3月2日のニュース:FAMが役員選挙を前に候補者を発表、ブラジル出身のデ・パウラが帰化選手として登録、MFLは今季9億円近いスポンサーを獲得、連邦直轄地大臣杯はKLユナイテッドが勝利もサポーターがモンキーチャント

FAMが役員選挙を前に候補者を発表
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で2021年から2025年までの任期を務める新役員選挙を前に候補者のリストを発表しています。なお新役員選挙は3月13日に予定されているFAM年次総会で投票が行われます。
 今年1月13日から2月11日までが候補者の指名期間となっており、FAM傘下の各州サッカー協会など20団体から、会長、会長代理、副会長及び常任理事の候補者として全34名が指名を受けていましたが、この34名中、候補者となるために必要な最低指名数を得られなかった6名は候補から外れ、残る28名が正式な候補者となっています。なお会長候補者、会長代理候補者および副会長候補者は、それぞれ最低6団体、5団体、4団体からの指名が必要となり、常任理事は最低2団体からの指名が必要です。
 正式な候補者となった28名中1名が指名を拒否したことから、最終候補者は27名となりましたが、この27名はさらにマレーシア王立警察と汚職防止委員会の審査を経て正式候補となりました。
 なお、この27名の候補者のうち、会長は現職のハミディン・アミン会長が、さらに2名の会長代理も現職のモハマド・ユソフ・マハディ会長代理と、元スランゴール州サッカー協会財務担当者のS・シヴァスンダラム氏が、いずれも対立候補がいないことから無投票で当選が決まっています。この他、4名が選ばれる副会長には5名が、女性2名を含む10名の理事には女性2名を含む19名が候補者となっています。

ブラジル出身のデ・パウラが帰化選手として登録
 Mリーグ1部のペラは、ブラジル出身のFWギリェルメ・デ・パウラが今季はマレーシア人選手として登録されることを公式Facebookで発表しています。
 2015年にスランゴールに入団し、その後はPDRM、クアラルンプールを経て昨季2020年シーズンからペラでプレーする34歳のデ・パウラ選手は、モハマドゥ・スマレ(JDT)、リリドン・クラスニキ(JDT II)に続くマレーシア人の血を引かない3人目の帰化選手となりました。
(デ・パウラ選手の帰化選手登録を伝えるペラFCの公式Facebookへの投稿)

MFLは今季9億円近いスポンサーを獲得
 マレーシアの通信社ブルナマは、Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLが今季リーグに向けて、放映権料を含めるとこれまでに3340万リンギ(およそ8億7800万円) のスポンサーを獲得したと報じています。
 今季のMリーグの開幕イベントの席上でマレーシアサッカー協会会長でもあるハミディン・アミンMFL会長は、その詳細を明かさなかったもののMFLは現在競技中のものも含まるとさらにスポンサーが集まる可能性も示唆しています。
 「現時点ではスポンサー料と放映権料も合わせると3342万8000リンギが集まっている。しかもこれはコロナ禍でなんとか集めたものであり、この他にも現在も協議中のスポンサーもおり、この金額は今後さらに増える可能性が高い。」とイベントの最後に行われた記者会見の席で話したということです。
 MFLは昨年11月に昨季のMリーグ1部スーパーリーグの冠スポンサーだった国内第二の金融グループCIMB社と格安航空会社のエアアジア社がスポンサー契約を中断しています。(ただしエアアジア社はその後、今季のスポンサー契約を検討すると発表しています。_

連邦直轄地大臣杯はKLユナイテッドが勝利もサポーターがモンキーチャント
 同じ首都圏に本拠地を持つスランゴールとクアラルンプール・ユナイテッド(KLユナイテッド)が対戦した連邦直轄地大臣杯は、今季から1部スーパーリーグでプレーするKLユナイテッドが昨季1部で5位のスランゴールをPK戦4−2で破り、第一回のチャンピオンとなっています。
 KLユナイテッドの本拠地クアラルンプールフットボールスタジアムで行われたこの試合は、前半はスランゴールが、後半はKLユナイテッドが押し気味に進めたものの、90分間を終えて0-0となりPK戦へと突入し、KLユナイテッドは主将のパウロ・ジョズエ以下、ドミニク・ダ・シルヴァ、ハディン・アミン、インドラ・プトラ・マハユディンの4名がゴールを決めたの対し、スランゴールのゴールはサフアン・バハルディンとイフェダヨ・オルセグンの2選手が決めただけでした。
 しかし無観客で行われたこの試合では、スタジアムの外に集まったKLユナイテッドサポーターが発煙筒を焚いたり、明らかにオルセグン選手に向けて人種差別的なモンキーチャント(猿の鳴き真似)を行ったりするなど非常に悪質な行為を行なったことにより、印象が良くない試合となったと英字紙ニュースとレイトタイムズは報じています。

3月1日のニュース:サラワク州本拠地の2クラブが試合会場と日程を変更、MFLはメディア関係者への迅速抗体検査を受検義務づけは変更せず

サラワク州本拠地の2クラブの試合会場と日程が変更に
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグは公式サイト上でサラワク州クチンを本拠地とするMリーグ2部プレミアリーグのサラワク・ユナイテッドとクチンシティの試合日程及び会場の変更を発表しています。
 先日発表された今季の試合予定では、サラワク・ユナイテッドはスランゴール州スラヤンにあるMPSスタジアムでホームゲームを開催すると発表されていましたが、サラワク・ユナイテッドは新たにマラッカ州のハンジェバスタジアムへ変更することをMFLに申請し、MFLは臨時理事会を経て、これを承認したと発表しています。
 なおハンジェバスタジアムはMリーグ1部マラッカ・ユナイテッドの本拠地でもあることから、試合日程が変更されています。
 またクチンシティは、MFLに対して今季のホームゲームの最初の2試合をアウェイゲームとして行うこと、そしてその後のホームゲームはサラワク州に隣接するサバ州のコタキナバルにあるリカススタジアムで開催することを申請し、これが承認されています。
 サラワク州は独自の新型コロナウィルス対策を実施しており、サラワク州外からの渡航者全員に2週間の検疫隔離が義務付けられており、サラワク州でアウェイゲームを戦うMリーグ2部のクラブも例外とはなりませんでした。このため当初の予定通りの日程で今季のプレミアリーグを終えることが難しくなっていたことから、サラワク州を本拠地とする両クラブがその対策として州外でのホームゲーム開催をMFLに申請していました。
 なお、修正された今季Mリーグ2部プレミアリーグの試合日程はこちらからどうぞ。

MFLはメディア関係者への迅速抗体検査を受検義務付は変更せず
 マレーシアンフットボールリーグMFLは試合会場で取材を行うメディア関係者について、迅速抗原検査(ラピッドテスト)受検を義務付ける方針に変更はないことを発表しています。
 MFLのアブドル・ガニ・オスマンCEO名で出された今回の要望では、Mリーグを報道するメディア関係者に感謝の意を表する一方で、今季のMリーグはいわゆるスポーツバブル方式で開催されることから、このスポーツバブルを安全に維持していくためにもメディア関係者全員にラピッドテストの受検を義務付けると述べています。
 なお今回の要望は、MFLがメディア関係者全員に試合ごとにラピッドテストの受検を義務付けると発表したことに対し、マレーシアスポーツライター協会SAMのジャスニ・シャフィ会長がその手間や費用などの面から再考を求める提案をしたことについての回答です。
 ジャスニ会長は1回当たり100リンギから160リンギ(およそ2630円から4210円)かかるとされるラピッドテストを毎試合受けることによる金銭的な負担に加え、受検にかかる時間もメディアにとっては負担になると述べていました。
 またアブドル・ガニCEOはラピッドテスト受検が必要となるのはピッチ周辺で取材するカメラマンやテレビカメラマンのみであることを説明した上で、それ以外のメディアはMFLが用意するメディアルームで取材を行う限りはラピッドテスト受検は不要であるとしています。
 この他、新型コロナウィルスの感染が収まれば、国内スポーツを監督する青年スポーツ省とも協議の上、検査義務付けなども緩和する予定であるとし、それまではスポーツバブル維持のために協力を求めたいとアブドル・ガニCEOは話しています。
*****
 MFLはリーグ戦中にクラスターが発生しないようにと、Mリーグのチーム全員が合宿して外部との接触を遮断する合宿検疫隔離と、自宅で生活しながら同居する家族全員にも外部との接触の遮断を義務付ける自宅検疫隔離の二つの方法を併用して外部との接触を遮断するスポーツバブルを形成するとしています。
 なおアメリカプロバスケットボールのNBAやサッカーのMLSはこのスポーツバブル方式で試合を既に実施しています。いずれもフロリダ州のウォルトディズニーワールドで集中開催され、それを取材したUSA TodayやThe New York Timesの記事を読むと、記者など取材するメディアもそのスポーツバブルから自由でに出入りできない生活を強いられるだけでなく、定期的に検査を受けるなど外部からの隔離と感染予防が徹底していたことがわかります。ちなみに頻繁に行われたメディア関係者を対象とした検査はNBAやMLSが負担していたようです。