Mリーグは断食月の試合日程変更を発表-トランスファーウィンドウも2ヶ月前倒しに
Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、4月23日以降のMリーグ1部スーパーリーグと2部プレミアリーグの日程を変更することを公式サイト上で発表しています。
この日程変更は6月に再開されるFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼アジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に出場するマレーシア代表合宿と、試合日程が変更になったAFCチャンピオンズリーグACLとAFCカップに出場するMリーグクラブを考慮しての変更ということです。
マレーシア代表は6月3日にアラブ首長国連邦UAEとの試合を控え、このブログでも既報の通りマレーシアサッカー協会FAMは代表合宿をイスラム教の断食月が明けた5月16日から開催できるよう、MFLにMリーグ日程の変更を求めていました。
またJDTが出場するACLは集中開催となるグループリーグが当初の4月21日から5月7日から6月21日から7月7日に変更となっています。
この他、クダ・ダルル・アマンとトレンガヌが出場するAFCカップのグループステージも6月22日から28日の開催が発表されています。
MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOはMリーグ各クラブの代表者とオンラインでの会談を行い、日程の変更を通達済みだということです。
なお今回の日程変更により、4月13日から始まる予定のイスラム教の断食月の間に1部スーパーリーグの各クラブはは当初の2節(2試合)から5節(5試合)へ、また2部プレミアリーグの各クラブは3節(3試合)から4節(4試合)へ、それぞれ試合数が増えています。
アブドル・ガニCEOは今回のMリーグ日程の変更により1部スーパーリーグは最終節が8月14日に、2部プレミアリーグの最終節は8月8日となることから、今年2度目のトランスファーウィンドウ期間が当初の7月5日から8月1日からおよそ2ヶ月早まり5月3日から5月30日となることも発表しています。
FAM-MSNプロジェクトのプレミアリーグ出場続行に関する議論がさらに加熱
Mリーグ2部プレミアリーグに今季初参戦中のFAM-MSNプロジェクトは、マレーシアサッカー協会FAMとマレーシア政府の青年スポーツ省傘下の国家スポーツ評議会が共同運営するエリートアカデミーAMD出身者らで構成されている平均年齢17.23歳と若いチームですが、第6節を終了した時点で0勝0分6敗で得点4、失点20、得失差-16という成績で、先月のリーグ中断期間中にはリーグに残るべきかどうかがメディアやソーシャルメディア上で様々な議論が起こりました。
そのFAM-MSNプロジェクトが第6節でもJDT IIに0-5と惨敗したことから、このチームの指揮を取るユスリ・チェ・ラー監督がJDT II戦後の記者会見で。短期間でこのチームが成長することは難しいと認めた上で「外野では様々なことが言われていることは承知しているが、このチームが育成目的であることは理解する必要がある。また外国籍選手がいるような(プレミアリーグの他の)クラブと渡り合うことはこのチームの選手にとっては容易なことではない。」とマレーシアの通信社ブルナマに語り、次節のクチンシティ戦では、チームが改善されたパフォーマンスを見せてくれることを期待しているとも話しています。
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これに対し、FAM-MSNプロジェクトのプレミアリーグ参戦が決まった時点から一貫してリーグ参加に否定的な意見を繰り返し述べているのが元エリートアカデミーAMDの責任者でもあったリム・ティオンキム氏です。
今回の敗戦後にも「FAMが『育成』と呼んで行っている(FAM-MSNプロジェクトのプレミアリーグ参加)行為は完全に間違いである。」とし、リーグ参加自体が無責任な判断であり、FAMのオン・キムスイ テクニカルディレクターはその責任責任を果たすべきであると批判しています。
リム氏はサッカー選手の育成とは強靭な精神や個性を持った個々の選手を生み出すことであると定義し、FAMが行っているのは単に選手を集めてチームを作っているだけである、と話しています。またこのFAM-MSNプロジェクトの先例として挙げられるハリマウムダ(ヤングタイガーズ、2008年から2012年まで当時のMリーグ2部プレミアリーグに参戦し、2009年にはリーグ制覇したU21代表チーム)については、Mリーグが2009年から2011年までは外国籍選手の出場を認めていなかったことから、対戦チームには外国籍選手がおらず、FAM-MSNプロジェクトとハリマウムダを比較すること自体に無理があると話しています。
「FAM-MSNプロジェクトの選手が対戦しているのはスピードがある上に体躯に勝り、経験もある国内トップクラスの選手である。ハリマウムダは当時のU21の代表選手を集めて結成されたが、FAM-MSNプロジェクトの選手28名中、FAMが主催する国内トップレベルのU19リーグに出場経験がある選手はわずか6名で、チーム自体が当時のハリマウムダのレベルには達していないが、それはここまでの試合結果を見ても明らかである。育成とは選手に自信を持たせ、他の選手に敬意を払いながらもフィールド上では自分自身で問題を解決する能力を身に付けさせることである。」というコメントを元バイエルン・ミュンエヘンU19チームのアシスタントコーチでもあったリム氏は現在居住しているドイツから発信しています。
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FAMのシヴァサンダラム会長代理はスランゴール2との対戦ではFAM-MSNプロジェクトが2-4と「善戦」したことを引き合いに出し、リム氏のコメントが適切ではないと述べてていますが、リム氏はスランゴール2は大半の選手が20歳で30歳代の選手が1名しかチームにいない点を指摘しています。
さらにリム氏はFAM-MSNプロジェクトの選手について0-2で敗れた第5節のヌグリスンビラン戦では90分間の試合中にアズハド・ハラズ・アルマンがボールを保持したのが23秒間、ウバイドゥラー・シャムスル・ファズリが5秒間だったことを指摘した上でこの両選手がチーム内で最も長くボールを保持できていた選手であり、試合中のボールタッチの数多ければ多いほど良いとされる若い年代にも関わらず、この両選手以外は試合中は走っているか、ボールを追いかけているかするだけであり、この状況を放置しておくことが果たして「育成」と呼べるものなのか、そしてサッカーをしていると言えるのかと疑問を呈し、FAMはボールに触れられていない選手をどう評価するのかとも述べています。
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なお次節第7節で選手の平均年齢17.23歳のFAM-MSNプロジェクトは、プレミアリーグで最年長となる選手平均年齢30.26歳のクチンシティと対戦します。