タン代表監督はJDT本拠地での代表合宿を希望
3月に予定されているFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選を控えるマレーシア代表は、新型コロナウィルス新規国内感染者が連日3000名近くで推移する中、完全隔離形式を条件に代表合宿の開催が許可されたニュースは昨日のこのブログでも取り上げました。
完全隔離形式と言うことで、国家スポーツ評議機会NSCが運営するブキジャリルの施設が敷地内に練習場と宿泊施設の両方を備えていることから、代表合宿開催地の候補に上がっていますが、タン・チェンホー代表監督はNSCの施設よりもMリーグ1部ジョホール・ダルル・タジムJDTの施設での開催を希望していると英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
タン監督は「最も重要なことは代表合宿の内容なので、合宿をどこで行うかについてはマレーシアサッカー協会FAMの最終的な決定には従うつもりである。しかし、もしJDTの施設を使用できるのであれば、素晴らしいことだ。誰もがJDTの施設が国内随一のものであることは知っており、(JDTの施設で代表合宿を行うことは)間違いなく選手たちにとっても役立つだろう。」と話しています。
NSCの施設は他のスポーツの代表選手も使用する施設でもあり、外部からは隔離されるものの、他のNSC施設利用者とは接触する可能性があり、代表チームが完全に隔離されるわけではないと伝えるニューストレイトタイムズの記事では、JDTの施設の方がより安全に代表チームを外部から隔離できることや、多くの代表選手がJDTから招集されるであろう点を挙げて、FAMはJDTの了承を得る努力をするべきだと提言しています。
ペラ州FA会長が辞任
ペラ州サッカー協会(ペラ州FA)のアフマド・ファイザル・アズム会長とアドリ・シャー・アフマド・ター会長代理が昨日1月21日付で辞任したとマレーシアの通信社ブルナマが報じています。2018年5月に州首相に就任したアフマド・ファイザル氏は、昨年3月に連邦政府で起こった政権交代の影響を受けた結果、与野党の力関係がが逆転したペラ州議会で不信任案が可決されたことから、昨年2020年12月5日にペラ州首相を辞任しています。
伝統的にペラ州首相がペラ州FA会長を兼務していたことから、アフマド・ファイザル氏は2018年12月にペラ州FA会長に就任していましたが、今回の辞任については(州首相で亡くなった)自分が会長の座にいることで民間企業、政府系企業を問わずペラ州FAはスポンサーの獲得が困難になっており、自分が辞任することがペラ州FAの経営危機を解消する唯一の方法であると話しています。
「選手やスタッフへの給料支払いは11月半ばから滞っており、その総額は既に200万リンギ(およそ5140万円)に及んでいる。自分ん辞任によりペラ州FAがペラ州政府や政府系企業からの支援を受け、選手や家族が生活できるようにすることが最も重要である。」と話すアフマド・ファイザル氏は「この(給料未払いの)状況が続けば、選手が他のクラブへの移籍を考える心配もあることから速やかに辞任することを決意した。」とも述べています。
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政敵で行使されるペラ州政府は、アフマド・ファイザル氏が会長の座に留まる限り、ペラ州FAの支援を行うつもりは一切ない、といわばサッカーを人質に取ったような噂も出ていましたが、マラッカ州、クダ州に続き、ここでも政権交代でプロクラブがとばっちりを受けると言う、政治とサッカーが歪な形で結びついているマレーシアサッカーの暗部が露呈した格好です。そのためにもMリーグクラブの民営化が正しく機能することに期待したいです。
トレンガヌFCとヤクルトマレーシアがスポンサー契約締結
Mリーグ1部のトレンガヌFCは公式Facebook上で、ヤクルトマレーシア社とのスポンサー契約締結を発表しています。
昨日1月21日にトレンガヌFCを運営するTFC社で行われた調印式には、TFC社のラシド・ジュソCEOとヤクルトマレーシア社の濱田浩志社長が出席し、38万リンギ(およそ977万円)相当の支援と草の根レベルでのサッカー振興についての協力をトレンガヌFCと行っていくことを発表しています。
支援先としてトレンガヌFCを選んだ理由を問われた濱田社長は、昨季はMリーグ3位の成績を収めて今季のAFCカップ出場権を獲得したことからもトレンガヌFCは質の高いチームであることがわかるが、そのチームがAFCカップでも好成績を収めるという目標の達成をヤクルトマレーシアとして協力したいと話しています。
(写真はトレンガヌFCの公式Facebookより)