6月8日のニュース(2):速報-今季のM3リーグの中止決定

速報-今季のM3リーグの中止決定
 マレーシア国内の3部リーグを運営するアマチュアフットボールリーグAFLは、新型コロナウィルスの影響により今季2020年シーズンの3部リーグM3リーグ中止の決定を公式サイトで発表しています。
 ウィラ・モハマド・ユソフ・マハディAFLチェアマンは、国内1部および2部リーグを運営し、AFLの上部組織にあたるマレーシアフットボールMFLとの理事会での席上で、マレーシア政府保健省と国家安全保障委員会がも受ける標準作業手順SOPに従った場合の関係者の安全と健康への配慮、そしてM3リーグに参加するアマチュアクラブの経済的影響を理由に中止が決定されたことを明らかにしています。
 具体的にはマレーシア政府がサッカーに求めるSOPでは無観客試合が含まれていますが、スタジアムではないフィールドで試合が行われることが多いM3リーグでは、無観客試合の要件を満たすことができないことに加えて、SOPで求められる感染予防の仕組みや体温測定など実際に試合を行う際にも、ホームチームの経済負担が増すことが理由としています。
 なお、今季のM3リーグは3月18日の活動制限令MCOにより中断し、各クラブとも16試合が残っていますが、Mリーグ1部および2部は9月のリーグ再開を目指しているのに対し、ウィラ・ユソフAFLチェアマンは、M3リーグは9月に再開できたとしても、アマチュアクラブの選手は大半が公務員や社会人であり、勤務の都合上、M3リーグの平日開催が難しいことから、全ての残り試合を年内に終えることが不可能であること、またMCOにより契約を履行できなくなったスポンサーや広告主により収入源に苦しむクラブもあるとして、今季のM3リーグの中止に理解を求めています。
 来季2021年シーズンについては、M3リーグ再開に向けての仕組みづくりに取り組んでおり、各クラブからのフィードバックも求めているとしています。
 またウィラ・ユソフAFLチェアマンは、M3リーグ中止による各クラブが契約内容の見直しや契約解除を行う場合については、選手や監督、コーチとの合意に基づいて行われることを求めています。
(下はMFLの公式サイトに掲載されたM3リーグ中止の告知)

6月8日のニュース:クダFA監督は給料未払い選手のモチベーション低下を憂慮、代表復帰を目指すアペックは時間との勝負に挑戦、パハン監督は来季のフットサルリーグの早期開幕を希望

クダFA監督は給料未払い選手のモチベーション低下を懸念
 昨日のマレーシア政府は、サッカーなど接触プレーのあるスポーツの禁止は8月31日まで継続されることを発表し、Mリーグの8月中の再開の可能性が限りなく低くなりましたが、例えMリーグが再開となった場合でも、クダFAのアイディル・シャリン・サハック監督は給料未払い問題が解決していない選手のモチベーション低下を懸念していると英字紙ニュースとレイトタイムズ電子版に語っています。
 一説には総額200万リンギ(およそ5140万円)とされる、クダFAを運営するクダ州サッカー協会KFAによる給料未払い問題について、アイディル監督はクダ州のサヌシ・モハマド・ノー新州首相が解決してくれることを期待しているとしつつも、「選手のモチベーション低下を防ぐためにも、KFAには直ちに問題を解決して欲しい。もし未払い給料問題の解決が遅れるようであれば、たとえシーズンが再開しても、自分だけでは選手のモチベーションを引き出すことは難しいだろう」と話しています。
 現在は自宅のあるシンガポールに戻っているアイディル監督は、チームに合流するため、既にシンガポールのマレーシア大使館に入国許可を申請中ということです

代表復帰を目指すアペックは時間との勝負に挑む
 Mリーグ1部のマラッカ・ユナイテッドのアペックことGKカイルル・ファミ・チェ・マットは2010年の東南アジアサッカー連盟AFF選手権に優勝し、一気にスターの仲間入りをした選手ですが、タン・チェンホー監督が2017年末に代表監督に就任してからは、出場機会が減少し続け、現在中断中のFIFAワールドカップ2022年大会予選では代表入りしていません。そんなカイルル選手は再び代表入りを目指しているものの、新型コロナウィルスの影響により時間との戦いであると、ニューストレイトタイムズ電子版が伝えています。
 代表に復帰するにはタン監督の目に留まることが必要ですが、現在中断中のMリーグは新型コロナウィルスの影響で日程短縮を余儀なくされ、今季は1回戦総当たり形式になることが発表されています。12クラブで構成されるMリーグ1部と2部はいずれも既に第4節まで終了しており、今季の残り試合は各クラブとも7試合です。
 「2020年の自分の目標は代表復帰だが、今季開幕から4試合全てに先発して、その気持ちがさらに強くなった。しかし新型コロナウィルスの影響で3ヶ月間、試合から遠ざかり、Mリーグの残り7試合で自分の評価を上げていくしかない。最終的にはタン監督が決めることではあるが、自分はできる限りの努力をするつもりだ。」とカイルル選手は話しています。
 ただしカイルル選手が所属するマラッカ・ユナイテッドは、選手への給料未払いによりMFLによって勝点3を剥奪されており、降格権の10位に低迷しています。
 これについてカイルル選手は「未払い給料については、1月から3月分までを受け取っており、4月と5月分の支払いを待っているところである。給料削減についての話し合いも進行中だが、試合に出場するとなれば、自分は全力でプレーする。」と話しています。
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 最後に代表でプレーしたのは昨年2019年3月の国内招待大会エアマリンカップでしたが、31歳と老け込むにはまだ早いカイルル選手。闘志を全面に出してチームを鼓舞するタイプのGKは、若い選手が多い今の代表には貴重な存在だと思います。個人的にも好きな選手なので、代表復帰に向けて頑張って欲しいです。

監督は来季のフットサルリーグの早期開幕を希望
 当初はMリーグとともに9月1日の再会が予定されながら、急転直下で今季の中止が決定したマレーシアプレミアフットサルリーグMPFLに所属するパハンレンジャーズFCのジェラール・カサス監督は、マレーシアサッカー協会FAMに対してより早い時期の開幕を期待したいと述べています。
 パハンレンジャーズFCのFacebookへの投稿の中で、自宅にあるスペインに帰国中のカサス監督は、マレーシア政府による新型コロナウィルスに対する対応を評価しながらも、今季2020年シーズンは強いチームを準備して臨んだ分、リーグ中止にがっかりしていると述べています。
 カサス監督は「初戦(対サラワク戦)は無観客試合で行われながら、9-1と圧勝した際に選手たちが見せた意気込みを思い出すと、リーグ中止には失望している。安全が第一なのでFAMの判断は正しいと思うが、今後、新型コロナウィルスの状況が改善することがあれば来季2021年シーズンは、早めに開幕して欲しい。」と述べ、さらに「国内にはフットサルのレベル向上を目指すクラブがあり、パハンレンジャーズFCはその一つである。FAMにはそういったクラブの努力を理解して欲しい」とも綴っています。