感じられません。
クダはアイディル監督との契約更新へ
Mリーグでは昨季に続き2位となりAFCカップ出場権を獲得したクダ・ダルル・アマンFC。マレーシアカップは外国籍選手の離脱などもあり準々決勝で敗退していますが、今季3年目を終えたアイディル・シャリン・サハック監督は来季も続けて指揮を取るようだと、マレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。
2019年はリーグ4位、マレーシアカップ準優勝、マレーシアFAカップ優勝、昨季2020年と今季2021年はいずれもJDTに次ぐリーグ2位という成績を収めているクダ・ダルル・アマンFCですが、クラブ運営会社のカマル・イドリス・アリCEOはアイディル監督に対して来季の契約延長を申し出ていると話しています。
「クラブとしては既に契約を延長したい旨をアイディル監督に伝えており、現在は返事を待っている状態である。来季のMリーグはさらに激しい争いになることが予想され、クラブにとってアイディル監督は必要であると考えている。来季の戦力についてはまだ明らかにすることはできないが、およそ80%は確定している。」と話したカマルCEOは、来季に向けて外国籍選手を中盤のポジションで補強することも明らかにしており、現在の候補者はいずれもMリーグでプレー経験があると話しています。