J2ファジアーノ岡山から3のアスルクラロ沼津に期限付き移籍しているU22代表のFWハディ・ファイヤッドがマレーシア語紙ハリアンメトロ日曜版に連載している「フットボーリスタ」の最新版です。沼津移籍直後の今年3月の練習で負った膝前十字靭帯損傷で今季の大半は治療と回復に専念したハディ選手ですが、現在はボールを使った練習まで回復しているようで、今季J3閉幕までには試合出場の可能性でも出てきました。
日本ではすでに3年目となるハディ選手ですが、今回は「日本サッカー成功の秘密」と題した記事をハリアンメトロ日曜版に寄稿していますので、拙訳ではありますが日本語にしてみました。
フットボーリスタ:日本サッカー成功の秘密
メトロ日曜版の読者の皆さん、こんにちは。お元気でお過ごしのことと思います。
今週のフットボーリスタでは、日本で3年間を過ごして私が気づいたマレーシアのサッカーと日本のサッカーの違いについて触れてみたいと思います。
私自身が見てきたことに基づくと、日本人は幼い時期からサッカーの基礎的な技術の習得に非常に熱心に打ち込んでいます。これがサッカーにおいてはとても重要なことであり、さらにそれが日本のサッカーにおける育成が成功している理由ではないかと私は思っています。
日本人はしっかりしたゲームパターンだけでなくボールコントロールのような技術習得を子どもの頃から重視しています。子どもの頃からサッカーをする上での基礎を重視していることは、多くの素晴らしい選手を日本が輩出している理由かもしれません。
自分が子どもだったときをと比べてみると、マレーシアではこの基礎技術の習得を日本ほどは重視していないように感じます。私が幼かった頃はこの基礎技術を身につけるための練習をチームとしてではなく、自分自身で練習しました。
しかし現在のマレーシアのサッカーにおける育成プログラムは、JDTやトレンガヌFC、スランゴールFCのアカデミーや、国家スポーツ評議会NSCが監督する国家サッカー選手養成プログラム傘下のアカデミーなどに代表される多くの育成組織が活動しているおかげで、私が子どもだった頃とは大きく変わっていると思います。
マレーシアの若い選手たちが幼いうちからこのような育成組織に加わって質の高い練習を続けていけば、世界でもトップクラスの選手が誕生することは決して不可能だとは私は思いません。
また*モクタル・ダハリ国家サッカーアカデミーには将来の代表選手となるであろう豊かな才能を持った選手たちが在籍し、彼らは成長すればマレーシアサッカー界のヒーローになる可能性を持っています。
そういった選手たちに十分な時間と機会が与えられれば、彼らがマレーシアサッカーの将来を担う者であることを証明してくれるでしょう。そのためには彼らを信じて惜しみない支援を送る必要があります。そしてマレーシア国内で運営されている全てのサッカー選手育成プログラムに対しても同様にその成功を信じ、支援を続けることで皆が望んでいるW杯出場という目標を達成できるでしょう。
最後になりますが、読者の皆さんには今後も変わりなく国内サッカーを支援していただきたいと思います。皆さんの支援があれば、マレーシアのサッカーはまだまだ高みを目指すことができるからです。
今週はここまでです。読者の皆さんのご健康をお祈りします。では、また次回お会いしましょう。