Mリーグ1部スーパーリーグ展望Part2
昨日に続き、ニューストレイトタイムズのアジトパル・シン記者によるMリーグ1部スーパーリーグの展望に便乗し、ボラセパマレーシアJP視点の(=素人感丸出しの)コメントをつけたものをお届けします。今日は第4節終了時の5位から8位のチームについてです。
5位 サバFA(1勝2分1敗-勝点5)
<残り試合>
トレンガヌFC (A)、スランゴールFC (H)、PJシティFC (A)、クダFA (A)、マラッカ・ユナイテッドFC (H)、JDT (A)、UITM FC (H)
<シン記者評>
傑出した選手がいるわけではないサバFAは、まさに「ハードワーク」するチームで、インドネシア人のクルニアワン・ドゥイ・ユリアント監督率いるこのチームは、リーグ中断前にはパハンFAに敗れた以外は、フェルダ・ユナイテッドを破り、ペラTBGやPDRM FCと引き分けと健闘した。
リーグ再開に向けてチームは熱心に練習を行なってきたが、大半のMリーグクラブがあるマレー半島への遠征は費用が嵩むことに加え、同じボルネオ島のサラワク・ユナイテッドやクチンFAとの練習試合はサラワク州での新型コロナ感染拡大で中止となり、十分な練習試合がこなせていないのが懸念材料である。
<シン記者の今季順位予想>
7位
<ボラセパマレーシアJP的私見>
2部からの昇格組ながら、4試合を終えて5位のサバFA。既にパハンFAやペラTBGとの対戦を終えており、中断前の調子を維持できれば、1シーズンで2部へ降格の心配はなさそうです。そうなるとやはり気になるのはシン記者が指摘しているように実戦不足。再開直後はトレンガヌFC、スランゴールFCと今季上位進出を狙うチームとの対戦が続きますので、この2試合によってチームの真価を問われそうです。
6位 フェルダ・ユナイテッドFC(1勝2分1敗-勝点5)
<残り試合>
UITM FC (H)、 PDRM FC (A)、クダFA (H)、パハンFA (H)、ペラTBG(A)、トレンガヌFC (H)、スランゴールFC (A)
<シン記者評>
サポーターの数が多くないフェルダ・ユナイテッドは、スタンドに観客がいるかいないかによる違いを感じることはないだろう。多くのサポーターの声援を受けて慣れているチームとの対戦では、無観客試合がフェルダ・ユナイテッドにとって有利に働く可能性がある。
しかしそれ以上に対戦相手にとっては厄介なのは、フェルダ・ユナイテッドの本拠地の人工芝のピッチである。多くのチームはトゥン・ラザクスタジアムの人工芝のピッチでプレーすることを好ましく思っていないが、フェルダ・ユナイテッドは残り7試合の内、4試合がホームゲームであることから、昨季2019年シーズン最終節に逆転で1部残留を決めたように、リーグの上位6位以内に入って驚きをもたらす可能性がある。実際、今季第4節には、無観客試合となったJDT戦を敵地で引き分けていることからも、戦術家のニザム・ジャミル監督率いるフェルダ・ユナイテッドは今季の台風の目となる可能性がある。
<シン記者の今季順位予想>
5位
<ボラセパマレーシア的私見>
恵龍太郎選手が在籍し、Mリーグ1部で唯一、日本人選手が在籍するクラブですが、リーグ再開後の日程に恵まれている印象です。リーグ再開は下位のUITM FC、PDRM FCとの対戦で始まり、徐々に強豪との対戦へと続くスケジュールは、上位進出のためには負けられないクダFAとパハンFAが連戦でホームゲームとなるなど、フェルダ・ユナイテッドに有利なように思われます。
その一方で選手層の薄さはフェルダ・ユナイテッドの不安材料です。かつてFC岐阜でのプレー経験もあるフレデリック・ビュロが練習試合で痛めた膝が重症という噂もあり、もし再開初戦のUITM FCに出場できないようなことがあれば、いきなり苦戦を強いられる可能性もあります。
7位 スランゴールFC(1勝2分1敗-勝点5)
<残り試合>
PJシティFC (H)、サバFA (A)、マラッカ・ユナイテッド (H)、JDT (A)、UITM FC (H)、PDRM FC (A)、フェルダ・ユナイテッド (H)
<シン記者評>
リーグ中断までの4試合ではFWイフェダヨ・オルセグンとMFブレンダン・ガンの2人が5ゴールと活躍したが、リーグ再開後はケガから復帰した2018年のリーグ得点王ルフィアノ・セゴヴィアがこれに加わる。セゴヴィアは既に練習試合でも全力でプレーできることを証明しており、チームをAFC大会出場枠がかかる上位2位以内到達に貢献する準備ができている。
スランゴールFCは各ポジションで選手層が厚く、JDTに次ぐ実力があるが、中断直前にクダFAに0-2で敗れるなどの取りこぼしには要注意だが、時には感情的になりすぎるサティアナタン・バスカラン監督が冷静さを保つようなプレーをチームがすれば、JDTの対抗馬一番手になりうる。
<シン記者の今季順位予想>
2位
<ボラセパマレーシアJP的私見>
ファンクラブ会員としては、やはり優勝して欲しいですが、首位のJDTとの勝点差5は大きいです。一方で2位のペラTBGとの勝点差は3と、こちらを狙う方が現実的な目標かも知れません。いずれにしてもまずはJDTとの直接対決までの3試合で勝点9を積み上げることは必要で、ここで1試合でも引き分けるようなら、優勝に絡む機会どころか2位すら一気に遠のきます。
8位 クダFA(1勝1分2敗-勝点4)
<残り試合>
PDRM FC (A)、 PJシティFC (H)、フェルダ・ユナイテッド (A)、サバFA (H)、パハンFA (A)、マラッカ・ユナイテッド (H)、ペラTBG (A)
<シン記者評>
先週には7月分の給料が全額支払われたとされるクダFAだが、いまだに4ヶ月分以上の未払い給料があり、この問題はクダFAの選手や監督、コーチのモチベーションに大きな影響を与えている。また、このような経営状況のクラブのリーグ出場を認めたMFLの判断にも問題がありそうだ。リーグ再開後に低いモチベーションのまま選手たちがプレーをすれば、それはリーグ自体のイメージ低下につながる。昨季の得点王クパ・シャーマン率いる攻撃陣は魅力的なだけに残念な状況だ。
<シン記者の今季順位予想>
9位
<ボラセパマレーシアJP的私見>
個人的には今季、JDTの牙城を脅かす一番手と見ていたクダFA。昨季のチーム得点王フェルナンド・ロドリゲス(現JDT II)を解雇した一方で、解散したPKNS FCからクパ・シャーマンを、トレンガヌFCからチェチェ・キプレを、フェルダ・ユナイテッドから代表FWのハディン・アズマンを獲得するなど攻撃陣を大幅に補強しながら出だしでつまづいた理由は給料未払い問題だったようです。
今季はAFCチャンピオンズリーグ予選に出場するなど期待も高く、前述したように戦力的にはJDTやスランゴールFC、ペラTBGなどど優勝争いができるチームですが、策士アイディル・シャリン監督でも選手のモチベーションを上げるのは難しそうです。