9月10日のニュース:ケランタンFA新オーナーはサフィク・ラヒム獲得を否定、スマレはパハン州FAの契約違反が退団の原因と主張、スマレはFIFAによる暫定ITCを持ってポリステロFCと契約

ケランタンFA新オーナーはサフィク・ラヒム獲得を否定
 Mリーグ2部ケランタンFAの新オーナーとなったノリザム・トゥキマン氏は、元代表チームで主将を務め、現在は1部マラッカ・ユナイテッドFCでプレーするMFサフィク・ラヒムや同じ1部のペラTBGのFWシャーレル・フィクリ獲得の噂を否定しているとマレーシア語紙ハリアン・メトロ電子版が報じています。
 ノリザム氏はクラブが抱える負債への対応を最優先とし、その負債については2週間以内に完済したいと話しています。そして負債問題が解決した後には、ケランタンFAの栄光を取り戻すために綿密な計画を立て、それを遂行したいとしています。
 また今季末に契約満了となるケランタンFAのユスリ・チェ・ラー監督の去就については、さらに1年の契約更新を予定していると話す一方で、今季終了時に確定したいとしています。さらに選手との契約更新についても、各選手の今後の試合でのパフォーマンスを見て評価するつもりであるとしています。

スマレはパハン州FAの契約違反が退団の原因と主張
 Mリーグ1部のパハンFAを「無断離脱」し、タイ1部リーグのポリステロFCと契約したとされるモハマドゥ・スマレがついに口を開いたようです。
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、26歳のスマレ選手とのインタビューを掲載し、その中でスマレ選手はパハンFAを運営するパハン州サッカー協会(パハン州FA)による発表やそれに基づいたネット上の自分への否定的な意見について容認できないと話しています。
 パハン州FAの会長を務めるトゥンク・アブドル・ラーマン・スルタン・アーマド・シャ殿下や(ガンビア出身の)自分がマレーシア国籍を取得し、代表でプレーする夢を実現させてくれたパハン州FAを尊重し、あえて発言を控えてきたと言うスマレ選手はネット上で自分に向けられた厳しいメッセージに傷ついたとしています。
 「自分とパハン州FAとの間の問題は新型コロナウィルスがきっかけで怒ったと思われているようだが、実際にはそれよりも前から存在している。もし、パハン州FAの誰かが自分が嘘を言っていると思うなら、その人物は公の場で『スマレは嘘を言っている』と言って欲しい。自分は自分の発言に責任を持っており、過去3年間に渡ってパハン州FAが契約義務を果たしていないことを示す証拠もある。」
 「3年間は耐えるにはあまりにも長い期間だった。自分はパハン州FAに手紙やメールを送ったが、話し合いの提案どころか、一度たりと返事をもらったことはなかった。そして今年の6月と7月にも郵送だけでなく、直接、手渡しで話し合いを求める文書を提出したが、パハン州FAの誰一人として返事をよこさず、それを示す証拠もある。」
 「パハン州FAの関係者には本当のことを明かして欲しいと切に願っている。(パハン州FAの会長を務める)トゥンク・アブドル・ラーマン・スルタン・アーマド・シャ殿下は、自分がパハン州FAに手紙を送ったことも、現在の事実も知らされていないと思う。一介の選手である自分が、直接、会長へ直訴することはできなかった。」
 こう話すスマレ選手は8月3日にもパハン州FAを訪れて、退団希望の手紙を手渡したと言うことですが、何の返事ももらえなかったと話しています。
 スマレ選手の問題が明らかになったのは先月、パハンFAのドラー・サレー監督がスマレ選手が1ヶ月近くチーム練習に参加していないことをメディアに明かしたことがきっかけでした。その後、スフィアン・アワン チームマネージャー(TM)がスマレ選手の行動を非紳士的でプロ意識に欠けると非難しました。
 これについてもスマレ選手は、パハンFAを離れた時期は1ヶ月以上前であり、メディアが取り上げるまではパハン州FAは何のコメントも出していないと話し、パハン州FAが自分のことを国際サッカー連盟FIFAに訴えるのであれば、対応する用意はできていると話しています。

スマレはFIFAによる暫定ITCを持ってポリステロFCと契約
 同じニューストレイトタイムズは、上の記事で取り上げたモハマドゥ・スマレがFIFAにより暫定的国際移籍証明書ITCを発給され、タイ1部リーグの残りシーズンはポリステロFCでプレーすると報じています。
 既に背番号が13となることも発表されているスマレ選手は、Mリーグ1部のパハンFAを運営するパハン州サッカー協会(パハン州FA)がITCの発行を拒否したことにより、正式な移籍が不可能とされていました。そこで今回のポリステロFCは、今季残りの期間はパハンFAが期限つき移籍させ、来季はこれまで何度も噂に上がっていた同じMリーグ1部のジョホール・ダルル・タジムJDTへ正式に移籍するのではと言った噂もありましたが、スマレ選手は、FIFAによる暫定的ITCによりフリーエージェントとしてポリステロFCへ移籍したようです。
 スマレ選手自身も「誰が自分がJDTに移籍すると言っているのだろう。そんな話はどこから出たのか。期限付き移籍といった話も全て誤った情報である。ポリステロFCとは完全移籍で契約する。タイでプレーしたいからタイへ行くのであり、タイではサッカーに専念したい」と述べています。
 この状況についてマレーシア国内でサッカー選手の代理人を務めるエフェンディ・ジャガン・アブドラ氏は、選手が所属先がない状態で放置されないよう、FIFAは一定の条件のもとで暫定的ITCを発給することがあると述べています。
 なおマレーシアサッカー協会FAMのユソフ・マハディ会長代理は、FAMがスマレ選手によるパハン州FAに対する不服申し立て審査を完了していないことを理由に、タイサッカー協会から出されていたスマレ選手のITC発給申請を許したことを明らかにしています。その後、タイサッカー協会はこの問題をFIFAに紹介し、FIFAが暫定的ITCをスマレ選手に発給したと話すユソフFAM会長代理は、パハン州FAがスマレ選手に対して法的措置を取ることは可能であるとも話しています。