新オーナーはケランタンFAを1.7億円で買収
マレーシア語紙ハリアンメトロは、Mリーグ1部のケランタンFAの売却が完了したと報じています。
このブログでも既報通り、新オーナーは企業家でもあり投資家でもあるノリザム・トゥキマン紙で、自身が運営する食品製造販売とホテル経営会社のザムバーガー社を通じて、680万リンギをケランタン州FAに支払い、クランタンFAの運営会社であるTRW社の全株式を取得したということです。
昨日行われた記者会見の席上でノリザム氏は、当面はケランタン州のサッカーファンの信用を取り戻すために選手のパフォーマンス向上と設備投資に注力したいと述べ、来季2021年シーズンのクラブライセンス取得のために、ケランタン州FAにTRW社の全株式取得のために300万リンギ(およそ7680万円)を、そしてケランタン州FAが抱える未払い給料完済のためにさらに380万リンギ(およそ9730万円)を支払ったということです。(筆者注:マレーシアサッカー協会FAMは未払い給料問題を年内に解決できないクラブに対して、来季のMリーグに参加するためのクラブライセンスを発給しないとしています。)
「選手には今後は未払い給料の問題について心配する必要はないので、よりプレーをして欲しい。」と記者会見で話したノリザム氏は、チームの強化期間として3年から5年を目安にし、その後はTRW社の株式を上場した上で、50万リンギから100万リンギ(およそ1280万円から2560万円)の配当を得たいとしています。
ケランタンFAを買収するために自らが経営する企業の資産を一部売却した他、リーグ再開後も無観客試合となっていることで入場料収入が期待できないなどのリスクについてノリザム氏は「自分は投資家として20年以上の経験を持ち、今日の投資が明日の利益につながらないとことを理解している。その上でファンを第一にして、常勝チームを作ることに楽観的である。」と述べています。
さらにノリザム氏は「選手に対しては、八百長に加担しないように忠告したい。そしてファンにはケランタン州のサッカーがかつての栄光を取り戻せるよう期待して欲しい。また将来的には(クラブ運営会社の)TRW社の株式を選手に対しても分け与えて、給料に依存しなくとも済むようにしたい。」と話しています。
またこの日は選手やコーチ、スタッフに未払い給料の一部となる37万リンギ(およそ948万円)も手渡されました。
この記者会見にはケランタン州FAのシャアリ・マット・ハサン会長とアファンディ・ハムザ会長補佐も出席しましたが、アファンディ会長補佐は今後、ケランタン州FAはこれまで20%の株式を保有していたMリーグクラブの運営から完全に離れ、草の根レベルからU19とU21チームの育成までに専念すると話しています。
(売却契約の調印式の様子-中央右の赤いキャップがノリザム氏-ケランタン州FAの公式Facebookより)
MFLは全クラブにSOP遵守を改めて求める
8月28日から再開したMリーグの第5節を終え、Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは公式Facebook上で標準作業手順SOPの遵守を改めて各クラブに依頼しています。
MFLは先週8月28日と29日に開催された第5節の試合を監視していたということですが、MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは複数のクラブが新型コロナウィルス感染防止のためのSOPに従っていなかったことを指摘しています。
「マッチコミッショナーの報告によると、多くの試合でSOPに従わない規則違反が見られた。顕著だったのがクラブ関係者のマスク着用義務違反と、クラブ役員やVIPのソーシャルディスタンス違反で、この違反は頻繁に見られたようである。この状況が改善されなければ、罰金処分の導入などを検討する。このSOP遵守は今季リーグが最終節まで行われるための重要な条件であることを認識して欲しい。」とアブドル・ガニCEOは述べています。
この他、MFLはこの日、来季2021年シーズンのリーグ日程に関する予備会合を開いたことも報告し、その席にはタン・チェンホー代表監督も出席したことを明らかにしています。
(写真は来季日程会合の様子。右手前がタン代表監督-MFLの公式Facebookより)