クダFA選手への給料未払いは混乱する州政府が原因
スポーツ専門サイトのスタジアムアストロは、Mリーグ1部のクダFAで起こっている給料未払い問題は、クダ州政府内の権力闘争によってさらに複雑化していると報じています。
以前の報道では、クダFAの選手は30%しか支払われていない2月の給料の残りを先週末に、全く支払われていない3月と4月の給料をイスラム教の断食明けの祝日ハリラヤ前に支払うと約束されていましたが、クダ州議会で起こっている権力闘争によって、その約束が守られておらず、本来ならば1年で最も賑やかに祝われるハリラヤが、今年はそうならないだろうとスタジアムアストロが報じています。
ことの発端は今年2月にマレーシアで起こった政変による与党連合の再編でした。これにより旧与党連合が政権を握っていた多くの州政府では州首相の交代が起こっています。日本でも有名なマハティール・モハマド前首相の三男、ムクリズ・マハティール氏が州首相を務めるクダ州でも与党連合から複数の議員が離党したことで、与党勢が過半数を割り込み、これまで議会工作などによって政権にしがみついていたムクリズ氏の失脚、そして政権交代が今週中にも起こるだろうと言われています。
そして州政府が最大のスポンサーであり、州首相が会長を兼任するクダ州サッカー協会KFAは。ここ数ヶ月続いているこの政治的混乱の影響を受けているとされています。
現在は自宅のあるシンガポールに帰国しているアイディル・シャリン監督は「この給料未払いにより選手のモラルが低下しているのではないかと心配している。政権を担当するのが誰であれ、クラブの福利を考えてくれる人物を支持したい。」と話し、PKNS FCから今期、クダFAに加入したクパ・シャーマンは「この3ヶ月間は非常に苦しかった。クラブの全員が状況を理解してはいるものの、我々にも家族があり給料が必要だ。この状況を改善するために誰かが何かをしてくれるのを祈りながら待つしかできない。」と話しています。
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同じような状況はマラッカ州でも起きており、マラッカ・ユナイテッドで起こっている給料未払い問題も、州首相の就任による政権交代が原因にあるのは明らかです。旧与党連合が政権を握っていたのはこの他にスランゴール州、ヌグリスンビラン州などがあり、こういった州のサッカー協会が運営するクラブでも、今後同様の問題が発生する可能性はあります。
タイリーグの代表コンビも給料削減に同意
スポーツ専門サイトのスタジアムアストロは、タイ1部リーグでプレーするマレーシア代表のドミニク・タンとノーシャルル・イドラン・タラハがいずれも所属するクラブからの給料削減に応じたと報じています。
ポリス・テロFCでプレーするタン選手は「新型コロナウィルスによって世界中で引き起こされていることを理解し、タイサッカー協会FATによって発表された50%の給料削減を受け入れた」と話しています。
またBGパトゥム・ユナイテッドでプレーするノーシャルル選手は先月から、給料が30%削減されていることを明かしています。さらに「クラブと自分との間で、3ヶ月間は給料を30%削減することで同意している。また、クラブがトップ3でリーグを終了すれば、削減された分の給料も支払われることになっている。」とも話しています。
タン選手とノーシャルル選手は、リーグが再開した時点で契約通りの給料を受け取ることになっていることもスタジアムアストロは報じています。
トレンガヌFCがこのタイミングで?限定版ユニフォーム発表
Mリーグ1部のトレンガヌFCは公式Facebook上で、新しいユニフォームの販売を告知しています。今季のトレンガヌFCのユニフォームサプライヤーのAl-Ikhsan Sports社製で1000着限定で発売されるこのユニフォームはblackout版と名づけられ、クラブのロゴも含めて全てが鉱物のオニキスに因んだ黒色のユニフォームで、速乾性のスマートドライという生地が使われています。
本日5月16日より販売となり、価格は149リンギ(およそ3670円)でトレンガヌ州のスポーツショップのほか、クアラルンプール市内でも販売されることになっています。
写真はトレンガヌFCの公式サイトより。鈴木ブルーノ選手とリータック選手がモデルになっています。
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Blackoutとは停電ですが、漆黒の闇くらい黒いということでしょうか…。
一方スランゴールFCはチャリティーTシャツを発表
一方スランゴールFCは公式Facebook上で、Never give upの文字と、スランゴールFCの選手の顔がデザインされたTシャツの販売を発表しています。
値段は35リンギで(およそ860円)で、このTシャツの売り上げの一部は、新型コロナウィルスの影響を受けている方々への支援に使われるということです。