ケランタンFAにリーグ除名の危機
マレー語紙ハリアンメトロ電子版は、国際サッカー連盟FIFAはMリーグ2部プレミアリーグのケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会KAFAに対し、2018年シーズンに同クラブに加入し2019年シーズン途中に移籍した外国籍選手のDFカッシオ・フランシスコ・デ・ジーザス(現在はインドネシア1部リーグのバリトプテラに在籍)に対する未払い給料14万5944米ドル60セント(およそ1550万円)を30日以内に支払うことを命じたと報じています。
4月23日付で発表されたこの決定により、もし期限内にKAFAが支払いを行われなければ、FIFAの懲罰委員会からの処分を受け、KAFAはマレーシア国内であらゆるレベルでのサッカー活動への参加が禁じられることになります。
新型コロナウィルス感染拡大によりリーグが中断していることよって入場料収入が途絶え、マレーシア人選手への未払い給料も数千米ドルあると言われているKAFAにとっては、最悪の場合、リーグ再開を待たずにMリーグから除名となる可能性もあります。
またFIFAは今年2回目と来年1回目の2回のトランスファーウィンドウ移籍期間中にケランタンFAが新たな選手を獲得することを禁じています。この措置はマレーシア人選手と外国籍選手の両方に適用され、現在、所属する選手との契約を解除しながら、新たな選手を獲得して同様の「違反」行為が行われることをFIFAが未然に防ぐための措置だとハリアンメトロは説明しています。
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KAFAについては、昨日ちょうどこのブログでも、Mリーグが9月に再開となった場合には協会やクラブを支えるスポンサーの功績に報いるために、試合を中継することを望んでいるという記事を取り上げましたが、そうしないとスポンサーや広告主は約束していたスポンサー代や広告費を支払わない可能性もあることからの提言だったのだろうと思います。
昨年2019年にはプルリス州サッカー協会PFAがやはり外国籍選手への給料未払いにより、FIFAから未払い給料を支払うまで、あらゆるサッカー活動の禁止を命じられ、その結果、PFAが運営していたプルリスFAは昨季途中でMリーグ2部プレミアリーグから除名されています。
PJシティFCは未払い給料問題なし
上記のケランタンFAの様にMリーグの各クラブが経営に苦しむ中、PJシティFCには未払い給料問題がないと、マレー語紙ブリタハリアンが報じています。
PJシティFCのチームマネージャーであるK・ラジェンドラン氏によると、選手およびスタッフはこれまでの給料を遅延なく支払われていると話す一方で、選手およびスタッフに対する給料削減の内容については詳細を明かしていないということです。
「削減額はクラブが選手およびスタッフとの間で合意されたものであり、強制したものではない。選手は新型コロナウィルスによってもたらされた現状を十分理解しており、今回の給料削減は、クラブと選手が妥協したものである。今後はマレーシアサッカー協会FAMによる給料削減に関する指針を考慮する。」「選手およびスタッフの給料削減を行うことで、最も重要な『遅配なく給料が支払われている』を強調したい。」と述べています。
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PJシティFCは、州政府や政府機関から資金援助を受けていないMリーグのクラブのうちの一つで、Mリーグ1部と2部をあわせても、この他にはMリーグ1部のジョホール・ダルル・タジムJDTとMリーグ2部のサラワク・ユナイテッドしかありません。州政府や政府機関が新型コロナウィルス対策で予想外の支出を強いられ、そのしわ寄せが各クラブの運営費用に影響を及ぼし、給料の遅配や未払いにつながっている中、「民営化」されているクラブにも影響がないわけではないでしょうが、選手およびスタッフが不安になる様な事態にはなっていない様です。
クダFAのサポーターグループが州FAに給料未払い問題の早期解決を要望
クダFAのサポーターグループの代表が、クダFAを運営するクダ州サッカー協会KFAに対して、2ヶ月分の給料未払い問題の早期解決を求めていると、マレー語紙ブリタハリアンが報じています。
クダFAのサポーターグループ25団体を束ねる「赤鷲連合(クダFAのニックネームはHelang Merah赤鷲です)」を代表するモハマド・サファリザル・モハマド・ソブリ氏は、2月と3月の給料を支払っていないとされるKFAが選手およびスタッフの福利に責任を負わない姿勢に失望していると話しています。
「KFAのアスミルル・アヌアル・アリス名誉事務局長は、未払い給料問題に直ちに対応するとメディアに発表しておきながら、状況は改善どころかさらに悪化している。クダFAサポーターグループは、この事態がこれ以上悪化しないためにも直ちに未払い給料を支払い、クラブのイメージをこれ以上悪くしないでもらいたい。」
「もし、スポンサーからの支援や広告収入が滞っているのであれば。スポンサーとお交渉を続けつつも、直ちに状況を選手およびスタッフに説明し、理解を求める努力をすべきである。」とサファリザル氏は述べています。
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別のメディアでは、クダFAの選手およびスタッフには2月分の給料は30%のみが支払われ、3月分については全くの未払いと報じられています。
またこの状況については、マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長も、クダ州サッカー協会KFAが選手およびスタッフの給料削減をFAMが作成した指針に基づいて行うことを望むのであれば、まずは遅配となっている2月と3月の未払い給料を支払うか、選手との間で遅配分を分割で支払うことの合意を得るかが必要であると述べています。