11月25日のニュース:クチンFAがMFL2部昇格、シーゲームズ前日会見で各コーチから不満続出、アムリ・ヤハヤ退団は監督との確執が原因

クチンFAがMFL2部昇格
 マレーシアフットボールリーグMFL2部11位のサラワクFAとMFL3部にあたるM3リーグ2位のクチンFAとの間で来季2部の座をかけて争われたプレーオフが、サラワクFAとクチンFAがともにホームとするサラワクスタジアムでおよそ5000人の観衆を集めて行われ、クチンFAがサラワクFAを3ー1で破り、MFL2部昇格を決めています。
 マレーシアの通信社ベルナマによると、サラワク州の州都クチンを本拠とするクチンFAがサラワク州サッカー協会が統括するサラワクFAを相手に、8分にはサハラン・アブドル・サマドのヘディングで先制します。52分にはサラワクFAのブラジル出身FWハドソン・ディアスのゴールで同点としますが、77分にはモハマド・ザイヌディン・ボハリ、85分には代表経験もあるジョセフ・カラン・ティがそれぞれゴールを挙げ、クチンFAがサラワクFAを突き放し、そのまま勝利しています。
 クチンFAには鈴木裕太選手が在籍しており、この試合でもスタメンでフル出場しています。

シーゲームズ前日会見で各コーチから不満続出
 本日11月25日に開幕する東南アジア競技大会通称シーゲームズの男子サッカーは、各チームのコーチによる前日会見が行われましたが、試合開始前から様々な問題が起こっているとベルナマが伝えています。
 この日の前日会見では、フル代表でも監督を務めるベトナムU22代表のパク・ハンソ監督は、会見が予定されていた時間通りに始まらないことで不快感を表していましたが、その原因はやはりフル代表とU22代表の両方で監督を務めるタイの西野朗監督の遅刻にありました。予選グループBの6チームの中で最後に登場した西野監督は、4分ほどの遅刻を詫びながらも主催者から伝えられていた会見の時間が違っており、チームと行動していたための遅刻であると平然としていたとベルナマは伝えています。
 この二人はおよそ1週間前にFIFAワールドカップ予選で対戦し、0ー0で引き分けたばかり。しかも試合後には西野監督がベトナムの選手を「アンプロフェッショナル」と非難した一方で、ベトナムサッカー協会はタイ代表のササ・ヴェスナ・トディックアシスタントコーチがパク監督の体躯について「アンプロフェッショナル」なジェスチャーをしたことでAFCに提訴しています。(なおgoal. comでは、この席上で西野監督がパク監督にササ・トディックコーチの非礼を謝罪したともほうどうされています)。会見ではこの二人の間にインドネシアU22代表のインドラ・シャフリ監督が座っていたことで二人が直接、接触することはなかったということです。
 また、西野監督はシーゲームズ主催者に対して練習会場まで移動に2時間かかったこと、実際の試合会場は人工芝にもかかわらず用意された練習場は天然芝だったこと、また宿舎で出されている食事にも注文をつけたようです。
 今回のシーゲームズでは、マニラ入りした東ティモール代表やカンボジア代表が空港で8時間以上も待たされる、宿泊先でないホテルへ連れて行かれるなど、ロジスティック面での問題がすでに起こっており、ミャンマーやタイなども主催者側に不満を述べる事態となっています。

アムリ・ヤハヤ退団は監督との確執が原因
 スランゴールFAを退団するアムリ・ヤハヤは、バースカラン・サティアナタン監督の確執が原因で退団するようだとスポーツ専門サイトのスタジアムアストロが伝えています。
 スタジアムアストロとのインタビューでは、サティアナタン監督の選手起用方が原因での退団と明言した上で、アムリ選手は来季の所属先を明らかにしなかったものの、スランゴールFAでは来季、自分がプレーするチームに勝つことはできないだろうと挑発的なコメントを残しています。
 アムリ選手の退団については、サティアナタン監督は自らの関与を否定し、アムリ選手自身意思によるものとしていますが、アムリ選手がより多くの出場機会を望む一方、サティアナタン監督は来季はアムリ選手をスランゴールFAのBチームでの起用を示唆するなど亀裂が深まっていました。
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 サティアナタン監督はこの報道の後、アムリ選手がマレーシアカップ準決勝のJDT戦での交代後、試合終了前に帰宅し、試合後のミーティングに参加しなかった件などを挙げ、チームの規律を乱す選手であることも暗示し、本人が残りたくないのであれば慰留はしないと話するなど、来季に向けて遺恨が残る事態になっています。
 マレーシアのスポーツ界では、今回のアムリ選手の様に自分が監督、コーチよりも上にいるかのような発言、行動をする選手の話を聞くことは少なくありません。実際にスーパースターであったり、フロントの子飼いの選手であったりと理由は様々ですが、今回アムリ選手が相手にしたのは絶対に選手を甘やかさないことで定評があるサティアナタン監督でしたので、いわゆる意地の張り合いの結果、当然ながら監督が一選手に勝利したという図式かと思われます。