9月26日のニュース:MFLは11月をめどに未払い助成金支給、来季の助成金は減額の可能性も、香港での国際親善試合は中止に、ペナンFAのFIFA提訴をCASが仲裁へ

MFLは11月をめどに未払い助成金を支給
 マレーシアの通信社ベルナマによるニュースポータルサイトによると、マレーシアフットボールリーグMFLのダト・モハマド・ユソフ・マハディ役員は、MFLから所属各クラブへ支払う予定の助成金の未払い分について、11月末までには全額払えるだろうと発言しています。
 MFL1部スーパーリーグ所属クラブには300万リンギ(約7700万円)、2部プレミアリーグ所属クラブには100万リンギ(約2600万円)の助成金が支給されることになっていますが、ここまで各クラブに対してはその半額しか支給されていません。7月半ばに支給された際には、残りの助成金は8月末までに支給することを約束していましたが、実現していませんでした。
 今年1月にマレーシア最大の電気通信会社テレコム・マレーシア社がリーグ戦とマレーシアカップ の冠スポンサーとしてMFLと結んでいた8年間で4億8000万リンギ(約123億円)の大型契約を破棄したことから、MFLの財政が厳しくなっていることはこれまでも報じられていましたが、その影響はまだ続いているようです。
 約束された助成金を期限までに支給できないリーグと、選手に対して未払い給料を抱えるクラブ。しかも両者ともその遅れに対して正当な理由があるかのように振る舞っています。ここにマレーシアサッカーの根本的な問題があるのかもしれません。

来季の助成金は減額の可能性も
 上の記事に関連する内容で、MFLのダト・モハマド・ユソフ・マハディ役員は通信社ベルナマの取材に対して、MFL所属クラブへの助成金は、来季以降はスポンサー次第では減額の可能性があると述べています。
 今季はMFL1部クラブへは300万リンギ(約7700万円)、2部プレミアリーグ所属クラブには100万リンギ(約2600万円)が四球さることになっていますが、マレーシアサッカー協会FAM副会長でもあるマハディ役員は、今季の支給額は以前のスポンサー(テレコム・マレーシアを指すと思われます。-筆者注)から受け取るはずであった金額をもとに算定したものだとしています。
 新たなスポンサー探しが難航しているとした上でマハディ役員は、スポンサーから得られる支援に基づいた助成金額を設定する必要があるため、来季以降の助成金については、今年と同額とはならない可能性に言及しています。

香港での国際親善試合は延期に
 マレーシアサッカー協会FAMのFacebookでは、10月15日に予定されていた香港代表との国際親善試合の延期を発表しています。なお、新たな試合予定については発表されていません。
 Facebookでの告知では、香港サッカー協会HKFAに対して、社会不安が顕著な現状では、選手たちの安全上の問題から現在の香港での試合は不可能とし、状況が回復した後の試合を提案したようです。またFAMはHKFAに対して、10月15日の試合をブキ・ジャリル国立競技場で行うことも提案したようですが、これに対してはHKFAより同意が得られなかったとしています。(下は香港代表戦が延期になったことの告知。FAMのFacebookより)

ペナンFAのFIFA提訴をCASが仲裁へ
 国際サッカー連盟FIFAはMFL2部のペナンFAに対して、在籍した外国籍選手への給料支払い遅れから、勝点剥奪の処分をマレーシアサッカー協会FAMに通達しまた。その結果、ペナンFAは来季の1部昇格権を手にしながら、剥奪された勝点によってリーグでの順位が下がり、自動昇格の資格を失っています。
 実際にはペナンFAは、給料未払いをFIFAに訴えていたブラジル出身のレイナルド・ロボに対して、FIFAが規定した30日間の期限を過ぎてはいたものの、未払い給料を全額支払っています。しかしFIFAは勝点剥奪を当初の決定を変えず、勝点剥奪をFAMに命じました。そしてこれを不服としたペナンFAは、スイスのローザンヌにあるスポーツ仲裁裁判所CASに仲裁を求めていました。
 英字紙ニューストレイトタイムズの電子版では、ペナンFAのアマル・プリトパル・アブドラ会長の話として、CASはペナンFAの提訴に基づき仲裁を行うことを決定し、既にペナンFAの聴聞は終了していると述べています。今後、CASはFIFAの聴聞を行い、近いうちに判断が下されるだろうとも述べています。
 ペナンFAはすでに弁護士費用として2万スイスフラン(約220万円)を支払っており、提訴が受け入れられたことによりさらに2万スイスフランの費用が発生するようですが、仮にこの仲裁により勝点剥奪処分が撤回されれば、来季の1部昇格となりますので、4万スイスフランも決して高くはないでしょう。