5月14日のニュース:タン代表監督の選手選考への批判を前代表監督が擁護、サラワク・ユナイテッドでも給料未払い問題発覚

タン代表監督の選手選考への批判を前代表監督が擁護
 5月16日から始まる合宿を前に代表候補25名が先日発表されましたが、その顔ぶれが明らかになると所属しているクラブでのリーグ出場時間が少ない選手が複数選考されたことにソーシャルメディアなどで疑問の声が上がりました。
 こういった声に対して、2007年から2009年まで代表監督を務めたB・サティアナタン現サラワク・ユナイテッドテクニカルディレクター(TD)は、同様の状況なら自分も同じような選手選考を行うだろうと擁護する発言をしています。
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版の取材に対し、サティアナタンTDは代表に招集する選手の選考は代表チームでプレーすることに向いているかどうかに基づいて行われると話し、例え今季のリーグで活躍していても、タン監督が代表チームで求めていることができなければ召集する意味がないとし、国際試合と国内リーグは全く別物であること、そして特に今回は新型コロナウィルスの影響で準備期間が短いことなどから、タン監督は自分が信用でき、かつ自身の戦術や戦略を十分に理解している選手を招集したのだろうと述べています。
 この件は代表候補25名の中にアキヤ・ラシドとシャフィク・アフマッド(いずれもJDT)が含まれていたことが事の発端です。今季第13節終了時点でアキヤ選手は出場4試合(出場時間合計30分)、シャフィク選手に至っては出場が1試合でその試合も90分からの出場だったことから、一部サポーターからはこの両選手を代表に召集する価値があるのかと疑問の声が上がっていました。

サラワク・ユナイテッドでも給料未払い問題発覚
 Mリーグ1部スーパーリーグのペラFCの給料未払い問題についてこのブログでもここ数日間、取り上げていますが、2部プレミアリーグで首位のサラワク・ユナイテッドでも同様の問題が起こっていると、マレーシア語紙ハリアン・メトロ電子版が報じています。
 昨季はスランゴールでプレーし、今季からサラワクでプレーするサンドロ・ダ・シルヴァは今年1月と2月の給料については全額の70%しか受け取っておらず、3月以降の給料については全く支払われていないという事です。また住居や自家用車の手当ても3月以降は支払われておらず、その総額は数10万リンギにということです。
 サンドロ選手の弁護士はサラワク・ユナイテッドに対して5月22日を期限として、未払い給料の支払いを求めるとしており、その期限が守られない場合にはFIFAへの提訴を行うという事です。
 またスポーツサイトのチャカップスカンでは、サンドロ選手以外の選手についても給料未払いが起こっていると報じられており、イスラム教の断食月明け休み後には選手の退団の可能性があるという事です。


 

5月13日のニュース:ペラFCの選手流出-1.退団のケニー・パッラジはKLシティに加入、2. GKハフィズルには複数クラブが接触、スリ・パハンのリー・タックはMリーグ他クラブへ期限付き移籍か、マラッカUは外国籍FW2名を入れ替えへ

 イスラム教の断食月明けの休みハリラヤが今日から始まるマレーシア。国民の7割近くがイスラム教徒のマレーシアでは1年間で最大の祝日ですが、新型コロナウィルス感染拡大が続く状況下では、昨年に続き今年も静かなお祝いとなりそうです。

ペラFC選手流出-1. 退団のケニー・パッラジとJ・パルティバンはKLシティに加入
 給料未払い問題で選手の流出が止まらないMリーグ1部スーパーリーグのペラFCからケニー・パッラジとJ・パルティバンの両選手がが同じスーパーリーグのKLシティに加入したことを英字紙スター電子版が報じています。
 今季第13節までの10試合の先発を含む11試合に出場したケニー選手と、9試合の先発を含む10試合に出場したパルティバン選手の退団は、先日このブログでも取り上げた主将のシャールル・サアドとブラジル出身で帰化選手のギリェルメ・デ・パウラの退団(その後はいずれもスーパーリーグのJDTに加入)に続く主力選手の流失で、ペラFCはリーグ再開後もクラブ史上初となる2部降格の危機に面することになりそうです。
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 両選手を獲得したKLシティのボジャン・ホダック監督は、今季1部に昇格したチームの前半戦を振り返り、一部の選手は1部でのプレーに適応できていない話しており、ケニー、パルティバン両選手の獲得は大幅な戦力増になると話しています。

ペラFC選手流出-2. GKハフィズルには複数クラブが接触
 同じペラFCの正GKハフィズル・ハキムはマレーシアの通信社ブルナマの取材に対し、スーパーリーグの3クラブから接触があったことを明らかにしています。「東海岸のクラブ」「クランバリー(KLとスランゴールを含む首都圏)のクラブ」そして「南部のクラブ」からの獲得オファーを受けたと話すハフィズル選手は、今後については決定しておらず、現在は家族と協議中としていますが移籍が濃厚です。
 ペラ州出身のハフィズル選手は、地元を離れるのは辛いとしながらも、未払い給料問題の解決に対して明確な回答が得られていないこと、さらに経営陣からの「ペラFCでプレーしたくなければ他のクラブを探せば良い」という発言に自分を含めた多くの選手が失望したと述べています。

スリ・パハンのリー・タックはMリーグ他クラブへ期限付き移籍か
 トランスファーウィンドウ期間中に獲得した新外国籍選手らの活躍で2連勝中のスリ・パハンは、開幕からプレーしていた英国出身のリー・タック選手が外国製選手枠の都合で出場登録を外れましたが、ドラー・サレー監督はこのタック選手を期限付き移籍で獲得したいというオファーを受け取っていると、マレーシア語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 最終的な移籍先はオーナーであるパハン州スルタンで現国王のトゥンク・アブドラ殿下の叔父に当たるトゥンク・アブドゥル・ラーマン・スルタン・アフマド・シャー殿下が決定するとしています。
 またマレーシア語紙ウトゥサン・マレーシア電子版は、期限付き移籍先として昨季まで3季に渡って在籍した同じスーパーリーグのトレンガヌが有力だと報じています。
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 2017年からMリーグでプレーするタック選手は、祖母がマレーシア人とされ、これまで何度も帰化選手候補としてその名前が挙がっていましたが、書類の不備などを理由に実現していませんでした。しかし今季も継続してマレーシアでプレーすれば連続在籍期間が5年となり、FIFAが求める帰化選手の条件を満たすことから、パハンは自チームでプレーできなくともタック選手との契約を維持し、来季は帰化申請を支援した上で帰化選手(=マレーシア人選手)として外国籍選手枠を気にせずプレーさせる意向があると言われています。

マラッカUは外国籍FW2名を入れ替えへ
 第13節を終えて3勝5分5敗の11位と降格圏で前半戦を終えたマラッカ・ユナイテッドはステファン・ニコリッチ(モンテネグロ)とアレックス・ドス・サントス・ゴンサウヴェス(ブラジル)の両FWとの契約を解除し、新たなストライカー2名を獲得すると、ウトゥサンマレーシアが報じています。
 マラッカ・ユナイテッドはここまで13試合で15得点を挙げていますが、これはUITM(4点)、PJシティ(10点)、ペラ(14点)に続き、リーグ全体で4位の少なさで、この15得点中、ニコリッチ選手が4点、アレックス選手が3点を挙げています。
 マラッカ・ユナイテッドのシャイフル・モハマド・サペリCEOはニコリッチ、アレックス両選手には既に契約解除が伝えられていることを明かし、新たに2人のブラジル出身が代わりに加入すると述べています。そのうち1人は既にクアラルンプールで検疫隔離に入っており、もう1人はブラジルのリーグ戦に出場中で、近いうちにマレーシアに到着予定だということです。
 ニコリッチ、アレックス両選手以外にマラッカ・ユナイテッドにはDFチャン・ソグォン(韓国)、MFソニー・ノルデ(ハイチ)、MFマヌエル・オット(フィリピン)が在籍していますが、この3選手については後退はないと話すシャイフルCEOは、サポーターからもチーム不振の責任を取るべきと解任要求が出ているザイナル・アビディン・ハサン監督について今日からハリラヤ(始まるイスラム教の断食月明けの休み)後に続投か否かを決定すると話しています。