4月1日のニュース:マンUがマレーシアを含むアジアツアーの中止を決定、UKM FCは最大20パーセントの給料削減で選手と同意と発表、一方UKM FCの選手が削減額で未だ合意せずと反論

マンUがマレーシアを含むアジアツアーの中止を決定
 英国プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(マンU)は、今夏に予定された、マレーシアを含むアジアツアーを中止にしたことを英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が伝えています。
 マンUは7月29日にブキジャリル国立競技場で、マレーシアフットボールリーグMFLのオールスターズと親善試合を行う予定になっていましたが、7月23日に予定されていたインドのコルカッタでイーストベンガルFC戦、7月26日に予定されていたジャカルタでの試合を合わせ全ての試合を中止することを決定し、その理由としてアジアでの新型コロナウィルス感染拡大と、延期されている国内リーグがこの時期に再開されている可能性を挙げています。
 このアジアツアーについて、英国の新聞ミラー電子版では、特に今回のアジアツアーにはクラブ初となるインドでの試合が組まれており、主力選手が出場する際には1試合あたり400万ポンド(5億3700万円)ともされる出場料が入ることから、このアジアツアー3試合の中止によって、出場料その他で総額で1600万ポンド(21億5000万円)の収入を失うことになるだろうと報じています。

UKM FCは最大20パーセントの給料削減で選手と同意と発表
 マレーシアフットボールリーグMFL1部のジョホール・ダルル・タジムJDTの選手、コーチ、スタッフが給料の33パーセントの削減に応じた話は昨日このブログで取り上げましたが、MFL2部のUKM FCの選手たちも給料削減に応じたことが英字紙ニューストレイトタイムズで報じられています。MFL2部のクラブで給料削減を公式に発表したのはこのUKM FCが初めてです。
 MFLは3月18日より中断中で、既に4月2日から4日にかけて予定されていた第5節と4月10日から12日にかけて予定されていた第6節の試合が全て延期になっています。
 UKM FCでは、選手の給料の額に合わせて15パーセントから20パーセントが減額されているようですが、選手の大半がマレーシア国立大学UKMの大学生で、給料はマレーシア人選手が3000リンギ(およそ7万4000円)から5000リンギ(およそ12万3000円)、外国籍選手でも3000米ドル(およそ32万円)とリーグでは最も少ない予算で運営されているクラブが給料削減を行ったことについては、ニューストレイトタイムズでは驚きであるとしています。
 UKM FCは今季開幕前に運営母体であるマレーシア国立大学UKMより予算を削減されたものの、新たに獲得したスポンサーなどにより、今季の運営資金はおよそ400万リンギ(およそ9850万円)とされています。
 UKM FCのファイルス・シャフィ事務局長は、活動制限令MCOの影響を受けたスポンサーからの支援が滞っていることを認めた上で、3月の給料については全額が支払われたものの、4月の給料については選手と合意の上、削減に踏み切ったと話しています。またこの措置はMCO発令期間中の一時的な措置であることを強調しています。
 主将を務めるアスナン・アーマドは給料削減は必要なものであるとする一方で、選手とフロントの間で定期的に話し合いを続けて、両者が妥協できる点を探っていくとしています。

一方UKM FCの選手が削減額で未だ合意せずと反論
 上のような記事が出た一方で、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロでは、話し合いは進行中であるものの、削減額については合意に至っていないというUKM FCの選手の声を紹介しています。
 ニューストレイトタイムズ電子版の記事にも登場する主将のアスナン・アーマドは、フロントによる4月からの給料削減は一方的であり、選手側とクラブは削減額については合意ができていないと述べています。アスナン選手は、フロントが話し合いに応じる姿勢を見せており、給料削減は受け入れるとしてもその額については今後も話し合いを続けていくとしています。
 一方、UKM FCのファイルス・シャフィ事務局長は給料削減については既に選手に伝えられており、選手も3月16日の第4節以降は試合ができていない現状を理解しているとした上で、最大でも削減幅は20パーセントであると強調しています。その上で、もし選手側の要求が5パーセント程度の削減であれば、今後も話し合いを続けていく必要があることを認めています。
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 こうなるとどこを落とし所にするか、という話し合いになりますが、ちなみにマレーシア政府の人的資源省は、国内の企業経営者に対して“dos and don’ts「してよいこととしてはいけないこと」”問答集を発表しており、この中では「経営者は14日間延長された活動制限令下でも、給料を払わなければならない」としています。