12月18日のニュース:JDTオーナーが大物外国籍選手獲得を示唆、サファウィ・ラシドにJクラブが興味、アキヤ・ラシドの私生活を案じる声

JDTオーナーが大物外国籍選手獲得を示唆
 今季2019年マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグ6連覇を果たしたジョホール・ダルル・タジムJDTのオーナーであるジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下が12月20日に重大発表があると述べたことで、JDTが大物外国籍選手を獲得するのでは、という噂になっています。
(以下、JDTのFacebookより、なおhrhとはHis Royal Highness「殿下」です」。)

 そしてその候補となっているのは、以前このブログでも取り上げたベルギー出身で各年代でもベルギー代表候補経験のある、ベルギーリーグ1部クラブ・ブルッヘ所属のDFディオン・ヨハン・コールズ(23)です。
 今季に続き、来季2020年もAFCチャンピオンズリーグACLの本選から出場するJDTは、今季ACLでの勝点4以上の成績を目指すための補強と思われます。
 ただし今季のJDTはDFハリス・ハルン(シンガポール)、MFゴンザロ・カブレラ、MFレアンドロ・ベラスケス(いずれもアルゼンチン)、FWジオゴ・ルイ・サント、DFマウリシオ・ドス・サントス・ナシメント(いずれもブラジル)と5名の外国籍選手枠が埋まっているため、コールズ選手の加入となると、この中から誰かが退団することになる可能性があります。
 ただし、コールズ選手は母親がマレーシア人で、サラワク州クチン生まれということもあり、開幕前にマレーシア人選手としての登録が完了すれば、MFLではマレーシア人枠での出場が可能です。ただし、その場合、マレーシアは二重国籍を認めていませんので、ベルギーの国籍を放棄する必要があります。

サファウィ・ラシドにJクラブが興味
 またJDTオーナーのトゥンク・イスマイル殿下はメディアとの懇談で、今季MFL最優秀選手となったサファウィ・ラシドについて、複数のJリーグクラブやスイスリーグ1部のクラブから照会が来ていると述べています。
 現在、マレーシア国内では最高の選手とも言えるサファウィ・ラシドに興味を示しているクラブとして具体的にFCチューリヒの名前を挙げていますが、他のスイスのクラブや、やはり具体的に名前を挙げなかったもののJリーグのクラブからも、英語はborrowという表現になっているので期限付き移籍の照会が来ているようです。
また同じJDTのアキヤ・ラシドにも同様の問い合わせがきているとも、イスマイル殿下は述べています。
 またイスマイル殿下は、サファウィ選手とは具体的な話は何もしておらず、まずは選手が国外への移籍に前向きかどうかを話し合いたいとも述べいます。
******
 日本関連で言えば、J2ファジアーノ岡山に所属する19歳のハディ・ファイアッドは、今季2019年は4月29日10月14日育成マッチデーの2試合に出場しただけでしたが、スポンサーとなっているヤクルト・マレーシアのおかげで、来季の残留が決まったようです。しかしサファウィ選手の実力ならスポンサーなしでもJリーグのクラブは獲得に手を挙げるでしょう。国外移籍が実現するかどうかは、マレーシアではすでにスーパースターのサファウィ選手が、給料が下がっても国外でやりたいと思うのかどうかにかかっていると思います。

アキヤ・ラシドの私生活を案じる声
 マレー語サッカー専門サイトのラ・ボラ・マレーシアは、かつてクダFAやヌグリ・スンビランFAで監督を務めたアザアリ・コー・アブドラ氏がジョホール・ダルル・タジムJDTに所属する20歳のアキヤ・ラシドの将来を心配する声を挙げていることを報じています。
 今月初旬にU22代表のメンバーとして出場した東南アジア競技大会シーゲームズでも個人技に走りすぎて、チームに貢献していないという批判を浴びたアキヤ選手ですが、アザアリ氏はこのままではアキヤ選手が持っている才能をダメにしてしまうと心配しています。「アキヤ選手は才能があることから、最高の環境であるJDTでプレーする機会を得ているが、彼はその恵まれた機会を無駄にしている。さらには人間的に未熟で、プロサッカー選手としての自覚にも欠けている」と述べています。その上で、家族や友人がアキヤ選手を正しく導くことが必要だとしています。チーム内の競争も激しいJDTで今のような姿勢でプレーを続ければ、ポジションを失うどころか、退団の危機もあり、そうなればサッカー選手としての彼の人生にも影響が出るだろうと危惧しています。
 なおJDTのオーナーであるトゥンク・イスマイル殿下も今季中、クラブ規範を守らなかったこと、そしてクラブのイメージを損なう行為を行ったことで、アキヤ選手に対して何度か罰金を課したことを明らかにしています。
******
 今回このような記事が出た背景には、ソーシャルメディア上に広まった一枚の写真があります。お騒がせ系女優で歌手のエイカ・ファルハナと親しげな様子で撮られた写真は、シーゲームズで期待を裏切る惨敗の直後だったこともあり、期待以下のパフォーマンスに落胆してイアサッカーファンの怒りを買い、あっという間に炎上しました。しかもその写真にはU19代表から飛び級で昇格し、来季はベルギー1部でプレーする予定の17歳ルクマン・ハキムも一緒に写っていたことから、将来有望なルクマン選手にアキヤ選手の「悪影響」が伝わるのではないかと心配するファンがさらに炎上させる状況になってしまいました。
 プロのサッカー選手が休暇を過ごすことも、女優と浮名を流すことも(イスラム教国なので婚前交渉厳禁ですが)何も問題はないですが、時期が悪かったことと、アキヤ選手がファンの期待通りのプレーをできていないことでこんな騒ぎになったと言えるでしょう。