2月10日のニュース:Mリーグクラブに練習再開許可、ペラFCのロゴ問題-スルタンがコンペ開催を示唆、レジェンドFWがサバFCのテクニカルディレクターに就任、JDTがスマレら新入団選手を発表

Mリーグクラブに練習再開許可
 サラワク州を除くマレーシア全土に施行されている活動制限令によりチーム練習が禁止されていたMリーグの各クラブに朗報です。2月15日よりMリーグクラブのチーム練習が許可されることが昨日2月9日の新型コロナウィルス関連の定例記者会見で発表されました。なお許可されたチーム練習は選手や関係者が外部との接触を遮断される、いわゆる「バブル方式」で行われることも発表されています。
 これを受けてMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは公式Facebook上で今季の開幕日3月5日の変更がないことも改めて発表しています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは「練習許可が出たことで、今後は各クラブの選手、関係者全員が責任を持って標準作業手順SOPを遵守することが求められる。万が一この責任を果たせない者が出れば、新型コロナウィルス感染がリーグ内に発生する可能性がある。」と話しています。
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 練習再開が許可されなければ既に2月26日から延期されていた3月5日の開幕がさらに遅れる可能性もあっただけにMリーグ各クラブにとっては朗報です。しかし、この発表前からジムなどで集団練習していたクラブがあるとの噂も出ており、今後も自らが負っている責任の重さを理解しない不届き者が出ないことを祈ります。

ペラFCのロゴ問題-スルタンがコンペ開催を示唆
 ペラFCの新しいロゴがサポーターの間で不評というニュースはこのブログでも取り上げましたが、ついに州王スルタンが動く事態となりました。
 ペラ州のスルタン・ナズリン・シャー殿下はペラ州サッカー協会(ペラ州FA)に対し、今季開幕前にペラFCの新たなロゴを決定するコンペを行うよう「助言」したとマレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 サポーターからの不評を無視して新たなロゴを採用しようとしたペラ州FAに対し、スルタンはサポーターの声を聞き、それに関心を持ち、さらに尊重するようにとの「助言」を受けたことを、ペラ州政府の青年スポーツおよびマルチメディア委員会のカイルル・シャーリル・モハマド委員長が明らかにしています。
 新たなロゴのコンペ参加条件などは近いうちに発表されるとしたカイルル委員長は、サポーターの投票前に応募作品から10程度のロゴを選び、5日間ほどの投票期間を設ける予定であるとしています。
 ペラ州FAのムハマド・ヤザン・モハマド副会長は1月30日にサポーターの不評にも関わらず、新たに発表したロゴを変更する予定はないと話していました。

レジェンドFWがサバFCのテクニカルディレクターに就任
 オールドファンには懐かしい名前が帰ってきました。1990年代後半、サバFCの前身サバFA時代に大活躍したオーストラリア出身のスコット・オルレンショー氏がMリーグ1部サバFCのテクニカルダイレクターに就任したことが、クラブの公式Facebookで発表されています。
 クラブの外国籍選手獲得やサバ州内の選手発掘などにも関わり、ユースプログラムの責任者も兼務するということです。
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 サバFA時代は赤毛のストライカーとして恐れられたオルレンショー氏ですが、下の写真では見る影もないですね。

JDTがスマレら新入団選手を発表
 JDTの帰化選手コレクション、いや代表選手コレクションにまた1人加わりました。Mリーグ1部で7連覇中のジョホール・ダルル・タジムJDTは帰化選手のムハマドゥ・スマレとアルゼンチン出身のFWジョナサン・エレーラの加入を公式Facebookで発表しています。
 タイ1部BGパトゥム・ユナイテッドに移籍したジオゴ・サントスに代わる活躍が期待されるエレーラ選手ははアルゼンチン2部のCDリエストラから、スマレ選手は既にタイ1部のポリス・テロFCとの契約も満了していました。
 なおJDTは公式Facebookには「運転手さん、マレーシアでNo. 1のクラブに連れていってくれ。」というタイトルで始まり、スマレ選手がリムジンから降り立った先がJDTのクラブハウスだった、という映像を投稿しています。
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 パハン州サッカー協会がFIFAよりこのスマレ選手に対する給料未払い問題で490万リンギ(およそ1億2600万円)の支払いを命じる裁定を受けたニュースは先日取り上げましたが、JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下がスマレ選手に掛け合って要求額を下げさせるよう説得すると話す記事まで掲載されると、パハンFA(当時)退団から腰掛けのようなタイクラブ移籍(しかもそのクラブには元JDTのドミニク・タンが在籍)、そして今回のJDT入団と全てがつながり、実は最初から仕組まれていたのでは?という感もしなくはないです。
(JDT加入が発表されたスマレ選手(左)とエレーラ選手-JDT公式Facebookより)

2月9日のニュース:W杯アジア二次予選-AFCは開催日程決定の期限を2月15日と各組に通達、タン代表監督はルクマンを3月の代表合宿に招集、FIFAは給料未払いのマラッカUに選手獲得禁止処分の裁定

W杯アジア二次予選-AFCは開催日程決定の期限を2月15日と各組に通達
 アジアサッカー連盟AFCはFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選各組に対して、2月15日までに残るグループステージの試合日程を決定するよう求める通達を出しています。
 マレーシアはベトナム、タイ、インドネシアおよびアラブ首長国連邦UAEとともに予選G組に入っていますが、他の7組同様に、残り試合の日程を当初の予定通り3月のFIFAマッチデー期間に行うか、6月に延期するかの選択が求められています。
 マレーシアの通信社ブルナマに対してAFCのウインザー・ジョン事務局長は、新型コロナウィルスの感染状況が各国によって異なることなどから、各組内の全チームが合意できるように話を行なうことを望んでおり、期限の2月15日までに合意が得られない場合には、AFCが仲介した上で日程を決定すると話していますが、その理由としてアジア二次予選は6月中に終了し、9月からは三次予選の開始が予定されいること、そしてアジア代表は2022年4月までに決定しなければならないことを挙げています。
 またウィンザー事務局長は6月開催となる場合の集中開催地はどの予選組でも決定していないとし、現時点でどこで集中開催するかの話し合いになれば、3月か6月かの試合日程の合意自体が難しくなるとことから、今は日程の確定させるための話し合いを行うことを求めています。
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 マレーシアが所属する予選G組は既に全チームが6月開催に同意しているとされており、集中開催地も既に国外からチームを招いて練習試合を行っているアラブ首長国連邦が有力と言われています。

タン代表監督はルクマンを3月の代表合宿に招集
 マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版は19歳のルクマン・ハキム・シャムスディンがが来月3月に予定されている代表合宿に初招集される可能性と報じています。
 代表のタン・チェンホー監督もルクマン選手の名前が招集候補者リストに含まれていることを求めているということです。
 現在はベルギー1部リーグのKVコルトレイクに所属するルクマン選手は、昨年10月に出場時間は17分と短かったもののベルギー1部リーグデビューを果たしましたが、その直後にハムストリングのケガのため、チームを離れて治療に専念していました。
 「ケガから復帰し、既にクラブの練習に参加しているという情報も得ていることから、代表合宿に招集し、練習に参加する機会を与え、彼がベルギーで得た経験がチームに役立つか見てたい。」とタン監督は話しています。

FIFAは給料未払いのマラッカUに選手獲得禁止処分の裁定
 Mリーグ1部のマラッカ・ユナイテッドに新たな給料未払い問題が発覚しています。英字紙ニューストレイトタイムズは、昨季在籍したタイ出身のナルポン・ワイルドに対する未払い給料24万1726リンギ(およそ623万円)についてFIFAが命じた期限を過ぎてもマラッカ・ユナイテッドはナルポン選手への給料を支払っていないと報じています。なるポン選手は給料未払いを理由に、新型コロナウィルスによるMリーグ中断中の昨年7月に退団しています。
 現在はタイ2部のチェンマイFCでプレーするナルポン選手は、FIFAからの連絡を受け、マラッカ・ユナイテッドが未払い給料を支払っていないことを確認したと話し、この未払いにより、FIFAの紛争解決室(Dispute Resolution Champers, DRC)はマラッカ・ユナイテッドに対し、未払い給料の全額が支払われるまで新たな選手の獲得禁止処分を下す可能性があると話しています。
 またニューストレイトタイムズは昨季のリーグ中断中にマラッカ・ユナイテッドがナルポン選手と十分な話し合いを行わないまま、30%の給料削減を行ったことも問題視していることも併せて報じています。

 またニューストレイトタイムズは続報として、このナルポン選手の他にも、オーストラリア出身のカラン・シン・ファーンズに対しても2月17日が支払い期限となっている未払い給料9万7500リンギ(およそ251万円)があると報じています。
 母親がマレーシア人のファーンズ選手は、マレーシア人選手として登録されたことから、未払い給料に関する不服申し立てはFIFAではなくマレーシアサッカー協会FAMに行っています。
 ナルポン選手同様、未払い給料問題でチームを離れたファーンズ選手は期限までに未払い給料が払われなければ、FAMはマラッカ・ユナイテッドを処分するべきだと話しています。
 これらの件についてマラッカ・ユナイテッドのサイフル・マット・サプリCEOはナルポン選手への未払い給料支払い期限超過によりFIFAから選手獲得禁止処分の裁定を知らせる連絡を受け取ったことを認め、ファーンズ選手への支払い期限が迫っていることも承知していると話す一方、未払い給料の総額は不明であるとも話しています。さらにニューストレイトタイムズはFAMが未払い給料の他に、従業員積立基金や内国歳入庁への未納金の納入期限を2月7日としていたことの他、