5月6日のニュース:ハディ選手とヤクルトが小児がん基金に寄付、そのハディ選手は今年に期待

ハディ選手とヤクルトが小児がん基金に寄付
 U23代表のストライカーで、現在はJ2のファジアーノ岡山に所属するハディ・ファイアッドはヤクルト・マレーシア社と共同で、6万リンギを(およぞ149万円)をマレーシア国立大学UKM医療センターの小児がん患者基金に寄付を行ったと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 UKM医療センターで治療を受けている小児がん患者を支援するグループCakneを通じて行われた今回の寄付活動についてハディ選手は、新型コロナウィルスが拡大する中、この寄付によって患者の負担が軽減されることを望んでいると話しています。
 またヤクルト・マレーシア社の濱田浩志代表取締役社長は、今回の寄付活動は同社の社会的責任CSR活動の一環として行われ、ハディ選手が入院中の子供たちを励ませるよう、交流イベントを年末に企画していると話しています。
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 濱田氏の話によれば、この寄付活動はハディ選手からの話がきっかけで始まったということですが、20歳という年齢を感じさせない社会性の高さは見習うべきものがあります。マレーシアという安全な土地を飛び出し、慣れない環境の国外でプレーしていることで得た経験によるものかも知れません。

ハディ選手は今年に期待
 そんなハディ選手を、ちょうどGoal. comマレーシア版が特集記事で取り上げていましたので、その記事を紹介します。
 Mリーグでプレーする選手の多くが国外でのプレーを夢見ている一方で、実際に国外へ出ていく選手はほとんどいません。その理由は様々ですが、国外への移籍は一か八かの挑戦となると考えられているようです。
 そんな中、ハディ・ファイヤッド選手がジョホール・ダルル・タジムJDTからJ2のファジアーノ岡山に移籍してから1年以上が経ちましたが、Aチームでの出場機会もなく、ここまでの道のりは決して楽なものではないようだ、とGoal. comが紹介しています。
 かつてマラッカ州にあった国内有数のユースチームFrenz Unitedのアカデミー出身のハディ選手がJDTと契約したのは2016年でした。JDTのBチームJDT IIでは期待通りのプレーを披露し、Aチームとの練習機会をしばしば与えられただけでなく、2017年には17歳ながらMリーグ1部の試合に出場するなど将来が嘱望されていました。
 しかし海外移籍を求めたハディ選手はJDTを退団、ヤクルト・マレーシア社の支援もあり、2度のトライアルを経てファジアーノ岡山との契約を勝ち取りました。
 契約後には「ファジアーノ岡山の期待に応えて、できるだけ早くAチームでポジションを勝ち取りたい」と話したハディ選手ですが、昨季2019年シーズンはAチームでの出場機会はなく、昨年3月に招集されたU23代表でも、チームが出場したアジアサッカー連盟AFC U23選手権予選でも精彩を欠くプレーが見られ、ホーム開催ながら予選敗退し、本戦への出場を逃しています。
 さらに昨年11月末から12月始めにかけてフィリピンで開催された東南アジア競技大会でもやはりU23代表に招集されながら、チームは予選グループで敗退し、Goal. comのはハディ選手のプレーはAFC U23選手権予選よりさらに悪化しているという評価でした。
 それでもファジアーノ岡山とさらに1年の契約延長を勝ち取ったハディ選手に対してGoal. comは、ここからの1年間は昨年のように無駄にしないようにしてほしいと記事を結んでいます。
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 昨年3月のAFC U23選手権予選は私も観戦しましたが、ワントップとして起用されたハディ選手は、186cmの長身を生かすこともできず、明らかに期待を下回るパフォーマンスが多く見られました。それでもまだ20歳ながら、居心地の良いマレーシアをあえて離れてプレーしようという志は、いわば温室育ちのマレーシア選手とは一線を画しています。特に現在は異国で新型コロナウィルスによる自粛を経験するなど、メンタルは強くなっているはずである一方で、上で取り上げた記事のような他者への思いやりも忘れないハディ選手に今後の活躍を期待しています。。